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この章では、PA-MC-E3 Multi-Channel E3 Port Adapter の概要を説明します。この章で説明する内容は、次のとおりです。
PA-MC-E3 は、1 つのマルチチャネル E3、中速シリアル インターフェイスを提供します(図1-1 を参照)。
図1-1 PA-MC-E3 Port Adapter ― 前面パネル
PA-MC-E3 Port Adapter の物理 E3 リンクは、2 つのメス BNC コネクタ(受信用 [RX] および送信用 [TX] に各 1 つ)で構成されます。PA-MC-E3 インターフェイスと外部 E3 機器との接続には、オス BNC コネクタを装備した 75 Ω同軸インターフェイス ケーブルを使用する必要があります(詳細は、ケーブル、コネクタ、およびピン配置を参照)。
PA-MC-E3 は、E3 信号ストリームを 4 つのマルチチャネル E2 データ チャネルに分割し、さらに 16 の E1 回線に分割します。E3 は、CCITT/ITU G.703 物理レイヤ標準に適合する設計になっています。E3 は、E3(34.368 Mbps)データ レートでのサービスへのアクセスを提供して、データを双方向に転送します(実際のデータ レートは、ご使用の E1 回線の設定によって異なります)。
PA-MC-E3 は、E3 に関する CCITT/ITU G.751、E2 に関する G.742 と、E1 障害およびアラーム検出と応答処理に関する G.704/G.706 にも適合する設計になっています。逆多重化またはボンディングと呼ばれる、複数の E1 回線の集束による高速化機能はハードウェアではサポートされていませんが、ユーザに同等の機能を提供する CEF および MLPPP などを Cisco IOS ソフトウェアでサポートしています。
PA-MC-E3 では、障害およびアラーム検出に加えて、ステータス モニタおよび統計レポート用の SNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)をサポートします(SNMP サポートには、E1 用の RFC 1406、および E3 用の RFC 1407 も含まれます)。E3 信号ストリームは、HDB3 回線符号を使用します。E3 物理レイヤ アラームは、CCITT/ITU G.751 に応じて処理、および応答されます(これは、E1 回線でも同じです)。送信クロック ソースとしては、内部オシレータを設定することも、受信 E1 および E3 信号から復元するように設定することもできます。
16 の E1 回線(1 ~ 16)について、次の 4 種類のコンフィギュレーション オプションを設定できます。
• チャネライズド E1 ― 16 の E1 回線のうち任意の E1 回線を、チャネライズド E1 回線として設定できます。ただし、論理チャネルの合計は最大 128 に限られます。これらの E1 回線のタイムスロットを、いくつかの個別の論理チャネル グループにまとめ、各グループが異なるデータ リンク レイヤ プロトコルによってカプセル化されたデータを伝送するようにします。タイムスロット 16 をデータ チャネルとして設定できますが、通常このタイムスロットは、Common Channel Signaling(CCS; 共通線信号方式)で使用されます(音声チャネル用 Channel Associated Signaling[CAS; 個別線信号方式] およびタイムスロット 16 での E1 Facilities Data Link[FDL; ファシリティ データ リンク] はサポートされません)。
各論理チャネル グループは、個別の 64 kbps タイムスロット、タイムスロット範囲、またはその両方で構成されます。たとえば、1、9、12 ~ 14 を指定できます。各論理チャネル グループには、1 ~ 31 のタイムスロットを含められます。複数の論理チャネル グループで、同じタイムスロットを使用することはできません。使用されないタイムスロットには、プログラム可能なアイドルチャネル データを充填できます。
• PRI ISDN E1 ― E1 回線のうち任意の E1 回線を、PRI ISDN アプリケーションのサポート用に設定できます。E1 回線に PRI グループを割り当てることができます。各 PRI グループには、1 ~ 31 個のタイムスロットを含められます。30 個全部のタイムスロットを ISDN アプリケーション用に割り当てる必要はありません。タイムスロット 16 は、CCS に使用します。使用されないタイムスロットには、プログラム可能なアイドルチャネル データを充填できます。
