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このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章では、SA-Comp/1 サービス アダプタおよび SA-Comp/4 サービス アダプタ(以下、CSA)について説明します。具体的な内容は次のとおりです。
• 「LED」
CSA は、Cisco 7200 シリーズ ルータ、および Cisco 7000 シリーズおよび Cisco 7500 シリーズ ルータに搭載された Second-generation Versatile Interface Processor(VIP2)に、ハードウェア ベースの高性能なデータ圧縮機能を提供します。次の 2 つの CSA モデルがあります。
• SA-Comp/1(=) ― メモリ構成 768 KB で、最大 64 の圧縮コンテキストに対応します(図1-1 を参照)。
• SA-Comp/4(=) ― メモリ構成 3 MB で、最大 256 の圧縮コンテキストに対応します(図1-2 を参照)。
(注) 圧縮コンテキストは、PPP リンクごとに 1 つ、およびフレーム リレー リンク上の Virtual Circuit(VC; 仮想回線)ごとに 1 つ存在します。
CSA の前面プレートには、メディア インターフェイスはありません。CSA は、ホスト シャーシに搭載されたシリアル ポート アダプタ上のインターフェイスを通過するパケットの圧縮および圧縮解除を行うことにより、圧縮および圧縮解除に関連するパケット処理の負荷をホスト プロセッサから免除します。
(注) CSA がサポートするシリアル ポート アダプタについては、「ソフトウェアおよびハードウェア要件」を参照してください。
CSA は、独立した全二重の圧縮および圧縮解除機能を備えた、同時スタッカ データ圧縮アルゴリズムに対応しています。CSA がサポートしているのは、PPP およびフレーム リレーのカプセル化だけです。
(注) VIP2 は活性挿抜(Online Insertion and Removal; OIR)に対応していますが、個々のポート アダプタおよびサービス アダプタは活性挿抜対応ではありません。ポート アダプタやサービス アダプタを交換する場合には、最初にルータから VIP2 を取り外し、そのあと必要に応じてアダプタの交換を行う必要があります。
Cisco 7200 シリーズ ルータは、すべてのポート アダプタおよびサービス アダプタ タイプの活性挿抜をサポートしています。
データ圧縮の基本的な役割は、ネットワーク リンク上で伝送されるデータ フレームの容量を小さくすることです。フレームの容量を小さくすると、そのフレームをネットワークで伝送するための所要時間が短縮されます。データ圧縮を実施するには、伝送リンクの両側に符号化方式を準備します。この符号化方式によって、リンクの送信側でデータ フレームからキャラクタを取り除き、受信側で正しく置き換えることが可能になります。圧縮されたフレームは帯域幅を少ししか使用しないので、単位時間あたりに伝送できるフレーム数が増えます。
インターネットワーキング デバイスで使用される圧縮方式は、ロスレス圧縮アルゴリズムと呼ばれます。これらの方式では、劣化も損失もなく、正確に元のビット ストリームが再生されます。ネットワーク経由でデータを転送するルータなどのデバイスには、このような機能が必要です。インターネットワーキング デバイスで最もよく使用される圧縮アルゴリズムは、スタッカ圧縮アルゴリズムおよびプレディクタ データ圧縮アルゴリズムの 2 つです。
スタッカ圧縮は、Lempel-Ziv 圧縮アルゴリズムに基づいて、STAC Electronics 社によって開発されました。スタッカ アルゴリズムは、連続するキャラクタのストリームをコードで置き換える、符号化辞書を使用します。コードによって表されるシンボルは、辞書形式のリストとしてメモリに保存されます。コードと元のシンボルとの関係は、データの種類によって異なるので、このアプローチはデータの違いに柔軟に対応します。LAN データの場合、このようなフレキシビリティは特に重要です。多くの異なるアプリケーションが同時に WAN 上で伝送される可能性があるからです。さらに、データの変化に応じて辞書を変えることにより、さまざまなトラフィックのニーズに対応できます。
