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このモジュールでは、プライマリ サーバとセカンダリ サーバ間で、バックアップを設定およびスケジュールし、データを復元する方法について説明します。
■Cisco Vision Director サーバのバックアップと復元に必要な前提条件
■Cisco Vision Director サーバのバックアップおよび復元に関する制約事項
■Cisco Vision Director サーバのバックアップと復元に関する情報
Cisco Vision Director サーバのバックアップまたは復元を行う前に、次の要件を満たしていることを確認します。
注意 :リリース 4.1 の全システム、または 5.0 SP2 より前のリリースでは、チャネル アイコンとしてインポートされたロゴはバックアップされません(チャネル アイコンがまだセカンダリ サーバにない場合、プライマリのバックアップとセカンダリの復元のアップグレード処理中にアイコンが表示されなくなります)。任意の 4.1 リリースからのアップグレード、またはリリース 5.0 SP2 へのアップグレードの一部として、バックアップおよび復元操作を実行する場合は、事前にプライマリ サーバとセカンダリ サーバの両方でメンテナンス パッチ(SV-DIRECTOR-HOTFIX-CSCvd35309)が必要になります。パッチを適用しない場合は、リリース 5.0 SP2 へのアップグレード後にロゴを再インポートする必要があります。
■Cisco Vision Director のテキストベースのユーザ インターフェイス(TUI)に習熟している必要があります。
詳細については、Cisco Vision Dynamic Signage Director サーバのテキストベースのユーザ インターフェイスを参照してください。
■プライマリのアクティブ サーバとセカンダリ サーバにアクセスするための、直接接続されたコンソールまたは SSH クライアント。
■アクティブ サーバとセカンダリ サーバの IP アドレス。
■Cisco Vision Director のアクティブ サーバとセカンダリ サーバにおけるインストーラ アカウントの資格情報。
■セカンダリ サーバの IP アドレスには、アクティブ サーバからネットワーク上で到達可能である必要があります。到達可能でない場合は TUI のバックアップ設定が失敗します。
Cisco Vision Director サーバのバックアップと復元を行う際は、次の制約事項を考慮してください。
注意 :このマニュアルで説明している作業は、 両方の サーバで Cisco Vision Director ソフトウェアを実行している冗長サーバ環境にのみ適用されます。
■プライマリの問題が原因でセカンダリ Cisco Vision Director サーバにフェールオーバーする必要が生じた場合は、元のバックアップ設定が無効になります。
バックアップのコピーを自動的にセカンダリ サーバに転送する方法でのスケジュール済みバックアップ プロセスは、再び TUI の自動バックアップ設定を使用してプライマリ サーバとセカンダリ サーバ間でバックアップ設定をリセットするまでは、完全に動作させることができないので注意してください。ただし、バックアップは引き続きプライマリ サーバに保存されます。
■元のプライマリ サーバにフェイルバックし、元の IP アドレッシング設定を使用するようになったら、セカンダリ サーバでバックアップ ディレクトリを再度確立できるように、再び TUI の自動バックアップ設定を使用してください。
■バックアップされる Cisco Vision Director のデータ
バックアップは単一の Cisco Vision Director サーバだけがあるネットワーク環境でも実行できますが、冗長仮想環境をお勧めします。冗長環境では、プライマリ サーバで Cisco Vision Director を実行し、同じサブネットに接続されたセカンダリ サーバにプライマリ サーバからのバックアップ データが保存されます。
バックアップ処理は、スケジュールを設定するか、手動で実行できます。バックアップが完了すると、コンテンツ管理システム(CMS)が自動的に再起動します。
リリース 4.1 以降では、イベント スクリプトの実行中でもバックアップ タスクを実行できるようになりました。この変更に伴い、バックアップ処理中にはデータベースの最適化と修復は行われなくなったため、必要に応じてデータベース メンテナンスを手動実行するための新規オプションが TUI に追加されています。
データベースのメンテナンスを定期的に行うことは想定されていませんが、パフォーマンスの低下が見られる場合はデータベースのメンテナンスを実行する必要があります。
ヒント: バックアップ ログ(/var/log/svd-config/backup-YYYMMddHHMMSSz.log)を調べて、テーブルの更新が「OK」となっていて最新かどうかを確認することができます。そのような状態になっていない場合は、TUI オプションを使用してデータベースのメンテナンスを行ってください。詳細については、『 Cisco Vision Dynamic Signage Director Operations Guide, Release 6.2 』で「Running Database Maintenance」のトピックを参照してください。
バックアップを必要とする Cisco Vision Director の領域は複数存在します。バックアップ処理では、Cisco Vision Director サーバの次の領域がバックアップされます。
■Cisco Vision Director コンテンツ管理システム(CMS)
