このドキュメントでは、Bidirectional Line Switched Ring(BLSR; 双方向ライン スイッチ型リング)への Network Element(NE; ネットワーク要素)の追加方法と削除方法を説明します。
注: BLSR に一度に追加できるノードは 1 つだけです。
このドキュメントに関する固有の要件はありません。
このドキュメントは、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されたものです。 このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、クリアな(デフォルト)設定で作業を開始しています。 ネットワークが稼働中の場合は、コマンドが及ぼす潜在的な影響を十分に理解しておく必要があります。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
注意: 注意:この手順はサービスに影響を与えます。 この手順では保護切り替えを行うので、メンテナンスの時間帯に実施するようにしてください。 スパニング ツリーの再コンバージェンスのため、イーサネット トラフィックが最大で 3 分間中断する可能性があります。 その他のトラフィックは最大で 50 ミリ秒中断します。
この手順では、新しいノードがラックに設置されすべてのカードが搭載済みで、プロビジョニングが終了していることを前提としています。 プロビジョニングには、一般的な作業、ネットワーク、タイミング、SONET Data Communications Channel(SDCC; SONET データ通信チャネル)、BLSR のプロビジョニング、光ポートのサービス開始などが含まれます。 手順を実施する前に、次の作業を行ってください。
BLSR のタイプに応じ、NTP-A175 または NTP-A176 ごとにノード経由でテスト トラフィックを流します。
関連するすべてのファイバを識別しタグ付けします。
クリティカル アラームおよびメジャー アラームを解消します。 これらのアラームは、[Network] ビューの [Alarms] タブで確認できます。
このセクションでは 3 つのノード(Node1、Node2、および Node3)で構成されるラボ設定を使用しています。 4 番目のノード(Node4)を追加する例を示します。
この手順には次のステップが含まれます。
BLSR では、NE をリング上にイーストウェスト構成でファイバ接続する必要があります。 1 台のノードのイースト カードを、隣接ノードのウェスト カードに接続し、ウェスト カードを隣接ノードのイースト カードに接続します。 通常、シェルフの右側から一番遠い光トランク カードがイースト カードで、左側から一番遠いカードがウェスト カードです。
手順に進む前に、イーストウェストのプロビジョニングが正しく行われているかどうかを確認します。 Network ビューの Alarms タブをクリックし、BLSR 関連のアラームが発生していないことを確認します。 アラームがある場合は、アラームを解消してから手順に進みます。
次に、リング上の回線の完全性を確認します。
Network ビューで、すべての回線がアクティブの状態になっていることを確認します。 不完全な状態になっている回線がある場合は、『ONS 15454 での回線設定のベスト プラクティス』を参照して問題を解決してください。
リングの設定を確認したら、新しいノードを追加するスパンからトラフィックを切り離します。 まず、イースト ポート経由で新しいノードと接続するノードに移動します。 ここでは、Node3 を新しいノードと接続します。
注意: 注意:残りのリングにエラーがある状態のときに保護切り替えを強制した場合、サービスが中断される可能性があります。 Performance Monitoring(PM; パフォーマンス モニタリング)の統計情報で、リング内の他の光カードの状態を確認してください。 PM 統計情報を確認するには、次の手順を実行します。
リング内の各シェルフにログインします。
BLSR 光カードをクリックします。
Performance タブを選択します。
[Refresh] をクリックします。
スパンがエラーなしで運用されている場合、すべてのフィールドに 0 が表示されます。 強制保護切り替えを行っている間、トラフィックは非保護状態になります。
Shelf ビューで、Maintenance/Ring(後のソフトウェア バージョンでは Maintenance/BLSR)タブの順にクリックします。 East Switch リストから、東 スパンからのトラフィックを強制するために『FORCE RING』 を選択 して下さい > 適用して下さい。
確認のダイアログボックスで Yes をクリックします。
再度 Yes を選択します。
ウェスト ポート経由で新しいノードと接続するノードの Shelf ビューに移動します。 ここでは、Node1 を新しいノードと接続します。
Maintenance/Ring(後のソフトウェア バージョンでは Maintenance/BLSR)タブの順にクリックします。 West Switch リストから『FORCE RING』 を選択 して下さい > 適用して下さい。 二度表示される確認のダイアログボックスで Yes をクリックします。 この操作によってトラフィックがウェスト スパンから切り離されます。
これで、次のようなスパンを開設し新しいノード(Node4)を接続する準備が整いました。
イースト ポート経由で新しいノードと接続するノードから、イースト ファイバを外します。 イースト ファイバを、新しいノードのウェスト ポートに接続します。 ウェスト ポート経由で新しいノードと接続するノードから、ウェスト ファイバを外します。 ウェスト ファイバを、新しいノードのイースト ポートに接続します。 次のように接続します。
