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サービス指向型ネットワーク アーキテクチャ

Cisco SONA のビジネス概要

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Cisco SONA(Service-Oriented Network Architecture)のビジネス概要


課題

今日のビジネス環境において、企業は激しい競争に直面するとともに、商品化までの時間短縮(Time to Market)が求められています。そのため、どの企業にとっても、市場やお客様の要求に俊敏に対応できる新しい IT ソリューションの導入が急務となっています。お客様は新しい製品とサービスを早急に手に入れたいと考えています。同時に、カスタマー サービスの改善、カスタマイゼーションの柔軟性の向上、セキュリティの強化については、いずれも低コストでの提供を望んでいます。

これに応えるために、企業の幹部は IT 部門に対して、ネットワーク インフラストラクチャの近代化あるいは新たな要求を満たす戦略的アプリケーションの実装を要求しています。しかし、CIO は、これらの戦略の必要性は理解しているものの、複雑で柔軟性に欠ける現行の IT 環境に常に頭を悩ませているのが現状です。一般的に、企業の IT インフラストラクチャは、さまざまなネットワークやデータセンターにそれぞれ独立した状態で配置された数百ものアプリケーションを抱えています。通常、これらのアプリケーションは複数の異なるプラットフォーム上で稼働し、それぞれが個別の機能や限られた相互運用性あるいはスケーラビリティしか備えていません。プラットフォームごとに専用の管理システムが存在するため、ネットワークに新しいアプリケーションや IT サービスを導入するたびに、運用の複雑さが増しています。

また、多くの企業では個々の IT サービスを支えるネットワークを複数稼働させているため、運用と管理は一層複雑になります。そのため、多くの場合は、新たなビジネス チャンス、予期せぬ変更、あるいはお客様の要求に迅速かつ柔軟に対応することのできない複雑なインフラストラクチャとなっています。

さらに、このような環境はセキュリティ面での問題も抱えています。個別のオペレーティング システムやハードウェア プラットフォームには、それぞれ異なるセキュリティ要件が定義されています。さらに、セキュリティの脅威と規制要件の増加により、IT 管理者はセキュリティ ポリシーを適用するために、ますます多くの時間と労力を費やさざるを得なくなっています。インフラストラクチャの複雑さが増すにつれ、これらのシステムやポリシーは、人的エラーや人為的な操作によるセキュリティ侵犯の被害を受ける可能性が高くなります。

このような従来の IT モデルでは、企業にとっての選択肢はほとんどありません。限られた IT 予算は既存システムの運用に充てられてしまうため、ビジネスの改善を促進する新しいテクノロジーを導入するための予算が不足してしまいます。Gartner によれば、一般的な企業では、年間の IT 予算の 70% が既存システムの運用に費やされ、競争力を維持するために不可欠な新しい IT ソリューションに投資できる予算は 30% に過ぎません。


ソリューション

今日の企業には、競争に打ち勝ち、市場の要求に応えるための新しい IT 戦略が必要です。シスコの新しいソリューションでは、より柔軟で適応性の高い豊富な機能を備えた IT アーキテクチャを採用しています。それが、Cisco® SONA(Service-Oriented Network Architecture)です。

Cisco SONA を活用することで、企業は既存の IT インフラストラクチャを、Service-Oriented Architecture(SOA; サービス指向アーキテクチャ)、Web サービス、および仮想化といった新しい IT 戦略をサポートする IIN(インテリジェント インフォメーション ネットワーク)へと発展させることができます。インテリジェント ネットワークによって実現される統合された拡張機能により、複雑さと管理コストを削減し、システムの耐障害性と柔軟性を高め、ネットワーク資産の利用率と効率性を改善できます。

この次世代アーキテクチャによって、企業は、ビジネス上のプライオリティと IT リソースを適切に連携させた戦略的資産としてネットワークを活用できます。その結果、総所有コスト(TCO)の削減と収益の向上が実現され、企業は戦略的な投資とビジネス革新に充てる IT 予算の割合を増やしていくことができます。


Cisco SONA フレームワーク

新しいアーキテクチャを実装し、ネットワーク資産をより効果的に利用するには、先を見越した入念なプランニングが必要です。シスコシステムズでは、まずネットワーク自体の移行から始めることを推奨します。ネットワークは、サーバからアプリケーション、ミドルウェア、デバイス、ユーザに至るまで IT インフラストラクチャのあらゆる部分との接点を持っているため、戦略的なネットワークを整備することで各要素のパフォーマンスと機能が改善され、企業内の組織と従業員全体に利点をもたらすことができます(図 1)。

図 1 Cisco Service-Oriented Network Architecture

図 1 Cisco Service-Oriented Network Architecture
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Cisco SONA では、分散されたアプリケーションとサービスを、共通の統一されたプラットフォーム上で集中的に管理します。この統合環境は、ネットワーク資産の効率と利用率の両方を高め、資本コストと管理コストを低減します。豊富な機能を持つ統合されたネットワーク基盤の整備は、アプリケーションやサービス(統合セキュリティや属性管理サービスなど)の可用性を高めることになります。また、統一されたシステムによって、統合されていないインフラを介した場合に比べ、すべての従業員は、企業内のどこからでもすぐれた品質の IT サービスを迅速に利用できます。

