Fact SheetCisco SAN-OS から Cisco MDS 9000 NX-OS への名称変更イントロダクションデータセンターが進化する中で、サーバ間の接続やサーバと I/O デバイスの接続形態も大きく変化しつつあります。数年後には、サーバ I/O の統合および統一が図られ、データセンターのプロビジョニングと運用は大幅に簡素化され、総所有コスト(TCO)が削減されることが見込まれます。Data Center 3.0 構想の一環として、シスコは、異なる性質を持つ IP ネットワーク、ファイバ チャネル SAN、および高パフォーマンス コンピューティング(HPC)サーバ ファブリックのそれぞれの世界をまとめる統一的な製品スイートをすでに提供し始めています。また、開発中の製品も数多くあります。 統合への流れの中での変化の多くは、製品リリースや機能という形で現れますが、それらより象徴的な変化もあります。そのような象徴的な変化の 1 つが名称の変更です。Cisco® MDS 9000 SAN-OS ソフトウェアは、リリース 4.1 以降、Cisco MDS 9000 NX-OS® ソフトウェアになります。 変化の理由業界は、シスコの先導によって今後数年間の LAN と SAN の統合に向けたロードマップを提示しました。LAN と SAN は、当初は交わるだけですが、その後、一体化します。 この相互認識のために 2 種類のオペレーティング システムを統合する必要があったとすると、プロセスは非常に困難なものになったと考えられます。しかし実際には、Cisco MDS 9000 SAN-OS ソフトウェアと Cisco MDS 9000 NX-OS ソフトウェアは以前から同じオペレーティング システムでした。Cisco Nexus 7000 シリーズの開発チームは、2002 年から Cisco MDS 9000 ファミリ製品を提供してきたチームに属しています。また、Cisco MDS 9000 NX-OS ソフトウェアは、最初から Cisco MDS 9000 SAN-OS ソフトウェアのソース コードをベースにしています。現在も両製品は同じソース コード ツリーからビルドされていますが、対象とする環境が異なるため、それぞれの環境に適したフィーチャ セットを備えています。1 つのイメージはファイバ チャネル SAN 環境とストレージ用にビルドおよびインストールされ、もう 1 つのイメージは LAN スイッチング用にビルドおよびインストールされますが、この 2 つは共通のインフラストラクチャ、ルック アンド フィール、エンジニアリング チーム、およびコード ベースを共有しています。 SAN と LAN が交わり、相互運用が進む中で、Cisco MDS 9000 NX-OS ソフトウェアは Cisco Nexus 製品向けの OS であるだけでなく、データセンターの次期 OS として機能するようになっています。 名称変更の影響についてですが、シスコは、以前と同様にストレージ パートナーとの連携を続けます。今後のリリースの名称は、「SAN-OS」が「NX-OS」となる以外は従来どおりです。スイッチに読み込まれるソフトウェア イメージの名前は変更されません。また、ソフトウェア自体も同じなので、上位互換性や下位互換性およびアップグレードも維持されます。 具体的な状況Cisco MDS 9000 SAN-OS ソフトウェアの次のメジャー リリースは Cisco MDS 9000 SAN-OS ソフトウェア リリース 4.1 となる予定でしたが、Cisco MDS 9000 NX-OS ソフトウェア リリース 4.1 となります。リリース 4.1 より前の Cisco MDS 9000 ファミリ ソフトウェア リリースの名称は「SAN-OS」のままなので、以前リリースされたコード、ドキュメント、資料への変更はありません。 Cisco Nexus と Cisco MDS 9000 ファミリ プラットフォームのリリースには、単一の連続した番号が与えられます。リリースによって、1 つ以上の Cisco Nexus プラットフォーム向けの新機能が含まれることも、Cisco MDS 9000 ファミリ プラットフォーム向けの新機能が含まれることも、両方の製品ファミリの拡張機能が含まれることもあります。この枠組みにより、どちらか 1 つのプラットフォームから見た場合はリリースの番号に欠番が発生することも考えられます。