このドキュメントは、10 部で構成されるドキュメント セットの第 3 部です。 これらの各ドキュメントの情報については、このセット「Installing and Configuring Cisco WebAttendant for CallManager 3.0」のインデックスを参照してください。
このドキュメントでは、サーバの観点から、Cisco CallManager 用の Cisco WebAttendant の設定方法について説明します。 詳細については、「Installation of Cisco Web Attendant on Client Side」を参照してください。
このドキュメントでは、Default Device Pool を使用します。 また、すべての場所は <None> に、すべてのコーリング サーチ スペースは <None>, に、すべてのパーティションは <None> に設定されます。 必要に応じて、各フィールドの値をトポロジに合わせて調整してください。
Cisco CallManager サーバ上の Cisco WebAttendant は、パイロット ポイントおよび関連付けられたハント グループを使用してコール ルーティングを制御します。 複数の Cisco WebAttendant ユーザは、個々のユーザの加入過多の発生を考慮して、ハント グループとカスケード接続することができます。 ハント グループの最初のメンバーに 4 本の電話回線があり、これらがハント グループの最初の 4 メンバーとなる場合、別の Cisco WebAttendant Pilot ポイントを指す 5 番目のハント グループ メンバーを追加できます。
このドキュメントに関しては個別の要件はありません。
このドキュメントは、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
次の図は、最初のハント グループが 1 つの Cisco WebAttendant Client(User ID = wa)の 4 回線および関連付けられた電話を指すシナリオを示します。 2 番目のハント グループは、4 台の IP Phone と、IP AutoAttendant またはボイスメール DN を指しています。 WA ユーザが自分のコンソールにログインしていない場合は、コールはただちにパイロット ポイント 4001 にルーティングされます。
上の図に示すようにハント グループに DN を設定すると、前のメンバー(DN - 回線)がビジーである場合にのみ、着信コールは次のメンバーにルーティングされます。
次に、例を示します。
ユーザ WA が Cisco WebAttendant アプリケーションにログインしていないために着信コールがパイロット ポイント 4000 で処理されない場合、着信コールはパイロット ポイント 4001 に渡されます。
パイロット ポイント 4001 は、使用可能な最初の DN にコールをルーティングします。 ここで、8001 が話中で、8002 が対応可能であると仮定します。
コールが 8002 に渡され、8002 に割り当てられている電話機が鳴ります。
この時点で、コールがハント グループの制御下ではなくなります。 8002 へのコールに応答がない場合、そのコールは失われます。ただし、この回線が「Forward on No Answer」に設定されている場合は別です。
Cisco WebAttendant クライアントはこの電話機を制御しないため、「Forward on No Answer」オプションを設定できます。 Cisco WebAttendant クライアントが制御する電話機では設定できません。
この例の要点は、ハント グループで DN を使用するのは、コールがルーティングされる可能性があるすべての回線に、対応できるユーザが存在することが明確である場合に限られる、ということです。
パイロット ポイントとハント グループは、Cisco Telephony Call Dispatcher(TCD)が Cisco WebAttendant にコールをルーティングする前に設定する必要があります。 Cisco WebAttendant パイロット ポイントは、コールを受信し、関連付けられたハント グループのメンバーにリダイレクトする仮想電話番号です。 ハント グループのメンバーがリストで表示される順序で、コールのリダイレクションの順序が決まります。 ハント グループ内のビジーでない最初のメンバーが、コールを受信します。
パイロット ポイントは、ハント グループ メンバーのリストに基づいて TCD がコールを受信し、リダイレクトする仮想電話番号です。 パイロット ポイントの番号は、システム全体で一意である必要があります。つまり共有ライン アピアランスにすることはできません。
ハント グループは、コールのリダイレクション順を決定する宛先リストです。 ハント グループは、タスク 2 で設定します。