• フラクショナル E1 ― 16 の E1 回線のうち任意の E1 回線を、フラクショナル E1 回線として設定できます。各フラクショナル E1 回線は、CCITT/ITU G.704 および G.706 に規定される E1 フレームまたは E1 Cyclic Redundancy Check(CRC; 巡回冗長検査)マルチフレームにすることができます。フラクショナル E1 回線は E1 全帯域幅のサブセットであり、n×64 kbps を使用します(n は、1 ~ 31 のタイムスロットです)。
フラクショナル E1 回線には、1 つの論理チャネル グループ(1 つの 64 kbps タイムスロット、またはタイムスロットの範囲)しか含められません。たとえば、タイムスロット 1、またはタイムスロット 15 ~ 23 を指定できます。使用されないタイムスロットには、プログラム可能なアイドルチャネル データを充填できます。
(注) E1 回線に 1 つのチャネル グループしか割り当てない場合は、フラクショナル E1 回線です。
E1 回線に複数のチャネル グループを割り当てる場合は、チャネライズド E1 回線です。
• 非フレーム E1 ― 16 の E1 回線のうち任意の E1 回線を、非フレーム E1 データ回線として設定できます。非フレーム E1 回線は、フレーミングによるオーバーヘッドがなく、タイムスロットに分割されることもありません。
2. 最大 16 の PRI ISDN E1 回線。すべての PRI が 30 の B チャネルをサポートするとは限りません。詳細については、次の(注)を参照してください。
(注) PRI ISDN コンフィギュレーションの場合、設定する E1 回線で PRI グループに割り当てる各タイムスロット(タイムスロット範囲内の各タイムスロットも含む)は、使用できる 128 の論理チャネルのうち 1 つを使用します。たとえば、PRI グループにタイムスロット範囲 1 ~ 31 を割り当てる場合、31 の論理チャネルが使用されます(30 の B チャネル + D チャネル)。一方、PRI グループに 1 ~ 15 しか割り当てない場合は、16 のタイムスロットしか使用されません。
チャネライズド、フラクショナル、および非フレーム コンフィギュレーションで、設定された各チャネル グループ(個別のタイムスロット、タイムスロット範囲、またはその両方を含む可能性がある)は、使用できる 128 の論理チャネルのうち 1 つしか使用しません。たとえば、タイムスロット 3 ~ 7 の範囲をチャネル グループに割り当てた場合、1 つの論理チャネルだけが使用されます。同様に、タイムスロット 3 だけをチャネル グループに割り当てた場合にも、1 つの論理チャネルだけが使用されます。
ポート アダプタのチャネライズド E1 部分には、オンボードの E1 Bit Error Rate Test(BERT; ビット エラー レート テスト)回路が含まれます。この回路によって、ポート アダプタ ソフトウェアは、CCITT/ITU O.151、O.152、および O.153 による擬似ランダムおよび反復テスト パターンに準拠したプログラム可能なパターンを送信および検出することができます。BERT 機能は、任意の E1 回線に対して設定可能です(特定の BERT の設定については、 E1 回線での BERT の設定を参照)。
(注) オンボードの E3 BERT は、サポートされていません。
PA-MC-E3 には、5 つのステータス LED および 1 つの ENABLE LED があります。図1-2 を参照してください。
図1-2 PA-MC-E3 の LED ― 水平方向の部分図
システムの初期設定が終了すると、グリーンの ENABLE LED が点灯し、ポート アダプタが動作可能になったことを示します。
PA-MC-E3 が使用可能になるには、次の条件が満たされていなければなりません。
• PA-MC-E3 が次のいずれかに正しく接続され、電力が供給されている。
–Cisco 7000 シリーズ ルータまたは Cisco 7500 シリーズ ルータに搭載の VIP マザーボード
–Catalyst 6000 ファミリー スイッチに搭載の Catalyst 6000 ファミリー FlexWAN モジュール
–Catalyst 5000 ファミリー スイッチに搭載の Catalyst RSM/VIP2 マザーボード
