内容

概要

電話交換機および Foreign Exchange Station(FXS)は、接続された電話機がスピーチ エネルギーを伝達し、電話機の呼び出し音デバイスに電力を供給できるように、DC バッテリと AC 呼び出しを供給する必要があります。このドキュメントでは、さまざまな Cisco FXS インターフェイスから供給される電圧、および電圧レベルについてのいくつかの既知の問題を解決する方法について説明します。

前提条件

要件

このドキュメントに特有の要件はありません。

使用するコンポーネント

このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。

呼び出し電圧

PBX およびキー システムの業界標準では、呼出音の検出回路は 40 Vrms の呼出信号を検出できる必要があります。この電圧は、セントラル オフィス(CO)で生成された呼出信号に対する負荷と配線の電圧低下の影響を考慮したものです。 逆に、CO(交換局)は最大ケーブル長での最大駆動負荷に対して十分な電力で呼出音を供給する必要があります。この要件を満たすには、CO ベース ユニットは、約 85 ~ 100 Vrms の振幅で呼出信号を供給する必要があります。Cisco ボイス ゲートウェイは、呼び出しを検出する機器と同じ場所か、そのごく近くに配置されるオンプレミス サービス(ONS)機器として使用するものです。したがって、使用する呼び出し電圧が低い場合でも、40 Vrms 5 リンガー等価番号(REN)要件を満たすことができます。

アイドル バッテリ電圧

Cisco ボイス ゲートウェイは ONS 接続用に設計されており、FXS インターフェイスはデフォルトで -24 Vdc か -36 dvc のいずれかのアイドル バッテリを供給します。CO などのオフ プレミス サービス(OPS)では、非常に長いケーブルでの相互接続が必要となる場合があるため、-48 v の電圧が必要です。一部の Cisco FXS インターフェイスはさらに高い電圧を供給するように設定できます。

アイドル回線電圧

次の表に、さまざまな Cisco ゲートウェイ FXS インターフェイスによって供給されるアイドル回線電圧を示します。

FXS インターフェイス アイドル電圧
VG248 -36 V
VIC-2FXS -26 V
VIC-2DID -24 V(低)-48 V(高)
ASI 81 および ASI 160 -24 V(低)-48 V(高)
IAD 24xx-FXS -24 V(低)-48 V(高)
1730 IAD -24 V(低)-48 V(高)
VIC-4FXS/DID -24 V(低)-48 V(高)
VIC2-2FXS -48 V
NM-HDA -36 V
VG224 -24 V(低)-43 V(高)

表記法

ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。

問題

電圧に問題があると、応答およびコール開始、さらに呼び出しに関する問題が生じる可能性があります。

ファクス、留守番電話、マルチ回線電話機、およびボイス メール システムなどの特定の自動化されたデバイスは、回線が使用中かアイドル状態かを判断するために、回線電圧を確認します。他の端末がオフフックの場合、回線電圧が低下するため、自動化されたシステムはコールに応答せず、コールを開始することもありません。使用されるしきい値が約 -24 V かそれ以上の場合、デバイスが所定の動作をしなくなることがあります。

特定の電話機では、Cisco FXS インターフェイスからデフォルトの呼び出し電圧および呼び出し周波数が適用されると、呼出音が鳴らない可能性があります。

解決方法

自動化されたテレフォニー デバイスに関する応答およびコール開始の問題の解決

FXS の音声ポート上でこのコマンドを設定し、アイドル バッテリ電圧を -24 V から -48 V に上げます。

Router(config-voiceport)#idle-voltage {low | high}

注:このオプションは、VG248、VIC-2FXS、およびWS-x6624 FXSインターフェイスでは使用できません。

呼び出しに関する問題の解決

電話メーカーは、ユーザがダイヤルしている最中は呼出デバイスから呼出音が鳴らないようにするために、周波数フィルタを使用することがあります(消音回路)。 接続デバイスに合わせて呼出周波数を調整することが必要な場合があります。

17xx、26xx、36xx および 37xx プラットフォームの呼出周波数を設定するには、次のコマンドを実行します。

Router(config-voiceport)#ring frequency ?
25 ring frequency 25 Hertz 
50 ring frequency 50 Hertz

3810 プラットフォームの呼出周波数を設定するには、次のコマンドを実行します。

Router(config-voiceport)#ring frequency ? 
20 ring frequency 20 Hertz  
30 ring frequency 30 Hertz

統合アクセス装置(IAD)IAD2400 プラットフォームの呼出周波数を設定するには、次のコマンドを実行します。

Router(config-voiceport)#ring frequency ? 
20 ring frequency 20 Hertz 
25 ring frequency 25 Hertz 
30 ring frequency 30 Hertz 
50 ring frequency 50 Hertz

呼出デバイスから呼出音を鳴らさないようにする別の方法は、ダイヤリングの際に発生する可能性のある低電圧が無視されるように、電圧しきい値を設定することです。電圧を上げることで解決できます。

IAD24xx ルータに DC オフセット電圧を設定するには、次のコマンドを実行します。

Router(config-voiceport)#ring dc-offset ? 
10-volts Ring DC offset 10 volts 
20-volts Ring DC offset 20 volts 
24-volts Ring DC offset 24 volts

注:このコマンドシーケンスは、IAD24xxルータでのみ使用できます。24-volts Ring DC offset 24 volts の設定は、Cisco IOS® リリース ソフトウェア 12.2.11T 以降で使用できます。

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