Cisco Vision Dynamic Signage ソリューション
動作とネットワークの要件
バージョン 1.2
2018 年 2 月
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目次
マニュアルの対象読者............................................................................................................................... 5
関連資料.................................................................................................................................................. 5
マニュアルの変更履歴........................................................................................................................... 6
Cisco Vision Dynamic Signage コンポーネントの概要.......................................................................... 7
Cisco Vision Dynamic Signage Director........................................................................................... 8
Digital Media Player......................................................................................................................... 10
Cisco Digital Network...................................................................................................................... 12
ビデオ ヘッドエンド........................................................................................................................ 13
導入モデル............................................................................................................................................ 14
オンプレミス.................................................................................................................................... 14
複数施設............................................................................................................................................ 14
ソリューションの動作と配置の詳細.................................................................................................. 19
ネットワークへの Cisco Vision Dynamic Signage Director の接続............................................. 19
有線ネットワークへの DMP の接続................................................................................................ 21
802.3at Power over Ethernet..................................................................................................... 21
LLDP の役割.................................................................................................................................. 22
スイッチ ポートのシビック ロケーションの役割...................................................................... 25
DMP の自動登録用の DHCP オプションの役割......................................................................... 26
Cisco Network Registrar での DHCP オプションの設定....................................................... 29
同期のための NTP と PTP の役割............................................................................................... 34
Wi-Fi ネットワークへの DMP の接続............................................................................................. 46
Cisco Vision Dynamic Signage Directorでの DMP の設定........................................................ 47
IP マルチキャストの役割................................................................................................................. 49
概要................................................................................................................................................ 49
DMP の制御とコンテンツの同期への IP マルチキャストの使用.............................................. 50
IP マルチキャスト ソースとしての DMP の使用....................................................................... 53
プロトコルに依存しないマルチキャスト(PIM)...................................................................... 57
DMP 制御のためのエニーキャストの使用.................................................................................. 57
Nexus 7000 コア スイッチ.............................................................................................. 59
Catalyst アクセス スイッチ.............................................................................................. 60
Prioritycast および DCM アクティブ/スタンバイ冗長化の使用................................................ 60
動作と設定................................................................................................................................. 62
Nexus 7000 コア スイッチ.............................................................................................. 63
VDS01:プライマリ(アクティブ)................................................................................ 63
VDS02:セカンダリ(スタンバイ)................................................................................ 64
VDS スイッチの QoS 設定............................................................................................... 65
IP マルチキャストのトラブルシューティング............................................................................ 66
このドキュメントでは、Cisco Vision Dynamic Signage ソリューションのコンポーネントについて詳しく説明するとともに、このソリューションを正常に導入するにはネットワークに何が必要かを示します。
このドキュメントは、シスコのエンジニアとプロダクト マネージャ、およびシスコ パートナーを対象としています。さらに、テクニカル セールスおよびマーケティングの担当者は、このソリューションの実装に必要なコンポーネントをお客様に理解していただく際に、このドキュメントをマスター リファレンス ガイドとして使用することができます。
• Cisco Vision Software Installation and Upgrade Guide
• Cisco Vision Administration Guide
• Cisco Vision Dynamic Signage Director Operations Guide
Borderless Campus Network Design Guide
Medianet Campus QoS Design 4.0
SAFE - Network Foundation Protection
Cisco Design Zone(トップレベルの設計ホーム ページ)
表 1. マニュアルの変更履歴
日付 |
リビ |
注 |
11/1017 |
1.0 |
Cisco Vision 固有の設計コンポーネントを『Connected Venue Guide』、『Connected Venue Wi-Fi』、および『Connected Stadium Video Headend Design Guide』から再パッケージ化しました。 |
1/16/18 |
1.1 |
「ネットワークの要件」の章のタイトルを「ソリューションの動作と導入の詳細」に変更しました。 わかりやすくするため、新しい図を追加し、複数の図を更新しました。 |
2/13/18 |
1.2 |
マルチサイト導入モデルの図を更新し、外見に一貫性を持たせました。技術的な内容に変更はありません。 ゾーンベースの同期化をわかりやすくしました。 |
この項では、Cisco Vision Dynamic Signage ソリューションのコンポーネントと動作について簡単に説明します。
Cisco Vision Dynamic Signage ソリューションは、複数の送信元から施設の異なるエリアへの、標準画質(SD)から Ultra HD(4K)に至るまでのカスタマイズされた動的コンテンツの統合と自動配信を可能にします。このソリューションは、訪問者のエクスペリエンスを向上させるとともに、魅力的で心を動かし、動的に更新されるコンテンツを使用することで、的を絞った広告を通じてさらに多くの収入源を施設にもたらすように設計されています。
Cisco Vision Dynamic Signage ソリューションは次の 4 つの主要コンポーネントで構成されています。
● コンテンツの管理と運用を一元化するための Cisco Vision Dynamic Signage Director
● コンテンツを再生するための Digital Media Player
● コンテンツを送信するための IP インフラストラクチャの基盤である Cisco Digital Network
● ビデオの集約と配信のためのビデオ ヘッドエンド
注:StadiumVision はスポーツ以外の垂直市場でもサポートされるようになったため、Cisco Vision という新しい名前になりました。
図 1:Cisco Vision Dynamic Signage のコンポーネント