–Cisco 7304 ルータに搭載の Cisco 7304 PCI ポート アダプタ キャリア カード
–Cisco 7200 シリーズ ルータ、Cisco 7200 VXR ルータ、Cisco uBR7200 series ルータ、Cisco 7201 ルータ、または Cisco 7301 ルータのミッドプレーン
• PA-MC-E3 を搭載した VIP、Catalyst RSM/VIP2、Catalyst 6000 ファミリー FlexWAN モジュール、Cisco 7304 PCI ポート アダプタ キャリア カード、または Cisco 7200 シリーズ ルータ、Cisco 7200 VXR ルータ、Cisco uBR7200 シリーズ ルータ、Cisco 7201 ルータ、または Cisco 7301 ルータに搭載された PA-MC-E3 をバスが認識している。
上記のいずれかの条件が 1 つでも満たされていない場合、または他の理由で正しく初期設定できなかった場合には、ENABLE LED は点灯しません。
表1-1 に、LED のカラーおよび意味を示します。
(注) LED で提供されるインターフェイス ステータス情報のほかに、ルータのコンソール ポートまたは SNMP を通じて、詳細なインターフェイス ステータス情報を取得することもできます。
PA-MC-E3 のインターフェイス コネクタは、同軸 BNC タイプであり、受信用(RX)および送信用(TX)に各 1 つのコネクタおよびケーブルで構成されます。BNC コネクタは、PA-MC-E3 上のアナログ物理インターフェイスである PA-MC-E3 LIU と連結するトランスフォーマです。
PA-MC-E3 の BNC コネクタのピン配置および信号は、次のとおりです。
• 送信(TX) ― 信号は中心コンタクト上で送信されます。外部シールドは、TX BNC コネクタに接続する 75 Ω同軸ケーブルのアースです。
• 受信(RX) ― 信号は中心コンタクト上で受信されます。外部シールドは、RX BNC コネクタに接続する 75 Ω同軸ケーブルのアースです。PA-MC-E3 には内部ストラッピング オプションが含まれており、受信接続の外部シールドとアース間を分離する必要がある場合には、これを取り外します。
EMI(電磁波干渉)を軽減するために、各 75 Ω同軸ケーブルにフェライト スリーブ(別名 コモンモード チョーク )を取り付ける必要があります(シスコでは、PA-MC-E3 に接続する 2 本の 75 Ω同軸ケーブルごとに 1 つずつ、合計 2 つのフェライト スリーブを PA-MC-E3 に付属しています)。
(注) フェライト スリーブは、各同軸ケーブルの PA-MC-E3 に近い方の端で、BNC コネクタにできるだけ近い位置に取り付けます(図1-3 を参照)。
図1-4 に、PA-MC-E3 とともに使用する、一般的な 75 Ω同軸ケーブル ペアを示します。PA-MC-E3 の接続には、このタイプの同軸ケーブル ペアだけを使用してください。PA-MC-E3 の各接続(RX および TX)に、1 つの 75 ΩRG-59 同軸ケーブルを使用します。
図1-4 フェライト スリーブを取り付けた 75 ΩRG-59 同軸ケーブル ペア
(注) 送信ケーブルおよび受信ケーブルは、図1-4 に示すように、ケーブル長全体にわたって束ねておくことを強く推奨します。そうすることで、EMI の影響を低減できます。標準的な熱収縮チューブまたはケーブル タイを使用してください。
フェライト ビードがすでに取り付けられている 75 Ω同軸ケーブル ペアをシスコに発注することもできます(シスコ製品番号:CAB-ATM-DS3/E3 ― 図1-5 を参照)。この 75 Ω同軸ケーブル ペアは、他のケーブル ベンダーからは 入手できません 。
図1-5 CAB-ATM-DS3/E3 ケーブル ― BNC コネクタ付き 75 ΩRG-59 同軸ケーブル
ここでは、サポート対象プラットフォーム上でのポート アダプタのスロット位置について説明します。各プラットフォームのスロット位置を図で示します。
• 「Catalyst 6000 ファミリー FlexWAN モジュールのスロット番号」
• 「Cisco 7100 シリーズ ルータのスロット番号」
• 「Cisco 7200 シリーズ ルータおよび Cisco 7200 VXR ルータのスロット番号」
• 「Cisco uBR7200 シリーズ ルータのスロット番号」
• 「Cisco 7304 PCI ポート アダプタ キャリア カードのスロット番号」
• 「Cisco 7000 シリーズ ルータおよび Cisco 7500 シリーズ ルータの VIP スロット番号」
