この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章では、Cisco Traffic Anomaly Detector(Detector モジュール)をネットワーク内で初期化するために必要な基本的作業とその管理方法について説明します。
(注) 1 Gbps 動作の Detector モジュールと 2 Gbps 動作の Detector モジュールの間には、動作および設定上の違いがあります。この章では、1 Gbps 動作と 2 Gbps 動作の違いについて説明します。特に記載がない限り、この章の情報は、両方の動作モードに適用されます。詳細については、「1 Gbps および 2 Gbps 帯域幅オプションについて」を参照してください。
コマンドライン インターフェイス(CLI)を使用して、Detector モジュールの機能を制御できます。Detector モジュールのユーザ インターフェイスはさまざまなコマンド モードに分かれていて、CLI へのアクセス権はユーザの特権レベルに対応しています。ユーザが使用可能なコマンドは、現在どのモードにいるかによって異なります。
CLI へのアクセス権は、ユーザの特権レベルに対応しています。各特権レベルには、独自のコマンドのグループがあります。
表3-1 に、ユーザの特権レベルを示します。
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監視と診断、検出、およびラーニングに関する操作にアクセスできます。dynamic 特権を持つユーザは、フレックスコンテンツ フィルタおよび動的フィルタを設定することもできます。 |
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(注) フィルタの設定はすべて、管理者の特権レベルまたは設定の特権レベルを持つユーザが実行することをお勧めします。これより下位の特権レベルしか持たないユーザも、動的フィルタを追加および削除できます。
この項では、Detector モジュール CLI で使用するコマンドおよび設定モードの概要を説明します。各コマンド モードで使用可能なコマンドのリストを入手するには、システム プロンプトで ? を入力します。
表3-2 に、Detector モジュールのコマンド モードを示します。
表3-3 に、CLI コマンドの入力規則を示します。
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more number-of-lines コマンドを入力する。 more コマンドでは、Space キーを押したときにウィンドウに表示される追加の行数が設定されます。デフォルトは、その端末で表示可能な行数より 2 行少ない行数です。 |
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(注) ルート レベルで exit コマンドを入力すると、CLI 環境が終了し、オペレーティング システムのログイン画面に戻ります。
ほとんどすべての設定コマンドに、 no 形式があります。一般に、コマンドの no 形式は、特定の機能をデイセーブルにする場合に使用します。ディセーブルになっている機能をイネーブルにするには、キーワード no を取ってそのコマンドを使用します。たとえば、 event monitor コマンドではイベント モニタが有効になり、 no event monitor コマンドでは無効になります。
ゾーン設定モードから、ゾーン関連の show コマンドを実行できます。また、これらのコマンドは、グローバル モードまたは設定モードからも実行できます。
グローバル モードまたは設定モードの show コマンドの構文は、次のとおりです。
show zone zone-name parameters
ゾーン設定モードの show コマンドの構文は、次のとおりです。
(注) このマニュアルでは、明示的な指定がない限り、ゾーン設定モードの show コマンド構文を使用します。
この項では、CLI の使用に関するヒントを提供し、次のトピックについて取り上げます。
• ヘルプの使用
• タブ補完の使用
• コマンドの省略
CLI では、コマンド階層のすべてのモードで状況依存のヘルプが用意されています。ヘルプの情報では、現在のコマンド モードで使用可能なコマンドが示され、各コマンドの簡単な説明が提供されます。
コマンドのヘルプを表示するには、そのコマンドの後ろに ? を入力します。
タブ補完を使用すると、コマンドの入力に必要な文字数を減らすことができます。コマンドの初めの文字をいくつか入力して Tab キーを押すと、コマンドを補完することができます。
複数のオプションで値を指定するコマンドを入力し、 Tab キーを 2 回押すと、使用可能な入力パラメータが表示されます。これにはシステム定義のパラメータとユーザ定義のパラメータも含まれます。たとえば、ゾーン設定モードで policy-template コマンドを入力し、 Tab キーを 2 回押すと、ポリシー テンプレート名のリストが表示されます。設定モードで zone コマンドを入力し、 Tab キーを 2 回押すと、定義済みのゾーンが表示されます。
