このドキュメントでは Cisco IOS(R) Gateway(VG200、2600、3600、IAD2400 など)と Cisco CallManager Media Convergence Server(MCS)間での Media Gateway Control Protocol(MGCP; メディア ゲートウェイ コントロール プロトコル)の実際の使用例を説明します。 ここでは、Public Switched Telephone Network(PSTN; 公衆電話交換網)への Foreign Exchange Office(FXO)接続の設定と、アナログ受話器への Foreign Exchange Station(FXS)の接続の設定を取り上げます。 このドキュメントでは Cisco 7960 IP Phone への VoIP 接続についても説明します。 この設定を完了すると、この設定で使用されるすべての電話機間での通話が可能になります。 さらに、この設定で使用されるどの電話機からも、PSTN を介したコールのルーティングが可能になります。
このドキュメントでは、読者が CallManager での Cisco IP Phone の設定方法を熟知していることを前提としています。 さらに、このドキュメントでは、Cisco CallManager サーバ上にアクティブな IP Phone が少なくとも 1 台あることを前提としています。
症状
アナログの FXO ポートと FXS ポートがある IOS MGCP ゲートウェイで、Cisco CallManager を設定する際に発生する可能性のある症状には、次のものがあります。
MGCP ゲートウェイが Cisco CallManager に登録されない。 『Cisco Unified CallManager の MGCP ゲートウェイ の 登録失敗』を参照してください。
FXO ポートで発信者 ID が機能しない。 これは、MGCP 用に設定されている場合、FXO ポートでは発信者 ID をサポートしていないことが原因です。 代わりに、ゲートウェイを H.323 モードで設定します。
ユーザが完全にオフフックになる場合を除いて、フックフラッシュした際にオーバーヘッド ページングにより FXO ポートがロックアップする。 shut と no shut を実行してポートをリセットします。 これは Cisco Bug ID CSCef62275(登録ユーザ専用)に関連する問題であり、Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.3(14)T 以降では解決されています。
このドキュメントに関する固有の要件はありません。
この設定は Cisco CallManager バージョン 3.x と 4.x、および Cisco IOS ソフトウェア 12.2 イメージのさまざまなバージョンでテスト済みです。 この文書内のリンク先にあるスクリーン ショットと、提示されている Cisco IOS の設定は、次のソフトウェア、ハードウェア、その他の装置を使用してキャプチャされたものです。
Cisco VG200 / 2 X FXS / 2 X FXO / 1 FastEthernet 10/100 ポート
さまざまなバージョンの Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.2
Cisco Unified CallManager (特定のバージョンは下記の個々のドキュメントにリストされています)
アナログ受話器
Cisco 7960 IP Phone
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されたものです。 このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、クリアな(デフォルト)設定で作業を開始しています。 ネットワークが稼働中の場合は、コマンドが及ぼす潜在的な影響を十分に理解しておく必要があります。
Cisco Unified CallManager と IOS Gateway 間の推奨される互換性 ソフトウェア バージョンに関しては、Cisco Unified Communications Manager ソフトウェア互換性マトリックスを参照して下さい。 ネットワークに特別の要件がある場合は、Cisco IOS ソフトウェアを変更する前にシスコのアカウント マネージャに相談してください。
注: ccm-manager コマンドの拡張に基づき、Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.2(11)T 以降を推奨します。 ccm-manager コマンドには、すべてのルータ(2600、3600)と VG200 に Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.1(5)XM 以降が必要です。
Cisco 2600 と 3600 ルータで Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.1(3)T 以降を実行する場合、MGCP がサポートされています。 必要なリリースとバージョンは、有効にする必要のある機能によって異なります。 ルータの設定は、すべてのタイプのルータで同一です。 Cisco CallManager に関する特定の機能と要件に関しては、このドキュメントの「ドキュメントの内容」セクションを参照してください。
注: MGCP ゲートウェイの NM-HD-2V は、Cisco CallManager 3.3(3)SR4a 以降からのみサポートされています。 3.3(3)SR4a よりも前の Cisco CallManager バージョンでは、MGCP ゲートウェイ オプションとして NM-HD-2V を使用できません。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
概要
このドキュメントは、実際のネットワークで使用するデバイス設定のガイドとして使用することも、学習やテスト目的のラボ環境で使用するワークブックの例として使用することもできます。 セクション 4 と 5 は追加情報として提供されています。 セクション 2 と 3 での作業が実際の設定となる場合は、セクション 4、5、6 を参照する必要はありません。
注: セクション 2 と 3 は、この順序で実行する必要はありません。