Catalyst RSM/VIP2 は、Catalyst 5000 ファミリー スイッチの最上段のスロット(スーパバイザ エンジン モジュールを搭載)を除くスロットに搭載できます。Catalyst RSM/VIP2 はインターフェイス プロセッサ スロット番号を使用しません。したがって、搭載されたスロットではスロット番号は記載されていません。ポート アダプタは、Catalyst RSM/VIP2 のポート アダプタ スロット 0 または 1 のどちらかに搭載できます。 は、2 つのポート アダプタを搭載した Catalyst RSM/VIP2 を示しています。
(注) Catalyst 5500 スイッチには、13 のスロットがあります。スロット 1 は、スーパバイザ エンジン モジュール専用です。冗長スーパバイザ エンジン モジュールを使用する場合は、スロット 2 に取り付けます。使用しない場合、スロット 2 は他のモジュールに使用できます。スロット 13 は、ATM スイッチ プロセッサ モジュールの専用スロットです。Catalyst RSM/VIP2 のスロットに関するその他の制約については、『Catalyst 5000 Series Route Switch Module Installation and Configuration Note』を参照してください。
図1-6 Catalyst RSM/VIP2 にポート アダプタを搭載した Catalyst 5000 ファミリー スイッチ
Catalyst 6000 ファミリー FlexWAN モジュールは、Catalyst 6000 ファミリー スイッチのスーパバイザ エンジン専用のスロット 1 を除く任意のスロットに搭載できます。ポート アダプタは、FlexWAN モジュール上のポート アダプタ ベイ 0 または 1 のどちらかに搭載できます。図1-7 は、2 つのブランク ポート アダプタを搭載した FlexWAN モジュールを示しています。
(注) スロット 1 は、スーパバイザ エンジン専用です。冗長スーパバイザ エンジンを使用する場合は、スロット 2 に取り付けます。使用しない場合、スロット 2 は、他のモジュールに使用できます。
図1-7 FlexWAN モジュールにポート アダプタを搭載した Catalyst 6000 ファミリー スイッチ
Cisco 7120 シリーズ ルータのポート アダプタ スロット 3、および Cisco 7140 シリーズ ルータのポート アダプタ スロット 4 に、ポート アダプタを搭載できます。図1-8 は、Cisco 7120 シリーズ ルータのスロット番号を示しています。図1-9 は、Cisco 7140 シリーズ ルータのスロット番号を示しています。
図1-8 Cisco 7120 シリーズ ルータのポート アダプタ スロット
図1-9 Cisco 7140 シリーズ ルータのポート アダプタ スロット
Cisco 7202 ルータには、ポート アダプタ用スロットが 2 つあります。スロットは、左から右に番号が付けられています。ポート アダプタは、どちらのスロット(スロット 1 またはスロット 2)にも取り付けることができます。Cisco 7202 ルータの図はありません。
Cisco 7204 ルータおよび Cisco 7204VXR ルータには、ポート アダプタ用スロットが 4 つ、input/output(I/O; 入力/出力)コントローラ用スロットが 1 つあります。スロットは左下から右上に番号付けられ、スロット 1 からスロット 4 になります。ポート アダプタは、任意のスロット(スロット 1 ~ 4)に取り付けることができます。スロット 0 は、常に I/O コントローラ専用です。Cisco 7204 ルータおよび Cisco 7204VXR の図はありません。
Cisco 7206 ルータおよび Cisco 7206VXR ルータ(Cisco AS5800 ユニバーサル アクセス サーバに搭載のルータ シェルフとしての Cisco 7206 および Cisco 7206VXR ルータを含む)には、ポート アダプタ用スロットが 6 つ、I/O コントローラ用スロットが 1 つあります。スロットは左下から右上に番号が付けられ、スロット 1 からスロット 6 になります。ポート アダプタは、6 つのスロットのうち、任意のスロット(スロット 1 ~ 6)に取り付けることができます。スロット 0 は、常に I/O コントローラ専用です。図1-10 は、Cisco 7206 ルータのスロット番号を示しています。Cisco 7206VXR ルータの図はありません。