タブ補完で複数のコマンドが一致する場合は、何も表示されず、入力した現在の行がもう一度表示されます。
タブ補完機能では、現在のモードで使用可能なコマンドのみが表示されます。
aaa authorization commands zone-completion tacacs+ コマンドを使用すると、グローバル モードと設定モードですべてのコマンド( zone コマンドや show zone コマンドなど)におけるゾーン名のタブ補完をディセーブルにできます。詳細については、「ゾーン名のタブ補完のディセーブル化」を参照してください。
コマンド構文中のキーワードの順序によって、操作の方向が規定されます。コマンドを入力する前にキーワードを入力すると、Detector モジュールは Detector モジュールからサーバにデータをコピーします。キーワードを入力する前にコマンドを入力すると、Detector モジュールはサーバから Detector モジュールにデータをコピーします。たとえば、 copy log ftp コマンドではログ ファイルが Detector モジュールから FTP サーバにコピーされます。 copy ftp new-version コマンドでは、新規ソフトウェア バージョン ファイルが FTP サーバから Detector モジュールにコピーされます。
たとえば、 learning policy-construction * コマンドを入力すると、Detector モジュールで設定されているすべてのゾーンでポリシー構築フェーズがアクティブになります。
learning policy-construction scan* コマンド を入力すると、 scan で始まる名前を持つ Detector モジュールで設定されているすべてのゾーン(scannet や scanserver など)でポリシー構築フェーズがアクティブになります。
Detector モジュールのインターフェイスを設定するには、Detector モジュールと、Detector モジュールをスイッチ ファブリックに接続する 3 つのギガビット イーサネット ポート間のマッピングを理解しておく必要があります。インターフェイスの指定子と機能は、Detector モジュールの帯域幅動作(1 Gbps または 2 Gbps)によって異なります。 表3-4 に、スーパーバイザ エンジンのポートと Detector モジュールのインターフェイス間の相関を示します。
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設定モードに入って Detector モジュールを設定するには、次のコマンドを入力します。
Detector モジュールが正しく動作するように、Detector モジュールのインターフェイスを設定する必要があります。多くの機能は、インターフェイス単位でイネーブルになります。 interface コマンドを入力するときには、インターフェイスのタイプと番号を指定する必要があります。
すべての物理インターフェイスおよび仮想インターフェイスの設定プロセスについて、次のガイドラインに従います。
• mng と識別される管理ポートには、IP アドレスと IP サブネット マスクを設定する必要があります。
• no shutdown コマンドを使用して、各インターフェイスをアクティブにする必要があります。
インターフェイスのステータスと設定を表示するには、インターフェイス設定モードで show または show running-config コマンドを入力します。
Detector モジュールをネットワークに接続するには、物理インターフェイスを設定します。
ステップ 1 設定モードで次のコマンドを入力し、インターフェイス設定モードに入ります。
if-name 引数には、 表3-5 に示されているインターフェイス名を指定します。
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ステップ 2 mng 管理ポートの場合のみ、次のコマンドを入力して、インターフェイスの IP アドレスを設定します。
ip-addr 引数および ip-mask 引数には、インターフェイスの IP アドレスを指定します。IP アドレスとサブネット マスクをドット区切り 10 進表記で入力します(たとえば IP アドレスが 192.168.100.1、サブネット マスクが 255.255.255.0)。
ステップ 3 (オプション)次のコマンドを入力して、インターフェイスの MTU を定義します。
integer 引数は、すべてのインターフェイスを対象とする 576 ~ 1800 の整数です。デフォルトの MTU の値は 1,500 バイトです。
ステップ 4 次のコマンドを入力して、インターフェイスをアクティブにします。
ステップ 5 手順 1 ~ 4 を繰り返して、残りの各物理インターフェイスを設定します。
データ ポート インターフェイスをアクティブまたは非アクティブにしたら、Detector モジュールをリロードして設定変更を有効にする必要があります。
次の例は、管理インターフェイス(mng)を設定してアクティブにする方法を示しています。
