データ シート
Cisco MDS 9700 48 ポート 10 Gbps Fibre Channel over Ethernet モジュール
製品概要
マルチプロトコル ストレージ ネットワーキングは、シスコ ユニファイド ファブリックの中心的な機能です。組織の IT 担当者は、この機能を備えたネットワーキング プラットフォームを使用することで、復元性と俊敏性を高めながら、総所有コスト(TCO)の軽減を達成できます。シスコ ユニファイド ファブリックは、データセンターのオペレーティング システムを使用してストレージとデータ ネットワーキングを統合し、コンバージェンス、拡張性、ネットワーク インテリジェンスを提供します。Cisco MDS 9700 シリーズ マルチレイヤ ディレクタ プラットフォームに Cisco MDS 9700 48 ポート 10 Gbps Fibre Channel over Ethernet(FCoE)モジュール(図 1)を搭載すると、16 Gbps ファイバ チャネルと 10 Gbps FCoE のいずれの機能にも対応可能になり、SAN にマルチプロトコルの柔軟性を持たせることができます。Cisco MDS 9700 シリーズにフル ラインレートの FCoE モジュールが加わることで、アクセス レイヤだけでなくデータセンターのコアでも FCoE の利点を活用できるようになります。
Cisco MDS 9700 48 ポート 10 Gbps FCoE モジュールを使用すれば、ファイバ チャネル SAN への投資を保護しながら FCoE を導入できるので、コストの節約、管理の簡素化、電力および冷却要件の軽減、柔軟性の向上といったメリットが得られます。つまり FCoE は、すでに構築されているファイバ チャネル構成をすべて維持しながら I/O を統合できる画期的なアプローチなのです。ファイバ チャネルの持つ遅延、セキュリティ、トラフィック管理の属性は維持され、ファイバ チャネルのツール、トレーニング、SAN への投資も保護されます。さらに、FCoE によってファイバ チャネル SAN の接続性が拡大し、ネットワーク サーバを 100 % SAN に接続できるようになります。
図 1 Cisco MDS 9700 48 ポート 10 Gbps FCoE モジュール
主な機能
Cisco MDS 9700 48 ポート 10 Gbps FCoE モジュールの主な機能は次のとおりです。
- 高性能:Cisco MDS 9700 シリーズのアーキテクチャは、中央集中型のアービトレーションとクロスバー ファブリックを基盤とし、あらゆるトラフィック条件において、シャーシ内のすべての FCoE ポートに、10 Gbps ラインレート(ノンブロッキング)の予測可能なパフォーマンスを提供します。
- 効率的なエンコード:FCoE は 10 Gbps イーサネットの効率的なエンコード メカニズムを活用することで、8 Gbps ファイバ チャネル使用時より帯域幅を 50 % 拡大します(8 Gbps ファイバ チャネルの実スループットは 6.8 Gbps)。そのため、8 Gbps リンクよりも少ない 10 ギガビット イーサネット リンク数で同じ帯域幅を得ることができます。
- 高可用性:Cisco MDS 9700 シリーズ ディレクタは、高い可用性と信頼性を特長とし、ファブリック カードを始めとする主要なすべてのコンポーネントを冗長構成にできる、業界初のディレクタクラス スイッチです。電源装置はグリッド冗長、スーパーバイザは 1+1 の冗長構成となっています。ユーザはファブリック カードを追加することで、ファブリックを N+1 の冗長構成にすることもできます。
- 拡張性:Cisco MDS 9700 48 ポート 10 Gbps FCoE モジュールは、単一の 9710 シャーシにフル ラインレートの自動検知ポートを最大 384 個提供します。また、Cisco MDS 9706 マルチレイヤ ディレクタ シャーシの場合は、各シャーシに最大 192 個の 10 Gbps フル ラインレート ポートを提供します。
- 回復力に優れた高性能なスイッチ間リンク(ISL):FCoE ISL は、最大 16 の物理リンクを PortChannel にまとめることで、160 Gbps の大きな論理リンクを構成できます。Cisco Nexus 7000 シリーズ 10 ギガビット イーサネット モジュールを搭載した Cisco Nexus® 7000 シリーズ スイッチに接続すれば、ディレクタクラスの FCoE ポートの数を簡単に拡張できるので、要求の厳しいデータセンター環境のニーズにも対応できます。