図1-10 Cisco 7206 ルータのポート アダプタ スロット
Cisco uBR7223 ルータには、ポート アダプタ用スロットが 1 つあります(スロット 1)。スロット 0 が存在する場合、常に I/O コントローラ専用になります。Cisco uBR7223 ルータの図はありません。
Cisco uBR7246 ルータおよび Cisco uBR7246VXR ルータには、ポート アダプタ用スロットが 2 つがあります(スロット 1 およびスロット 2)。スロット 0 が存在する場合、常に I/O コントローラ専用になります。図1-11 は、Cisco uBR7246 ルータまたは Cisco uBR7246VXR ルータのポート アダプタのスロット番号を示しています。
図1-11 Cisco uBR7246 および Cisco uBR7246VXR ルータのポート アダプタ スロット
図1-12 に、ポート アダプタを搭載した Cisco 7201 ルータの前面図を示します。Cisco 7201 ルータには、ポート アダプタ用スロットが 1 つしかありません(スロット 1)。
図1-12 Cisco 7201 ルータのポート アダプタ スロット
図1-13 に、ポート アダプタを搭載した Cisco 7301 ルータの前面図を示します。Cisco 7301 ルータには、ポート アダプタ用スロットが 1 つしかありません(スロット 1)。
図1-13 Cisco 7301 ルータのポート アダプタ スロット
Cisco 7304 PCI ポート アダプタ キャリア カードは、Cisco 7304 ルータのモジュール スロット 2 ~ 5 に取り付けます。図1-14 に、ポート アダプタを搭載した Cisco 7304 PCI ポート アダプタ キャリア カードを示します。Cisco 7304 PCI ポート アダプタ キャリア カードには、シングル幅のポート アダプタを 1 つ取り付けることができます。図1-15 は、Cisco 7304 ルータのモジュール スロット番号を示しています。ポート アダプタのスロット番号は、モジュールのスロット番号と同じです。スロット 0 とスロット 1 は、NPE モジュールまたは NSE モジュール専用です。
図1-14 Cisco 7304 PCI ポート アダプタ キャリア カード ― ポート アダプタを搭載
図1-15 Cisco 7304 ルータのモジュール スロット
ポート アダプタは、Cisco 7000 シリーズおよび Cisco 7500 シリーズ ルータで使用されている VIP(Versatile Interface Processor)でサポートされています。Cisco 7010 ルータおよび Cisco 7505 ルータの場合、VIP スロットに VIP マザーボードを水平方向に搭載します。Cisco 7507 ルータおよび Cisco 7513 ルータの場合、VIP スロットに VIP マザーボードを垂直方向に搭載します。ポート アダプタは、VIP のどちらのベイにも搭載できます(ポート アダプタ スロット 0 または 1)。ベイは、VIP 上で左から右に番号が付けられています。図1-16 に、VIP 上のスロット番号を示します。
Cisco 7010 ルータにはポート アダプタ用スロットが 3 つ、Route Switch Processor(RSP)用スロットが 2 つあります。スロットは、下から上へ番号が付けられています。ポート アダプタは、任意の VIP インターフェイス スロット(スロット 0 ~ 2)に取り付けることができます。スロット 3 および 4 は、常に RSP 専用です。Cisco 7010 ルータの図はありません。
Cisco 7505 ルータには、ポート アダプタ用スロットが 4 つ、RSP 用スロットが 1 つあります。スロットは、下から上へ番号が付けられています。ポート アダプタは、任意の VIP インターフェイス スロット(スロット 0 ~ 3)に取り付けることができます。1 つのスロットは、常に RSP 専用です。図1-17 は、Cisco 7505 ルータのスロット番号を示しています。
図1-17 Cisco 7505 ルータの VIP スロット
Cisco 7507 ルータには、ポート アダプタ用スロットが 5 つ、RSP 用スロットが 2 つあります。スロットは、左から右に番号が付けられています。ポート アダプタは、任意の VIP インターフェイス スロット(スロット 0、1、4、5、または 6)に取り付けることができます。スロット 2 および 3 は、常に RSP 専用です。Cisco 7507 ルータの図はありません。