Cisco Vision Dynamic Signage Director は、Cisco Vision Dynamic Signage ソリューションを一元的に管理および運用できるようにします。すべての Digital Media Player(DMP)のエンドポイントの管理、コンテンツ(ビデオ、グラフィック、および外部コンテンツ)の配置と配信、一意の表示領域(ゾーンとグループ)の定義、およびエンタイトルメント エリア(バー、レストラン、クラブ、スイートルーム)の作成を管理するためのシングル ポイントとして機能します。また、スコアボードや統計システム、外部接続クロージャーや IP トリガー システム、サードパーティ製タッチ パネル(ローカル ディスプレイ制御用)など、サードパーティ製のアプリケーションやデバイスとのインターフェイスとしても機能します。
図 2:Cisco Vision Dynamic Signage Director の概要
図 3:Cisco Vision Dynamic Signage Director の機能の概要
Digital Media Player(DMP)は、施設の接続されたそれぞれのディスプレイに静的コンテンツと動的コンテンツをレンダリングし、表示します。4K ビデオ解像度をサポートするだけでなく、DMP は 802.3at Power over Ethernet を搭載でき、デュアル ビデオ リージョン、ビデオ ウォールと仮想リボンボードの同期化、HTML5 コンテンツのレンダリングもサポートします。さらに DMP は HDMI 2.0a 入力を介してライブ TV の再生をサポートし、保護された HDCP コンテンツも含め、あらゆるブロードキャスト チャンネルからのコンテンツも再生できます。また、DMP は内蔵 Wi-Fi でも使用可能で、モバイル キオスクにあるようなディスプレイまでの到達が困難なデジタル コンテンツを配信できるようにします。
図 4:Cisco Vision 用の BRIGHTSIGN CV UHD DMP
表 1:Digital Media Player の比較チャート
図 5:CV-UHD 前面パネルの概要
図 6:CV UHD 背面パネルの概要
シスコのデジタル ネットワークは、ビデオ ヘッドエンドを DMP に接続するだけでなく、通常は建物のすべての IP エンドポイントを相互に接続するとともに、外部とも相互接続します。Cisco Vision Dynamic Signage ソリューションには、すべての形式のアクセス、通信、エンターテイメント、および運用をまとめるための低遅延性と冗長性をもたらすように特に設計された、統合型の拡張性の高い、セキュアなデジタル ネットワークが必要です。このインフラストラクチャは、IP マルチキャストと Quality of Service(QoS)の高度な機能を使用して高品質ビデオの配信を可能にするように設計されています。また、このネットワークは、ワイヤレス通信、フィジカル セキュリティ、IP テレフォニー、ネットワーク オーディオ、POS(Point of Sales)通信など、施設内の他のサービスを可能にする基盤としても機能します。
図 7:Cisco Digital Network
ヘッドエンドでは、(施設のビデオ制御室を通じた)社内フィード、(通常はローカルの無線ブロードキャスト ネットワークからの)無線チャネル、およびケーブル プロバイダーまたは衛星プロバイダーからのブロードキャスト チャネルなど、さまざまな送信元からビデオを受信しており、ビデオ フィードを IP ネットワークに最小遅延で配信する役割を担っています。ビデオ フィードは Ultra HD、HD、または SD の解像度で提供され、また、暗号化形式または暗号化されていない形式で提供される場合があります。
Cisco Vision Dynamic Signage ソリューションのヘッドエンドはこれらすべてのフィードに対応するように設計され、必要なエンコーディング、トランスコーディング、および抽出を行って H.264(MPEG-4、Part 10)、H.265(HEVC)、またはレガシー MPEG-1、MPEG-2 のエンコード型ストリームを作成します。次にヘッドエンドは処理されたストリームを取得し、一意の IP マルチキャスト アドレスをそれぞれに割り当てて、チャネルとして Digital Media Player(DMP)のエンドポイントが参加する IP ネットワークに配置します。
図 8:ビデオ ヘッドエンドの概要
オンプレミス導入モデルは、サーバと、エンタープライズ キャンパス ネットワークに接続されているその関連エンドポイントを備えたエンタープライズ クライアント/サーバ モデルに似ています。Cisco Vision Dynamic Signage Director サーバは通常、データ センターやビデオ配信サービス ブロック(つまり、ビデオ ヘッドエンド)内に存在し、多くの場合は、さまざまなビデオ入力ソース フィードすべてが施設に入るブロードキャスト ルーム近くに配置されています。
複数施設導入モデルは、Dynamic Signage Director が中央のロケーションに配置され、DMP がローカルと WAN からリモートのロケーションまで分散されているモデルです。
図 9:導入モデルの概要
この項では、WAN の設定方法について説明します。詳細については、『Cisco Vision Dynamic Signage Director Server Administration Guide』の「Configuring Dynamic Signage Director for Multiple Venue Support」の項を参照してください。
図 10:複数施設導入モデル:マルチキャスト通信
上の図は、Cisco Vision Dynamic Signage Director とローカルおよびリモートの DMP 間でのマルチキャスト通信を示しています。
次の図に、ポイントツーポイント WAN リンクを介したマルチキャストを可能にするために必要なコマンドと、リモートの施設のスイッチで必要なその他のコマンドを示します。
図 11:Cisco Vision Dynamic Signage Director でのポイントツーポイント WAN リンクを介したマルチキャスト ルーティング
次の図に、マルチキャスト ルーティングを可能にする中央とリモートの DSD サーバ間、およびリモート施設と中央の PIM ランデブー ポイント(RP)間のユニキャスト ルーティングを有効にする固有のコマンドを示します。
図 12:ポイントツーポイント WAN リンクを介した DSD ユニキャスト ルーティング
次の図に、ルーテッド WAN(プライベート MPLS ネットワークなど)を介してユニキャストとマルチキャストの両方のルーティングを可能にするために使用するコマンドを示します。Multipoint Generic Route Encapsulation(mGRE)トンネルを使用して WAN 上に VPN を作成し、中央とリモートの施設間のマルチキャストを有効にします。
注:中央とリモートの施設間の mGRE トンネルは、マルチキャストがルーテッド WAN でサポートされている場合は必要ありません。WAN がパブリック ネットワーク(インターネットなど)の場合は、データ プライバシーに IPsec が使用されることがあります。
図 13:GRE トンネルを介した DSD マルチキャスト ルーティング
冗長性を得るために、Cisco Vision Dynamic Signage Director は 2 台のベア メタル サーバまたは仮想サーバにインストールされます。この場合、1 台のサーバはプライマリ アクティブ サーバとして動作し、もう 1 台はセカンダリ バックアップ サーバとして動作します。障害が発生した場合は、バックアップ サーバをアクティブ サーバになるように設定することはできますが、フェールオーバー プロセスは自動的に実行されません。
両方のサーバが同じ VLAN に存在し、次の図に示すように、それぞれが独自のスイッチに適切に接続されている必要があります。HSRP はデフォルト ゲートウェイの冗長性を提供するように設定する必要があります。Cisco Vision Dynamic Signage Director サーバは通常、データ センター内に設置されます。
図 14:Cisco Vision サーバ設定の概要
プライマリ サーバとセカンダリ サーバは、同じサブネット上で 2 つの異なる IP アドレスを持つ独立したホストとして扱われます。
セカンダリ サーバは、障害が発生した場合にプライマリのバックアップとして利用可能になるようにネットワークに接続されるにすぎません。さらに、セカンダリ サーバは、ウォーム スタンバイとして準備できるように、プライマリ サーバからのデータで定期的にバックアップされるように設定することができます(そうする必要があります)。
プライマリ サーバに障害が発生した場合は、バックアップからセカンダリ サーバを復元し、プライマリ サーバをシャットダウンしてセカンダリ サーバの IP アドレスをプライマリ サーバの IP アドレスに変更してから、セカンダリ サーバをサービスに投入します。このプロセスは手動で行います。
注:通常、コア スイッチへのサーバの接続は推奨されません。ただし、データ センターのスイッチがネットワークに使用されていない場合にこの接続が行われる場合があります。主な要件としては、Cisco Vision Dynamic Signage Directors が接続されている 2 つのスイッチ間にレイヤ 2 接続が必要です。
さらに、Cisco Vision Dynamic Signage Director は VDS スイッチに接続されることがありますが、これによって VDS スイッチがシングル ポイント障害となるため、推奨される接続シナリオではありません。
次の URL で HSRP の設定情報を入手できます。
アクセス レイヤ スイッチは PoE+ とも呼ばれるポートあたり最大 30W をサポートする高電力 IEEE 802.1at Power over Ethernet に対応している必要があります。新しい 3700 シリーズ アクセス ポイントとシリーズ 2 およびシリーズ 3 の Digital Media Player でその新しい機能を利用するには 30W の電力が必要です。また、アクセス レイヤ スイッチには最も高いワット数の電源を常備しておく必要があるため、スイッチ モデルを選択する場合は必要な数の PoE+ ポートをスイッチがサポートできるように慎重に検討する必要があります。
図 15:802.3at Power over Ethernet と LLDP の役割
Cisco Vision DMP では標準的な Link Layer Discovery Protocol(LLDP)をサポートしています。この機能により、スイッチと DMP は LLDP メッセージを交換することによって互いに学習し合い、802.3at Power over the Ethernet 接続をネゴシエートすることができます。
Catalyst スイッチに LLDP を設定するには、次のコマンドを実行します。
手順の概要
switch# configure terminal
switch# lldp run
switch# interface interface-id
switch# lldp transmit
switch# lldp receive
switch# end
switch# show lldp
スイッチの CLI では、show cdp neighbor コマンドのように、show lldp neighbor コマンドがスイッチに接続されている DMP を表示します。この情報は DMP の問題をトラブルシューティングするときに非常に役立ちます。
図 16:スイッチの CLI 出力の LLDP ネイバー情報の表示
図 17:スイッチの CLI 出力のインライン POE 電力の表示
注:DMP に電源を完全に投入するには LLDP が必要です。LLDP が有効になっていない場合は、DMP に電源が投入されることも、されないこともあるため、不安定な状態になります。上記のコマンドを使用して DMP が 29.5 ワットの電力をネゴシエートしているかを確認します。
図 18:スイッチの CLI 出力のインライン POE 電力ポリシングの表示
注:DMP の実際の電力消費を確認するには、show power inline police コマンドを使用します。実際の消費電力がネゴシエートされた電力よりもかなり低いことに注意してください。DMP は、表示するコンテンツ タイプによって、より多くの電力を動的に消費します。このコマンドは、スイッチの電力容量が接続されている DMP の数をサポートするのに十分であることを確認するためにも使用できます。
Cisco Vision Dynamic Signage Director は LLDP 情報を使用して、管理ダッシュボードにスイッチ情報を入力します。これはトラブルシューティングに役立ちます。
図 19:Cisco Vision Dynamic Signage Director の LLDP 情報の表示
IOS シビック ロケーションとは、スイッチ ポートそれぞれに設定できるラベルのコレクションのことであり、LLDP を介して DMP と通信します。シビック ロケーションの 1 つの使用例としてジャック ID があります。これにより、どのようなイーサネット ジャックに接続されているかを DMP が学習できます。DMP は学習するシビック ロケーション情報を Cisco Vision Dynamic Signage Director に報告します。上に示すように、その情報を Cisco Vision Dynamic Signage Director が取得し、表示できます。
次に、シビック ロケーションを設定し、インターフェイスのギガビット イーサネット 0/5 に適用する例を示します。
Switch#configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)#location civic-location identifier 1
Switch(config-civic)#? Type ? to see all the options of configuring the location.