次の 1 Gbps 動作の例は、インターフェイス giga2 を設定してアクティブにする方法を示しています。
次の 2 Gbps 動作の例は、インターフェイス giga1 と giga2 を設定してアクティブにする方法を示しています。
テストを行う予定があり、データ トラフィックに使用される物理インターフェイスのカウンタにテスト セッションの情報だけを反映する場合は、このカウンタをクリアすることができます。
物理インターフェイスのカウンタをクリアするには、インターフェイス設定モードで次のコマンドを入力します。
次の 1 Gbps 動作の例は、インターフェイス giga2 のカウンタをクリアする方法を示しています。
次の 2 Gbps 動作の例は、インターフェイス giga1 と giga2 のカウンタをクリアする方法を示しています。
デフォルト ゲートウェイは、ローカル ネットワークで未知の IP アドレスを持つパケットの受信と転送を行います。ほとんどの場合、Detector モジュールのデフォルト ゲートウェイの IP アドレスは、Detector モジュールとインターネットの間に存在する隣接ルータです。デフォルト ゲートウェイ アドレスは、Detector モジュールのネットワーク インターフェイスの IP アドレスのいずれかと同じネットワーク上にある必要があります。
デフォルト ゲートウェイ アドレスを割り当てるには、設定モードで次のコマンドを入力します。
ip-addr 引数には、デフォルト ゲートウェイの IP アドレスを指定します。IP アドレスをドット区切り 10 進表記で入力します(たとえば 192.168.100.1)。
デフォルト ゲートウェイ アドレスを変更するには、このコマンドを再入力します。
次の例は、デフォルト ゲートウェイを設定する方法を示しています。
Detector モジュールのルーティング テーブルにスタティック ルートを追加できます。スタティック ルートは、Detector モジュールの IP インターフェイスに関連付けられたローカル ネットワークの外側にあるサーバやネットワークのルートを指定するために追加します。
スタティック ルートは永続的に追加され、Detector モジュールのリブート後も削除されません。
Detector モジュールのルーティング テーブルにスタティック ルートを追加するには、設定モードで次のコマンドを入力します。
ip route ip-addr ip-mask nexthop-ip [if-name]
表3-6 に、 ip route コマンドの引数を示します。
次の例は、スタティック ルートを設定する方法を示しています。
スーパーバイザ エンジンからセッションを確立し、Detector モジュールのネットワーク機能を設定した後は( 第 2 章「スーパーバイザ エンジンでの Detector モジュールの設定」 および「Detector モジュールのインターフェイスの設定」を参照)、次のいずれかの方法を使用して Detector モジュールにアクセスし、管理することができます。
• Secure Shell(SSH; セキュア シェル)のセッションを使用したアクセス。
• Web-Based Manager(WBM)を使用した Detector モジュールへのアクセス。
• MultiDevice Manager(MDM)を使用した Detector モジュールへのアクセス。
• DDoS 検知ネットワーク要素からのアクセス。詳細については、該当するマニュアルを参照してください。
• Web-Based Manager を使用した Detector モジュールの管理
• MultiDevice Manager を使用した Detector モジュールの管理
• SSH を使用した Detector モジュールへのアクセス
WBM を使用すると、Web ブラウザを使用して Web から Detector モジュールを管理できます。
WBM を使用して Detector モジュールを管理するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 設定モードで次のコマンドを入力して、WBM サービスをイネーブルにします。
ステップ 2 設定モードで次のコマンドを入力して、リモート マネージャの IP アドレスから Detector モジュールへのアクセスを許可します。
表3-7 に、 permit wbm コマンドの引数を示します。
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リモート マネージャの IP アドレス。IP アドレスをドット区切り 10 進表記で入力します(たとえば 192.168.100.1)。 |
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(オプション)サブネット マスク。サブネット マスクをドット区切り 10 進表記で入力します(たとえば 255.255.255.0)。 |
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Detector module-ip-address 引数には、Detector モジュールの IP アドレスを指定します。