Cisco 7513 ルータには、ポート アダプタ用スロットが 11、RSP 用スロットが 2 つあります。スロットは、左から右に番号が付けられています。ポート アダプタは、任意の VIP インターフェイス スロット(スロット 0 ~ 5、またはスロット 9 ~ 12)に取り付けることができます。スロット 6 および 7 は、常に RSP 専用です。Cisco 7513 ルータの図はありません。
ここでは、サポート対象プラットフォームで PA-MC-E3 のインターフェイス アドレスを識別する方法について説明します。インターフェイス アドレスで、ルータまたはスイッチ上の各インターフェイスの物理位置を指定します。
ルータに搭載された PA-MC-E3 のインターフェイスは、他のポート アダプタの取り付けまたは取り外しに関係なく、常に同じアドレスを維持します。ただし、ポート アダプタを別のスロットに移した場合は、インターフェイス アドレスの最初の数値が新しいポート アダプタ スロット番号に変わります。
VIP または FlexWAN モジュールに搭載された PA-MC-E3 のインターフェイスは、他のインターフェイス プロセッサまたはモジュールの取り付けまたは取り外しに関係なく、常に同じアドレスを維持します。ただし、VIP または FlexWAN モジュールを別のスロットに移した場合は、インターフェイス プロセッサまたはモジュールのスロット番号が新しいインターフェイス プロセッサまたはモジュールのスロット番号に変わります。
(注) インターフェイス ポートは、0 から始まり、左から右に向かって、順に番号が付けられています。
次のサブセクションでは、サポート対象のプラットフォームのインターフェイス アドレスの形式について説明します。
• 「Catalyst RSM/VIP2 のインターフェイス アドレス」
• 「Catalyst 6000 ファミリー FlexWAN モジュールのインターフェイス アドレス」
• 「Cisco 7200 シリーズ ルータおよび Cisco 7200 VXR ルータのインターフェイス アドレス」
• 「Cisco uBR7200 シリーズ ルータのインターフェイス アドレス」
• 「Cisco 7201 ルータのインターフェイス アドレス」
• 「Cisco 7301 ルータのインターフェイス アドレス」
• 「Cisco 7304 PCI ポート アダプタ キャリア カードのインターフェイス アドレス」
• 「Cisco 7000 シリーズ ルータおよび Cisco 7500 シリーズ ルータの VIP インターフェイス アドレス」
表1-2 に、サポート対象プラットフォームのインターフェイス アドレスの形式をまとめています。
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Catalyst 6000 ファミリー |
モジュール スロット ― 2 1 ~ 13(スイッチのスロット数によって異なる) |
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ポート アダプタ スロット ― 1 ~ 6(ルータのスロット数によって異なる) 2 |
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ポート アダプタ スロット ― 常に 1 2 |
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ポート アダプタ スロット ― 常に 1 または 2 2 |
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1.スロット 1 は、スーパバイザ エンジン専用です。冗長スーパバイザ エンジンを使用する場合は、スロット 2 に取り付けます。使用しない場合、スロット 2 は他のモジュールに使用できます。 |
Catalyst 5000 ファミリー スイッチの場合、Catalyst RSM/VIP2 は、最上段のスロット(スーパバイザ エンジン モジュールを搭載)を除く任意のスロットに搭載できます。Catalyst 5000 ファミリー スイッチの Catalyst RSM/VIP2 は、インターフェイス プロセッサ スロット番号を使用しません。したがって、搭載されたスロットではスロット番号は記載されていません。ポート アダプタは、Catalyst RSM/VIP2 のポート アダプタ スロット 0 またはスロット 1 のいずれかに搭載できます。 を参照してください。