プレディクタ圧縮は、Novell 社によって開発されました。プレディクタ圧縮アルゴリズムは、圧縮辞書でインデックスを使用してキャラクタ シーケンスを検索することにより、データ ストリームで次に現れるキャラクタ シーケンスを予測します。その後、データ ストリーム内の次のシーケンスを調べ、予測と一致しているかどうかを確認します。一致していれば、そのシーケンスが辞書に登録されている検索シーケンスと置き換えられます。一致しない場合、アルゴリズムはインデックスで次のキャラクタ シーケンスを探し、同じプロセスを繰り返します。インデックスは、入力ストリームから最も新しいキャラクタ シーケンスをいくつかハッシュすることにより、自動的に更新されます。
シスコ製のインターネットワーキング デバイスでは、スタッカおよびプレディクタ データ圧縮アルゴリズムが採用されています。CSA がサポートするのは、スタッカ アルゴリズムだけです。
CSA には、すべてのサービス アダプタに標準装備されている ENABLED LED と、ACTIVE LED および ERROR LED があります。システムの初期化後、CSA が動作できる状態になると、ENABLED LED が点灯します(各 LED は図1-3 を参照してください)。
ENABLED LED が点灯するには、次の条件が満たされていなければなりません。
• データ圧縮インターフェイスがバックプレーンに正しく接続され、電力を供給されていること。
• CSA を装備した VIP2 に、有効なバージョンのマイクロコードが正常にダウンロードされており、CSA を装備した VIP2 をバスが認識していること。
これらの条件のどちらかが満たされない場合、またはその他の理由によってルータが初期化に失敗した場合には、ENABLED LED は点灯しません。
図1-4 に、ポート アダプタを搭載した Cisco 7206 を示します。Cisco 7206(Cisco AS5800 ユニバーサル アクセス サーバのルータ シェルフとしての Cisco 7206 を含む)では、左下の位置がポート アダプタ スロット 1、右上の位置がポート アダプタ スロット 6 です(ここでは Cisco 7204 は示しませんが、空いている任意のポート アダプタ スロットに SA-Comp/1 および SA/Comp/4 を搭載できます)。
(注) I/O コントローラには、ファスト イーサネット ポート付きのタイプと、ファスト イーサネット ポートのないタイプがあります。Cisco 7204 および Cisco 7206 には、どちらの I/O コントローラ タイプをインストールすることもできます。
(注) Cisco 7202、Cisco 7204VXR、および Cisco 7206VXR は、CSA をサポートしていません。CSA の要件については、「ソフトウェアおよびハードウェア要件」を参照してください。
図1-4 Cisco 7206 のポート アダプタ スロット
図1-5 に、ポート アダプタまたはサービス アダプタを搭載した VIP マザーボードの一部分を示します。マザーボードを図1-5 の方向に置いた場合、左のポート アダプタはポート アダプタ スロット 0、右のポート アダプタはポート アダプタ スロット 1 に搭載されています。スロット番号は常に 0 および 1 です。
図1-5 2 つのポート アダプタを搭載した VIP マザーボード -- 水平方向
(注) Cisco 7000、Cisco 7507、および Cisco 7513 シャーシでは、VIP マザーボードは垂直方向に取り付けられています。Cisco 7010 および Cisco 7505 シャーシでは、VIP マザーボードは水平方向に取り付けられています。
図1-6 インターフェイス スロット番号 -- Cisco 7505 の場合
ここでは、サポート対象プラットフォームにおける SA-Comp/1 および SA-Comp/4 のインターフェイス アドレスの識別方法について説明します。インターフェイス アドレスは、ルータまたはスイッチにおける各インターフェイスの実際の物理的な位置を表します。
ルータに搭載した SA-Comp/1 および SA-Comp/4 上のインターフェイスは、他のポート アダプタの取り付けまたは取り外しに関係なく、同じアドレスを保ちます。ただし、別のスロットにポート アダプタを移すと、新しいポート アダプタ スロット番号を反映して、インターフェイス アドレスの最初の数字が変わります。
VIP2 に搭載した SA-Comp/1 および SA-Comp/4 上のインターフェイスは、他のインターフェイス プロセッサの取り付けまたは取り外しに関係なく、同じアドレスを保ちます。ただし、別のスロットに VIP2 を移すと、新しいインターフェイス プロセッサ スロットを反映して、インターフェイス プロセッサ スロット番号が変わります。
(注) インターフェイス ポートは、左から右に 0 から順に番号が振られています。
表1-2 に、インターフェイス アドレスの識別方法を示します。
