毎年多くの公開講座や体験授業を開催して人気を博している京都女子大学は、
2008 年夏に行ったオープンキャンパスの際に、体験授業のインターネット中継を行った。
双方向のやり取りを既存ネットワークで簡単に実現するために用いられたのが、
シスコのコミュニケーション ツールである WebEx である。
利用前の検討事案、課題
- 映像によるストリーミングを検討したが、一方通行の配信になってしまう
- ストリーミングを行う場合、サーバの能力や回線の帯域確保があらためて必要
- インターネット中継にまつわる制限や制約はないほうがいい
利用ソリューション
利用メリット
- 普段利用しているプレゼンテーションやスライドをそのまま公開できる
- 操作画面がリアルタイムに共有でき、双方向のコミュニケーションが図れる
- 準備が非常に簡単で、既存のネットワークと Windows PC があればすぐ実践できる
- 中継内容のアーカイブ化が容易で、後々の活用もしやすい
1 利用のきっかけ
より簡単に、双方向のインターネット中継を行いたい
京都女子大学 現代社会学部では、情報系の講義に力を入れていることをアピールしたいと考え、オープンキャンパスの体験授業をインターネットで中継することを立案。当初は映像ストリーミングで行うことも考えたが、WebEx の製品デモを見て、簡単に利用できること、双方向性といった点に魅力を感じ、利用を決めた。
2 WebEx を選んだ理由
簡単、便利、高機能
今回、シスコの WebEx を選んだ理由としては、
- すでにあるネットワークと PC があれば、すぐに使えること
- 準備が簡単で、制限や制約がほとんどないこと
- 使い方も簡単で、双方向のやり取りがスムーズに実現できること
などが挙げられる。
3 利用の準備
利用する PC で初回に事前動作確認のために接続するだけ
WebEx を利用する PC で初回に事前動作確認のために接続するだけなので、すぐに準備は完了した。授業前の準備では初回こそ DV カメラの接続など含め 20 分ほどかかったが、その後は 5 分ほどで準備を終えられるようになった。
4 利用した効果
とにかく簡単、双方の距離感が縮まることを実感
- いつも使っているプレゼンテーションがそのまま使えるので、普段どおりの授業を行えた。
- 実習の授業をインターネット中継でこれほど簡単に行えるのは非常に魅力的。
- 互いの操作をすぐ見ることができ、遠隔で授業を受けている学生との距離感がぐっと縮まる。
- 細かな説明がなくても、誰もがすぐ利用できる敷居の低さが印象的。
- 操作が簡単なので助手もいらず、スムーズに運用できた。
5 今後の展開
より多くの中継を行い、大学をアピール
- 非常に簡単にインターネット中継ができることがわかったので、今後はさらに公開講座の中継回数を増やして、より多くの人に参加してもらえるようにしたい。
- 地域へのアピールという側面もある公開講座をインターネット中継することで、全国に向けた大学のアピールを活発に行いたい。
- シスコ ネットワーキング アカデミーの採用など情報系のプログラムを充実させて、さらに魅力を伝えながら、情報リテラシーを備えた人の育成を進めていきたい。
利用のきっかけ〜
準備
インターネット中継を通じて、学部の取り組みをよりアピールしたい
京都女子大学
現代社会学部
現代社会学科
准教授
宮下 健輔 様
清水寺の近く、閑静な場所に校舎を構える京都女子大学では、高校生を対象にしたオープンキャンパスを毎年数多く開催している。全国から多くの学生が集まる人気ぶりで、これまでの参加者は数千人を超えるという。
2008 年夏に行われたオープンキャンパスの際に、現代社会学部の授業をインターネットで中継する試みが行われ、そこでオンデマンド型コミュニケーションを実現するアプリケーションとして、シスコの「WebEx」(ウェブ エックス)が用いられた。現代社会学部 現代社会学科 准教授の宮下健輔氏は、同学部の取り組みと、WebEx を利用することにした経緯を次のように語る。
「現代社会学部ではコンピュータやネットワークなど情報系の講義を設けており、そこに力を入れていることをアピールするために、オープンキャンパスで体験授業をやろうというプランは以前からありました。インターネットで授業を中継することも、うちの学部にそうした技術力があることのアピールにつながるので、ぜひやりたいと思っていたんです。
WebEx の利用を決めたのは、シスコの大学カンファレンスに参加させていただいたときに、ちょうど製品のデモがあって、非常に手軽に使えることがわかったからです。
最初は映像ストリーミングで配信しようと考えていましたが、それだと一方的に流すだけになってしまいますし、サーバの能力や回線の帯域もあらためて確保する必要があります。WebEx なら、今あるネットワーク環境でもすぐに双方向のやり取りが行えることに強い魅力を感じました」
京都女子大学
現代社会学部
現代社会学科
講師
中山 貴夫 様
オープンキャンパスの体験授業では「実際にやってみる」という実習の側面が強いため、インターネット中継でもユーザの操作がリアルタイムに公開できること、双方向のコミュニケーションができることは重要だったと宮下氏は強調する。