Detector モジュールの WBM ウィンドウが表示されます。
(注) Web ベース管理制御をイネーブルにするには、HTTP ではなく HTTPS が使用されます。
ステップ 4 ユーザ名とパスワードを入力し、OK をクリックします。
ユーザ名とパスワードを入力すると、Detector モジュールのホームページが表示されます。
Terminal Access Controller Access-Control System Plus(TACACS+)認証が設定されている場合は、ローカル データベースの代わりに TACACS+ ユーザ データベースがユーザ認証に使用されます。TACACS+ サーバ上で高度な認証アトリビュート(パスワードの有効期限など)が設定されている場合、Detector モジュールが TACACS+ サーバ上のユーザ設定に基づいて新しいパスワードの入力を要求したり、パスワードがいつ期限切れになるかを通知したりします。
次の例は、Detector モジュール WBM をイネーブルにする方法を示しています。
WBM を使用して Detector モジュールを管理する方法については、該当する『 Cisco Web-Based Manager Configuration Guide 』を参照してください。
MultiDevice Manager(MDM)は、Web ブラウザを使用して 1 つ以上の Detector モジュールを管理できるサーバベースのアプリケーションです。MDM を使用して Detector モジュールのネットワークを管理するには、次の処理を実行します。
• ネットワーク サーバに MDM ソフトウェアをインストールし、設定します(『 Cisco DDoS MultiDevice Manager Configuration Guide 』を参照)。
• Detector モジュールで MDM サービスをイネーブルにし、MDM によるアクセスを許可します(次の手順の説明を参照)。
Detector モジュールで MDM サービスをイネーブルにするには、次の手順を実行します。
ステップ 1 設定モードで次のコマンドを入力して、MDM のサービスをイネーブルにします。
ステップ 2 設定モードで次のコマンドを入力して、MDM から Detector モジュールへのアクセスを許可します。
ip-addr 引数には、MDM サーバの IP アドレスを定義します。IP アドレスをドット区切り 10 進表記で入力します。
次の例は、MDM のサービスをイネーブルにし、MDM によるアクセスを許可する方法を示しています。
MDM を使用して Detector モジュールを管理する方法については、『 Cisco DDoS MultiDevice Manager Configuration Guide 』を参照してください。
SSH 接続を使用して、Detector モジュールにアクセスできます。SSH サービスは、デフォルトでイネーブルになっています。
SSH を使用して Detector モジュールにアクセスするには、次の手順を実行します。
ステップ 1 設定モードで次のコマンドを入力して、リモート ネットワークの IP アドレスから Detector モジュールへのアクセスを許可します。
表3-8 に、 permit ssh コマンドの引数を示します。
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リモート ネットワークの IP アドレス。IP アドレスをドット区切り 10 進表記で入力します(たとえば 192.168.100.1)。 |
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(オプション)サブネット マスク。サブネット マスクをドット区切り 10 進表記で入力します(たとえば 255.255.255.0)。 |
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ステップ 2 リモート ネットワーク アドレスから接続を確立し、ログイン ユーザ名とパスワードを入力します。
TACACS+ 認証が設定されている場合は、ローカル データベースの代わりに TACACS+ ユーザ データベースがユーザ認証に使用されます。TACACS+ サーバ上で高度な認証アトリビュート(パスワードの有効期限など)が設定されている場合、Detector モジュールが TACACS+ サーバ上のユーザ設定に基づいて新しいパスワードの入力を要求したり、パスワードがいつ期限切れになるかを通知したりします。
ログイン ユーザ名とパスワードを入力しないで SSH 接続をイネーブルにするには、次の手順を実行します。
• ローカルに設定されたログインとパスワードを認証に使用するように Detector モジュールを設定します。詳細については、「認証の設定」を参照してください。
• リモート接続 SSH の公開鍵を Detector モジュール SSH 鍵リストに追加します。詳細については、「SSH 鍵の管理」を参照してください。
次の例は、Detector モジュールへの SSH 接続をイネーブルにする方法を示しています。