Node3 のスロット 13 と Node4 のスロット 5
Node4 のスロット 13 と Node1 のスロット 5
どちらの場合も、最初に Tx ファイバだけを接続し、レベルを確認してから Rx ファイバを接続します。 Rx レベルは、『Cisco ONS 15454 トラブルシューティング ガイド リリース 5.0』の「カードのリファレンス」のセクションで確認できます。
CTC を一度閉じ、リング内の任意のノードに対して CTC を再度起動します。
この時点で、新しいノードに隣接する光カードで、Path Unequipped(UNEQ-P)アラームと APSCDFLTK アラームが表示されます。 これらのアラームの発生は正常な動作です。
次に、新しいリング マップの受け入れを行います。
BLSR Ring Map Change ダイアログボックスが表示されるのを待ちます。 [Yes] をクリックして、新しいリング マップを表示します。
BLSR Ring Map Change ダイアログボックスが表示されない場合は、次の手順を実行します。
新しいノードの Shelf ビューに移動します。
Provisioning/Ring(後のソフトウェア バージョンでは Provisioning/BLSR)タブの順に選択します。
Type フィールド内をクリックして、リング情報を強調表示します。
Ring Map をクリックします。
IP アドレスとノード ID が一致していることを確認し、Accept をクリックして APSCDFLTK アラームを解消します。
次に、回線をアップデートします。 Network ビューに移動し、CTC ですべての回線が検出されるまで待ちます。
新しいノードを通過する回線は不完全として表示されます。 不完全な回線の数を記録しておきます。
new ノードを右クリックし、メニューから Update Circuits With New Node を選択します。
アップデートされた回線の数が、先ほど記録しておいた不完全な回線の数と一致していることを確認します。 すべての回線がアクティブになっていることを確認します。 この確認事項のいずれかが満たされてない場合は、再度 Update Circuits With New Node を実行します。
注: 注:この時点で UNEQ-P アラームが解消されていることを確認してください。
最後に、ステップ 3 で開始した保護切り替えを解除します。
イースト ポート経由で新しいノードと接続するノードにログインします。 Provisioning/Maintenance タブで、East Switch リストから Clear を選択し、Apply をクリックします。
確認のダイアログボックスで OK をクリックします。 ウェスト ポート経由で新しいノードと接続するノードについても同じ操作を実行します。 West Switch リストから Clear を選択します。
この手順はサービスに影響を与えるため、メンテナンスの時間帯に実施してください。 スパニング ツリーの再コンバージェンスのため、イーサネット トラフィックが最大で 3 分間中断する可能性があります。 その他のトラフィックは、保護切り替えを実施するたび最大で 50 ミリ秒中断します。 削除対象ノードの通過時に Synchronous Transport Signal(STS; 同期転送信号)または Virtual Tributary(VT; 仮想トリビュタリ)が変更された回線では、削除と再構築作業にかかる時間分サービスが停止します。 これはオペレータの CTC の習熟度に左右されます。
BLSR にノード(Node4)を追加したので、このノードを削除する手順を説明します。 説明のため、前述のラボ設定にいくつか回線を追加しています。 これらの回線は削除対象のノードで終端します。
BLSR からノードを削除するには、次のステップを実行します。
まず、Node4 で終端する回線を特定し、削除する必要があります。
注意: 注意:この手順はサービスに影響を与えます。 回線を削除する前に、このノードで終端するすべてのトラフィックを移動してください。
削除するノードの Shelf ビューで、Circuits タブをクリックします。 Scope ドロップダウン リストから Node を選択し、このノードを通過する、または、このノードで終端する回線だけを表示します。 Source と Destination の列を見て、削除するノード(Node4)が含まれている回線を確認します。 Source または Destination の列をソートするには、列見出しをクリックします。
次の手順を実行します。
各回線をクリックして強調表示します。
[Delete] をクリックします。
確認のダイアログボックスで Yes をクリックします。
情報表示のダイアログボックスで OK をクリックします。
注: 削除する回線が複数ある場合、Ctrl キーまたは Shift キーを押した状態で各回線をクリックすると、複数の回線を強調表示できます。
注: このステップが必要になるのは、ノードを通過する回線を CTC リリース 2.x を使用して作成した場合だけです。 リリース 3.0 以降を使用して BLSR をプロビジョニングした場合は、ステップ 3 に進んでください。
回線が削除対象のノードを通過する場合には、STS または VT が変更される回線を特定し削除して、回線を再作成する必要があります。
注意: 注意:この手順はサービスに影響を与えます。 各回線の削除と再作成に要する時間だけ、サービスが停止します。
削除するノードの Shelf ビューで、Circuits タブをクリックします。
