モビリティ ソリューション

インテルとシスコのコラボレーションによる、802.11n におけるテストとリーダーシップ

ホワイトペーパー





インテルとシスコのコラボレーションによる、802.11n におけるテストとリーダーシップ



事業の概要


シスコとインテルは、次世代 802.11n WLAN ネットワークの相互運用性とパフォーマンスの検証および最適化を含むさまざまな重要領域において共同作業しています。これにより、シスコとインテルのお客様に対して、RF カバレッジにおける信頼性と予測可能性の向上に加え、従来の 802.11abg ネットワークの 5 倍を超えるスループットの向上がもたらされます。

シスコとインテルは、インテルの Over-the-Air テスト ファシリティにおいて 802.11n のパフォーマンスを共同でテストしています。この取り組みのおかげで、シスコとインテルは、自社の実装を微調整してクライアントおよびインフラストラクチャのパフォーマンスを最適化できました。結果のテストデータは、802.11n のスループット、信頼性、および予測可能性の向上を実証しています。このコラボレーションは、シスコとインテルの共通のお客様に対して、組み合わせの 802.11n ソリューションの展開において、相互運用性を確保し、高い信頼レベルを提供することを確実にします。

共同テストでは、パフォーマンスにおける市場でのリーダーシップが実証され、実際のテスト シナリオでのスループットの値が最大で 195 Mbps に達するという、素晴らしい結果が得られました。持続的なテストでは、スループット レートの平均は 182 Mbps でした。これは、802.11abg に対して 900% のスループットの向上を示しています。また、この結果により、カバレッジを向上する MIMO の利点と、802.11n と 802.11abg 間の下位互換性も示されました。

シスコとインテルの提携の詳細については、Cisco Intel Alliance ホームページ(http://www.ciscointelalliance.com [英語])を参照してください。

実環境のためのエンタープライズ クラス 802.11n


シスコとインテルはさまざまな重要領域で共同作業しています。たとえば、無線上での音声通信の改善、セキュリティ侵害行為に対する防御機能の組み合わせ、次世代サプライ チェーンの構築などにおいて、シスコとインテルは、企業と消費者が働き、交流し、つながり続ける方法の向上を支援しています。シスコとインテルの提携は、革新的で標準仕様に基づいたソリューションによるネットワーク コミュニケーションとコンピューティングの融合を加速させることに焦点が置かれています。シスコとインテルの提携の詳細については、Cisco Intel Alliance ホームページ (http://www.ciscointelalliance.com [英語])を参照してください。

インテルとシスコが共同作業している重要領域の 1 つに、ワイヤレス分野があります。そこでは、802.11n は、次の進化段階である標準仕様に基づく無線ネットワーキングと、企業ネットワークにおける新しいモビリティ レベルを再現します。802.11n の出現と最大 300 Mbps のデータ レートのサポートにより、帯域幅が現在の 802.11ag WLANが提供する帯域幅(54 Mbps)の 5 倍以上に増えるため、より厳しい使用事例に対しても十分に対応できます。802.11n では、スループットの増加に加え、複数のアンテナと高度な信号処理能力を提供する Multiple-Input Multiple-Output(MIMO)テクノロジーによって、Wi-Fi 接続に対するエンタープライズクラスの予測可能性と信頼性がもたらされます。

シスコとインテル:無線とモビリティにおける重要なコラボレーション

WLAN 業界において、802.11n はようやく結実しようとしている領域ですが、シスコとインテルはマーケット リーダーとしての地位をすでに確立しています。インフラストラクチャ側では、現在、シスコは企業 WLAN 製品で高いマーケット シェア(63%)を占めていますが、この 802.11n に関する分野での優位性はほぼ 73% まで伸びています(Dell’Oro 社の 2008 年第 1 四半期レポートによる)。また、クライアント側では、インテルは 15,000,000 台をはるかに上回る 802.11n デバイスを出荷しました。これは、市場での明白なリーダーシップを示唆するものです。

