このドキュメントでは、Cisco CallManager 3.3(1) 以降での共存を可能にする、Cisco IP Manager Assistant(IPMA)および Cisco Personal Assistant(PA)の設定方法について説明します。 Cisco CallManager 4.0 以降、「シェアド モード」が導入されています。これは、IMPA シェアド モードの IPMA ルート ポイント、コーリング サーチ スペース(CSS)/パーティションなどを必要としません。 このドキュメントは、IPMA プロキシ モードにも適用されます。
IPMA と PA は、Cisco CallManager ソリューションの一部として共存できます。 次の 2 つの設定が考えられます。
設定 1: PA が回線の着信コールを代行受信し、IPMA がマネージャ回線にルーティングされたコールを代行受信します。
設定 2: IPMA がマネージャ宛ての着信コールを代行受信します。 IPMA によるコールのルーティング先の回線で PA がアクティブな場合、PA ルールが適用されます。
このドキュメントに関しては個別の要件はありません。
このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づくものです。
Cisco CallManager 3.3(1) 以降
PA 1.3(3) 以降
注: Cisco CallManager 4.0 以降、IPMA でシェアド モード設定がサポートされています。 このドキュメントの内容は、IPMA のシェアド モード設定には適用されません。これは、IMPA ルート ポイント、CSS/パーティションなどは IPMA シェアド モードには必要ないためです。 このドキュメントは、IPMA プロキシ モードには適用されます。
本書の情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されたものです。 このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。 稼働中のネットワークで作業を行う場合、コマンドの影響について十分に理解したうえで作業してください。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
この設定は、PA がマネージャへのすべてのコールを処理できるようにするために使用されます。 たとえば、月曜日から金曜日までの 8:00 am から 5:00 pm の間はコールを勤務先電話に送信することを指定した PA ルールが、マネージャに設定されているとします。 マネージャが不在の場合(応答がない場合など)、コールはマネージャの携帯電話に送信されます。 その他の曜日と時間では、コールは携帯電話に転送されます。 この場合、平日に受信したコールは、PA によりマネージャの勤務先電話に転送されます。 次に IPMA がこの同じコールを代行受信し、そのマネージャのオンライン アシスタントが存在するかどうかを確認します。 オンライン アシスタントが存在する場合は、IPMA はコールをアシスタントに送信します。 IPMA は、IPMA DivAll ターゲットおよびフィルタリング ルールに基づいてその同じコールをその他の宛先にも転送できます。
すべてのコールは IPMA ルート ポイントを通過します。 IPMA は IPMA マネージャの回線宛てのコールだけを代行受信します。
IPMA-Managers:このパーティションは、IPMA 用に管理されるマネージャの回線に割り当てます。 この IPMA マネージャは PA ユーザの場合もあります。
IPMA-Route Point:IPMA マネージャ回線への着信コールの代行受信に使用される IPMA ルート ポイント上の回線に、このパーティションを割り当てます。
PA - PA ユーザ宛ての着信コールの代行受信のために PA により使用される CTI ルート ポイント上の回線に、このパーティションを割り当てます。
PA-Managed:PA を使用するすべてのユーザの回線にこのパーティションを割り当てます。
注: PA を使用するマネージャの IPMA マネージャ回線は、引き続き IPMA-Manager パーティションに割り当てる必要があります。
Everyone:IPMA または PA のいずれも使用しないユーザの回線に、このパーティションを割り当てます。
CSS-PA: これは、IVR 機能に使用される PA インターセプタ ルート ポイントと PA ルート ポイントに割り当てられた CSS です。 この CSS には、次のパーティションが示されている順序で含まれています。
IPMA-Route Point
PA-Managed
Everyone
IPMA Managers:これは、IPMA ルート ポイントとアシスタント プロキシ回線に割り当てられている CSS です。 この CSS には、次のパーティションが示されている順序で含まれています。
IPMA-Managers
Everyone
CSS-IPMA-PA: これは、IPMA、PA、またはこの両方がダウンしている場合に使用されるトランスレーション パターンに割り当てられている CSS です。 この CSS には、次のパーティションが示されている順序で含まれています。
IPMA-Managers
PA-Managed
Everyone
All_Calls:これは、その他のすべての回線、ゲートウェイ、PBX などに割り当てられている CSS です。 この CSS には、次のパーティションが示されている順序で含まれています。
PA
IPMA-Route Point
Everyone
CTI ルート ポイント | Partition | CSS |
---|---|---|
IPMA ルート ポイント | IPMA-Route Point | IPMA-Managers |
PA ルート ポイント(代行受信用) | PA | CSS-PA |
PA ルート ポイント(IVR 機能用) | Everyone | CSS-PA |
トランスレーション パターン | Partition | CSS |
---|---|---|
(例:23xxx) | Everyone | CSS-IPMA-PA |
注: トランスレーション パターンは、PA ルート ポイント DN および IPMA ルート ポイント DN の両方に一致する必要があります。 DN が異なる場合は複数のトランスレーション パターンを使用できます。
