ダウンロードホワイト ペーパー次世代ワイヤレス:ビジネスにおける 802.11n概要企業、個人ユーザ、および通信業界全体が、802.11n 規格で実現する次世代ワイヤレス ネットワークの登場を待ち望んでいます。この新技術により、ワイヤレス ネットワーキング用の 802.11 規格がさらに強化されます。他の技術進歩と同様に、802.11n を取り巻く議論は誇大な前評判のために混乱してきました。このような議論の多くは、802.11n 規格によってワイヤレス ネットワークのデータ転送速度が最大 600 Mbps にまで高まるというパフォーマンスについての話題に集中していました。802.11n が大幅なパフォーマンスの向上をもたらすことは確かですが、リンクの信頼性や予測性など、この規格がもたらす他の重要な利便性を企業や個人のユーザも理解しておく必要があります。 現在のところ 802.11n 規格はドラフト段階にあり、正式に承認された最終版が出るにはまだ時間が必要です。しかし、ユーザは、既存のワイヤレス ネットワークを強化することで初期段階にある標準規格や新技術を導入し、パフォーマンスを改善してミッションクリティカルなアプリケーションへの対応を向上させたいと切望しています。 802.11n 技術については、最近になっていくつかの大きな進展があり、かなり現実的になっています。2007 年 3 月に IEEE 802.11n ワーキング グループの Letter Ballot(書面による投票)を通過した 802.11n ドラフト 2.0 の仕様は、正式承認に向けた重要な足掛かりとなっています。2007 年 6 月には、ドラフト 2.0 仕様に基づいて Wi-Fi Alliance による 802.11n 規格製品の試験と認証が始まりました。この試験環境用に市販のアクセス ポイントを提供できる唯一のメーカーとして、シスコは試験のベンチマークを提示しました。規格はまだドラフト段階ですが、早期から Wi-Fi Alliance が試験と認定を行うことで、ドラフト規格に基づく製品が規格に準拠するようになり、業界における相互運用性が拡大されます。シスコは 802.11n ドラフト 2.0 製品に対する Wi-Fi Alliance 試験環境におけるリファレンス プラットフォームとなっただけでなく、ワイヤレス インフラストラクチャとクライアント デバイスの間の相互運用性を確実なものとするため、Intel 社とその他のクライアント製品のメーカーとも密接な共同作業を行っています。 企業における 802.11n に対するニーズの高まり802.11n ベースの次世代ワイヤレスに対するニーズを理解するため、ワイヤレス ネットワークの進歩について振り返ってみましょう。モバイル ワーカーが移動中でもオンラインでいるための便利な手段としてワイヤレス技術は使われ始めました。その後、ほとんどの企業で急速に「必須」となり始め、ついにはネットワーク戦略の全体像で欠くことのできない要素となりました。ワイヤレス技術の課題とも言われていたセキュリティの領域もさまざまな改善が施され、企業はさらに広範囲に、企業組織全体でのワイヤレス導入を開始するようになりました。出張中の社員や建物のいろいろな場所で仕事をするモバイル ワーカーが使うだけでなく、全社で導入されるようになったのです。より多くのユーザやアプリケーションに対応した広範囲にわたるネットワークには、スループットの向上によるパフォーマンスの拡大だけでなく、信頼性と予測性の高いワイヤレス ネットワークが必要です。 802.11n 導入の主要な動機は次のとおりです。
802.11n の開発では以上の要素のすべてが考慮に入れられました。ユーザ数の増加、クライアント デバイスのさらなる多様化、ワイヤレス LAN での音声、データ、ビデオの統合、ワイヤレス ネットワーク上で利用されるミッションクリティカルなアプリケーションの増加、ワイヤレスをより過酷な環境へ導入する傾向など、802.11n はこのような課題に対応できる特性を持つことが見込まれています。前世代のワイヤレス ネットワークと比較してパフォーマンスが向上すると期待されるため、多くの企業や産業界全体が 802.11n の議論に夢中になることは不思議ではありません。 