Scope ドロップダウン リストから Node を選択します。
前のステップで、このノードの終端回線を確認して削除しているため、このノードの通過回線が表示されます。
各回線を 1 つずつ強調表示して Edit をクリックします。
Show Detailed Map チェックボックスにチェックマークを付けます。
回線がノードに入るときとノードから出るときの STS および VT が表示されます。 これらが一致しない場合は、削除と再作成のためその回線を記録しておきます。
この例では、回線が Node4 を通過したときに STS と VT が変更されています。 図を見ると、STS2 および VT1-1 を使用して入力され、STS3 および VT2-1 を使用して出力されていることがわかります。
Node ビューに表示されたすべての回線について、手順 4 を実行します。 これで、この回線を削除して再作成する準備が整いました。
前の手順で確認した回線を 1 つずつ強調表示して Delete をクリックします。
[Yes] をクリックして削除を確定します。
回線の削除が終了したら、情報表示のダイアログボックスで OK をクリックします。
次に Create をクリックして、元のパラメータで回線を再構築します。
Node4 に接続されるすべてのスパンから、トラフィックを手動で強制的に切り離します。 イースト ポート経由で Node4 に接続するノードから始めます。 この場合、Node3 です。
注意: 注意:残りのリングにエラーがある状態のときに保護切り替えを強制した場合、サービスが中断される可能性があります。 PM の統計情報で、リング内の他の光カードの状態を確認してください。 次の手順を実行します。
リング内の各シェルフにログインします。
BLSR 光カードをクリックします。
Performance タブを選択します。
[Refresh] をクリックします。
スパンにエラーがない場合、すべてのフィールドに 0 が表示されます。
強制保護切り替えを行っている間、トラフィックは非保護状態になります。
Node 3 の Shelf ビューで、Maintenance/Ring(後のソフトウェア バージョンでは Maintenance/BLSR)タブの順にクリックします。 East Switch リストから Force Ring を選択し、Apply をクリックしてトラフィックをイースト スパンから切り離します。
確認のダイアログボックスで Yes を選択します。
再度 Yes を選択します。
ウェスト ポート経由で新しいノードと接続するノードの Shelf ビューに移動します。 この場合、Node1 です。
Maintenance/Ring(後のソフトウェア バージョンでは Maintenance/BLSR)タブの順に移動します。 West Switch リストから Force Ring を選択し、Apply をクリックしてトラフィックをウェスト スパンから切り離します。 二度表示される確認のダイアログボックスで Yes をクリックします。
注: BITS のタイミング供給を受けているノードを削除する場合は、そのノードを参照している回線タイミング供給のサイトに調整を加える必要があります。
この時点で、Node4 から安全にファイバを外すことができます。 隣接ノード間でファイバを再接続します。 Node1 のスロット 5 と Node3 のスロット 13 を接続します。
隣接ノードにファイバを再接続するときには、最初に Tx ファイバだけを接続し、レベルを確認してから Rx ファイバを接続します。 Rx レベルは、『Cisco ONS 15454 トラブルシューティング ガイド リリース 5.0』の「カードのリファレンス」のセクションで確認できます。
すべてのファイバを再接続した後、新しく接続したノードの Alarms タブを開きます。 スパン カードでアラームが発生していないことを確認します。 アラームが発生している場合は、すべて解消してから次の手順に進みます。
次に、CTC を閉じ、再起動します。 先ほど削除したノードの IP アドレスで CTC を起動しないようにします。
注意: 注意:この手順は、削除したノードを CTC のビューから除去するために行います。 このステップを省略して削除対象ノードから通過回線を削除した場合、リング内の現存ノードから通過回線が削除されてしまう可能性があります。
新しいリング マップの受け入れを行います。
BLSR Ring Map Change ダイアログボックスが表示されるのを待ちます。 [Yes] をクリックして、新しいリング マップを表示します。
BLSR Ring Map Change ダイアログボックスが表示されない場合は、次の手順を実行します。
削除したノードのいずれかの隣接ノードの Shelf ビューに移動します。
Provisioning/Ring(後のソフトウェア バージョンでは Provisioning/BLSR)タブの順に選択します。
Type フィールド内をクリックして、リング情報を強調表示します。
Ring Map をクリックします。
IP アドレスとノード ID が一致していることを確認したら、Accept をクリックします。
最後に、ステップ 3 で開始した保護切り替えを解除します。
イースト ポートで保護切り替えが行われているノードにログインします。 Maintenance/Ring(後のソフトウェア バージョンでは Maintenance/BLSR)タブで、East Switch リストから Clear を選択し、Apply をクリックします。
確認のダイアログボックスで OK をクリックします。 ウェスト ポートで保護切り替えが行われているノードについてもこのステップを実行します。 West Switch リストから Clear を選択します。