回線 | Partition | CSS |
---|---|---|
IPMA マネージャの回線(PA サポートあり/なし) | IPMA-Managers | All_Calls |
PA を必要とするその他のユーザ | PA-Managed | All_Calls |
PA を必要としないユーザ | Everyone | All_Calls |
PA のメディア ポート(Skinny) | Partition | CSS |
---|---|---|
PA のメディア ポート | Everyone | All_Calls |
PA から IPMA に転送され、IPMA によりアシスタントにリダイレクトされるコールの場合、IPMA Assistant Console のコール制御機能が機能しません。 Cisco Bug ID CSCdz65896(登録ユーザ専用)で、PA と IPMA の共存に関する任意の転送の問題について説明し、この問題を追跡しています。
アシスタントがプロキシ回線から IPMA マネージャにコールする場合、その IPMA マネージャの PA ルールは適用されません。
アシスタントはプロキシ回線に対して PA ルールを設定できません。 IPMA がマネージャのコールをアシスタントのプロキシ回線にリダイレクトする場合に、そのプロキシ回線で設定されている PA ルールはすべて実行されません。
この設定では、最初に IPMA がマネージャへのすべてのコールを処理できます。 マネージャ宛てのコールがあると、IPMA はマネージャのフィルタリング/DivAll ルールを適用します。 ルールの適用後、IPMA はコールを宛先番号に送信します。 これは、マネージャまたはアシスタントのプロキシ回線、またはその他の宛先です。 宛先番号が PA ユーザの番号の場合、PA はコールを代行受信してルールを適用します。 すべてのコールは PA ルート ポイントを通過します。 PA は PA ユーザ宛てのコールだけを代行受信します。 アシスタントまたは別のターゲットが PA ユーザである場合もあります。
IPMA-Managers:PA を使用しない IPMA マネージャの回線にこのパーティションを割り当てます。
IPMA-Route Point:IPMA マネージャ回線への着信コールの代行受信に使用される IPMA ルート ポイント上の回線に、このパーティションを割り当てます。
PA - PA への着信コールの代行受信のために PA により使用されるルート ポイント上の回線に、このパーティションを割り当てます。
PA-Managed:PA を使用するすべてのユーザの回線にこのパーティションを割り当てます。
注: このパーティションは、PA を使用するマネージャの IPMA マネージャ回線にも割り当てられます。
Everyone:IPMA または PA のいずれも使用しないユーザの回線に、このパーティションを割り当てます。
IPMA Managers:これは、IPMA ルート ポイントとアシスタント プロキシ回線に割り当てられている CSS です。 この CSS には、次のパーティションが示されている順序で含まれています。
PA
IPMA-Managers
Everyone
CSS-PA: これは、IVR 機能に使用される PA インターセプタ ルート ポイントと PA ルート ポイントに割り当てられた CSS です。 この CSS には、次のパーティションが示されている順序で含まれています。
PA-Managed
Everyone
CSS-IPMA-PA: これは、IPMA、PA、またはこの両方がダウンしている場合に使用されるトランスレーション パターンに割り当てられている CSS です。 この CSS には、次のパーティションが示されている順序で含まれています。
IPMA-Managers
PA-Managed
Everyone
All_Calls:これは、その他のすべての回線、ゲートウェイ、PBX などに割り当てられている CSS です。 この CSS には、次のパーティションが示されている順序で含まれています。
IPMA-Route Point
PA
Everyone
CTI ルート ポイント | Partition | CSS |
---|---|---|
IPMA ルート ポイント | IPMA-Route Point | IPMA-Managers |
PA ルート ポイント(代行受信用) | PA | CSS-PA |
PA ルート ポイント(IVR 機能用) | Everyone | CSS-PA |
トランスレーション パターン | Partition | CSS |
---|---|---|
(例:23xxx) | Everyone | CSS-IPMA-PA |
回線 | Partition | CSS |
---|---|---|
IPMA マネージャの電話(PA サポートなし) | IPMA-Managers | All_Calls |
IPMA マネージャの電話(PA サポートあり) | PA-Managed | All_Calls |
PA を必要とするその他のすべてのユーザ | PA-Managed | All_Calls |
PA を必要としないその他のすべてのユーザ | Everyone | All_Calls |
PA のメディア ポート(Skinny) | Partition | CSS |
---|---|---|
PA のメディア ポート | Everyone | All_Calls |
ユーザ(内部または外部)が PA 音声ポートにコールし、任意のユーザを求めると、PA は最初に PA ルールを処理してから、コールを宛先に転送します。 たとえば、ユーザがコール発信し、IPMA マネージャを求めると、PA ルールだけがこのコールに適用されます。 IPMA ルールは適用されません。 この問題を解決するには、Cisco Bug ID CSCdz65976(登録ユーザ専用)を参照してください。この記事では、PA メディア ポートでコールを受信した場合に PA ルールを適用しないオプションについて説明しています。 一方で、同じ発信者が IPMA マネージャに直接コールすると(マネージャのプライマリ DN)、適切に機能します。 設定に従い、コールは最初に IPMA により処理され、次に PA により処理されます。