また、準備が非常に簡単なこと、利用における制限がないことも大きなアドバンテージだと、現代社会学科 講師の中山貴夫氏は付け加える。
「最初の授業では、DV カメラの接続など含めて準備に 20 分ほどかかりましたが、それ以降は 5 分くらいで準備できるようになりました。慣れもあったと思いますが、非常に手間がかからないことは強く感じましたね。共有したい画面も、普段使っている Microsoft PowerPoint のスライドなどがそのまま使えます。
インターネット中継だから何かができないといった制限がなく、普段どおりにできるのは魅力です。これなら、出張先からでも、いつもと変わらない授業が行えるかなと思ったりしました」
さらに宮下氏は、シスコのブランド イメージも交えて、次のように語ってくれた。
「操作が煩雑だと助手が必要になってしまったりしますが、WebEx ではその心配もありませんでした。事前準備として、初回に利用 PC を WebEx
(SaaS)へ接続するだけですし、画面やユーザの切り替えも簡単です。
普段 PC を使っている人であれば、一度レクチャーを受ければすぐに使いこなせるでしょう。
シスコのことは古くから知っていて、信頼性や安定性には疑問の余地がないと思っています。機器のベンダーという印象が強かったんですが、今回 WebEx を使って、優れたアプリケーションもラインアップしているのだなと思いましたね」
利用した効果
WebEx の敷居の低さ、遠隔授業のツールとしての有用性を実感
2008 年夏のオープンキャンパスでは、現代社会学部は 5 人の教員が情報テクノロジーに関してそれぞれ得意なテーマで授業を行い、好評だったとのこと。WebEx で参加した人は少なかったというが、宮下氏は大きな手応えを感じている。
「事前の告知が行き届かなくて、関係者以外でアクセスした人は少なかったんです。でも、こちらから細かな説明をしていないにもかかわらず、高校生が自発的に参加してくれたのだとしたら、これはすごいことだと思っています。オープンキャンパスのサイトにアクセスして、そこにある URL とパスワードを入力するだけで、インターネット越しに体験授業に参加できたわけですから。これは WebEx の敷居の低さを、あらためて示しているのではないでしょうか。
遠隔授業のツールとしても、お互いが操作している画面をダイレクトに見られるので、双方の距離がぐっと縮まる気がします。教員の立場では、教室にいる学生と同じように、インターネットの向こうにいる学生とコミュニケーションできますし、学生にとっても実習の授業を遠隔でも受けられるのは非常に大きなメリットだと思います」
「教員としては、学生には教室に来てほしいと思うので、ちょっと悩ましいところもありますが」と中山氏は笑いながら、WebEx 活用のポイントを付け加えてくれた。
「WebEx による中継は、準備が楽で制限がないだけでなく、そのまま収録できることも便利ですね。授業のアーカイブ化が簡単に行えるので、後から見直すことがすぐにできます。自分の授業を見て反省したり、改善に役立てたりといった活用もこれから進んでいくでしょう」
今後の展開
より多くの授業を中継して全国規模のアピールを進めつつ、
情報教育のいっそうの充実を図る
今後は、オープンキャンパスのときにこだわらず、公開講座のインターネット中継を充実させることを考えているという。
「公開講座は年に何回も行っていますが、インターネット中継で遠くの方も見られるようになれば、大学のアピールにもつながります。公開講座の開催は地域の人たちに大学をアピールするという意味合いもありますが、それを全国規模で展開していくというイメージですね。受験生の分布を見ると、全国から来ていただいていますので、インターネット中継がこんなに簡単にできるなら、もっとやっていきたいと思っています。日本国内に限らず、海外への発信という展開もあり得るでしょう」
同学部は 1 学年あたり 250 人ほどで、そのうちの約 2 〜 3 割が情報系の講義を選択しているという。デスクトップ PC が並ぶ教室は 10 ほどあり、ノート PC を所有している学生も多い。宮下氏は、これからどの分野に進むかにかかわらず、PC やネットワークの知識は必要であり、そこからさらに一歩踏み込んだ人を育てていきたいと語る。
「今はどの職種でもパソコンを使います。自分の仕事がネットワークと関係ないように思えても、メールや Web の利用をはじめ、某かの関わりはあるのが実情です。だから、単にパソコンが使えるというレベルに留まらず、仕組みや理屈、ネットワークのありようを理解できる、情報システムに対するリテラシーを持つ人を育てたいと思っています。
文系の学部だけで構成されている女子大で、なぜコンピュータを学ぶのか? と思われることもありますが、パソコンの利用はすでに一般的ですから、裾野を広げていくことが大切です。パソコンやネットワークに工学的興味を持つ文系学生も多いので、我々もしっかりと受け皿を用意して、もっと魅力的に伝えていきたいですね。2009 年度からは、シスコのネットワーキングアカデミーも採用して、さらに充実させていこうと考えています」
システム概念図
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