■Cisco Vision Director システム コンフィギュレーション ファイル
注: システムで十分なディスク容量を確保するため、リリース 4.0 以降ではデフォルトでバックアップ ファイルが 1 つしか保持されません。
詳細については、 『Cisco Vision Dynamic Signage Director Operations Guide, Release 6.2』 で「Managing Server Resources in Cisco Vision Director」のモジュールを参照してください。
バックアップと同様に、復元プロセスもスケジュールを設定するか手動で実行します。手動復元用の画面が表示されると、バックアップと復元用の両方のディレクトリを合わせたバックアップの一覧が表示されます。これらを使用してプライマリまたはセカンダリ サーバでの手動復元を開始できます。自動復元では、常に復元ディレクトリにある最新のバックアップ ファイルが使用されます。
また、プライマリ データベースとセカンダリ データベースで実行するタスクのスケジュールは、バックアップおよび復元のタスクが存在するため異なります。したがって、スケジュール自体は自動的には復元されません。
■セカンダリ サーバでのバックアップ アカウントの有効化(必須)
■自動バックアップおよび復元を行うためのプライマリ サーバの設定(必須)
■定期バックアップのスケジュール設定(必須)
■手動操作によるバックアップの即時実行(任意)
■バックアップ完了の検証(任意)
■保持するバックアップ ファイル数の変更(任意)
冗長のセカンダリ サーバによる自動バックアップおよび復元を行うようにプライマリ Cisco Vision Director サーバを設定する前に、セカンダリ サーバで TUI を使用してバックアップ アカウントを有効にします。
TUI の使用の詳細については、「Cisco Vision Dynamic Signage Director サーバのテキストベースのユーザ インターフェイス」を参照してください。
セカンダリ サーバでバックアップ アカウントを有効にする手順は次のとおりです。
1. セカンダリ サーバで、次の手順に従って TUI にログインします。
a. 直接接続しているコンソールを使用するか、または Cisco Vision Director サーバ ネットワークに接続しているラップトップ コンピュータから SSH クライアントを使用し、サーバの IP アドレスを使用してセカンダリ Cisco Vision Director サーバへのセキュア ログインを実行します。
b. ログイン プロンプトが表示されたら「インストール担当者」のユーザ ID を入力して続行し、パスワード プロンプトでインストール担当者のパスワードを入力します。
2. メイン メニューで、[System Accounts] > [Enable/Disable Backup User] メニュー(図 1)に移動します。
ヒント: TUI メニュー内を移動するには、移動先のメニュー領域に対応する文字(a、b、c など)を入力して、Enter を押します。他のメニューに戻るには、指定されたいずれかのキーを使用してメニュー階層から前のメニューに戻ります。
図 1 [Enable/Disable Backup User] メニュー
1. [Enable backup user account] を選択します。
プライマリ サーバとバックアップ サーバ間でバックアップ アカウントとディレクトリの設定を自動化する TUI メニュー オプションを使用します。TUI を使用して、バックアップおよび復元プロセスを実行するように Cisco Vision Director サーバ環境を設定します。
注: TUI はバックアップ環境の設定にのみ使用します。手動のバックアップをスケジュールまたは実行するには、[Management Dashboard] を使用します。詳細については、定期バックアップのスケジュール設定および手動操作によるバックアップの即時実行を参照してください。
バックアップと復元を実行する前に、次のいくつかの手順を実行してください。
■バックアップ ファイルの宛先となる DSD サーバの IP アドレスを特定します。
■そのサーバ(バックアップ サーバ)で、リモート SSH アクセスを有効にします。バックアップ DSD で TUI を使用します。
a. 直接接続しているコンソールを使用するか、または Cisco Vision Director サーバ ネットワークに接続しているラップトップ コンピュータから SSH クライアントを使用し、サーバの IP アドレスを使用してプライマリ Cisco Vision Director サーバへのセキュア ログインを実行します。
b. ログイン プロンプトが表示されたら「インストール担当者」のユーザ ID を入力して続行し、パスワード プロンプトでインストール担当者のパスワードを入力します。
c. [Main Menu] で [b) System Accounts](図 2)、[b) Enable/Disable privileged accounts via remote access (ssh)](図 3)の順にオプションを選択します。
リモート(バックアップ)サーバでアクセスを有効にした後、プライマリ DSD サーバに戻って手順を続行します。,
自動バックアップおよび復元を行うようにプライマリ サーバを設定する手順は次のとおりです。
1. プライマリ サーバで、次の手順に従って TUI にログインします。
a. 直接接続しているコンソールを使用するか、または Cisco Vision Director サーバ ネットワークに接続しているラップトップ コンピュータから SSH クライアントを使用し、サーバの IP アドレスを使用してプライマリ Cisco Vision Director サーバへのセキュア ログインを実行します。