Switch(config-civic)#additional-location-information POD1
Switch(config-civic)#building C Switch(config-civic)#floor 2 Switch(config-civic)#room Cookie_Monster Switch(config-civic)#end
Switch#conf t
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)#int g0/5
Switch(config-if)#location civic-location-id 1
Switch(config-if)#end
IOS シビック ロケーション情報は、管理ダッシュボードに表示することができ、自動的に DMP をコントロール パネルのターゲットの場所にリンクすることができます。
Cisco Digital Media Player(DMP)は Cisco Vision Dynamic Signage Director からファームウェアと設定を受信します。DMP は DHCP オプション(具体的にはオプション 60 と 43)を使用して Cisco Vision Dynamic Signage Director サーバを検出します。オプション 60 は、オプション 43 のコンテンツが受信すべき内容であることを Digital Media Player に通知するために使用されます。
● 複数の DMP モデル(SV-4K、CV UHD)の導入をサポートしている場合、モデルごとにオプション 60 文字列を設定する必要があります。
● DHCP サーバが DHCP の範囲ごとにオプション 60 あたりのオプション 43 文字列が 1 つに限定されている場合は、Digital Media Player のモデルごとに個別の VLAN と DHCP の範囲を設定する必要があります。
図 20:DHCP と DMP の自動登録
設定手順は次のとおりです。
1. DHCP オプション 60、ベンダー クラス識別子文字列を設定します。
· 北米の SV-4K 文字列:「Cisco SV-4K-NA」
· その他すべての地域の SV-4K 文字列:「Cisco SV-4K-ROW」
· Cisco CV-UHD 文字列は「Cisco CV-UHD」
· Cisco CV-HD 文字列は「Cisco CV-HD」
2. 変換された DHCP オプション 43、ベンダー固有オプションの URL を設定します。
注:オプション 43 文字列は互換性を得るために TLV 形式に変換する必要があります。
DMP ではデータ文字列が type-length-value(TLV)形式であることが必要です。具体的には、TLV 形式は次のように構築します。
· 文字列は 16 進値を使用して作成されます。
· 文字列はオプション 43 タイプ(オプション 43 のサブオプション)の 2 文字の 16 進表記で始まります。
· 2 番めの 2 文字の 16 進表記は情報文字列の長さで、文字列の ASCII 文字数で表現されます。
· 長さの値に続く ASCII 文字列は文字列の各文字の 2 文字の 16 進表記を使用して入力されます。
· タイプ指定は type 85(10 進数)で、type 55(16 進数)で表現されます。
次の URL 文字列の場合:
http://10.194.175.122:8080/StadiumVision/dmp_v4/scripts/boot.brs
オプション 43 文字列は次のようになります。
ヒント:ASCII から 16 進数への変換ツールを使用して 16 進文字列を作成します。
68:74:74:70:3a:2f:2f:31:30:2e:31:39:34:2e:31:37:35:2e:31:32:32:3a:38:30:38:30:2f:53:74:61:64:69:75:6d:56:69:73:69:6f:6e:2f:64:6d:70:5f:76:34:2f:73:63:72:69:70:74:73:2f:62:6f:6f:74:2e:62:72:73
次に、<10 進のタイプ コード>:<文字列内の 10 進数の文字> の前に配置します。
注:Microsoft Word で文字列を慎重に強調表示してから [Tools] > [Word Count] をクリックして文字列内の文字数を取得します。
タイプ コードは 16 進数の 55で、上記 URL の例の文字列内には 64 文字あります。10 進数の 64 は 16 進数の 40 と同等です。
55:40:68:74:74:70:3a:2f:2f:31:30:2e:31:39:34:2e:31:37:35:2e:31:32:32:3a:38:30:38:30:2f:53:74:61:64:69:75:6d:56:69:73:69:6f:6e:2f:64:6d:70:5f:76:34:2f:73:63:72:69:70:74:73:2f:62:6f:6f:74:2e:62:72:73
1. CNR にログインし、次に示すように [Advanced] を選択してから [DHCP] を選択します。
図 21:Cisco Network Registrar の詳細モード
2. [Options settings] を選択し、[Add a New Option] を選択します。
属性 |
値 |
コメント |
名前 |
SV-4K オプション |
任意のオプション |
DHCP タイプ |
V4 |
|
説明 |
DMP のオプション |
任意のオプション |
ベンダー オプション文字列 |
Cisco SV-4K-NA |
DMP モデルが「NA」の場合 |
図 22:Cisco Network Registrar ベンダー オプション文字列
注:同じベンダー オプション文字列に複数のオプションを作成できなくなります。
3. [Add Option Definition Set] をクリックし、必要なオプション 43 値のタイプを指定します。
4. 以前に作成した名前をクリックし、[Add/Edit Option Definitions] をクリックします。
5. 次に表示された [Add Option Definitions] をクリックします。
番号 |
43 |
|
名前 |
brightsign-4k-option-43 |
任意のオプション |
説明 |
DMP のオプション 43 の項目 |
任意のオプション |
type |
binary |
|
repeat |
0 |
|
6. [Add Option Definition] をクリックします。
7. [Modify Option Definition Set] をクリックします。
注:ここで [Modify Option Definition Set] をクリックしないと保存されません。
8. 新しいオプションを適切なポリシーに割り当てます。
図 23:Cisco Network Registrar オプションとポリシー
9. 上位のメニュー(第 2 レベル)で [Policies] をクリックし、リストからポリシーを選択します。
10. 前のステップで作成した適切な名前を [DHCPv4 Vendor Options] から選択し、[Select] をクリックします。
11. 作成した名前を 2 番目のドロップダウンから選択します。
12. 前の手順で計算したオプション 43 バイナリ フィールドを [Value] フィールドに貼り付けます。
図 24:Cisco Network Registrar DHCPv4 ベンダー オプション
13. [Add Option] をクリックします。
14. ディスプレイの下部にある [Modify Policy] をクリックします。
注:[Modify Policy] ポリシーをクリックしないと、変更は保存されません。
シスコのスイッチでの DHCP オプションの設定
注:IOS スイッチは、施設の実稼働 DHCP サーバとしては推奨されません。この例は、DMP の簡単な DHCP サポートを主にテストやラボで使用できるようにすることを目的としています。
注:Cisco IOS DHCP サーバを使用して実稼動ネットワークの DMP に IP アドレスを割り当てる場合は、スイッチがリブートしても DMP アドレスのバインドが維持されるようにデータベース エージェントを使用することを強くお勧めします。詳細については、『IP Addressing: DHCP Configuration Guide, Cisco IOS XE Release 3SE (Catalyst 3850 Switches)』を参照してください。
次の例では、1 つの範囲内のオプション 60 と 43 のペア 1 つのみをサポートする Cisco IOS DHCP を使用しています。次の例では、SV-4K メディア プレーヤーの手順のみを説明します。
スイッチ設定の例
! DHCP Database Agent CLI example
ip dhcp database ftp://user:password@172.16.4.253/router-dhcp write-delay 120
!