シスコとインテルは、顧客のそれぞれの WLAN インフラストラクチャとクライアント コンポーネント間の相互作用の調和および最適化を目指す共同テストへの取り組みが、お客様にとって重要であることを認識しています。シスコとインテルのお客様にとって、この提携には多くの利点があります。まず、シスコとインテルの共同 WLAN システムは、お客様の構内に届けられる前に、障害ポイントの解決に関して最高レベルのパフォーマンスが提供されるかどうかがテストされます。次に、この継続的なコラボレーションにより、両方のベンダーから提供される現在および将来のモビリティ ソリューションに関するパフォーマンスと信頼性の最適化が促進されます。最後に、シスコとインテルの市場でのリーダーシップにより、お客様は、定評のあるエンタープライズグレード モバイル ソリューション プロバイダーの支援を受けられ、無線 LAN 展開の成功を確信できます。

実環境への展開のための 802.11n テスト

一般的な Wi-Fi テストの手法としては、導通テストと Over-the-Air テストの 2 つがあります。いずれの手法にも使用用途がありますが、基本的な違いはインフラストラクチャとクライアント間での RF エネルギーの転送方法にあります。導通テストでは、無線クライアントとアクセス ポイント間が直接ケーブルで接続され、Wi-Fi 信号は誘導する有線媒体に沿って、自由に邪魔されることなく流れます。このようなテストは、品質保証環境やシミュレーション環境向けの製品を評価するのには理想的ですが、お客様の展開シナリオにおいて示される動作を取得するのにはほとんど役に立ちません。

シスコとインテルの 802.11n テストは、実環境のエンドツーエンド ソリューション検証に従っています。最初に、典型的な企業環境をモデルとする専用オフィス環境で、Over-the-Air(OTA)でのテストを実行します。このテスト環境は、お客様の構内に存在すると考えられる実際の RF 障害物を備えています。2 番目に、複数のアクセス ポイントとクライアント デバイスを使用して、エンタープライズグレードの無線ネットワークで見られる固有の帯域管理 レベル、チャネル相互の干渉、および複雑さを再現します。3 番目に、測定データを取得するために、全体のテスト プロセスは環境制御と再現可能性を含み、独立変数での変化を推進します。最後に、実際のベンチマークをアプリケーション レイヤで実行し、連続的エンドツーエンド ソリューションのパフォーマンスと実行可能性にストレスを与え、すべてのスループット、ローミング、高クライアント密度の評価を行ないます。

実環境の 802.11n テスト

OTA テストの重要性を評価するには、他のベンダーやテスト誌でベンチマークとして頻繁に使用される導通テストの制限事項について理解することが役立ちます。アクセス ポイントを RF ケーブルでクライアントに直接接続することは、品質保証や下位レイヤのパフォーマンスの検証には役立ちますが、802.11 コンテンション、RF マルチパス、およびワイヤレス LAN クライアントのローミング動作の本当のパフォーマンスの課題は取得されません。

導通テストでは、同軸 RF ケーブルを使用して、アクセス ポイントのアンテナ線が WLAN クライアント デバイス内のアンテナ線に直接接続されます。この方法では、算式からアンテナ サブシステムが除去されるため、実際にお客様に関係するサブセットだけが評価されます。実際の導入では、アンテナと無線のパフォーマンスは WLAN カバレッジ特性において大きな役割を果たし、特に 802.11n で見られる複数のアンテナを使用する場合は重要です。加えて、導通テストでは、802.11 のようなシェアードメディアでのクライアントとアクセス ポイント間の帯域管理に基づいた MAC レイヤの相互作用は正確にテストされません。最後に、クライアントからアクセス ポイントへの接続は、実際の環境内に存在すると考えられるマルチパス(または障害物)の影響を受けません。

