PoE(Power over Ethernet)は、銅線のイーサネット ケーブルを通じてエンドポイントに電力を供給する LAN スイッチング インフラストラクチャの機能です。この機能は、もともと、新たに登場しつつあった IP テレフォニーの導入を支援するためにシスコが 2000 年に開発および提供したテクノロジーで、「インライン パワー」とも呼ばれていました。卓上型の PBX 電話と同様に、IP 電話の動作にも電力が必要です。PoE を使用すると、スケーラブルで管理しやすい電力供給が可能になり、IP テレフォニーの導入が容易になります。ワイヤレス ネットワークが登場すると、PoE はこれらの機器の電力供給にも使われるようになり、付近に電源がない場所にも機器を設置できるようになりました。IP 電話とワイヤレス アクセス ポイントは最もわかりやすい PoE の用途ですが、PoE の 802.3af 標準化により、新世代のネットワーク接続型機器にも利用されるようになりました。そのなかには、ビデオ カメラ、POS 機器、セキュリティ アクセス制御(カード スキャナ)、ビル オートメーション(BA)、工業オートメーションといった機器があります。

シスコでは、業界をリードする Cisco Catalyst 6500 に 96 ポート 10/100 PoE モジュールを提供するなど、10/100/1000Base-T および 10/100Base-T の両方について802.3af ベースの PoEをサポートする Cisco Catalyst インテリジェント スイッチング ポートフォリオを提供しています。シスコの 802.3af 準拠製品の多くでは、シスコ先行標準の PoE 実装もサポートされており、また IP 電話やワイヤレス アクセス ポイントなどのシスコの既存のエンド デバイスとの下位互換性も維持されています。さらに、Cisco Catalyst インテリジェント スイッチは、オプションの IEEE Power Classification 機能以外に Intelligent Power Management 機能も備えており、より効率的な電源管理と電力供給の優先順位付けを可能にすることで、きめ細かい、最適化されたスケーラブルな電力供給を可能にしています。

PoE(Power over Ethernet)は、既存のイーサネット ケーブルを通じて電力とデータの接続性を提供することにより、新しいネットワーク アプライアンスの利用方法を生み出す可能性があります。