Cisco CallManager のメイン メニューから [Service] > [Cisco WebAttendant] を選択します。
設定の必要に応じて、フィールドに入力します。
この表の説明に従って、該当する設定を入力します。
フィールド | 説明 | 使用方法に関する特記事項 |
---|---|---|
Pilot Name | これはパイロット ポイントの名前です。 | 50 文字まで入力できます。 |
Primary Cisco CallManager | このパイロット ポイントを機能させるために使用される TCD サービスを含む Cisco CallManager の名前または IP アドレス。 | プライマリの Cisco CallManager を選択する場合は、コール処理およびデバイスのロード バランシングを考慮に入れる必要があります。 |
Partition | ドロップダウン リスト ボックスで [None] を選択します。 | Cisco WebAttendant パイロット ポイントはパーティションを使用しません。 |
Calling Search Space | このコーリング サーチ スペースで、コールをルーティングしようとするときにパイロット ポイントが検索するパーティションが決定されます。 ドロップダウン リストでコーリング サーチ スペースを選択します。 | Cisco WebAttendant パイロット ポイントに関連付けられたディレクトリ ベースのハント グループ メンバーは、パイロット ポイント番号のコーリング サーチ スペースが認識できるパーティションに存在する必要があります。 |
Pilot Number (DirN) | このパイロット ポイントの電話番号です。 | この番号は、システム全体で一意です。つまり共有ライン アピアランスにすることはできません。 |
パイロット ポイントとハント グループを作成する場合は必ず、オーバーフロー状態を考慮してください。 たとえば、「サポート」というパイロット ポイントが 1 つあり、そのハント グループに 3 つの電話番号が含まれているとして、この 3 つのすべての電話番号がビジーのときに 4 つ目のコールが着信する可能性があります。 この場合、コールをルーティングできる追加の電話番号はありません。
オーバーフロー状態を処理するために、ハント グループの最後の電話番号は、ボイスメールや Cisco IP AutoAttendant などの複数の着信コールを同時に受けてオーバーフロー状態を処理できるアプリケーションにする必要があります。
注: TCD が回線状態を認識できる場合は、このボイスメール番号に対して [Always Route Member] を必ず有効にします。 そうでない場合は、このボイスメール番号は複数のコールを同時に受信しません。
注: Cisco WebAttendant コンソールで使用される Cisco IP Phone の回線と電話番号については、コール ウェイティングとコール転送を無効にします。
注: Cisco WebAttendant で使用されている電話機には、共有ライン アピアランスを使用しないでください。
この例の設定は次のとおりです。
パイロット名:cisco
プライマリ Cisco CallManager:TAPAS
パイロット番号:3000
注: パイロット番号は、どの電話機にも関連付けられていない、一意の番号である必要があります。
[Insert] をクリックします。
パイロット ポイントを作成したら、パイロット ポイントに着信するコールのリダイレクト方法を指定するためにハント グループを設定する必要があります。
コールがパイロット ポイントに着信すると、TCD は、そのパイロット ポイントのハント グループ リストを使用して、コールの宛先を決定します。 TCD は、コールのルーティング先として使用できる最初の宛先に到達するまで、ハント グループのメンバーを順番に調べます。 ハント グループ メンバーは、電話番号(DN)で指定するか、または Cisco WebAttendant のユーザおよび回線番号(ユーザ メンバー)で指定することができます。
DN が指定されている場合、TCD は回線が使用可能(ビジーでない)かどうかをチェックして、使用可能な場合はコールをルーティングします。 これは、1 台の IP 電話に関連付けられた DN です。 WebAttendant の DN は一意でなければなりません。
ユーザと回線番号が指定されている場合、TCD は、ユーザが Cisco WebAttendant にログインしており、オンラインであるかどうかを確認してから、回線が使用可能かどうかをチェックします。 ユーザがログインしており、オンラインで、回線が使用可能な場合、TCD はコールをルーティングします。
DN の代わりにユーザと回線番号を指定する利点は、Cisco WebAttendant のユーザが、クラスタ内の Cisco WebAttendant ソフトウェアで制御される任意の Cisco IP Phone にログインし、オンラインになり、コールを受信できるという点です。 DN を指定した場合、Cisco WebAttendant ユーザは、設定された DN を持つ電話機に関連付けられている PC にログインする必要があります。
