このドキュメントでは、Cisco Nexus 7000 シリーズ スイッチでの単一方向リンクの検出(UDLD)に関するエラー メッセージのトラブルシューティング方法について説明します。
次の項目に関する基本的な知識があることが推奨されます。
このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づくものです。
本書の情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されたものです。 このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。 稼働中のネットワークで作業を行う場合、コマンドの影響について十分に理解したうえで作業してください。
UDLD 検出プロセス中に、ポートは発信元スイッチ ID と発信元ポート ID を含めるために UDLD パケットを交換します。 UDLD パケットを受信すると、スイッチはピア スイッチ ID とポート ID をピアにエコーバックします。 スイッチがエコー パケットを交換すると、双方向の関係が形成されます。
スイッチが UDLD ピアから予想される情報を受信しないとき、UDLD のエラー状態が存在します。
このドキュメントでは、これらの UDLD のエラー状態と、それらのトラブルシューティング方法について説明します。
ここでは、さまざまなタイプの UDLD のエラー状態といくつかの考えられる原因について説明します。
この状態は、スイッチ A のスイッチ ID とポート ID の予想されるエコーがない場合に、スイッチ A が UDLD フレームをスイッチ B から受信するときに生じます。
空のエコーが検出されると、UDLD により次のアクションが実行されます。
モード
|
アクション
|
---|---|
通常モード | エラー無効ポート |
アグレッシブ モード | エラー無効ポート |
次の syslog メッセージが生成されます。
2015 Mar 19 11:57:56.155 N7kA ETHPORT-2-IF_DOWN_ERROR_DISABLED Interface Ethernet1/2
is down (Error disabled. Reason:UDLD empty echo)
2015 Mar 19 11:57:56.186 N7kA ETH_PORT_CHANNEL-5-PORT_INDIVIDUAL_DOWN individual port
Ethernet1/2 is down
2015 Mar 19 11:57:56.336 N7kA ETHPORT-2-IF_DOWN_ERROR_DISABLED Interface Ethernet1/2
is down (Error disabled. Reason:UDLD empty echo)
この状態の理由としては次のことが考えられます。
この状態は、UDLD フレームが送信されたのと同じポートで受信されたときに発生します。
Tx/Rx ループが検出されると、UDLD により次のアクションが実行されます。
モード
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アクション
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---|---|
通常モード | エラー無効ポート |
アグレッシブ モード | エラー無効ポート |
次の syslog メッセージが生成されます。
2015 Mar 20 14:52:30 N7kA %ETHPORT-2-IF_DOWN_ERROR_DISABLED: Interface Ethernet17/5
is down (Error disabled. Reason:UDLD Tx-Rx Loop)
2015 Mar 20 14:52:30 N7kA %ETHPORT-2-IF_DOWN_ERROR_DISABLED: Interface Ethernet17/5
is down (Error disabled. Reason:UDLD Tx-Rx Loop)
この状態の理由としては次のことが考えられます。
この状態は、スイッチ A のポート A が、UDLD の双方向の関係をすでに形成したポート以外のポートからフレームを受信したときに生じます。
ネイバーの不一致が検出されると、UDLD により次のアクションが実行されます。
モード
|
アクション
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---|---|
通常モード | エラー無効ポート |
アグレッシブ モード | エラー無効ポート |
次の syslog メッセージが生成されます。
2015 Mar 21 10:23:05.598 N7kA %ETHPORT-2-IF_DOWN_ERROR_DISABLED: Interface Ethernet3/21
is down (Error disabled. Reason:UDLD Neighbor mismatch)
2015 Mar 21 10:24:07.065 N7kA %ETHPORT-2-IF_DOWN_ERROR_DISABLED: Interface Ethernet3/21
is down (Error disabled. Reason:UDLD Neighbor mismatch)
この状態の理由としては次のことが考えられます。
この状態は、双方向の関係を形成したポートが、タイムアウト期間(デフォルトでは 50 秒)中に UDLD フレームを受信しなかったときに生じます。
この状態が検出されると、UDLD により次のアクションが実行されます。
モード
|
アクション
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---|---|
通常モード | UDLD はポートに [Undetermined] のマークを付け、ポートはスパニング ツリーのポートの状態に従って引き続き機能します。 |
アグレッシブ モード | エラー無効ポート |
ここでは、UDLD でエラー無効ポートが発生した場合に実行すべき一般的なトラブルシューティングの手順について説明します。
UDLD のエラーでは物理層の障害が示されるため、物理層でトラブルシューティングを行うことが適切です。 UDLD エラー メッセージが表示された場合は、次の点を考慮します。
UDLD によってエラー無効モードになったすべてのポートを復元するには、次のコマンドを使用します。
N7KA(config)# udld reset
双方向の関係を確認するには、次のコマンドを使用します。
N7KA-NORTH-AGG(config-if)# show udld eth 3/4
Interface Ethernet3/4
--------------------------------
Port enable administrative configuration setting: enabled
Port enable operational state: enabled
Current bidirectional state: bidirectional
Current operational state: advertisement - Single neighbor detected
Message interval: 7
Timeout interval: 5
Entry 1
----------------
Expiration time: 39
Cache Device index: 1
Current neighbor state: bidirectional
Device ID: JAF1620ABAB
Port ID: Ethernet3/12
Neighbor echo 1 devices: JAF1617BACD
Neighbor echo 1 port: Ethernet3/4
Message interval: 15
Timeout interval: 5
CDP Device name: N7KB-SOUTH-AGG(JAF1620ABAB)
Last pkt send on: 400096, Aug 6 13:58:52 2014
Probe pkt send on: 400096, Aug 6 13:58:52 2014
Echo pkt send on: 395799, Aug 6 13:58:43 2014
Flush pkt send on: None.
Last pkt recv on: 740333, Aug 6 13:58:52 2014
Probe pkt recv on: 740333, Aug 6 13:58:52 2014
Echo pkt recv on: 730454, Aug 6 13:58:43 2014
Flush pkt recv on: None.
Deep pkt inspections done: None.
Mismatched if index found: None.
Deep pkt inspection drops: None.
物理インターフェイスのエラー カウンタを確認するには、次のコマンドを使用します。これにより、物理層のハードウェアの障害が原因で UDLD フレームがドロップされたかどうかを判別します。
RTP-Agg1# show interface ethernet 4/1 | i error|CRC|discard|drop
0 runts 0 giants 0 CRC/FCS 0 no buffer
0 input error 0 short frame 0 overrun 0 underrun 0 ignored
0 watchdog 0 bad etype drop 0 bad proto drop 0 if down drop
0 input with dribble 0 input discard
0 output error 0 collision 0 deferred 0 late collision
0 lost carrier 0 no carrier 0 babble 0 output discard
CPU 使用率を確認するには、次のコマンドを使用します。これにより、CPU 使用率が高いために UDLD フレームが処理されないのか判別します。
N7K-A# show system resources
Load average: 1 minute: 0.17 5 minutes: 0.25 15 minutes: 0.20
Processes : 1993 total, 1 running
CPU states : 0.18% user, 0.81% kernel, 98.99% idle
ここでは、リンクを復元する(可能な状況の場合)前に収集するべき出力について説明します。これにより、UDLD によってエラー無効モードにされているリンクの根本原因を、Cisco Technical Assistance Center(TAC)が診断しやすくなります。