インターフェイス アドレスは 2 つの番号からなり、形式は、 ポート アダプタ スロット 番号 /インターフェイス ポート番号 です。 表1-2 を参照してください。たとえば、Catalyst 5000 ファミリー スイッチの Catalyst RSM/VIP2 のポート アダプタ スロット 1 にシングルポートの PA-MC-E3 を搭載した場合、インターフェイス アドレスは 1/0 になります。
Catalyst 6000 ファミリー スイッチの場合、Catalyst 6000 ファミリー FlexWAN モジュールをモジュール スロットの 2 ~ 13 に搭載できます(ルータのスロット数によって異なる)。スロット 1 は、スーパバイザ エンジン専用です。ポート アダプタは、FlexWAN モジュールのポート アダプタ ベイ 0 またはベイ 1 に搭載できます。図1-7 を参照してください。
インターフェイス アドレスは、3 つの番号からなり、形式は、 モジュール番号/ポート アダプタ ベイ番号/インターフェイス ポート番号 です。 表1-2 を参照してください。
最初の番号は、FlexWAN モジュールが搭載されているシャーシのモジュール スロットを示しています(シャーシのスロット数に応じてスロット 2 ~ 3、6、9、または 13)。これらのモジュール スロットは、通常、上から下へ、1 から番号が付けられています。
2 番めの番号は、ポート アダプタが搭載されている FlexWAN モジュールのベイ(0 または 1)を示しています。FlexWAN モジュール上のベイは左から右に番号が付けられています。
3 番めの番号は、ポート アダプタの物理ポート番号を示しています。PA-MC-E3 ポート アダプタはシングルポート ポート アダプタなので、ポートは常に 0 になります。
たとえば、FlexWAN モジュールをモジュール スロット 3 に挿入した場合、ポート アダプタのインターフェイス アドレスは 3/0/0(モジュール スロット 3、ポート アダプタ ベイ 0、インターフェイス 0)です。ポート アダプタを FlexWAN モジュールのポート アダプタ ベイ 1 に搭載した場合、この同じインターフェイス アドレスが 3/1/0 と番号付けられます。ポート アダプタが取り付けられた FlexWAN モジュールをモジュール スロット 3から取り外し、モジュール スロット 6 に取り付ける場合、インターフェイス アドレスが 6/0/0 になります。
(注) FlexWAN モジュールの物理ポート アドレスは、従来から使用されている Catalyst 6000 ファミリーの 1 ベースのポート アドレスではなく、ゼロ(0)ベースのポート アドレスです。
Cisco 7200 シリーズ ルータおよび Cisco 7200 VXR ルータでは、ポート アダプタ スロットが左下から右上に番号が付けられ、Cisco 7202 の場合はスロット 1 からスロット 2、Cisco 7204 および Cisco 7204VXR の場合はスロット 1 からスロット 4、Cisco 7206 および Cisco 7206VXR の場合はスロット 1 からスロット 6 になります。ポート アダプタは、スロット 1 ~ 6 の任意のポート アダプタ スロットに搭載できます(ルータのスロット数によって異なる)(スロット 0 は、I/O コントローラ専用です)。図1-10 を参照してください。
インターフェイス アドレスは、2 つの番号からなり、形式は、 ポート アダプタ スロット番号/インターフェイス ポート番号 です。 表1-2 を参照してください。たとえば、Cisco 7200 シリーズ ルータのスロット 1 にシングルポート PA-MC-E3 を搭載した場合、インターフェイス アドレスは 1/0 になります。スロット 4 にシングルポート PA-MC-E3 を搭載した場合、インターフェイス アドレスは 4/0 になります。
Cisco uBR7223 ルータの場合、ポート アダプタを取り付けることができるのは 1 つのスロットだけです(スロット 1)。
Cisco uBR7246 ルータおよび Cisco uBR7246VXR ルータでは、2 つのポート アダプタ スロットにポート アダプタを搭載できます(スロット 1 およびスロット 2)。スロット 0 が存在する場合、常に I/O コントローラ専用になります。図1-11 を参照してください。