より優れた WLAN を 802.11n で構築スループット、信頼性、予測性といった領域で 802.11n が企業に多くの利点をもたらすことは確かです。しかし、自社のワイヤレス ネットワークの機能拡張に 802.11n を活用する具体的な方法を調べ、誇大な前評判による思い込みと現実とを切り離して考えることが企業にとって重要です。次のセクションでは、802.11n で話題になっている各種の利点を、それぞれを詳しく検討することにします。 リンクの信頼性と予測性の向上スループットの向上ほどには広く議論されていないものの、802.11n がリンクの信頼性と予測性を改善させる能力は魅力的であり、アプリケーションのパフォーマンスを著しく向上させます。ワイヤレス ネットワーク上で利用するミッションクリティカルなアプリケーションの数がかつてないほど増加する中で、自社のワイヤレス接続のアベイラビリティと信頼性の確保があらゆる企業にとって重要案件となっています。 802.11n がワイヤレス ネットワーキングにおいて飛躍的進歩をもたらすことができるのは、まさにこの領域です。802.11n では Multiple-Input Multiple-Output(MIMO)という信号処理技術を使用します。この技術ではワイヤレス リンクの信頼性を改善するために、複数のアンテナとレシーバーを使用してパケット損失の可能性を抑制します。損失パケットの低減によりリンクの信頼性が上がり、スループットがより安定して、施設の中にあるどのポイントについてもカバレッジを予測することが可能になります。このような信頼性と予測性の向上は、新しく加わる 802.11n クライアントにとどまらず、既存の 802.11a/b/g クライアントにも及びます。そのため、デバイスの種類や速度にかかわらず企業がデバイスの入れ替えを実施しても、大きな利便性が得られます。さらに MIMO は、クライアントとアクセス ポイントにも利便性をもたらします。建築材料、自由空間でのパス ロス、マルチパス伝播が無線周波数に及ぼすすべての悪影響を排除する能力があるため、MIMO の導入によって WLAN 設計が根本的に変化するだけでなくパフォーマンスに対するユーザの期待にも変化が起こることでしょう。 スループットの向上おそらく 802.11n により実現する改善点として最も話題に上るのは、ワイヤレス ネットワーク上のスループット向上でしょう。802.11n は現行のワイヤレス ネットワークと比較して、最大 5 倍のパフォーマンスを提供する可能性を持っています。障害の存在しない 802.11n 環境でテストすると、無線帯域あたり最高 300 Mbps の送信速度を達成します。2.4 GHz 帯と 5 GHz 帯の両方で運用するデュアルバンド方式では、合計で 600 Mbps を提供できます。企業における一般的な導入環境では、1 台のクライアントが利用できる帯域幅が著しく向上するでしょう。テスト環境では、1 台のクライアントが占有できる帯域幅の平均が 3 倍から 5 倍になっています。802.11n のスループットは、40 MHz のチャネル、パケット アグリゲーション、Block ACK などの機能によって向上しています。さらに、MIMO で得られる信号の改善により、802.11a/b/g と比較して、アクセス ポイントから一定の距離だけ離れたクライアントに対してより高速な通信速度での接続が可能になっています。 Cisco Unified Wireless Network - 802.11n の企業導入のあり方これまで見てきたような利便性に加えて、802.11n ドラフト 2.0 を規格の最終承認の前に導入することには、多くの企業が不安を持っています。シスコではお客様の投資保護を支援するために対策を実施しています。シスコは IEEE による標準化プロセスを主導し、ドラフト版 802.11n 規格に対応したすべての製品を Wi-Fi が認証するためのベンチマークを提供し、Intel 社や他のクライアント プラットフォームとの間の相互運用性に対する広範囲な共同試験を実施しています。さらに、新しいワイヤレス規格を容易に取り込めるように、拡張性の高い設計の柔軟なモジュール アーキテクチャを採用しています。 