ip dhcp pool SV-4K
network 10.10.1.0 255.255.255.0
default-router 10.10.1.1
option 60 ascii Cisco SV-4K-NA
option 43 hex 5540.6874.7470.3A2F.2F31.302E.3139.342E.3137.352E.3132.323A.3830.3830.2F53.7461.6469.756D.5669.7369.6F6E.2F64.6D70.5F76.342F.7363.7269.7074.732F.626F.6F74.2E62.7273
注:一部の IOS バージョンでは、テキストを二重引用符で囲む必要があります(“Cisco SV-4K-ROW”)。IOS が文字列の先行引用符を受け入れない場合、引用符は必要ありません。
注:オプション 43 文字列のピリオドは IOS によって自動的に作成されるものであり、ASCII 文字列の作成時には入力されません。
DHCP のトラブルシューティング
DHCP が正しく動作している場合にトラブルシューティングする際に探すべき事項や使用するツールがいくつかあります。
1. DMP が IP アドレスを取得しないか、または IP アドレスを取得しても DMP の Web インターフェイスに ping できない、またはログインできない場合は、次を確認します。
a. ping を使用して DHCP サーバに到達できることを確認します。
b. DHCP サーバがデフォルトのゲートウェイを提供するように設定されていることを確認します。
c. SVI(VLAN)インターフェイスを提供するスイッチに ip helper-address コマンド(Catalyst)か、または ip dhcp relay コマンド(Nexus)が設定されていることを確認します。
2. DMP がネットワーク リカバリ時にスタックする場合:
a. DMP が DHCP プロセス中に取得した正しいリカバリ URL を使用していることを確認します。DMP の Web UI にログインし、[Diagnostics] > [Network Configuration] に移動します。
図 25:[DMP Network Configuration] 画面
b. DMP がデフォルト ゲートウェイの IP アドレスを取得し、正しい URL を使用していても、Cisco Vision Dynamic Signage Director に登録されない場合は、[Control] タブで DMP の Web UI を使用して工場出荷時の状態へのリセットを実行します。
図 26:[DMP Network Configuration] 画面
NTP は Cisco Vision ネットワークに信頼性の高いクロッキングを提供するため、冗長サーバ間および Cisco Vision Dynamic Signage Director と DMP 間の同期を確保するのに役立ちます。DMP 間には IEEE 1588 Precision Time Protocol(PTP)が使用されます。
図 27:同期のための NTP と PTP の役割
概要
IEEE 1588 Precision Time Protocol(PTP)は、シリーズ 2 および 3 の DMPS 間のクロックを同期し、ビデオ ウォールの場合のように時間に制約がある表示を促進する設定可能な同期オプションです。
図 28:SV-4K PTP の同期
PTP を使用している場合、1 つの DMP がドメイン マスター クロックとして指定されます。Network Time Protocol(NTP)基準クロックと同期し、スレーブ DMP クロックのセット(ドメインとも呼ばれる)の基準ポイントとして動作します。プロトコルはマスターからそれら自体へと発生したパス遅延を特定するための手段をスレーブ DMP に提供します。この遅延はスレーブの時間に組み込まれ、マスター DMP クロックとの極めて高い精度での同期を可能にします。
IEEE 1588 PTP は、次のアドレスとの通信にマルチ キャスト メッセージを使用します。
224.0.1.107
224.0.1.129:デフォルト ドメイン 0
224.0.1.130:代替ドメイン 1
224.0.1.131:代替ドメイン 2
224.0.1.132:代替ドメイン 3
注:DMP は 1 つのデフォルトの TTL を使用します。つまり、PTP マルチキャストはローカル サブネットまたは VLAN に限定されます。多くのレイヤ 3 ホップを通過できるように、TTL を 1 よりも大きい数に変更できます。TTL を 1 よりも大きくして複数のホップを通過するように設定する場合は遅延の増大が発生するため、慎重に検討する必要があります。これは、同期に悪影響を及ぼす可能性があります。また、ネットワーク内のマルチキャスト ルーティングは、前述の PTP グループ アドレス用に設定する必要があります。
Cisco Vision Dynamic Signage Director サーバでの NTP の設定
次のチェックリストを使用して、Cisco Vision Dynamic Signage Director サーバと DMP のプロビジョニングの要件と注意点を理解してから、NTP と PTP を同期に使用します。
● 次のデバイス上の Cisco Vision ソリューションでは、Network Time Protocol(NTP)サービスが必要です。
• Cisco Vision Dynamic Signage Director サーバ
• Precision Time Protocol(PTP)マスター デバイスであるシリーズ 2(SV-2K、SV-4K)とシリーズ 3(CV-HD、CV-UHD)
● デフォルトでは、シリーズ 2 およびシリーズ 3 のメディア プレーヤーに NTP と PTP の両方のサービスが自動的に有効になります。
● また、ネットワーク内の PTP マスターとして選択されたデバイスに初期クロッキングを提供するには NTP 送信元も使用する必要があります。
● DMP PTP マスターのみが NTP を使用してクロックを生成します。
● Cisco Vision Dynamic Signage Director サーバのデフォルト NTP 送信元は、Red Hat Linux パブリック プールです。この設定は、自分で設定した NTP 送信元に変更できます。設定の変更は Cisco Vision Dynamic Signage Director の管理ダッシュ ボードで行い、その後はサーバに続いて DMP の再起動時に DMP にプッシュされます。
● Cisco Vision Dynamic Signage Director サーバは、DMP の NTP 送信元として事前に設定されています。
● Cisco Vision Dynamic Signage Director をネットワーク内の他のデバイスの NTP 送信元として使用しないでください。
● Cisco Vision Dynamic Signage Director を仮想マシンとして導入する場合は、ローカルの VM 環境の送信元ではなく、ベア メタル サーバ上で実行している信頼性の高い NTP サーバを使用するように Director を設定します。
● Cisco Vision Dynamic Signage Director と DMP が NTP 送信元に到達できることを確認します
● DMP が NTP サーバ プールを参照してはなりません。Cisco Vision Dynamic Signage Director サーバが NTP サーバ プールを参照し(デフォルト)、DMP の NTP 送信元として Director を使用しない場合は、DMP の NTP サーバとしてその同じプールの特定のサーバを選択します。
● DMP の NTP サーバ アドレスでは、IPv4 のみがサポートされています。
● DMP の NTP サーバはロード バランスされたサーバであってはなりません。
● Cisco Vision Dynamic Signage Director ネットワークは NTP 送信元と DMP 間の NTP メッセージ間のポート 123 上で UDP メッセージを双方向に伝送できるように設定する必要があります。
注:Cisco Vision Dynamic Signage Director サーバのポートの詳細な参考資料については、お使いのリリースの Dynamic Signage Director の『 Cisco Vision Software Installation and Upgrade Guide』 の「Port Reference」モジュールを参照してください。
システム日時の設定
Cisco Vision Dynamic Signage Director をインストールまたはアップグレードする場合は、システムの日付、時刻、およびタイムゾーンを TUI で設定する必要があります。
注:システム日時は必要に応じて手動で設定できますが、実稼働ネットワークではこれは避ける必要があります。NTP を使用してください。
注:Cisco Vision Dynamic Signage Director サーバは、デフォルトの NTP 送信元として次のサーバの Red Hat Linux パブリック プールが設定されています。
server 0.rhel.pool.ntp.org
server 1.rhel.pool.ntp.org
server 2.rhel.pool.ntp.org
別の NTP サーバを選択する場合は、ntp.conf ファイルのこれらのサーバ エントリをコメント アウトする必要があります。
Cisco Vision Dynamic Signage Director サーバで NTP 送信元を設定するには、次のステップを実行します。
1. TUI メイン メニューで、[System Settings] > [Date and Time Settings] > [Setup NTP Source] に移動します。NTP を設定し、ntp.conf ファイルを編集する確認画面が表示されます。
2. ntp.conf ファイルを開いて編集するには、任意のキーを押します。vi エディタに ntp.conf ファイルが開き、最後に設定した NTP サーバの行の末尾にカーソルが表示されます。これ以外の場合は、サーバ設定セクションに移動します。
3. 挿入行編集モードにするには、i とタイプします。vi エディタが挿入モードに変わります。
4. 使用したいサーバがある場合は、それらのサーバを挿入し、デフォルトのサーバをコメント アウトします。
5. 挿入モードを終了するには、Esc キーを押します。
6. 変更内容を保存するには wq と入力します。