Over-the-Air テスト ファシリティ

お客様のエクスペリエンスを正確に評価する最善の方法は、最終的な形式のインフラストラクチャとクライアントを使用する Over-the-Air テストを行うことです。この目的を達成するために、インテルは、米国オレゴン州に 27,000 平方フィート(2,508 平方メートル)の専用 OTA 環境テスト ファシリティ(エンタープライズクラス オフィスの複製)を建設しました。エンタープライズクラス オフィスには、一般的に、デスクから、キューブ(パーティション)、ファイリング キャビネット、耐力壁まで障害物が存在します。このテスト サイトは、実際のお客様の環境にあると考えられる条件と同じ条件を備えています。この施設は典型的な導入を注意深く再現していて、そこでは無線デバイスは異なるフェード レートと信号強度を持つ複数の信号を管理し扱います。

すべてのテスト シナリオは、完全に自動化され、反復して実行できます。この施設では、プログラム動作のロボットを使い、シミュレーションが困難な実際のマルチパスと動的に発生する RF の減衰特性を考慮に入れ、一貫性があり反復可能な方法でローミング テストを実行します。

OTA テスト ファシリティの主なインフラストラクチャ コンポーネントは次のとおりです。

  • Cisco 4404 WLAN controllers
  • Cisco Aironet 1240 Series(802.11abg) and 1250 Series(802.11abgn) Access Points
  • Cisco Wireless Control System(WCS)

OTA ファシリティの 周りのRF特性は、連続的にCisco Spectrum Expert を使用して調べています。テスト クライアント デバイスは、すべて Wi-Fi クライアントに対応したインテル® Centrino® プロセッサ テクノロジーを搭載し、以下を含みます。

  • Intel® PRO/Wireless 2915ABG Network Connection (Tri-mode 802.11a/b/g)
  • Intel® Wireless WiFi Link 4965AGN 802.11a/g/n draft v2.0
  • Intel® WiFi Link 5300 (3x3 MIMO) 802.11a/g/n draft v2.0

コラボレーションによるテスト


シスコとインテルは、OTA のパフォーマンスを測定するためのテスト項目を定義するための作業を共同で行ってきました。テストには、次のようなものがあります。

  • 見通し内(LoS)および見通し外(NLoS)
  • 高クライアント密度テスト
  • 複数の 802.11n および 802.11abg キャパシティ テスト
  • エンタープライズ ローミング

これらのテストは、シスコとインテルのデバイス間で最大のパフォーマンスおよび相互運用性を確認できるようにデザインされています。特に、802.11n による予測可能性と信頼性においてゲインを最適化し特徴づけること、および実際の OTA シナリオにおいて顧客に届けられる前に障害を特定して除去することを目標にしています。このコラボレーションの力を示す主要なデータをいくつか示します。

見通し内(LoS)および見通し外(NloS)テスト

シスコの WLAN インフラストラクチャ上で動作するインテル WLAN クライアントの利点と信頼性を実証するには、実際の OTA 環境で LoS と NLoS のパフォーマンスをテストします。導通テストを行うだけでは、正確な距離対レートのデータを再現できず、適切に設計されたアンテナの膨大な変数の追加を取り除きます。実際のエンタープライズ オフィス ビルディング環境における OTA マルチパスとリフレクションにより、シスコとインテルは、反復可能な科学的方法で組み合わせソリューションの動作を評価できます。このテストにより、シスコとインテルのエンジニアリング チームは、最適なパフォーマンスを得るために、組み合わせソリューションの設計、開発、および微調整をすることができるようになります。

テスト方法

このテストでは、テスト用ラップトップが、ロボットのターンテーブル上に取り付けられます。次に、ターンテーブル上でラップトップがゆっくりと回転する(1 RPM)間に、プログラムされたパスに従ってロボットがオフィス環境内を移動します。自動化された車両に搭載されたクライアントのアンテナと位置は、反復性が許容されるように正確に設定されています。図 1 は、テスト方法を示しています。