b. ログイン プロンプトが表示されたら「インストール担当者」のユーザ ID を入力して続行し、パスワード プロンプトでインストール担当者のパスワードを入力します。
2. メイン メニューで、[Cisco Vision Server Administration] > [Setup automatic backup and restore] に移動します。
図 4 [Setup Automatic Backup and Restore] メニュー オプション
3. 図 5の例に示すように、プロンプトでセカンダリ(リモート バックアップ)サーバの IP アドレスまたはホスト名を入力します。
注: 画面内に黄色で表示されているテキストは、上記の前提条件での実行内容の手順を示しています(下図では省略)。
4. プロンプトで、セカンダリ バックアップ サーバでのインストール担当者アカウントのパスワードを入力します。
5. パスワードが受け入れられると、RSA キーが生成され、公開キーがセカンダリ サーバにコピーされます。図 6に示すように、エラーなしでキーが作成されたことを確認します。
6. 「Press any key」メッセージが表示されるまで待ちます(表示が多少遅れる場合があります)。
7. 任意のキーを押して [Cisco Vision Server Administration] メニューに戻ります。
バックアップ プロセスをサポートするようにサーバを設定した後は、Cisco Vision Director ソフトウェアの [Management Dashboard] を使用してバックアップのスケジュールを設定します。
バックアップの定期実行スケジュールを設定する手順は次のとおりです。
1. プライマリ Cisco Vision Director サーバに管理者としてログインします。
2. Cisco Vision Director で [More] > [Management Dashboard] に移動します。
[Management Dashboard] Cisco Vision Director が新しいウィンドウで開きます。
3. [Tools] ドロワー > [Advanced] タブ > [Scheduled Tasks] を選択します。
4. [Add Row] をクリックして新規の空白行までスクロールします。
5. [Task Type] 列をクリックし、「BackupTask」と入力します(図 7)。
注: タスクの名前は、小文字と大文字の違いも含めて、表示通りに正しく入力してください。
6. [Task Time] 列をクリックし、バックアップを開始させる時刻を指定します(24:00 の形式)。
バックアップをすぐに開始する場合は、バックアップを手動で実行します。
バックアップを手動で開始してすぐに実行する手順は次のとおりです。
1. Cisco Vision Director に管理者としてログインします。
2. Cisco Vision Director のメイン メニューで、[More] > [Management Dashboard] に移動します。
[Management Dashboard] Cisco Vision Director が新しいウィンドウで開きます。
3. [Tools] ドロワー > [Advanced] タブ > [Run a Task] を選択します。
4. [Tasks to Run] ボックスで、[BackupTask] を選択します(図 8)。
バックアップが即時に開始されます。完了すると、CMS は自動的に再起動します。
注: 「success」メッセージの表示は、バックアップ タスクが開始されたことを意味します。これはバックアップの完了を意味するものではありません。
バックアップが完了したことを確かめるには、バックアップ ファイルが存在することと、ログ ファイルにエラーが記録されていないことを確認します。
注: バックアップ ファイルの存在を確認してわかるのは、バックアップが試行されたということだけです。ファイルにエラーがないかどうかを確認してください。
バックアップ ファイルが存在することを確認する手順は次のとおりです。
1. Cisco Vision Director に管理者としてログインします。
2. Cisco Vision Director のメイン メニューで、[More] > [Management Dashboard] に移動します。
[Management Dashboard] Cisco Vision Director が新しいウィンドウで開きます。
3. [Tools] ドロワー > [Advanced] タブ > [Restore system data from backup] を選択します。
注: メッセージ「Starting backup」および「Backup completed」は、バックアップが失敗しても常にログに記録されます。
ログ ファイル中のバックアップ エラーを探す手順は次のとおりです。
1. /opt/sv/servers/config/logs/sv_dev_debug.log ファイルを開きます。
ヒント: ログ ファイルには、TUI からアクセスするか、[Library]([Main Cisco Vision Director Menu])でシステム状態レポートを実行してアクセスすることができます。[More] > [System State Report] をクリックします。
2. sv_dev_debug.log ファイル中で、文字列「com.cisco.sv.backup」を含むメッセージを特定します。
3. 「Starting backup」メッセージを特定します。