設定が保存され ntpd サービスが再起動します。ntpd が起動していることを確認する [OK] が表示されていることを確認します。
7. [Date and Time Settings] メニューに戻るには、任意のキーを押します。
タイム ゾーンの設定
Cisco Vision Dynamic Signage Director サーバのタイム ゾーンを設定する必要があります。
注:Cisco Vision Dynamic Signage Director サーバの [Control Panel] の施設のインターフェイスにタイムゾーンを設定するオプションはありますが、このオプションは情報にすぎません。これは、再生証明の報告に使用されます。
ここでは、次の作業について説明します。
● (オプション)システム設定のタイムゾーンの検索
● (必須)システムのタイム ゾーンの設定
(オプション)システム設定のタイムゾーンの検索
注:このタスクは、情報を提供するだけで、実際にはタイム ゾーンを設定しません。
システム設定のタイム ゾーン コードを検索するには、次のステップを実行します。
1. [Date and Time Settings] メニューから次の手順を実行します。
2. [Change Timezone] を選択します。
3. サーバのロケーションに該当する大陸または海洋に対応する番号を入力します。
4. 国に対応する番号を入力します。
5. (必要に応じて)タイム ゾーンの番号を入力します。
6. 設定したタイム ゾーン情報の確認が表示されたら、1(はいの場合)を入力して設定を承認するか、または 2(いいえの場合)を入力してキャンセルします。
図 29:タイム ゾーンの確認プロンプト
7. 承認したことをプロンプトで確認した後に表示されたタイムゾーン文字列をコピーします。
図 30:サンプル タイム ゾーン コード
8. 任意のキーを押して [Date and Time Settings] メニューに戻ります。
9. 次に、下に示されたサーバ ロケーションに該当するコードを使用してシステムのタイム ゾーンを設定します。
システムのタイム ゾーンの設定
10. サーバの TUI メイン メニューから [System Settings] > [Date and Time Settings] > [Change System Timezone] に移動します。
11. システム クロック ファイルを編集するには、プロンプトで任意のキーを押して続行します。編集する /etc/sysconfig/clock ファイルが開きます。
12. vi エディタを使用してタイム ゾーンを指定します。次の図に、「America/Los_Angeles」タイム ゾーンのエントリを使用する例を示します。
注:引用符と下線記号が必要です。
図 31:クロック ファイルの編集
13. 挿入モードを終了するには、Esc キーを押します。
14. 変更内容を保存するには wq! と入力します。
設定が保存され ntpd サービスが再起動します。ntpd が起動していることを確認する [OK] が表示されていることを確認します。
15. [Date and Time Settings] メニューに戻るには、任意のキーを押します。
16. サーバを再起動してタイム ゾーンの変更を有効にします。Cisco Vision Dynamic Signage Director ソフトウェアの再起動
a. サーバの TUI メイン メニューから [Cisco Vision Server Administration] > [Restart Cisco Vision Dynamic Signage Director software] に移動します。
b. プロンプトが表示されたら、任意のキーを押して [Server Administration] メニューに戻ります。
c. メイン メニューに戻って TUI を終了します。
Digital Media Player での NTP と PTP の設定
すべてのシリーズ 2 およびシリーズ 3 DMP で標準的な NTP および PTP 設定を変更するには、次の手順を実行します。
1. Cisco Vision Dynamic Signage Director に管理者としてログインします。
2. 管理ダッシュボードに移動します。
3. [Dynamic Signage Director Configuration] > [System Configuration] > [Global DMP Settings] > [Time Source] に移動します。
図 32:シリーズ 2 およびシリーズ 3 での NTP と PTP のグローバル DMP 設定
4. (オプション)ネットワークの必要に応じて、グローバル PTP プロパティを変更します。
参考までに、PTP ドメインは次のとおりです。
224.0.1.129:デフォルト ドメイン 0
224.0.1.130:代替ドメイン 1
224.0.1.131:代替ドメイン 2
224.0.1.132:代替ドメイン 3
注:デフォルト ドメイン 0 が別のアプリケーション(QSC ネットワーク オーディオなど)で使用されている場合、PTP ドメインを変更することが必要になる場合があります。
5. (オプション)環境の必要に応じて、グローバル NTP プロパティを変更します。
注:デフォルトは Director の IP アドレスです。NTP ホストを変更する場合は、1 つのホスト エントリを入力するだけです。
6. ディスク アイコンをクリックして変更内容を保存します。
7. DMP をリブートします。
PTP 動作の確認
この項では、PTP 設定だけでなく、シリーズ 2 およびシリーズ 3 の DMP に対する PTP の動作も合わせて確認する方法について説明します。
8. ブラウザを開き、http://DMP-ip-address/ptp.html を使用して DMP のいずれかに移動します。
9. "offsetFromMaster" の値が 0.0 であるユニットを探して、PTP マスターを特定します。
図 33:正常な PTP クロック動作
10. Cisco Vision Dynamic Signage Director のシステム時刻が DMP のシステム時刻と一致することを確認します。[Event Management] > [Control Panel] > [Control] と DMP の Web UI の [Info] タブに移動し、時刻が一致していることを確認します。
図 34:Cisco Vision Dynamic Signage Director と DMP 時刻の確認
スイッチ設定の例
interface range GigabitEthernet1/0/x - y
description SV-DMP Port
switchport mode access
switchport access vlan 110
service-policy input CISCO-SV-DMP
!
ip access-list extended IEEE-1588
remark PTP for DMPs and Audio Systems
permit udp any host 224.0.1.129
permit udp any host 224.0.1.130
permit udp any host 224.0.1.131
permit udp any host 224.0.1.132
!
ip access-list extended DMP-AS-A-VIDEO-SOURCE
remark ACL used to mark a SV-4K sourced video stream
permit udp <DMP Subnet/xx> host <239.193.20.x>
!
table-map policed-dscp
map from 0 to 8
map from 10 to 8
map from 18 to 8
map from 24 to 8
map from 46 to 8
!
class-map match-any IEEE-1588
match access-group name IEEE-1588
class-map match-any DMP-AS-A-VIDEO-SOURCE
match access-group name DMP-AS-A-VIDEO-SOURCE
!
policy-map CISCO-SV-DMP
class IEEE-1588
set dscp ef
police cir 1000000 bc 300000
conform-action transmit
exceed-action set-dscp-transmit dscp table policed-dscp
class DMP-AS-A-VIDEO-SOURCE
set dscp cs5
police cir 25000000 bc 5000000
conform-action transmit
exceed-action set-dscp-transmit dscp table policed-dscp
class class-default
set dscp default
既存のイーサネット ケーブル配線がないエリアやケーブルを配線することが難しいエリアに対して、あるいはイーサネット ネットワーク接続の代わりとして DMP の導入が必要な場合は、Wi-Fi 経由で DMP をネットワークに接続できます。
図 35:Wi-Fi ネットワークへの DMP の接続の概要
下のチェックリストを使用して、Wi-Fi を使用するために DMP をプロビジョニングする際の要件と注意事項を理解します。
● SV-4K と CV-UHD の Wi-Fi モデルがサポートされている。
● Wi-Fi で接続された DMP が Cisco Vision Dynamic Signage Director リリース 5.0 以降でサポートされている。
● 次の Wi-Fi 標準のサポート:802.11a、802.11b、または 802.11n。
● ワイヤレス ネットワークの SSID とパスフレーズがシステム内のすべての Wi-Fi 対応 DMP にグローバルに設定されている。
● SV-4K ファームウェアは WEP(パスフレーズが適切な長さの場合)、WPA1、または WPA2 との接続を自動的に試行する。
● Wi-Fi のアクセス ポイントは、マルチキャストをサポートするように設定する必要がある。
● DMP は POE+ 接続を介して事前にプロビジョニングし、Wi-Fi を有効にする必要がある。
● DMP が事前にプロビジョニングされた後で、電力を得るために DMP 電源アダプタを使用する。
● マルチキャスト ビデオは帯域幅の制限とワイヤレス ネットワークによる固有のパケット損失によりサポートされていない。