図 1 テスト方法

図 1 テスト方法
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パス全体にわたって帯域測定スクリプトが実行され、クライアントに関連付けられたデータ レート、パケットの再送回数、およびその他のメトリックが収集されます。最終的に、このデータはレビュー用に記録され、一貫性のために数回繰り返されて平均化されます。一般的な企業環境と同じ構造と配置を持つテスト範囲内およびその周辺をクライアントが移動する間に、動作の観察と分析が行われます。お客様が期待する望ましい動作を実現するために必要な空間的分離と信号強度を維持するかどうか、クライアントとインフラストラクチャの両方が変化する反射信号により試されます。

図 2 は、テスト ファシリティ内の主なデータ収集ポイントのマップを示しています。各データ収集ポイントは、実際の一般的なシナリオを表しています。たとえば、図の右側にあるサンプリング ロケーション 50 は、緑色の円で表された左側のアクセス ポイントから 68 m 離れています。このアクセス ポイントとロケーション 50 にあるクライアント間の RF 信号は、8 枚の壁と 4 枚の標準的なオフィス用キュービクル(パーティション)を通過する必要があります。

図 2 データ収集ポイント

図 2 データ収集ポイント
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テスト結果

これらのテスト シナリオの結果は、最終的に 802.11n のスループット、予測可能性、および信頼性の向上に反映されます。図 3 のグラフは、MIMO と、シスコとインテルの提携関係によってもたらされるパフォーマンスの最適化の利点についての説得力のある例です。

図 3 LoS および NLoS スループットの結果

図 3 LoS および NLoS スループットの結果
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このグラフは、3 つのデータ セットを表します。最初のデータ セット(薄い青色)は、Cisco Aironet 1242 シリーズ アクセス ポイント(802.11a)と Intel 3945ABG クライアントを使用したテストの結果を表します。中央のデータ セット(赤色)は、同じ Cisco Aironet 1242 シリーズ アクセス ポイント(802.11a)と、Intel 5300(802.11n 3x3 MIMO クライアント デバイス)を使用したテストの結果を表します。3 つ目のデータ セット(濃い青色)は、Cisco Aironet 1252 シリーズ アクセス ポイント(802.11n)と Intel 4965AGN クライアント カードを使用したテストの結果を表します。

まず、アクセス ポイントから 6 m 離れた見通し内の場所にあるステーション 40 で、Cisco Aironet 1242 802.11a AP を使用して取得されるデータ セットについて考えます。このロケーションは、信号の障害物がなく、マルチパスの影響を受けないため、比較するのに都合の良いベースラインの場所です。この場所では、802.11a Intel 3945 と Intel 5300 MIMO クライアントの両方が 20 Mbps をわずかに上回るスループットを達成します。両方のデバイスが 802.11a のデータ レートで接続されており、MIMO の利点を示すためのマルチパスが存在しないため、これらの結果は予測と一致しています。しかし、サンプル ポイントが範囲内を移動し、徐々に障害物の多いロケーションに達すると、Intel 5300 MIMO クライアントの利点が明らかになります。ステーション 50 に注目してください。このステーションでは、802.11a クライアントがほとんどスループットを提供しないのに対し、MIMO クライアントが約 10 Mbps のスループットを提供し続けます。クライアント側の複数の送受信アンテナは、802.11a インフラストラクチャだけを持つ環境においても、クライアントに明白な利点をもたらします。802.11n AP と 802.11abg クライアントを使用しても、同様の結果が得られます。

このデータでは、インフラストラクチャ側とクライアント側の両方における 802.11n の利点も示されています。AP から 6 m 離れた純粋な見通し内の場所にあるステーション 40 では、スループットは 187 Mbps という驚異的な数字になります。テスト範囲全体にわたるサンプル ロケーションで、802.11n MIMO の利点が明確に示されています。信号に対する障害物が最も多く、マルチパスの影響が最も大きいステーション 48 や 50 においても、システムは、802.11a レガシー データの最高値を上回るパフォーマンスを提供し続けます。これらのデータ ポイントを見ると、802.11n MIMO テクノロジーが複数の送信アンテナ、複数の空間ストリーム、および最大比合成をどのように利用して、優れたパフォーマンス、予測可能性、および信頼性を提供するかが明確にわかります。