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フォーマット |
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ポート アダプタ スロット ― 0 ~ 6(ルータのスロット数による) 1 |
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1.ポート アダプタ スロット 0 は、I/O コントローラ(使用時)のファスト イーサネット ポート用に予約されています。 |
ここでは、Cisco 7200 シリーズ ルータにおける SA-Comp/1 および SA-Comp/4 のインターフェイス アドレスの識別方法について説明します。インターフェイス アドレスは、2 つの数字で構成され、フォーマットはポート アダプタ スロット番号/インターフェイス ポート番号です。インターフェイス アドレスのフォーマットについては、 表1-2 を参照してください。
Cisco 7200 シリーズ ルータでは、ポート アダプタ スロットは左下から右上への順序で番号が付けられています。番号はポート アダプタ スロット 1 から始まり、Cisco 7202 の場合はポート アダプタ スロット 2、Cisco 7204 の場合はスロット 4、Cisco 7206 の場合はスロット 6 までです(ポート アダプタ スロット 0 は、I/O コントローラ[使用時]のファスト イーサネット ポート用です)。
ポート アダプタ スロット 1 に搭載した SA-Comp/1 または SA-Comp/4 のインターフェイス アドレスは、1/0 ~ 1/7 です(ポート アダプタ スロット 1、インターフェイス 0 ~ 7)。ポート アダプタ スロット 4 に SA-Comp/1 または SA-Comp/4 を搭載した場合には、同じインターフェイスが 4/0 ~ 4/7 というアドレスになります(ポート アダプタ スロット 4、インターフェイス 0 ~ 7)。
ここでは、Cisco 7000 シリーズおよび Cisco 7500 シリーズ ルータに搭載の VIP2 上での SA-Comp/1 および SA-Comp/4 のインターフェイス アドレスの識別方法について説明します。
(注) Cisco 7202、Cisco 7204VXR、および Cisco 7206VXR は、CSA をサポートしていません。CSA の要件については、「ソフトウェアおよびハードウェア要件」を参照してください。
(注) プロセッサ スロットは、7 スロットの Cisco 7000 および Cisco 7507、13 スロットの Cisco 7513 および Cisco 7576 では垂直方向であり、5 スロットの Cisco 7010 および Cisco 7505 では水平方向ですが、スロットおよびポートの番号の付け方は、Cisco 7000 シリーズおよび Cisco 7500 シリーズのすべてのルータで共通です。
(注) I/O コントローラには、ファスト イーサネット ポート付きのタイプと、ファスト イーサネット ポートのないタイプがあります。どちらのタイプの I/O コントローラでも、すべての Cisco 7200 シリーズ ルータに搭載できます。ただし、Cisco 7202 にファスト イーサネット ポート付きの I/O コントローラを搭載すると、このポートはシステム ソフトウェアによって自動的にディセーブルになります。
インターフェイス アドレスのフォーマットについては、 表1-2 を参照してください。インターフェイス アドレスは 3 つの数字で構成され、フォーマットは インターフェイス プロセッサ スロット 番号 /ポート アダプタ スロット番号/インターフェイス ポート番号 です。
インターフェイス プロセッサ スロット 3 に VIP2 を搭載している場合、 SA-Comp/1 および SA-Comp/4 のインターフェイス アドレスは、3/1/0 ~ 3/1/7 です(インターフェイス プロセッサ スロット 3、ポート アダプタ スロット 1、インターフェイス 0 ~ 7)。VIP2 のポート アダプタ スロット 0 にポート アダプタを搭載した場合には、同じインターフェイスのアドレスは、3/0/0 ~ 3/0/7 という番号になります。
(注) インターフェイス プロセッサ スロット 3 から SA-Comp/1 および SA-Comp/4 を搭載した VIP2(図1-6 を参照)を取り外し、その VIP2 をインターフェイス プロセッサ スロット 2 に取り付けると、インターフェイス アドレスは 2/1/0 ~ 2/1/7 になります。