Hunt Group Configuration をクリックします。 このコマンドの場所については、前の図を参照してください。
タスク 1 で設定したパイロット番号を、左側のペインで選択します。この例では 3000 です。
[New] をクリックします。
[User Member Information] セクションに、ユーザと回線番号を入力します。
この表の説明に従って、該当する設定を入力します。
フィールド | 説明 | 使用方法に関する特記事項 |
---|---|---|
デバイス メンバー情報(これらのフィールドは電話番号に基づくハント グループ メンバーにのみ適用されます) | ||
Partition | この電話番号が属するルート パーティションです。 このハント グループ メンバーの電話番号がパーティションにある場合は、パーティションを選択する必要があります。 電話番号がパーティションにない場合は、[None] を選択します。 | パーティションは、電話番号に基づくハント グループ メンバーに対してのみ選択できます。 ユーザおよび回線番号に基づくハント グループ メンバーに対してパーティションを選択することはできません。 注: 電話番号に基づくハント グループ メンバーは、関連付けられたパイロット ポイントのコーリング サーチ スペースから確認できるパーティションに存在する必要があります。 |
Directory Number | ハント グループ メンバー デバイスの電話番号。 | パーティションが指定され、電話番号がそのパーティションにない場合は、エラー ダイアログボックスが表示されます。 このフィールドにディレクトリ番号を指定した場合は、ユーザ名と回線番号をいずれも入力できません。 |
Always Route Member | パーティションが指定され、電話番号がそのパーティションにない場合は、エラー ダイアログボックスが表示されます。 このフィールドにディレクトリ番号を指定した場合は、ユーザ名と回線番号をいずれも入力できません。 | このオプションは、ボイスメール デバイスなど、同時に複数のコールを処理できるデバイスに対して有効にすることができます。 [Always Route Member] は、電話番号に基づくハント グループ メンバーに対してのみ指定できます。 |
ユーザ メンバー情報(これらのフィールドは、ユーザと回線番号に基づくハント グループ メンバーにのみ適用されます) | ||
ユーザ名 | ハント グループ メンバーとして選択する Cisco WebAttendant ユーザの名前。 | ドロップダウン リストでユーザ名を選択します。 このリストに表示されるのは、Cisco WebAttendant ユーザ設定を使用して追加されたユーザ名だけです。 |
Line Number | ドロップダウン リストから回線番号を選択します。 | ユーザと回線番号のペアをハント グループ メンバーとして定義すると、TCD は最初に、そのユーザが Cisco WebAttendant にログインしており、オンラインであるかどうかをチェックします。 ユーザがオンラインでない場合、TCD は自動的にハント グループの次のメンバーを調べます。 |
注: ユーザ名と回線番号ではなく、電話番号(DN)を使用する場合、コールのルーティング先は、DN が割り当てられている電話機のみとなります。 Cisco WebAttendant クライアントを使用して、割り当てられた内線番号(DN)へのコールを受けるユーザは、その DN を処理する IP Phone を制御するように設定された Cisco WebAttendant 対応の PC にログインする必要があります。
この例の設定は次のとおりです。
ユーザ名:webattendant
回線番号:1
[Update] をクリックします。
この例に類似したウィンドウが開きます。
ユーザまたは DN を追加するには、ステップ 2 と 3 を繰り返します。
すべての新しいユーザを入力したら、この作業は完了です。
Cisco WebAttendant サーバ設定を変更すると、ほとんどの場合、変更を有効にするためにサービスを停止し、再起動する必要があります。
注意: TCD サービスをリセットすると、サービスが再びオンラインになるまで、TCD のコール ルーティングが停止されます。
Cisco CallManager のメイン メニューから [Service] > [Control Center] を選択します。 次にサーバを選択します。
[Stop] をクリックします。
5 秒待ってから、[Start] をクリックします。
これで、このタスクは完了です。
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