高クライアント密度テスト

高クライアント密度のテスト項目は、シスコとインテルがクライアントの密度とセル サイズの影響を容易に理解できる設計になっており、これらの環境における開発と最適化の向上をもたらします。高クライアント密度環境は、ホット スポット、教育、および医療環境で一般的です。また、企業では、会議室や共有領域に高密度のクライアントを配置することも少なくありません。シスコとインテルのお客様には、これらの環境において優れたスループット、信頼性、および予測可能性が提供されます。

テスト方法

企業の大きな部屋に、多数の 802.11n 対応ラップトップを配置します。各ラップトップは無線ネットワークに接続され、テストの自動化スクリプトを実行しています。まず 1 つのラップトップについて、業界標準のパフォーマンス ツールを使用して実際のスループットを測定し、特徴を調べます。以降、クライアントを 1 台ずつ追加しながら、テストを実行していきます。このテストは、アップストリーム トラフィックとダウンストリーム トラフィックの両方で実行します。

RF メディアはシェアードのため、このテストでは、インテルのクライアントとシスコのインフラストラクチャの両方のコンテンションを管理するための能力が特徴付けられます。

テスト結果

高キャパシティのテスト項目では、全体スループットに対するコンテンションの影響を測定し、特徴を調べます。図 4 のグラフは、最大で 10 台のクライアント デバイスを双方向トラフィックで使用した高クライアント密度テストのデータを示します。

図 4 高クライアント密度テストの結果

図 4 高クライアント密度テストの結果
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このテスト シナリオは、システムがネットワーク内のコンテンションをどのように管理でき、集合スループットを低下させないかを示しています。テスト結果は、実行したテスト全体の平均が 182 Mbps、ピーク スループットが 195 Mbps であり、一貫して高いパフォーマンスが維持されていることを示しています。クライアント デバイスにはメディアへの適正なアクセスが提供され、さまざまなテストの実行中に一貫して高いパフォーマンスが維持されています。このテスト結果は、802.11n テクノロジーにより、帯域幅不足のアプリケーションでも十分なパフォーマンスが得られることを明確に示しています。また、このテストの結果として、全体パフォーマンスをさらに向上し、最適化するために使用できるデータが、インテルおよびシスコのエンジニアに提供されます。

複数の 802.11n および 802.11abg のキャパシティ テスト

実際の展開は、1 つのクライアントだけで構成されたり、802.11n クライアントだけで構成されたりすることはありません。一般に、これは「グリーンフィールド」展開と呼ばれています。シスコとインテルはいくつかの基本的な質問をします:「既存の 802.11abg クライアントに対し 802.11n アクセス ポイントを展開する場合、お客様が期待できるのは何か?」、「802.11abg クライアントと 802.11n クライアントが混在する場合、集合システム パフォーマンスにどのような影響があるのか?」

テスト方法

インテルおよびシスコは、802.11n と 802.11abg のデータ レートで実行されているクライアントがどのようにパフォーマンスに影響するかを観察し、特徴を調べるために、複数のテスト シナリオを作成しました。これらのテスト シナリオでは、8 台のラップトップが論理的に配置され、業界標準のツールを使用して、アップストリーム、ダウンストリーム、および双方向トラフィックでパフォーマンス テスト スイートを実行するように設定します。

このテストは、1 台の 802.11n クライアントと、802.11a のデータ レートで実行されている 7 台のクライアントを使用して開始します。次に、テストを連続して反復します。反復のたびに、802.11n クライアントの数が 1 台増加し、802.11a クライアントの数が 1 台減少します。テストは、802.11a クライアントが 1 台だけ存在し、残り全てが 802.11n クライアントになるまで続行します。

テスト結果

このテストは、802.11n クライアントと 802.11a クライアントの両方が存在するシステムの動作の特徴を調べて理解し、多数の 802.11a クライアントが含まれる環境においても 802.11n のパフォーマンスの向上を実証する設計になっています。