- インテリジェント ネットワーク サービス:VSAN テクノロジー、ハードウェアベースのインテリジェント フレーム処理用のアクセス コントロール リスト(ACL)、およびファブリック全体の Quality of Service(QoS)により、SAN アイランドから全社規模のストレージ ネットワークへの移行が可能となります。
- 高度な診断機能:Cisco MDS 9700 48 ポート 10 Gbps FCoE モジュールは、インテリジェント診断機能、プロトコル デコード機能、ネットワーク分析ツール、および統合された Cisco Call Home 機能を提供し、信頼性の向上、問題解決の迅速化、およびサービス コストの削減に役立ちます。
主な利点
コンバージド ネットワークでは、サーバ ワークロードが増大しても、複雑さを軽減しながら、データセンターの消費電力を削減し、既存の資産のライフサイクルを延長できます。また、SAN の接続率も高くなり、仮想マシンのモビリティが簡素化されます。
MDS 9700 10 Gbps 48 ポート FCoE モジュールを使用して、データセンターのコアへのアクセス レイヤで I/O を統合することにより、さまざまなメリットが得られます。なかでも最も重要と考えられるのは次の 3 つです。
- 投資保護:FCoE は、ファイバ チャネルと同じ管理モデルを使用する画期的なテクノロジーです。FCoE を使用すれば、ファイバ チャネルのツール、トレーニング、SAN への投資を有効に活用できます。Cisco MDS 9700 FCoE モジュールは、図 2 のように FCoE SAN(サーバ側ネットワークからのトラフィック)とファイバ チャネル SAN(ストレージ アレイに向かうトラフィック)の間を透過的につなぐことにより、既存のファイバ チャネル ストレージへの投資の保護に役立ちます。
図 2 MDS 9700 による FCoE SAN とファイバ チャネル SAN の相互接続
- 俊敏性:コンバージド ネットワークでは、長期的に見て LAN 環境と SAN 環境の両方でネットワーク容量を効率的に使用できます。帯域幅キャパシティが拡大するため、あらゆるトラフィック タイプで応答性が向上します。また、FCoE がもたらすエンドツーエンドの利点として、物理資産と仮想資産のいずれについても、セットアップ、移動、変更にかかる時間が大幅に短縮され、障害ポイントも少なくなります。
- 簡素化:統合によって、複雑さが軽減され、投資回収率(ROI)が高くなります。
このモジュールは、FCoE トラフィックのみを送信する FCoE イニシエータおよびターゲットへの接続もサポートしているので、コンバージェンスが必要なければ、専用の FCoE SAN の導入にも利用できます。
製品仕様
表 1 に、Cisco MDS 9700 48 ポート 10 Gbps FCoE モジュールの仕様を示します。
表 1 製品仕様
発注情報
表 2 に、Cisco MDS 9700 48 ポート 10 Gbps FCoE モジュールの発注情報を示します。
表 2 発注情報
1 40 種類の波長を提供。その他の製品番号および情報は、次の高密度波長分割多重(DWDM)SFP 光モジュールのデータ シートを参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/prod/collateral/modules/ps5455/ps6576/data_sheet_c78-711186.html [英語]
サービスとサポート
シスコとそのパートナーは、Cisco Lifecycle Services の考え方を活用して、ネットワークのビジネス価値と ROI を高めるために役立つ幅広いエンドツーエンド サービスを提供しています。このアプローチでは、テクノロジーとネットワークの複雑さに応じて、シスコ テクノロジーの適切な導入および運用を支援し、ネットワーク ライフサイクル全体にわたるパフォーマンスの最適化のために必要最小限のアクティビティを定義します。
関連情報
Cisco MDS 9700 ファミリ ファイバ チャネル スイッチング モジュールの詳細については、
http://www.cisco.com/jp/go/storage/ を参照するか、最寄りのシスコ代理店までお問い合わせください。
サポートされる光モジュールの詳細については、Cisco MDS 9000 ファミリ Pluggable(プラグ着脱可能)トランシーバを参照してください。