インターフェイス アドレスは、2 つの番号からなり、形式は、ポート アダプタ スロット番号/インターフェイス ポート番号です。 表1-2 を参照してください。たとえば、Cisco uBR7223 シリーズ ルータのスロット 1 にシングルポート ポート アダプタを搭載した場合、インターフェイス アドレスは 1/0 になります。Cisco uBR7246 または Cisco uBR7248VXR ルータのスロット 2 にシングルポート ポート アダプタを搭載した場合、インターフェイス アドレスは 2/0 になります。
Cisco 7201 ルータの場合、ポート アダプタを取り付けることができるのは 1 つのスロットだけです(スロット 1)。図1-12 を参照してください。
インターフェイス アドレスは、2 つの番号からなり、形式は、 ポート アダプタ スロット番号/インターフェイス ポート番号 です。 表1-2 を参照してください。たとえば、Cisco 7201 ルータにシングルポート PA-MC-E3 を搭載した場合、インターフェイス アドレスは 1/0 になります。
Cisco 7301 ルータの場合、ポート アダプタを取り付けることができるのは 1 つのスロットだけです(スロット 1)。図1-13 を参照してください。
インターフェイス アドレスは、2 つの番号からなり、形式は、 ポート アダプタ スロット番号/インターフェイス ポート番号 です。 表1-2 を参照してください。たとえば、Cisco 7301 ルータにシングルポート PA-MC-E3 を搭載した場合、インターフェイス アドレスは 1/0 になります。
Cisco 7304 ルータでは、ポート アダプタは Cisco 7304 PCI ポート アダプタ キャリア カードに取り付けられます。Cisco 7304 PCI ポート アダプタ キャリア カードは、Cisco 7304 ルータのモジュール スロット 2 ~ 5 に取り付けます。ポート アダプタのスロット番号は、モジュールのスロット番号と同じです。図1-15 を参照してください。
インターフェイス アドレスは、2 つの番号からなり、形式は、 モジュール スロット番号/インターフェイス ポート番号 です。 表1-2 を参照してください。たとえば、Cisco 7304 ルータのモジュール スロット 3 の Cisco 7304 PCI ポート アダプタ キャリア カードにシングルポート PA-MC-E3 を搭載した場合、インターフェイス アドレスは 3/0 になります。
Cisco 7000 シリーズ ルータおよび Cisco 7500 シリーズ ルータの場合、ポート アダプタは VIP に取り付けられます。VIP はインターフェイス プロセッサ スロット 0 ~ 12 に取り付けます(ルータのスロット数によって異なる)。ポート アダプタは、VIP のどちらのベイにも搭載できます(ポート アダプタ スロット 0 または 1)。図1-16 および図1-17 を参照してください。
VIP のインターフェイス アドレスは、3 つの番号からなり、形式は、 インターフェイス プロセッサ スロット番号/ポート アダプタ スロット番号/インターフェイス ポート番号 です。 表1-2 を参照してください。
最初の番号は、VIP が搭載されているスロットを示しています(スロット 0 ~ 12、ルータのスロット数によって異なる)。
2 番めの番号は、ポート アダプタが搭載された VIP のベイ(ポート アダプタ スロット)を示しています。ベイは、VIP 上で左から右に番号が付けられています。
3 番めの番号は、ポート アダプタの物理ポート番号(インターフェイス ポート番号)を示しています。ポート番号は常に 0 から始まり、左から右に番号が付けられています。追加のポート数は、ポート アダプタ上のポート数によって異なります。PA-MC-E3 ポート アダプタはシングルポート ポート アダプタなので、ポートは常に 0 になります。
たとえば、インターフェイス プロセッサ スロット 3、ポート アダプタ スロット 1 の VIP にシングルポート PA-MC-E3 を搭載した場合、インターフェイス アドレスは 3/1/0 になります。VIP のポート アダプタ スロット 0 に PA-MC-E3 を搭載した場合、同じインターフェイス アドレスは 3/0/0 になります。
(注) 7 スロット Cisco 7507 および 13 スロット Cisco 7513 シャーシのプロセッサ スロットでは垂直方向ですが、5 スロット Cisco 7010 および Cisco 7505 シャーシでは水平方向です。スロットおよびポート番号の付け方は、すべての Cisco 7500 シリーズ ルータで共通です。