概要
このドキュメントでは、Lights-Out-Management(LOM)の設定時に出現するさまざまな現象とエラー メッセージ、およびそれらを段階的にトラブルシューティングする方法を示します。 LOM を使用すれば、アプライアンスの Web インターフェイスにログインせずに、アウトオブバンド Serial over LAN(SOL)管理接続を使用して、アプライアンスをリモートで監視または管理することができます。 シャーシのシリアル番号の確認や、ファンの速度や温度などの状態の監視など、限られたタスクを実行できます。
前提条件
要件
FireSIGHT システムと LOM に関する知識があることが推奨されます。
使用するコンポーネント
このドキュメントの情報は、次のハードウェアとソフトウェアのバージョンに基づいています。
- FireSIGHT 管理センター
- FirePOWER 7000 シリーズ アプライアンス、8000 シリーズ アプライアンス
- ソフトウェア バージョン 5.2 以降
本書の情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されたものです。 このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。 稼働中のネットワークで作業を行う場合、コマンドの影響について十分に理解したうえで作業してください。
LOM に接続できない
LOM を使用して FireSIGHT Management Center または FirePOWER アプライアンスに接続できない場合があります。 接続要求が次のエラー メッセージを表示して失敗します。
Error: Unable to establish IPMI v2 / RMCP+ session Error
Info: cannot activate SOL payload with encryption
次の項では、LOM の設定と LOM インターフェイスへの接続を確認する方法について説明します。
設定の確認
ステップ 1: LOM が有効になっており、管理インターフェイスとは別の IP アドレスを使用していることを確認します。
ステップ 2: UDP ポート 623 が双方向で開いており、ルートが正しく設定されていることをネットワーク チームと一緒に確認します。 LOM は UDP ポート経由で動作するため、ポート 623 経由で LOM IP アドレスに Telnet 接続することはできません。
ただし代替策として、IPMIPING ユーティリティを使用してデバイスと IPMI の通信の有無をテストすることができます。 IPMIPING は、UDP ポート 623 で、Get Channel Authentication Capabilities 要求データグラムを介して 2 つの IPMI Get Channel Authentication Capabilities コールを送信します(要求を 2 つ送信するのは、UDP が使用されていて接続が保証されないためです)。
注: デバイスが UDP ポート 623 でリッスンするかどうかを確認するために、より詳細なテストを実施するには、NMAP スキャンを使用します。
ステップ3: LOM の IP アドレスに ping できるか確認します。
できない場合は、該当するアプライアンス上で次のコマンドを root ユーザとして実行し、設定が正しいことを確認します。 次に例を示します。
ipmitool lan print
Set in Progress : Set Complete
Auth Type Support : NONE MD5 PASSWORD
Auth Type Enable : Callback : NONE MD5 PASSWORD
: User : NONE MD5 PASSWORD
: Operator : NONE MD5 PASSWORD
: Admin : NONE MD5 PASSWORD
: OEM :
IP Address Source : Static Address
IP Address : 192.0.2.2
Subnet Mask : 255.255.255.0
MAC Address : 00:1e:67:0a:24:32
SNMP Community String : INTEL
IP Header : TTL=0x00 Flags=0x00 Precedence=0x00 TOS=0x00
BMC ARP Control : ARP Responses Enabled, Gratuitous ARP Disabled
Gratituous ARP Intrvl : 0.0 seconds
Default Gateway IP : 192.0.2.1
Default Gateway MAC : 00:00:00:00:00:00
Backup Gateway IP : 0.0.0.0
Backup Gateway MAC : 00:00:00:00:00:00
802.1q VLAN ID : Disabled
802.1q VLAN Priority : 0
RMCP+ Cipher Suites : 1,2,3,6,7,8,11,12,0
Cipher Suite Priv Max : XaaaXXaaaXXaaXX
: X=Cipher Suite Unused
: c=CALLBACK
: u=USER
: o=OPERATOR
: a=ADMIN
: O=OEM
接続の確認