● Wi-Fi でのパケット損失により、TV オン/オフ マルチキャスト制御メッセージが失われると、TV 電源のオン/オフなどの TV 制御コマンドが一貫して予期どおりに動作しないことがある。
● マルチキャストを使用しているデータ フィードがドロップされると、DMP は引き続き古いデータを表示するか、または最初のメッセージが損失した場合はデータをまったく表示しない。
1. Cisco Dynamic Signage Director に管理者としてログインします。
2. 管理ダッシュボードから [Dynamic Signage Director Configuration] > [System Configuration] > [Global DMP Settings] > [SV-4K Settings] に移動します。
3. グローバル SSID と Wi-Fi パスフレーズのプロパティを指定します。
a. [Global SSID]:Wi-Fi 接続を使用するシステム内のすべての SV-4K で使用されるネットワーク SSID を入力します。
b. [Wi-Fi Passphrase]:WEP、WPA1、または WPA2 のパスフレーズを入力します。
4. 設定を保存します。
図 36:SV-4K Wi-Fi のグローバル SSID とパスフレーズの設定
5. 有線接続のイーサネット PoE+ 接続を使用して SV-4K デバイスを接続した後、次のいずれかを実行します。
a. これが Cisco Vision Dynamic Signage Director での DMP の初期セットアップである場合は、必要なファームウェアと Wi-Fi クレデンシャルをダウンロードする通常の自動登録プロセスに従って DMP をプロビジョニングします。
注:次の手順ではファームウェア設定が詳しく説明されていません。Cisco Vision Dynamic Signage Director に必要なファームウェア自動登録設定がすでに指定されていることを確認します。
b. Cisco Vision Dynamic Signage Director リリース 5.0 用に DMP をすでにプロビジョニングしている場合は、管理ダッシュボードから DMP を再起動します。
6. DMP ごとにワイヤレス接続を有効にします。[Control Panel] > [Control Panel] > [Devices] > [DMP+Location] に移動します。
7. 設定する DMP を選択します。
8. [Wi-Fi Enabled] の横の [Yes] をクリックします。次に [Save] をクリックします。
図 37:SV-4K デバイス設定での Wi-Fi 有効化オプション
9. 管理ダッシュ ボードから DMP を再起動します。
10. Wi-Fi LED が点灯したら、Wi-Fi 接続が成功したことを確認します。
11. イーサネット ケーブルを取り外し、SV-4K 電源アダプタを接続して DMP を再起動します。
Cisco Vision Dynamic Signage ソリューションは、次の機能に IP マルチキャストを使用します。
● DMP の制御とゾーン ベースのコンテンツ同期
● DMP間の同期用の Precision Time Protocol(PTP)
● IP マルチキャストのエンコードと送信:シリーズ 2 とシリーズ 3 の DMP は外部デバイス(ラップトップなど)からの HDMI 入力を取得し、その入力をネットワーク上で送信される IP マルチキャスト ストリームにエンコードします。
● ビデオ ヘッドエンドからの MC ビデオ チャネル マルチキャストへの参加
図 38:IP マルチキャストの概要
Cisco Vision Dynamic Signage Director は、IP マルチキャストを使用してメッセージを送信し、DMP および同期されたコンテンツを制御します。
図 39:DMP の制御とコンテンツの同期のための IP マルチキャストの使用の概要
表 2:Cisco Vision ソリューションで使用されるマルチキャスト アドレス
MC アドレス |
デフォルト値 |
説明 |
239.193.0.0/24 |
239.192.0.254:239.193.0.0/24 アドレス(例:239.193.0.254)に変更する必要があります。 239.193.0.253 |
例:239.193.0.254:Director からの DMP 制御 239.193.0.253:DMP 間のゾーン ベースの同期(TTL = 1) |
239.192.0.0/24 |
ビデオ ヘッドエンドで設定 |
ビデオ MC チャネル |
239.193.20.0/24 |
Director で設定する必要があります。 |
MC ソースとしての DMP |
224.0.1.129 - 0 224.0.1.130 - 1 224.0.1.131 - 2 224.0.1.132 - 3 |
224.0.1.129 デフォルト、ゾーン 0。ネットワーク内の別のアプリケーションとの競合がある場合は、これを他のドメイン アドレスのいずれかに変更する必要がある場合があります。例:QSC ネットワーク オーディオ |
同期用の PTP |
注:詳細については、『Cisco Vision Administration Guide』を参照してください。
1. 管理ダッシュボードで、[Tools] > [Advanced] > [Registry] を選択します。
2. パラメータ リストから「MulticastHostPort」レジストリ キーまでスクロールし、レジストリのエントリを確認します。
3. 値フィールドをクリックし、239.193.0.0/24 の範囲のマルチキャスト アドレスとポート番号を指定します。例:239.193.0.254:50001
注:Cisco Vision Dynamic Signage Director の制御メッセージを転送するためにネットワークに設定されている値を必ず使用してください。通常、DMP の制御と同期に使用されるマルチキャスト RP はネットワークのコア スイッチにあります。
4. [Apply] をクリックします。
マルチキャスト用の Wi-Fi ネットワークの設定
WLAN コントローラやアクセス ポイントを含むシスコのエンタープライズ ワイヤレス LAN アーキテクチャは、IP マルチキャストの転送をサポートしています。次に、どのように動作するかを説明します。
図 40:マルチキャスト用 Wi-Fi ネットワークの設定の概要
Wi-Fi 上でのマルチキャストの処理方法を理解する
図 41:Wi-Fi でのマルチキャストの概要
WLAN コントローラでのマルチキャストの設定
注:DMP 制御トラフィックをサポートするにはマルチキャストが必要です。
注:Wi-Fi ネットワークでのビデオのストリーミングは推奨されません。
注:WLAN コントローラでは、コア スイッチ上のマルチキャスト RP を使用する必要があります。次に、コントローラに 239.193.1.1 マルチキャスト アドレスを使用する例を示します。コントローラが複数ある場合は、各コントローラに異なるマルチキャスト アドレスが割り当てられます。
図 42:Cisco ワイヤレス LAN のマルチキャスト設定
リリース 4.1 以降のリリースでは、Cisco Vision Dynamic Signage ソリューションは、マルチキャストベースの有線イーサネット ポートを介したチャネルとして再生される SV-4K または CV-UHD メディア プレーヤーの HDMI-In ポートに接続されているラップトップまたはその他のサポート対象デバイスからのビデオのストリーミングをサポートしています。
図 43:IP マルチキャストの送信元としての DMP の使用の概要
図 44:ビデオ送信元として DMP を使用するための Cisco Vision Dynamic Signage Director の設定
この機能を使用するマルチ キャストの許容範囲は、239.193.20.0/24 です。
注:シスコのスイッチでは、IP Base のみがマルチキャスト スタブ ルーティングをサポートしています。つまり、DMP が発信元のマルチキャスト ストリームはローカル サブネットを離れないことを意味します。このタイプのマルチキャスト ルーティングは、サブネットのスイッチ仮想インターフェイス(SVI)に ip pim passive コマンドが設定されていることを示唆しています。
注:DMP マルチキャストをストリーミングするには、IP サービスを、DMP に接続されたスイッチにインストールする必要があり、SVI は ip pim sparse-mode コマンドを使用して設定することになります。
注:このアドレス範囲に使用されるマルチキャスト RP は、コア スイッチ上に存在します。
注:チャネルのプライバシーを維持する場合は、一意のマルチキャスト アドレス(239.193.20.0/24 の範囲内)を使用してスイートごとに DMP エンコード チャネルを作成し、スイートごとに個別のチャネルを作成します。たとえば、10 個のスイートがある場合は、一意のマルチキャスト アドレスを使用して 10 個の独立した DMP エンコード チャネルを作成し、DMP エンコード チャネルごとに 10 個の異なるチャネル ガイドを作成して、各スイートを異なるチャネル ガイドに割り当てます。
この機能の設定に関する詳細については、『Cisco Vision Dynamic Signage Director Operations Guide』を参照してください。
スイッチ設定の例
! IP Base Catalyst Access Switch
ip multicast-routing distributed
!
interface TenGigabitEthernetx/0/z
description ** Up Link **
ip address 10.194.20.2 255.255.255.0
ip pim sparse-mode
!
interface range GigabitEthernet1/0/x - y
description SV-DMP Port
switchport mode access
switchport access vlan 10
spanning-tree portfast
!
interface Vlan 10
description SV-DMP VLAN
ip address 10.194.10.1 255.255.255.0
ip pim passive
!Commands to enable DMP control and DMP video
ip pim rp-address 10.0.0.1 anycast-grp-acl override
ip access-list standard anycast-grp-acl permit 239.193.0.0 0.0.255.255
!
