SQLSvc は、Cisco CallManager システム内のサーバ間インタラクションに使用されるコア アカウントです。 このアカウントは、クラスタ内のすべての Cisco CallManager 上で同一である必要があります。 そうでない場合は、データベース複製は正常に機能しません。 SQLSvc アカウントは、Cisco CallManager、SQLServerAgent、MSSQLServer、および COM+ Event System サービスが起動して特定の機能を実行する前に、ローカル システムにログインしている必要があります。 SQLSvc アカウントのパスワードと依存するサービス パスワードがクラスタ全体で同一でない場合、サービスの多くは起動しません。 これは、ローカルおよびクラスタ内の両方で Cisco CallManager の基本機能に影響を与えます。
このドキュメントでは、SQLSvc アカウントのパスワードと依存するサービスを Cisco CallManager で変更し、クラスタ間でパスワードを同期する方法について説明します。 バージョン 3.3 と 4.0 では手順が異なります。 これらのバージョンでは、管理者ユーティリティを使用してパスワードを同期します。
このドキュメントを読むには、Cisco CallManager の管理者アカウントとパスワード関する知識が必要です。 これにより、このマニュアルの内容を詳細に理解することができます。 詳細については、「管理者アカウントとパスワード」を参照してください。
このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づくものです。
Cisco CallManager のバージョン 3.0、3.1、3.2、3.3、および 4.0。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されたものです。 このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。 対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのような作業についても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
SQLSvc ユーザは、Cisco CallManager、SQLServerAgent、MSSQLServer、および COM+ Event System サービスが起動して特定の機能を実行する前に、ローカル システムにログインしている必要があります。 SQLSvc のパスワードがローカルとクラスタ内の両方で正しく設定されていないと、SQLSvc ユーザがログインできず、これらの依存サービスが起動しません。 その結果、Cisco CallManager と基本機能が影響を受ける可能性があります。
注: SQLSvc のパスワードは、クラスタ全体で同じである必要があります。
この問題は、次に影響します。
Cisco CallManager
Cisco CallManager のための Microsoft SQL Server
Cisco Music on Hold(MOH)Audio Translator
Cisco Trivial File Transfer Protocol(TFTP)
この問題を解決するには、Cisco CallManager で実行されているすべての依存サービスのパスワードを同期します。 パブリッシャの Cisco CallManager の場合のこの手順を、ここで詳細に説明します。
[Start] > [Programs] > [Administrative Tools] > [Computer Management] を選択します。
左側の列で、[Local Users and Groups] の横にある +(プラス記号)をクリックします。
[Users] をクリックします。
右側の列で [SQLSvc] を右クリックし、[Set Password] を選択します。
新しいパスワードを入力し、確認のためにもう一度パスワードを入力します。
[OK] をクリックして確認し、[Change Password] ダイアログボックスを閉じます。
左側の列で、[Services and Applications] の横にある +(プラス記号)をクリックします。
[Services] をクリックします。
右側の列で [Cisco Database Layer Monitor] をクリックして強調表示します。
[Cisco Database Layer Monitor] を右クリックして、[Properties] を選択します。
[Log On] タブを選択します。
パスワードを変更して、そのパスワードが前述の手順 5 で設定したローカルの .\SQLSvc ユーザ パスワードと一致していることを確認します。
[OK] をクリックして、[Services List] に戻ります。
ステップ 10 ~ 13 を MSSQLServer サービスと SQLServerAgent サービスに対して繰り返します。
Computer Management ウィンドウを閉じます。
[Start]> [Programs] > [Administrative Tools] > [Component Services] の順に選択します。
[Component Services] の横の +(プラス記号)をクリックします。
[Computers] の横の +(プラス記号)をクリックします。
[My Computer] の横の +(プラス記号)をクリックします。
[COM+ Applications] の横の +(プラス記号)をクリックします。
