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フォグ コンピューティング:クラウドよりも身近なイノベーション


フォグ コンピューティング:クラウドよりも身近なイノベーション

Internet of Everything(IoE)の進展に伴い、ネットワークのエッジへと拡大するネットワーキング、コンピューティング、およびストレージにおける新しいパラダイムを、シスコのエンジニアが提案します。

  * 当資料は、米国で発表されたFeature Articleの抄訳です。

2014年3月17日 著者:ロドルフォ・ミリート(Rodolfo Milito)

2007 年 11 月 3 日の早朝、濃霧のために、カリフォルニア州サンホアキン バレーの交通量の多い高速道路で玉突き事故が発生し、最終的に 108 台の乗用車と 18 台の大型トレーラーが巻き込まれました。

カリフォルニアのセコイアの老木に必要な水分を与える霧は、1800 年代半ばに「黄金の州」を四輪馬車が行き交い始めた当初から、交通機関の悩みの種となっています。

それから 150 年、シリコン バレーで発生している新種の霧(フォグ)は、世界中の玉突き事故を終わらせることができるかもしれません。

コンピューティング、ストレージ、ネットワーキングの機能を備えたフォグ ノードは、ネットワークのエッジからクラウドへと拡大していきます。フォグ ノードにはいろいろなものがあります。通常はネットワークの末端にあって小型で耐久性に優れていますが、上位レイヤにいくほど強力になります。

前を走るトラックが突然ブレーキをかけたとき、あなたの自動車のセンサーがすぐにその情報を受け取れたらどうでしょうか。また、ショッピング モールの駐車場の空き状況など、データによっては保持する理由がないためクラウドへの送信が一切必要ないものもあります。

シスコでフォグ コンピューティング(Fog Computing)の構想を主導してきた 1 人であるテクニカル リーダーのロドルフォ・ミリート(Rodolfo Milito)は次のように述べています。「フォグはクラウド パラダイムの延長です。クラウドに似ていますが、クラウドよりも地上に近いところにあります。フォグ コンピューティングのアーキテクチャは現実世界、つまりモノが存在する物理的な世界までクラウドを拡張します」。

新たに登場してきた IoT(Internet of Things)アプリケーションは分散していて、遅延の回避や迅速なモビリティを必要としますが、フォグはこの点でクラウドを補完し、IoT アプリケーションの要件に対応します。フォグ コンピューティングは、センサー(データの測定、検出、収集などを実行)やアクチュエータ(バルブを閉じたり、ロボット アームを動かしたり、自動車のブレーキを作動させるといった物理的な操作を実行)などのデバイスをサポートします。

またフォグはネットワークの負荷を軽減することもできます。2020 年までに世界中で 500 億個のモノがインターネットに接続された状態では、すべてをクラウドで処理することは無理です。分散したアプリとエッジコンピューティング デバイスには、リソースの分散が必要なのです。こうしたデータは、フォグが処理します。また、ネットワークの末端に近い低電力のデバイスは、リアルタイムでの対応が可能です。

スマート グリッドなどはよい例です。「クラウドからスマート グリッドを操作することはできません。末端部でのすばやい対応が必要です」とミリートは説明します。

また、フォグは、クラウドへのアクセスが難しい、遅い、あるいは高コストな場所で重要なデータを処理できます。深海の石油掘削装置のフォグ デバイスではリアルタイムで重要なセンサーを監視し、特定のデータや集計データのみを衛星通信で送信します。

フォグは一部の人には当たり前に思えるかもしれませんが、従来のネットワーキングには大きな混乱をもたらします。シスコ、Distinguished Engineer 、ドン・バンクス(Don Banks)はフォグ チームと連携し、フォグ コンピューティングのアーキテクチャを開発しています。バンクスは、新しいネットワーキング パラダイムの導入が最大の課題であると述べています。

更にバンクスは次の様にも述べています。「フォグ コンピューティング デバイスは多目的デバイスであり、 1 台でコンピューティング、ストレージ、ネットワーキングの機能を提供します。またマルチテナントにも対応します。つまり、1 つのデバイスが複数の異なる組織や企業をサポートできるのです。これには、高度に仮想化されたセキュアなシステム アーキテクチャが必要です」

「Internet of Everything(IoE)は、現実世界との私たちの関わり方を変えつつあります。以前はインターネットにまったく接続されていなかった自動車などのモノでも、今では接続されています。しかし、世界中のエンドポイントが 10 億個から 1 兆個に増大した場合、深刻な問題となるのは拡張性だけではありません。個々のエンドポイントではなく、エンドポイントの複雑なクラスタである『リッチ システム』を処理しなければならないという問題も生じるのです。フォグのハードウェア インフラストラクチャとソフトウェア プラットフォームはこの問題の解決に役立ちます」とミリートは結論しています。

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シスコシステムズ合同会社について

シスコシステムズ合同会社は、米国シスコ(NASDAQ:CSCO)の日本法人です。シスコは、ビジネスの基盤となるインテリジェントなネットワーキングソリューションから、音声、映像、データ、ストレージ、セキュリティ、エンターテイメントをはじめとする新しい分野、そして、人々の仕事や生活、娯楽、学習のあり方を一変させることのできるネットワーク プラットフォームの提案を目指しています。 シスコの会社概要・詳細は以下のWebサイトでご参照頂けます。
<http://www.cisco.com/jp>

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**米国で発表されFeature Articleの内容は、以下をご参照ください。
Fog Computing: Innovation Beneath the Cloud