コンテンションの管理に関する 802.11 規定により、802.11n クライアントを 802.11a データ レートのクライアントと共に使用すると、スループットが下がります。これは、多数の 802.11a クライアントが存在する状況では、集合システム パフォーマンスも低下することを意味します。802.11a クライアントの数に比べて 802.11n クライアントの数が多くなると、論理的には集合システム パフォーマンスが当然向上します。

図 5 のグラフが示すように、複数の 802.11n および 802.11a クライアントのキャパシティ テストのデータは、これらの予測を裏付けるものです。

図 5 802.11a から 802.11n へのクライアントの移行

図 5 802.11a から 802.11n へのクライアントの移行
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グラフの左端のデータ セットは、X 軸上のラベル「7A1N」が示すように、7 台の 802.11a クライアントと 1 台の 802.11n クライアントで実行されたテストから得られたデータです。その右側の各データは、順に 802.11a クライアントの数を 1 台ずつ減らし、802.11n クライアントの数を 1 台ずつ増やしてテストを実行した結果を表します。青色のデータは 802.11a の集合スループットを表し、赤色のデータは 802.11n の集合スループットを表します。また、背景の黄褐色の領域は 802.11a と 802.11n の合計スループットを表します。

これらのデータは、多数の 802.11a デバイスを含む混合モード環境(802.11n デバイスが企業内に浸透し始めると発生します)であっても、802.11n インフラストラクチャによって集合システム パフォーマンスが向上することを示しています。したがって、802.11a クライアントが存在する環境であっても、シスコとインテルのお客様の環境では、802.11n インフラストラクチャによるシステム パフォーマンスが向上します。アプリケーションやクライアントの進歩に伴い、802.11a クライアントを 802.11n にアップグレードすると、システム全体のパフォーマンスが大幅に向上するということが重要なポイントです。このテストでは、1 台の 802.11a クライアントと 7 台の 802.11n クライアントでのシステム パフォーマンスは、1 台の 802.11n クライアントと 7 台の 802.11a クライアントの場合よりも 340% 以上向上しています。さらに、このデータは、混合モード環境でクライアント1台あたりのパフォーマンスが一貫していることを示しています。実行したすべてのテストで、802.11a クライアントが約 2 Mbps のスループットを達成したのに対し、各 802.11n クライアントは約 25 Mbps のスループットを達成しました。

企業ローミング

本当のモビリティとは、有線接続が存在する場所ではなく、ユーザが存在するあらゆる場所が作業スペースになることを意味します。さらに重要なことに、それはユーザが、ビジネスクリティカルなアプリケーションやデータへの接続を失うことなく、会議室、ベランダ、または自分の部屋に作業場所を移動できることを意味します。

802.11 規格にはローミング アルゴリズムが規定されていないため、すべてのクライアント ベンダーが独自のアルゴリズムを実装せざるを得ませんでした。初期の 802.11 デバイスが依存していたアルゴリズムは、一般的に単一のアクセス ポイントを持つほとんどの個人ユーザの展開に十分なものでした。しかし、802.11 ベースの WLAN が企業に浸透するにつれて、企業のファシリティ全体にわたる複数のアクセス ポイント間をクライアントがシームレスにローミングできるようにするための、より高度なアルゴリズムが必要になりました。

さらに、802.11n MIMO テクノロジーでは、クライアント デバイスでのインフラストラクチャ アクセス ポイントからの信号の見え方が変わるため、802.11abg 用に設計されたクライアント ローミング アルゴリズムを 802.11n で再考する必要があります。

企業ローミング テスト項目は、シスコ インフラストラクチャでのインテル クライアントのローミング動作の特徴を調べる設計になっています。これにより、シスコとインテルのエンジニアは企業ユースのためのローミング アルゴリズムを最適化することに焦点を置くことができます。

テスト方法

徹底的なローミング テストでは、テスト用のラップトップはプログラム動作のロボット上に固定され、業界標準のパフォーマンス テスト項目を実行しながら、設定されたローミング パスをたどります。図 6 は、ロボットのローミング パス(オレンジ色の線)を示しています。