[DBL] を右クリックし、[Properties] を選択します。
[ID] タブをクリックします。
パスワードを変更して、そのパスワードが前述の手順 5 で設定した SQLSvc ユーザのパスワードと一致していることを確認します。
[OK] をクリックして、[Component Manager] に戻ります。
[DBL] を右クリックし、[Shut Down] をクリックします。
[DBL] を右クリックし、[Start] をクリックします。
Component Manager ウィンドウを閉じます。
Cisco CallManager クラスタ内のすべてのサブスクライバに対してステップ 1 ~ 27 を繰り返します。 SQLSvc アカウントのパスワードはクラスタ内のすべてのサーバで一致している必要があります。
管理者ユーティリティを使用して、Cisco CallManager バージョン 3.3 および 4.0 のクラスタ全体のすべてのコア サービスのパスワードを同期します。
Cisco CallManager の相互運用性の関係は複雑なので、管理者およびインストール担当者は、Cisco CallManager のパスワードやサービスを手動で変更しないでください。 パスワードを変更する場合は、シスコが提供する AdminUtility.exe を使用し、次の手順に従ってください。
AdminUtility.exe を使用してデフォルトのパスワードを変更した後で、サブスクライバ システムを追加または置き換える必要がある場合は、すべてのアカウントとサービスのパスワードをデフォルトにリセットしてください。 この操作は、インストールの実行前に行う必要があります。 これを行わないと、サブスクライバのインストールは失敗します。
ローカル管理者アカウントのパスワードは、クラスタ内のすべての Cisco CallManager システムで一致している必要があります。
AdminUtility.exe ユーティリティを実行する場合は、必ずローカル管理者アカウントでログオンしてください。
AdminUtility.exe は、C:\Program Files\Cisco\Bin ディレクトリにあります。 これを実行するには、パブリッシャ サーバ上のローカル管理者アカウントを使用してください。 AdminUtility は、サブスクライバ サーバでは正常に実行できません。
注: 他のインストールやアップグレードと同様に、管理者ユーティリティはオフピーク時に実行してください。 このユーティリティを実行すると、関連するローカル NT アカウント、サービス、および仮想ディレクトリに変更が加えられます。 クラスタ内の全システムの全アカウントを変更した場合は、クラスタ全体が更新されるまで、すべてのコール処理が中断されます。 クラスタ内のサーバの数、およびこのユーティリティを実行したときのコール量によっては、1 台のサーバの更新処理に数分かかる場合があります。
C:\Program Files\Cisco\Bin ディレクトリで管理者ユーティリティを実行またはダブルクリックすると、パスワードが求められます。
ローカルの管理者パスワードを入力して管理者ユーティリティにログインし、[OK] をクリックします。
この例の「CCM-2」のように、クラスタの DNS 名を選択します。 そのためには、チェックボックスをクリックします。
メニューから [Options] を選択し、[Set New Password] を選択します。
注: CCM 3.3 と 4.0 では、使用する管理者ユーティリティが異なります。 CCM 3.3 を使用する場合、[Options] の下に [Set default Password] というもう 1 つのタブがあります。 このタブは、CCM4.0 では利用できません。
ローカル アカウントとサービスごとに複雑なパスワードを生成するために使用される、英数字のパスワード フレーズを入力します。 確認のために次のフィールドに同じ文字列をもう一度入力します。 [OK] をクリックします。
クラスタ内のすべてのシステムを選択して、[Update Server Password] をクリックします。
こうすると、上に示すように警告が表示されます。 管理者ユーティリティは必ずオフピーク時に実行してください。 これは、クラスタ全体が更新されるまで、すべてのコール処理が中断されるためです。 [OK] をクリックして、次に進みます。
すべてのパスワードが更新されたら、[Exit] をクリックします。
管理者ユーティリティに関連する問題のいくつかとその解決策を次に示します。
サブスクライバ サーバに到達できないときに管理者ユーティリティがハングする。 [OK] をクリックしても、管理者ユーティリティが同じメッセージを繰り返す。
回避策: Windows タスク マネージャを起動して、AdminUtility.exe プロセスを終了します。
このユーティリティをパブリッシャで実行すると、次のようなエラー メッセージが表示されることがあります。 [You can only execute this utility on the Publisher.]
回避策: この問題を解決するには、次のステップを実行します。
Cisco CallManager Administration ページへ移動します。
メニューから、[System] > [Server] を選択します。
左側のリストで [Publisher] をクリックします。
パブリッシャの DNS/IP アドレスの設定を [IP Address] から [DNS name] に変更します。
[Update] をクリックします。
AdminUtility.exe ユーティリティをもう一度実行します。