私たちの未来に向けた成功を後押しするものは何でしょうか。インクルーシブな回復を実現するうえでイノベーションと共感がどのように役立つのかについて、シスコの EVP である Fran Katsoudas が語ります。
シスコの目的は、すべての人のためにインクルーシブな未来を実現することにあります。政府/自治体のパートナー、お客様、パートナー、コミュニティ、および従業員の助けを借りて、昨今の厳しい現実から、あらゆる人にとってインクルーシブな回復を実現することを意味します。シスコはパンデミックの中で目的を行動に移し、隔離期間中だけでなく、職場に復帰したときにも従業員が引き続き仕事をしたり、学んだり、医療を受けたり、影響力を与えたりできる環境を整えてきました。医師、患者、学生、教師、親、従業員、政府/自治体のリーダー、市民など、数百万の人々が新たな現実に直面し、生活のあらゆる部分でシスコを頼りにしてくださっています。ここで、このようなインクルーシブな回復の実現におけるシスコの進捗をお伝えしたいと思います。
シスコは、昨今の状況が単なる公衆衛生上の危機ではなく、生活様式や働き方に混乱をもたらす、この 100 年間で最大の出来事であることをすぐに理解しました。パンデミックが始まって以来、シスコは COVID に対応するために、5 億ドルを超える現金とテクノロジーの寄付と 25 億ドルの融資を行い、目覚ましい功績を残してきました。
この 6 年間にわたり、シスコは Country Digital Acceleration(CDA)プログラムを通じて、世界中の政府/自治体と戦略的パートナーシップを構築してきました。その過程で築いた信頼により、6 つの大陸で 70 のプロジェクトをすばやく評価して資金を提供し、それらを実行に移すことで政府/自治体におけるパンデミックの課題への対応をサポートすることができました。
政府/自治体がこのような危機の中で市民を先導するには、新しい革新的な方法で公共サービスを提供するとともに、テレワークを行えることが不可欠です。
COVID-19 との闘いにおいては、最前線の医療従事者がシスコのテクノロジーを使用できるようにすることが極めて重要でした。
多くの親が、パンデミックが子供の教育にもたらした課題に直面しました。一方で学校のIT管理者は迅速にネットワークをアップグレードし、新たな教育と学習の方法を見つけ出す必要に迫られていました。そこでシスコは、教育機関が遠隔学習に適応できるようサポートすることに力を注ぎました。
このような CDA を通じた取り組みはいずれも、信頼性の高い接続の欠如が重大な社会問題であるということを思い出させる役割を果たしています。ネットワーキングとコラボレーションは、教育、医療、そして政府/自治体のサービスを受けることができる機能のイネーブラとなりますが、現在のところ、世界の半数近くでまだ接続が確立されていません。米国とカナダでは、シスコはダラス市、トロント市、アリゾナ州、およびミシガン州のいくつかの地方政府/自治体と連携して、脆弱なコミュニティに Wi-Fi アクセスとクラウド セキュリティ テクノロジーを提供してきました。またシスコは、部族所有地の情報格差の解消に取り組んでいます。拡大する情報格差を解消するためにすべきことはまだ残されており、シスコは、そのために引き続き公共および民間部門と連携していきます。
私は COVID-19 からの回復の先を見据えて、今後も取り組みを進めたり、スキルを磨いたり、地球に配慮したりする方法で、すべての人のためにインクルーシブな未来を実現できる多くの手段を探し求めていきます。
私たちは今年、未来の職場の実現に向けた取り組みを開始しました。シスコは、チームがハイブリッド環境で連携するのに役立つツールの開発をサポートしていますが、このようなツールを使用して時間やメンタルヘルスの管理を強化し、よりインクルーシブな働き方を実現するにはどうすればいいのでしょうか。
今年の夏から、Webex では、個人のウェルビーイングを向上させるとともに、より質の高い接続を確立し、すべての人のためによりインクルーシブな働き方を実現するインサイトが提供されるようになります。Webex People Insights により、会議に関する目標を設定し、進捗を確認することができます。私たちは、リーダーやチームメンバーが時間を有益に使えているのか否かがより明確にわかる、このようなインテリジェンスを提供できることを嬉しく思います。
人材に求められることは変化しています。IT スキルの向上が求められています。私たちは、ネットワーキングやサイバーセキュリティなどのトレーニングを、 Cisco Networking Academy Program を通じ、20 年以上かけて1,260 万人を超える人に提供してきました。サイバーセキュリティ入門や IoT 入門といった、無料のオンラインクラスの登録数は、2021 年度の上半期に、2020 年度の同じ期間と比較して 3 倍以上に増加しました。また、世界が急速にデジタルの未来へと移行していることを知っている市民に対応するために、政府/自治体もデジタルスキルとデジタルトレーニングに投資しています。インクルーシブな回復には、こうしたスキルを必要とするすべての人に提供することが含まれます。教育および雇用パートナーと連携して未来の人材開発に取り組んできたシスコは、多くの市民が学習と成長の場としてシスコの Networking Academy を利用していることを誇りに思います。
パンデミックから抜け出すための鍵となるのは、デジタル化だけではありません。たとえばヨーロッパでは、今日のような改革によってすべての業界がより持続可能な未来を実現する機会を得られる、ということを多くの議員が理解しています。世界最大のネットワーキング、コラボレーション、およびセキュリティテクノロジーのプロバイダーであるシスコのテクノロジーは、接続性、生産性、セキュリティの向上に役立つだけでなく、建物、都市、コミュニティにおけるエネルギーの消費と天然資源の使用の削減にも貢献します。
シスコは企業として、2022 年度までに排ガスを 60% 削減するとともに、製品の電力効率を向上させ、より持続可能なパッケージの実現に取り組むという野心的な目標を設定しています。その進捗は順調であり、シスコは今後、デジタル化されたインクルーシブで地球に優しい未来の実現をサポートしていけるよう責任を果たしていきます。
この 1 年は誰にとっても非常に厳しい年でしたが、それと同時にイノベーションが促進され、身近な人々や世界中の人々を思いやる年にもなりました。このようなイノベーションと共感は、今後も私たちの働き方を進化させ、回復によって私たち全員に間違いなくメリットをもたらしてくれます。