ステップ 1: 次のコマンドを使用して接続できますか。
ipmitool -I lanplus -H xxx.xxx.xxx.xxx -U admin sdr
次のエラー メッセージが表示されますか。
Error: Unable to establish IPMI v2 / RMCP+ session
注: 正しい IP アドレスに接続したが、クレデンシャルが間違っていた場合は、上記エラーが表示されて、ただちに失敗します。 無効な IP アドレスで LOM に接続しようとすると、約 10 秒後にタイムアウトし、このエラーが返されます。
ステップ 2: 次のコマンドを使用して接続を試みてください。
ipmitool -I lanplus -H xxx.xxx.xxx.xxx -U admin sdr
ステップ3: 次のエラーが表示されますか。
Info: cannot activate SOL payload with encryption
今度は、次のコマンドを使用して接続を試みてください(これにより、使用する暗号スイートが指定されます)。
ipmitool -I lanplus -H xxx.xxx.xxx.xxx -C 3 -U admin sdr
ステップ 4: まだ接続できない場合は、 次のコマンドを使用して接続を試みてください。
ipmitool -I lanplus -vvv -H xxx.xxx.xxx.xxx -C 3 -U admin sdr
詳細出力に次のエラーが表示されますか。
RAKP 2 HMAC is invalid
ステップ 5: GUI 経由で Admin パスワードを変更して、やり直してみてください。
まだ接続できない場合は、 次のコマンドを使用して接続を試みてください。
ipmitool -I lanplus -vvv -H xxx.xxx.xxx.xxx -C 3 -U admin sdr
詳細出力に次のエラーが表示されますか。
RAKP 2 message indicates an error : unauthorized name
ステップ 6: [ユーザ(User)] > [ローカル設定(Local Configuration)] > [ユーザ管理(User Management)] の順に選択します。
- 新しい TestLomUser を作成します。
- [User Role Configuration] で [Administrator] をオンにします。
- [Allow Lights-out Management Access] をオンにします。

該当するアプライアンスの CLI で、自分の権限を root にエスカレートして、次のコマンドを実行します。
TestLomUser が 3 行目のユーザであることを確認します。
ipmitool user list 1
ID Name Callin Link Auth IPMI Msg Channel Priv Limit
1 false false true ADMINISTRATOR
2 root false false true ADMINISTRATOR
3 TestLomUser true true true ADMINISTRATOR
3 行目のユーザを admin に変更します。
ipmitool user set name 3 admin
適切なアクセス レベルを設定します。
ipmitool channel setaccess 1 3 callin=on link=on ipmi=on privilege=4
新しい admin ユーザのパスワードを変更します。
ipmitool user set password 3
設定が正しいことを確認します。
ipmitool user list 1
ID Name Callin Link Auth IPMI Msg Channel Priv Limit
1 false false true ADMINISTRATOR
2 root false false true ADMINISTRATOR
3 admin true true true ADMINISTRATOR
SOL が正しいチャネル(1)とユーザ(3)に対して有効になっていることを確認します。
ipmitool sol payload enable 1 3
ステップ 7: IPMI プロセスが無効な状態ではないことを確認します。
pmtool status | grep -i sfipmid
sfipmid (normal) - Running 2928
Command: /usr/local/sf/bin/sfipmid -t 180 -p power
PID File: /var/sf/run/sfipmid.pid
Enable File: /etc/sf/sfipmid.run
サービスを再起動する。
pmtool restartbyid sfipmid
PID が変更されていることを確認します。
pmtool status | grep -i sfipmid
sfipmid (normal) - Running 20590
Command: /usr/local/sf/bin/sfipmid -t 180 -p power
PID File: /var/sf/run/sfipmid.pid
Enable File: /etc/sf/sfipmid.run
ステップ 8: GUI で LOM を無効にしてから、アプライアンスをリブートします。 アプライアンスの GUI で、[ローカル(Local)] > [設定(Configuration)] > [コンソールの設定(Console Configuration)] の順に選択します。 [VGA] を選択して [保存(Save)] をクリックした後、[OK] をクリックして再起動します。

