この文書では、Cisco Aironet 製品へのアンテナ取り付け方法について説明します。
次の項目に関する知識が推奨されます。
Aironet ワイヤレス製品
ワイヤレス製品の取り付け
このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づくものです。
Aironet アクセス ポイント(AP)とブリッジ
Aironet アンテナおよびアクセサリ
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
ワイヤレス ネットワークの設置では、アンテナをユーザに近いところに配置する必要があります。 アンテナの位置は、接続されているスイッチや、コンピュータ ルームの近くである必要はありません。 AP やブリッジからアンテナの位置まで、ケーブルを 100 フィート以上にわたって敷設できます。
同軸ケーブルは、アンテナと無線装置の間の無線周波数(RF)エネルギーを伝送します。 アンテナ ケーブルによってトランスミッタとレシーバの両方のアンテナ システムで信号損失が生じます。 信号損失を低減するには、ケーブルの長さをできるだけ短くして、無線機器とアンテナの接続に低損失(LL)または超低損失(ULL)アンテナ ケーブルのみを使用します。
RF 同軸ケーブル = 信号強度損失
信号強度の損失は、ケーブル セグメントの長さに直接比例します。 ケーブルの直径が増加すると信号損失が減少しますが、購入コストが高くなります。 信号周波数が増加すると(大きな番号のチャネル)、損失が増加します。
LL ケーブルにより、Aironet 製品とそのアンテナの間の距離を拡大できます。 LL ケーブルでは 30 メートル(100 フィート)あたりの損失は 6.7 dB であり、ULL ケーブルの場合は 4.4 dB になります。これらのケーブルを使用すると、範囲やパフォーマンスに大きな影響を与えることなく、設置が柔軟に行えます。
シスコは次の LL ケーブルおよび ULL ケーブルを提供します。
機能 | AIR-CAB020LL-R | AIR-CAB050LL-R | AIR-CAB100ULL-R | AIR-CAB150ULL-R |
---|---|---|---|---|
ケーブル長 | 6 m(20 ft) | 15 m(50 ft) | 30 m(100 ft) | 46 m(150 ft) |
伝送損失 | 1.3 dB | 3.4 dB | 4.4 dB | 6.6 dB |
注: Aironet ワイヤレス製品にシスコ製のアンテナとアンテナ ケーブルを使用すると、次の規制機関の要件への完全準拠が保証されます。
FCC
欧州通信規格協会(ETSI)
その他の規制機関
シスコの LL ケーブルと ULL ケーブルはプレナム定格ではありません。 プレナム定格ケーブルは、Times Microwave Systems から入手できます。
30 メートル(100 フィート)のケーブルを使用すると、伝送距離を 30 % 減少できます。 直線距離範囲での 30 % の減少は、カバー領域(面積)では約 50 % の減少に相当します。
アンテナケーブルを敷設する際には、次の点に注意してください。
同軸ケーブルを引き抜くときに力を入れすぎると、その損失特性が増加します。 同軸ケーブルは慎重に取り扱うようにしてください。
同軸ケーブルの曲げが、製造元により規定されている曲げ半径を超えてはなりません。
ケーブル セグメントが長くなるほど、ケーブル長全体での信号損失が上昇します。 ケーブルのメーカーの仕様に、フィートあたりの実損失値が明記されています。
銅線を建物の外側から内側へ敷設する場合は、避雷保護を使用します。 多くの国では、このような場合に避雷対策を実施することが義務付けられています。 当該地域の建築規制を確認してください。
屋外に取り付けられたアンテナの場合、Coax-Seal などの良質なシーリング材を使用してシーリングしてください。
シスコには、電力予算の計算に役立つ Outdoor Bridge Range Calculation Utility もあります。