Cisco Unified Wireless Network の設計には柔軟性やモジュ―ル性とともに、投資保護の視点が込められています。Cisco Unified Wireless Network はネットワークを再構築する必要がないように、様々な新技術をサポートしており、標準化後の 802.11n にも対応予定です。 Cisco Aironet® 1250 シリーズ Lightweight アクセス ポイントはモジュール設計になっています。これにより企業は、無線部分を将来簡単にアップグレードができることがわかっているため、現段階での 802.11n の導入が可能になり、ワイヤレス インフラストラクチャへの投資全体を保護することができます。前に述べたように、Cisco Aironet 1250 シリーズは、802.11n ドラフト 2.0 仕様に対する準拠認証のための Wi-Fi Alliance の試験環境に加わっている唯一の市販製品です。シスコでは 802.11n ワイヤレス ネットワークでの最適なパフォーマンスを確保するため、シスコのワイヤレス インフラストラクチャと、Intel 社や他のメーカーが製造するクライアント デバイスとの間で相互運用性試験を実施しました。Intel 社がデバイスに組み込む Wi-Fi シリコン チップの大半を供給するため、Intel 社との相互運用性によりシスコ製インフラストラクチャを導入しているお客様は最適なユーザ エクスペリエンスが保証されます。このような試験を行うことにより、802.11n クライアントとインフラストラクチャの間だけでなく、より重要な点として、既存の 802.11a/b/g ソリューションと新しい 802.11n 製品の間でも相互運用性を確保できます。そのため、この次世代ワイヤレス技術をシームレスに取り入れることが可能です。 次世代ワイヤレス ネットワークを導入する際に課題となるのは、ビジネス ニーズに適した形で安全なワイヤレス ネットワークを設計、構築、運営することです。しかもビジネス環境の発展とともに規模の拡大が可能でなければなりません。シスコと Wireless LAN スペシャライゼーション パートナーでは、音声とデータを安全に扱う様々なワイヤレス ネットワーク ソリューション、技術、および戦略のパフォーマンスを計画、設計、実装、運営、最適化するための実績ある方法に基づいた、幅広いエンドツーエンドのサービスを提供しています。シスコの Wireless LAN スペシャライゼーション パートナーはアプリケーションに関する専門知識を提供し、安全で総所有コストの低いエンタープライズ モビリティ ソリューションの実現を支援します。 Cisco Unified Wireless Network の下で 802.11n を導入すれば、投資保護と将来性の保証を始め、エンタープライズ ネットワークの拡張性と信頼性の向上にいたるまで、様々な利益を得られます。ネットワークに参加するユーザの数が増えて消費する帯域幅が増加した場合は、アクセス ポイントを増やし、コントローラのキャパシティを拡張するだけで、ワイヤレスの全体的なスループットを拡大できます。 まとめ802.11n はワイヤレス ネットワーキングに求められる各種の進歩と改善を確実に提供します。ユーザの増加を始め、ネットワークにアクセスするクライアント デバイスの種類の拡大、ネットワークを行きかうミッションクリティカルなアプリケーションとマルチメディア アプリケーションの増加、より過酷な無線環境へのワイヤレスの導入など、様々なニーズが高まるエンタープライズ ワイヤレス ネットワークの中で、802.11n は次世代ワイヤレス接続を提供します。しかし 802.11n が持つあらゆる利便性を引き出すには、適切なワイヤレス インフラストラクチャの導入が必要になります。すなわち、802.11n に対応できるだけでなく、技術の発展に対応可能な柔軟性を備え、技術的変更や新サービス導入の際にもネットワーク、ユーザ、企業業績への影響が最小でなければなりません。Cisco Unified Wireless Network は、最新の 802.11n ネットワークを導入するために必要なモジュール アーキテクチャを提供するとともに、将来的な技術とサービスへの容易な移行を可能します。 |