!Commands to enable video multicast from the Video Headend
ip pim rp-address 10.1.1.1 prioritycast-grp-acl override
!
ip access-list standard prioritycast-grp-acl permit 239.192.0.0 0.0.0.255
!
service-policy input CISCO-SV-DMP
!
ip access-list extended IEEE-1588
remark PTP for DMPs and Audio Systems
permit udp any host 224.0.1.129
permit udp any host 224.0.1.130
permit udp any host 224.0.1.131
permit udp any host 224.0.1.132
!
ip access-list extended DMP-AS-A-VIDEO-SOURCE
remark ACL used to mark a SV-4K sourced video stream
permit udp <DMP Subnet/xx> host <239.193.x.x>
!
table-map policed-dscp
map from 0 to 8
map from 10 to 8
map from 18 to 8
map from 24 to 8
map from 46 to 8
!
class-map match-any IEEE-1588
match access-group name IEEE-1588
class-map match-any DMP-AS-A-VIDEO-SOURCE
match access-group name DMP-AS-A-VIDEO-SOURCE
!
policy-map CISCO-SV-DMP
class IEEE-1588
set dscp ef
police cir 1000000 bc 300000
conform-action transmit
exceed-action set-dscp-transmit dscp table policed-dscp
class DMP-AS-A-VIDEO-SOURCE
set dscp cs5
police cir 25000000 bc 5000000
conform-action transmit
exceed-action set-dscp-transmit dscp table policed-dscp
class class-default
set dscp default
IP マルチキャスト設計では、プロトコルに依存しないマルチキャスト(PIM)のスパース モード ルーティングがランデブー ポイント(RP)冗長性とともに採用されています。
1. PIM スパース モードはオンデマンド形式で動作するため、受信者は IGMP join 要求を使用してビデオ ストリームを要求する必要があります。
2. この要求は、受信者のローカル スイッチが受信し、事前設定済みのランデブー ポイント(RP)に送信されます。RP は送信元と受信者が登録される場所であり、ネットワーク内で互いを見つける手段です。
3. 登録されると、マルチキャスト ストリームが移動する送信元と受信者を接続するツリーが構築されます。
4. ネットワークのユニキャスト ルーティング テーブルを使用したリバース パス フォワーディング(RPF)を使用して、送信元と受信者間に最短パス(またはツリーのブランチ)が生成されます。
次に、マルチキャスト ネットワーク設計の属性を示します。
● PIM スパース モード マルチキャスト ルーティング プロトコルを使用します。
● DMP を制御する、同期する、あるいはビデオ ソースとして DMP を機能させるには、コア スイッチ上の一連のランデブー ポイント(RP)を使用します。
● コア スイッチで RP 冗長性を得るためのエニーキャスト RP と Multicast Source Discovery Protocol(MSDP)
● エニー キャスト RP がアクティブ/アクティブ冗長性戦略を提供します。
● ACL と MC 境界を使用して MC を指定したエリアに制限します。
エニー キャストには次の属性があります。
● アクティブ/アクティブ冗長性モデルで送信元と RP の冗長性を提供
● 1 秒未満のフェールオーバー
● 導入が簡単送信元は特殊な IP アドレッシングを持たないネットワーク内の任意の場所が有効
● RP はコア スイッチそれぞれで同じアドレスとネットマスクを使用して中央で設定
● Multicast Source Discovery Protocol(MSDP)は Nexus コア スイッチとそれらの個別の RP 間に設定され、送信元情報を共有
注:MSDP は Catalyst Virtual Switching Service(VSS)コアを使用している場合は必要ありません。
エニーキャスト
エニーキャスト戦略は同じ IP アドレスとマスクを持つ 2 つ以上の RP と Multicast Source Discovery Protocol(MSDP)を使用して、RP 間でマルチキャスト送信元登録情報を配信します。これにより、各 RP はすべての送信元について知ることができ、送信元と受信者間の RP ツリーの構築を容易にすることができます。
図 45:エニー キャストの概要
動作と設定
1. エニーキャスト RP では、すべての RP が互いに MSDP ピアになるように設定されます。
2. マルチキャスト送信元(Cisco Vision Dynamic Signage Director など)が 1 つの RP に登録されると、送信元のアドバタイズメント(SA)メッセージがもう一方の RP に送信され、特定のマルチキャスト グループにアクティブな送信元があることを通知します。
3. その結果、各 RP は、他の RP のエリア内に存在するアクティブなソースを認識します。
4. RP のいずれかに障害が発生していた場合は、IP ルーティングが収束します。
5. 新しい送信元が次に近い RP に登録されます。
6. レシーバはこれらの新しい RP に加入し、接続が維持されます。
注:RP は、通常、送信元および受信者との新しいセッションを開始するためだけに必要になります。RP は、ソースとレシーバがマルチキャスト データ フローを直接確立できるように、共有ツリーを支援します。すでにソースとレシーバの間にマルチキャスト データ フローが確立されている場合、そのセッションは RP 障害による影響を受けません。エニーキャスト RP を使用すると、いつでもソースおよびレシーバとの新しいセッションを開始できます。
図 46:アクションでのエニーキャスト
スイッチ設定の例
Nexus 7000 コア スイッチ
! Must be the same IP Address on both n7k routers
!
interface loopback0
description Anycast RP
ip address 10.0.0.1/32
ip router eigrp 100
ip pim sparse-mode
!
!The MSDP peer IP address will be different on each switch
interface loopback1
description MSDP Peer
ip address 10.2.2.1/32
ip router eigrp 100
!
! Must be the same on both n7k routers with the exception of the MSDP peer IP addresses
feature msdp
ip msdp originator-id 10.2.2.1
ip msdp peer 10.2.2.2 connect-source 10.2.2.1
ip msdp reconnect-interval 1
ip msdp group-limit 800 source 0.0.0.0/0
ip msdp sa-limit 10.2.2.2 2000
!
ip pim rp-address 10.0.0.1 group-list 239.193.0.0/24
Catalyst アクセス スイッチ
ip pim rp-address 10.0.0.1 anycast-grp-acl override
ip access-list standard anycast-grp-acl permit 239.193.0.0 0.0.0.255
図 47:Prioritycast RP の概要
● アクティブ/スタンバイ冗長性モデルで送信元と RP の冗長性を提供します。
● 1 秒未満のフェールオーバー。
● 実装するのがより複雑。冗長な送信元は異なるマスクで重複するアドレスを使用する必要があります。
● 一度に 1 つの送信元ストリームをネットワークに提供してネットワーク上のトラフィックの量を低減し、2 つの重複するビデオ ストリーム間でのビデオ エンドポイントの調整が行われないようにします。
● ネットワーク上で許可する送信元トラフィックはネットワークが制御しているため、ストリーミングを開始するためのバックアップ送信元をトリガーするのにベンダー独自の送信元同期プロトコルは送信元間に必要ありません。
● Prioritycast はユニキャスト ルーティング メカニズムを使用して、どのような送信元ストリームがいつネットワークを移動するかの調整役としてネットワークが機能するようにします。これがアクティブ/スタンバイ冗長戦略を実装する方法です。
次に、これをどのように実現するかを示します。
1. Prioritycast は重複するマルチキャスト ビデオ送信元を使用します。送信元はそれぞれ個別の VDS スイッチに接続されています。
2. プライマリ マルチキャスト送信元およびランデブー ポイント(RP)とそのバックアップそれぞれが同じ IP アドレスを使用し、異なるネットワーク マスクを使用します。
3. プライマリ MC 送信元と RP は最も長いネットワーク マスクを使用するため、ネットワーク上のアクティブな送信元と RP になります。
4. プライマリ VDS スイッチかアップリンク、またはプライマリ MC ビデオ送信元のイーサネット リンクに障害が発生すると、ネットワークは収束し、バックアップ MC ビデオ送信元をネットワークに配置します。この移行は、送信元 IP アドレスが同じであるため、ビデオの受信者には透過的となります。
図 48:アクションでの Prioritycast
スイッチ設定の例
Nexus 7000 コア スイッチ
feature pim
!
interface Ethernet1/4
description VDS1 uplink1
ip address 10.0.1.1/30
ip router eigrp 1200
ip pim sparse-mode
no shutdown
!
interface Ethernet1/6
description VDS2 uplink2
ip address 10.0.3.1/30
ip router eigrp 1200
ip pim sparse-mode
no shutdown
!
ip pim rp-address 10.1.1.1 group-list 239.192.0.0/24
VDS01:プライマリ(アクティブ)
interface Loopback1
description prioritycast-RP Primary address for Video IP Multicast
ip address 10.1.1.1 255.255.255.252
ip pim sparse-mode
!
ip pim rp-address 10.1.1.1 prioritycast-grp-acl override
!
ip access-list standard prioritycast-grp-acl permit 239.192.0.0 0.0.0.255
!
interface GigabitEthernetx/y
description Channel MMM, Primary Source 10.2.1.2
ip address 10.2.1.1 255.255.255.252
ip pim sparse-mode
!