その後で、GUI で LOM を有効にしてから、アプライアンスをリブートします。 アプライアンスの GUI で、[ローカル(Local)] > [設定(Configuration)] > [コンソールの設定(Console Configuration)] の順に選択します。 [物理的シリアルポート(Physical Serial Port)] または [LOM] を選択して [保存(Save)] をクリックしてから、OK をクリックしてリブートします。
ここで、再接続を試します。
ipmitool -I lanplus -vvv -H xxx.xxx.xxx.xxx -C 3 -U admin sdr
ステップ 9: デバイスをシャットダウンして、電源を再投入、つまり、電源ケーブルを 1 分間物理的に外して、再度接続してから、電源をオンにします。
アプライアンスが完全に起動したら、次のコマンドを実行します。
ipmitool -I lanplus -vvv -H xxx.xxx.xxx.xxx -C 3 -U admin sdr
ステップ 10: 疑わしいアプライアンスから次のコマンドを実行します。 これにより、bmc のコールド リセットが実行されます。
ipmitool bmc reset cold
ステップ 11: デバイスと同じローカル ネットワーク上にある(つまり、中間ルータを通過しない)システムから次のコマンドを実行します。
ipmitool -I lanplus -H xxx.xxx.xxx.xxx -U admin power status
arp -an > /var/tmp/arpcache
BMC が ARP 要求に応答しているかどうかを判断するために、結果の /var/tmp/arpcache ファイルをシスコ テクニカル サポートに送信します。
LOM インターフェイスへの接続がリブート中に解除される
FireSIGHT Management Center または FirePOWER アプライアンスをリブートすると、アプライアンスへの接続が失われる場合があります。 CLI 経由でアプライアンスをリブートした場合の出力を以下に示します。
admin@FireSIGHT:~$ sudo shutdown -r now
Broadcast message from root (ttyS0) (Tue Nov 19 19:40:30 Stopping Sourcefire 3D
Sensor 7120...nfemsg: Host ID 1 on card 0 endpoint 1 de-registering ...
nfemsg: Host ID 2 on card 0 endpoint 1 de-registering ...
nfemsg: Host ID 27 on card 0 endpoint 1 de-registering ......ok
Stopping Netronome Flow Manager: nfemsg: Fail callback unregistered
Unregistered NFM fail hook handler
nfemsg: Card 0 Endpoint #1 messaging disabled
nfemsg: Module EXIT
WARNING: Deprecanfp nfp.0: [ME] CSR access problem for ME 25
ted config file nfp nfp.0: [vPCI] Removed virtual device 01:00.4
/etc/modprobe.conf, all config files belong into /etc/modprobe.d/. success.
No NMSB present: logging unecessary...[-10G[ OK ]..
Turning off swapfile /Volume/.swaptwo
[-10G[ OK ] other currently mounted file systems...
Unmounting fuse control filesystem.
Un
強調表示された出力 Unmounting fuse control filesystem. Un は、FireSIGHT System が接続されたスイッチ上でスパニング ツリー プロトコル(STP)が有効にされたことによってアプライアンスへの接続が解除されたことを示します。 管理対象デバイスがリブートすると、次のエラーが表示されます。
Error sending SOL data; FAIL
SOL session closed by BMC
注: LOM/SOL を使用してアプライアンスに接続するには、デバイスの管理インターフェイスに接続されたサードパーティ スイッチング機器でスパニング ツリー プロトコル(STP)を無効にする必要があります。
FireSIGHT System の LOM 接続は管理ポートと共有されます。 管理ポートのリンクがリブート中に瞬間的にドロップされます。 リンクがダウンしてからアップするため、ポート上での STP の設定によって引き起こされるスイッチ ポート状態のリスニングまたは学習が原因となって、スイッチ ポート内の遅延(通常は、トラフィックの転送を開始する前の 30 秒)がトリガーされる可能性があります。