図 6 ローミング テストのフロア図面

図 6 ローミング テストのフロア図面
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プログラム動作のパスをロボットが通過すると、データが収集されます。緑色の円は、アクセス ポイントの場所を表します。ロボットはパスを複数回通過できるため、異なるアクセス ポイントの組み合わせや異なる出力パワーでテストを実行することができます。テストは、完全に自動化されています。完全なテストの所要時間は 17 時間を超えます。

テスト結果

図 7 は、初回の企業ローミング テストを示しています。

図 7 効果的でないクライアント ローミング

図 7 効果的でないクライアント ローミング
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一連の色付きの円は、プログラムされたパスをロボットが反復する際の、特定の反復に対するクライアントのローミング位置を表します。テストは反復可能かつ予測可能であるように工夫されているため、正常に動作するクライアントは、各反復で同じ場所でローミングするはずです。図が示しているのは、最適化される前のクライアント テストの結果です。図からわかるように、ローミング ロケーションは非常に不規則で、予測不可能です。最終的には、このような一貫性のない予測不可能なローミングは、企業アプリケーションのユーザ エクスペリエンスの低下につながります。

図 8 は、最適化されたクライアント ローミング アルゴリズムを使用して実行されたテストのデータを表します。

図 8 最適化されたクライアント ローミング

図 8 最適化されたクライアント ローミング
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図からわかるように、ローミング位置はかたまっています。これは、予測可能な一貫性のある方法でクライアント デバイスがローミングしていることを示します。最適化され、一貫性があり、予測可能なローミングは、最終的には企業アプリケーションに良い効果があります。

まとめ


シスコとインテルは、次世代 802.11n WLAN ネットワークの相互運用性とパフォーマンスの検証と最適化を含むさまざまな重要領域において共同作業しています。シスコとインテルの組み合わせの WLAN システムを展開している企業には、最高レベルのスループット、信頼性、および予測可能性を提供すると評価されたソリューションが保証されます。このテストにより、シスコとインテルは、製品がお客様の構内に届けられる前に、すべての障害に対処できます。この継続的な連携により、業界トップの両メーカーから提供される現在および将来のモビリティ ソリューションに関するパフォーマンスと信頼性が最適化されます。また、エンタープライズクラス モビリティ ソリューションの提供において業界トップであるシスコとインテルの共同の取り組みにより、お客様は、自社の無線展開の成功を確信できます。

シスコとインテルの提携は、革新的で標準仕様に基づいたソリューションによるネットワーク コミュニケーションとコンピューティングの融合に焦点を置いています。シスコとインテルの提携の詳細については、Cisco Intel Alliance ホームページ(http://www.ciscointelalliance.com [英語])を参照してください。

付録


テストの構成

802.11n テスト データの計測システム

  • Dell Latitude D830、Vista32 Ultimate(SP1), Intel® Core™ 2 Duo 2.50GHz(T9300)、RAM:4 GB
  • Intel® WiFi Link 5300(3x3 MIMO)
  • 11F EEPROM
  • Intel® PROSet/Wireless Network Connection Software version 12.0.4.0
  • Dell Service Tag: FMNT0G1
  • Cisco Aironet 1250 Series Access Point; FW 124-10b.JA1
  • トラフィック ジェネレータ: Console IxChariot 6.0、Endpoint Ixia 6.1

802.11a テスト データの計測システム

  • Dell Precision M65、XP32 Pro(SP2)、Intel® T2300 @ 1.66GHz, RAM:1 GB
  • Intel® PRO/Wireless 3945ABG Network Connection (Tri-mode 802.11a/b/g)
  • Intel® PROSet/Wireless Network Connection Software version: 11.5.0.32
  • Dell Service Tag: HM8GTB1
  • Cisco Aironet 1242 Series Access Point; FW 12.3(7)JA3
  • トラフィック ジェネレータ: Console IxChariot 6.0、Endpoint Ixia 6.1