interface GigabitEthernetx/y
description Primary DCM Mgmt Port
switchport access vlan 30
ip address 192.168.30.1 255.255.255.248
!
interface TenGigabitEthernet0/x
description ** Up Link to n7k-1
ip address 10.0.1.2 255.255.255.252
ip pim sparse-mode
!
interface TenGigabitEthernet0/x
description ** Up Link to n7k-2
ip address 10.0.2.2 255.255.255.252
ip pim sparse-mode
VDS02:セカンダリ(スタンバイ)
interface Loopback1
description prioritycast-RP Secondary address for Video IP Multicast
ip address 10.1.1.1 255.255.255.248
ip pim sparse-mode
!
ip pim rp-address 10.1.1.1 prioritycast-grp-acl override
!
ip access-list standard prioritycast-grp-acl permit 239.192.0.0 0.0.0.255
!
interface GigabitEthernetx/y
description Channel MMM, Secondary Source 10.2.1.2
ip address 10.2.1.1 255.255.255.248
ip pim sparse-mode
!
interface GigabitEthernetx/y
description Primary DCM Mgmt Port
switchport access vlan 40
ip address 192.168.40.2 255.255.255.248
!
interface TenGigabitEthernet0/x
description ** Up Link to n7k
ip pim sparse-mode
VDS スイッチの QoS 設定
ip access-list extended DCM-DIRECTTV
permit ip any 239.192.0.0 0.0.0.255
or
ip access-list extended DCM-DIRECTTV
permit ip host <source DCM> any
!
class-map match-any DCM-DIRECTTV
match access-group name DCM-DIRECTTV
!
policy-map POLICE-DCM
class DCM-DIRECTTV
set dscp cs5
police 4000000000 1000000 exceed-action drop
class class-default
set dscp default
!
interface GigabitEthernetx/y
description DCM output, Primary Source 10.2.1.2
ip address 10.2.1.1 255.255.255.252
service-policy input POLICE-DCM
次に、送信元と受信者間でマルチキャストを機能させるための基本的な要件と、マルチキャストの問題をトラブルシューティングする方法を示します。
図 49:シスコのスイッチでの IP マルチキャストのトラブルシューティング
● 送信元と受信者が同じサブネット上にある場合は、マルチキャスト ルーティング(つまり PIM)は必要ありません。
● シスコのスイッチ上では IGMP スヌーピングがデフォルトで有効になっており、VLAN 内のマルチキャスト トラフィックを IGMP join メッセージ経由でデバイスが要求するポートにのみ転送するのに使用されます。DMP に接続されているスイッチで ip igmp snooping group を使用し、DMP がネットワークから要求しているマルチキャスト グループを確認します。
● 要求されたマルチキャスト グループが送信元で設定されたものであることを確認します。たとえば、DMP を Cisco Vision Dynamic Signage Director に登録すると、その DMP は 239.193.0.253(コンテンツ同期のデフォルト。ただし、TTL=1 により DMP VLAN にローカルであり続ける)と 239.192.0.254(DMP 制御のデフォルト)を要求します。
● DMP または別の受信者が要求したマルチキャスト グループを確認するのに便利なもう 1 つのコマンドは show ip igmp membership コマンドです。
Access_switch#sh ip igmp membership
Flags: A - aggregate, T - tracked
L - Local, S - static, V - virtual, R - Reported through v3
I - v3lite, U - Urd, M - SSM (S,G) channel
1,2,3 - The version of IGMP, the group is in
Channel/Group-Flags:
/ - Filtering entry (Exclude mode (S,G), Include mode (G))
Reporter:
<mac-or-ip-address> - last reporter if group is not explicitly tracked
<n>/<m> - <n> reporter in include mode, <m> reporter in exclude
Channel/Group Reporter Uptime Exp. Flags Interface
*,239.192.0.15 10.194.175.230 07:04:25 01:06 2A Vl175
*,239.192.0.6 10.194.175.206 07:04:32 01:06 2A Vl175
*,239.192.0.254 10.194.175.234 07:04:33 01:04 2A Vl175
*,239.193.0.253 10.194.175.210 07:32:33 01:07 2A Vl175
*,239.192.0.254 10.194.175.204 07:32:33 01:13 2A Vl175
*,224.0.1.40 10.194.175.8 13w3d 01:13 2LA Vl175
*,224.0.1.129 10.194.175.239 07:32:33 01:05 2A Vl175
● DMP が Wi-Fi を介して接続されている場合、WLAN コントローラは DMP が IGMP join で要求したマルチキャスト グループを表示する必要があります。
図 50:Wi-Fi を介した IP マルチキャストのトラブルシューティング
● 前述のように、WLAN コントローラは Wi-Fi で接続された DMP の IGMP プロキシとして機能するため、show ip igmp membership コマンドで WLAN コントローラに接続されたスイッチを確認すると、WLAN コントローラの IPの アドレスは、DMP の IP アドレスではなく、レポータとして表示されます。
● VLAN 内に IGMP クエリを開始するマルチキャスト ルータがない場合(つまり、VLAN インターフェイスに PIM スパースモードのコマンドがない場合)、IGMP スヌーピング クエリアを設定してメンバーシップ クエリを送信する必要があります。
注:このコマンドは通常、Cisco Vision Dynamic Signage Director と DMP が同じ VLAN にある場合の小型の単一スイッチ デモ システムにのみ使用されます。
Access_Switch#conf t
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
C3850-277-DemoRm1(config)#ip igmp snoop querier
● マルチキャスト トラフィックがサブネット間を移動する必要がある場合は、マルチキャスト ルーティング プロトコル(PIM スパースモードなど)が使用されます。
● PIM スパースモードを使用する場合:
o ネットワーク内のどこかのループバック インターフェイスにランデブー ポイント(RP)が設定されていることを確認します。
o 接続されている送信元と受信者がある各スイッチには、送信元と受信者間のすべてのインターフェイス(RP ループバックを含む)に ip pim sparse-mode コマンドがある必要があります。
o 接続されている送信元と受信者がある各スイッチは、要求されたマルチキャスト グループ アドレスの RP をポイントする ip pim rp で設定されている必要があります。
o 送信元、RP、および受信者間は到達可能である必要があります。送信元と RP 間、および送信元と受信者間またはその逆に ping コマンドを使用します。ping が動作する場合は、mtrace コマンドを使用して送信元へのパスを確認します。マルチキャスト トレースが停止する場合は、マルチキャスト送信元へのリバース パスのインターフェイスで ip pim sparse-mode コマンドが欠落している可能性があります。
Core_Switch# mtrace ?
WORD IP address or hostname of source
Core_Switch# mtrace 10.194.175.20
Mtrace from 10.194.175.20 to 10.194.205.1 via group 0.0.0.0
Querying full reverse path...
0 ? (10.194.205.1)
-1 ? (10.194.205.2) PIM [default]
Round trip time 6 ms; total ttl of 1 required.
● 送信元(Cisco Vision Dynamic Signage Director、10.194.175.20)と受信者(DMP)間のマルチキャストのルートを確認します。
Core_Switch# show ip mroute 239.193.0.254
IP Multicast Routing Table for VRF "default"
(*, 239.193.0.254/32), uptime: 2w4d, pim ip
Incoming interface: Ethernet1/4, RPF nbr: 10.0.1.2
Outgoing interface list: (count: 1)
Vlan175, uptime: 1d21h, pim
(10.194.175.20/32, 239.193.0.254/32), uptime: 2w0d, ip mrib pim
Incoming interface: Vlan175, RPF nbr: 10.194.175.20
Outgoing interface list: (count: 0)
● マルチキャストがルーティングしているかどうかを判断するもう 1 つの方法は、DMP の Web インターフェイスを介して DMP でパケット キャプチャを実行することです。http://dmp_ipaddress Diagnostics > [Network Packet Capture] に移動します。
図 51:DMP ネットワーク パケット キャプチャ
● もう 1 つのパケット キャプチャ オプションは、シスコのスイッチで monitor コマンドを使用することです。
● スクリプトを開始し、状態を選択すると、Cisco Vision Dynamic Signage Director の [Device Management] 画面から DMP が正しいコンテンツを実行しているかどうかを確認できます。
図 52:Cisco Vision Dynamic Signage Director の [Device Management ] 画面