4. 「Starting backup」メッセージの後方(かつ「Backup completed」メッセージの手前)にある「com.cisco.sv.backup」メッセージで、文字列中に「ERROR」を含むものを特定します。
システムで必要とされるディスク ストレージ量を節約するため、デフォルトのバックアップ保持ポリシーでは、バックアップ ファイルを 1 つ保持するようにされています。この保持ポリシーを変更して、2、5、7、または 10 日分のバックアップ ファイルを保持できます。
注意: 保持するバックアップ ファイル数がシステム リソースによってサポートされるように、全体的なディスクの使用率とバックアップ コンテンツのサイズを確認してください。
注: このタスクはプライマリ サーバとセカンダリ バックアップ サーバの両方で実行してください。
保持するバックアップ ファイル数を変更する手順は次のとおりです。
a. 直接接続しているコンソールを使用するか、または Cisco Vision Director サーバ ネットワークに接続しているラップトップ コンピュータから SSH クライアントを使用し、サーバの IP アドレスを使用してプライマリ Cisco Vision Director サーバへのセキュア ログインを実行します。
b. ログイン プロンプトが表示されたら「インストール担当者」のユーザ ID を入力して続行し、パスワード プロンプトでインストール担当者のパスワードを入力します。
2. メイン メニューで、[Cisco Vision Server Administration] > [Retention Policy] > [Backup/restore Files] に移動します。
ポリシー オプションのメニューが表示され(図 9)、保持するバックアップ ファイル数として 1(デフォルト)、2、5、7、または 10 を選択できます。
図 9 [Backup Retention Policy] メニュー
3. ファイルを保持する日数に対応する文字を入力し、Enter を押します。
4. ポリシー変更の確認メッセージが表示されたら、任意のキーを押して [Cisco Vision Server Administration] メニューに戻ります。
Cisco Vision Director ソフトウェアは、プライマリ サーバとセカンダリ サーバ間でバックアップ ファイルを自動的にコピーし、復元処理の開始時に MD5 チェックサムを検証します。
セカンダリ サーバへのフェールオーバーと復元が必要になった場合は、冗長 Cisco Vision Director サーバ間でのフェールオーバーの設定の手順に従います。
注: サーバ間で手動でファイルをコピーする必要がある場合は、.tar ファイルと.chksum ファイルの両方をコピーしてください。復元処理では MD5 署名の検証で自動的に両方のファイルが使用されます。
■手動操作による復元の即時実行(任意)
■Cisco Vision Director ソフトウェアの再起動(復元実行後に必要)
定期的にスケジュールされた時刻以外の時刻に復元を開始する場合、Cisco Vision Director ソフトウェアでは、バックアップから復元を実行してすぐに開始することもできます。
注意: イベント スクリプトの実行中は復元プロセスを正常に実行できません。またバックアップ開始時に実行中であったスクリプトが存在していた場合は、復元の終了後にそうしたスクリプトは実行を開始します。
1. 管理者として Cisco Vision Director にログインします。
2. Cisco Vision Director のメイン メニューで、[More] > [Management Dashboard] に移動します。
[Management Dashboard] Cisco Vision Director が新しいウィンドウで開きます。
3. [Tools] ドロワー > [Advanced] タブ > [Restore system data from backup] を選択します。
4. [Components] で、[All components except Scheduled tasks] を選択します(図 11)。
5. (任意)復元対象を最新のバックアップ(デフォルト)以外にしたい場合は、[System backup time] ボックスで、代わりに復元するバックアップ ファイルの日時を選択します(図 11)。
注: スケジュール済みタスクも復元する必要がある場合は、[Restore system data from backup] に戻り、[Components] で [Scheduled Tasks] を選択します。
Cisco Vision Director サーバで何らかの復元を実行した後は、Cisco Vision Director ソフトウェアを再起動してサービスの通常の運用を再開する必要があります。
Cisco Vision Director ソフトウェアを再起動する手順は次のとおりです。
1. プライマリ サーバで、次の手順に従って TUI にログインします。
a. 直接接続しているコンソールを使用するか、または Cisco Vision Director サーバ ネットワークに接続しているラップトップ コンピュータから SSH クライアントを使用し、サーバの IP アドレスを使用してプライマリ Cisco Vision Director サーバへのセキュア ログインを実行します。
b. ログイン プロンプトが表示されたら「インストール担当者」のユーザ ID を入力して続行し、パスワード プロンプトでインストール担当者のパスワードを入力します。
2. メイン メニューで、[Cisco Vision Server Administration] > [Restart Dynamic Signage Director Software] に移動します。