たとえば、Cisco MDS 9000 NX-OS ソフトウェア リリース 4.1(2) に Cisco Nexus プラットフォーム向けの拡張機能しか含まれない場合、Cisco MDS 9000 ファミリのお客様にとっては、Cisco MDS 9000 NX-OS ソフトウェア リリース 4.1(1) の直後に Cisco MDS 9000 NX-OS ソフトウェア リリース 4.1(3) がリリースされることになります。 お客様にとっての名称変更の意味機能面では、名称変更による影響はまったくありません。Cisco MDS 9000 ファミリ製品は、これまでどおりの機能を継続します。Cisco MDS 9000 NX-OS ソフトウェア リリース 4.0 以降を実行しているCisco MDS 9000 ファミリのスイッチは、Cisco MDS 9000 SAN-OS ソフトウェア リリース 3.0 以前を実行しているスイッチと相互運用できるようになります。これは、Cisco MDS 9000 SAN-OS ソフトウェア リリースを実行しているスイッチが以前のソフトウェア リリースと相互運用できるのと同じです。変更は名称のみです。名称を別にすれば、Cisco MDS 9000 ファミリ製品上の Cisco MDS 9000 NX-OS ソフトウェア リリース 4.1 は、名称変更がなければ Cisco MDS 9000 SAN-OS ソフトウェア リリース 4.1 として出荷されていたソフトウェアとまったく同じです。実際の運用面では、お客様への影響はありません。 各プラットフォームには、これまでどおりそのプラットフォームのハードウェアに合った機能が提供されます。さらに、ソフトウェア イメージのインストール前にはハードウェア構成がチェックされるので、一方のプラットフォーム向けの Cisco MDS 9000 NX-OS ソフトウェア イメージがもう 1 つのプラットフォームに読み込まれるといった事態は起きません。Cisco MDS 9000 NX-OS ソフトウェアのドキュメント、ダウンロード、および資料はプラットフォームによって区別されるので、お客様は Cisco MDS 9000 ファミリのストレージ機能または Cisco Nexus 製品のイーサネット機能を容易に扱うことができます。 名称変更は、上記で説明した戦略的統合を反映したものであり、統合の原因ではありません。Cisco Nexus ファミリは今後、ファイバ チャネル SAN との相互運用に必要な機能を備えることになりますが、ファイバ チャネル SAN を実装するためのインフラストラクチャになるわけではありません。それは Cisco MDS 9000 ファミリの役割です。また、Cisco MDS 9000 ファミリは今後 FCoE をサポートする予定ですが、コア イーサネット スイッチになるわけではありません。それは Cisco Nexus 7000 シリーズの役割です。 シスコ ストレージ パートナーにとっての名称変更の意味Cisco MDS 9000 ファミリに関する Original Storage Manufacturer(OSM; オリジナル ストレージ マニュファクチャラ)の認定とリリース プロセスに変更はありません。製品の技術資料と、新しいリリースに言及するマーケティング資料では、一度だけドキュメントの変更が発生します。ソフトウェア イメージの命名規則に変更はありません。Cisco MDS 9000 ファミリのソフトウェア イメージの名前には、「SAN-OS」は現在使用されていません。シスコの製品 ID(PID)にも変更はないので、発注への影響もありません。OSM パートナーの認定は、新しいストレージ関連機能または修正プログラムを含むリリースに限られます。したがって、イーサネットのみのリリースを考慮する必要はなくなります。OSM パートナー マネージャは、現在と同様に今後もロードマップを通じてリリース内容を伝達します。 まとめ2008 年 1 月に Cisco MDS 9000 NX-OS ソフトウェアが発表された当初から、Cisco MDS 9000 SAN-OS ソフトウェアと Cisco MDS 9000 NX-OS ソフトウェアは、同じオペレーティング システムです。 リリース 4.1 からは、Cisco MDS 9000 SAN-OS ソフトウェアは Cisco MDS 9000 NX-OS ソフトウェアになります。Cisco MDS 9000 NX-OS ソフトウェアは、Cisco MDS 9000 SAN-OS ソフトウェアに基づいており、同じソース コード ツリーからビルドされていますが、今回の名称変更によって単一のデータセンター OS が確立されます。 名称変更の影響は、次のように、主に形式上の問題です。
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