アプリケーションおよびサービスのパフォーマンス、利用効率、可用性の改善は、インテリジェントなネットワークを活用することで実現されます。そのインテリジェンスは、1 つのシステムとして緊密に連携動作するように設計されたデバイス、アプリケーション、およびサービスの統合によって形成されます。その結果、ネットワーク インフラがアプリケーションおよびサービスに動的に適応し、よりアクティブな通信の最適化の役割を担うことができるのです。

ほぼすべてのデバイス、アプリケーション、およびサービスに統合されたインテリジェンスによって、ネットワークはトラフィックの分類、監視、シェーピングをはじめとする高度な機能を実行できます。さらに、従来のトランスポート レイヤに加えて、セッション レイヤ、プレゼンテーション レイヤ、およびアプリケーション レイヤでの管理も可能になります。たとえば、インテリジェントなシスコのデバイスはパケットの中身までを判別してアプリケーションを認識し、Extensible Markup Language(XML)ヘッダーや Simple Object Access Protocol(SOAP)ヘッダーを解読したり、E メール ヘッダーを調べて適切なリソースへの経路制御を自動的に実行したりすることができます。


Cisco SONA のビジネス上の利点

Cisco SONA を活用することで、企業は組織全体にわたるビジネス上の利点を得ることができます。主な例を次に示します。

  • コストの削減と生産性および効率の向上を同時に実現 - Cisco SONA は、ネットワーク リソースのより効果的な利用を促進することで、従業員の生産性を高めるとともに IT 投資と運用費を低減します。たとえば、仮想ファイアウォール、サーバ ファブリック スイッチング、VLAN セグメンテーションなどの仮想化テクノロジーによって、リソース利用率を改善し、残りのリソースを開放することで、ネットワークへの投資を保護します。
  • 耐障害性とビジネス アジリティ(俊敏な対応力)の向上 - Cisco SONA は企業の隅々まで拡張可能である統合プラットフォームの上で、音声/ビデオ/データの各サービスを統合します。このアーキテクチャにはエンタープライズ規模の高度な冗長性が備わっており、ネットワークにおけるサービスの中断や機能停止が発生しても、より迅速な対応と回復が可能になります。これにより、ネットワーク可用性の向上および従業員の生産性の改善などの利点があります。さらに、インテリジェントなシスコ製品を使用することでアプリケーションを緊密に統合できるため、ビジネス アプリケーションとネットワーク サービスの間で共通の可視性と通信を可能にします。これらの拡張機能によって、企業の従業員は常に変化する市場の要求に、より迅速に対応できるのです。
  • カスタマー リレーションシップの強化 - インテリジェント ネットワークを利用することにより、企業全体におけるアプリケーションとデータの可視性が向上します。従業員には、より速く正確に、かつ効果的に企業データにアクセスできるという利点がもたらされ、お客様、パートナー、およびサプライヤに対して質の高いサービスを提供することができます。たとえば、Cisco SONA を活用すれば、CRM(カスタマー リレーションシップ マネジメント)アプリケーションおよび SCM(サプライチェーン マネジメント)アプリケーションを IP ベースのコール センターに統合でき、グローバルな組織内のすべての担当者がリアルタイムな情報に同時にアクセス可能となります。ヘルプ デスクの担当者も、発信者に関してカスタマー サポート担当者と同じ情報を持っているため、お客様への電話対応がさらに改善されます。
  • 収益の向上とビジネス チャンスの最大化 - 標準化されたプラットフォーム上で集中管理される統合アーキテクチャにより、従業員はより多くの情報に基づいてビジネス上の決定を下し、商品をより迅速に市場に投入することができます。たとえば、Cisco SONA を活用すると、分散されたさまざまなサイトの企業意思決定者と開発チームとが、分散した場所に位置する複数の統合データベースから検索したデータにアクセスできるという利点があります。これによって、より一貫性の高い正確な最新データが提供されるため、的確な決定を迅速に下せます。したがって、製品開発のライフサイクルが短縮され、業績はさらに向上します。

Cisco SONA:漸進的なアプローチ

Cisco SONA をフレームワークとして活用すれば、企業はネットワークに段階的に投資しながら、それぞれのペースで IIN インフラストラクチャに移行できます。インフラストラクチャにインテリジェンスを組み込むことで、全体的な複雑さと運用コストが低減される一方で、管理性とアプリケーションの実効性は飛躍的に向上します。企業は、標準化と仮想化技術を活用しながら、よりインテリジェントで有効なインフラストラクチャを構築していくなかで、この効果を一層実感することができます。

  • 標準化 - Cisco SONA ベースのインフラストラクチャでは、すべての要素が 1 つの統合システムとして連携動作するように設計されています。標準化により、ネットワーク資産の効率が向上し、アプリケーションのパフォーマンスが最適化され、管理が容易になるとともに、運用コストが削減されます。シングル ベンダー環境で標準化すれば、マルチベンダー ネットワーク環境の場合と比べ、低いコストで同じ数の資産をサポートすることができます。IT スタッフが複数のオペレーティング システムやテクノロジーを管理する必要もなくなります。また、標準化されたインフラストラクチャによって、より安全で信頼できる環境を構築できます。IT スタッフは、緊密に統合されたインフラストラクチャを利用して、より簡単にコスト効率良く企業全体にセキュリティ ポリシーを実装し適用できます。
  • 仮想化 - 仮想化テクノロジーを活用すると、単一の物理デバイスまたはリソースを物理的に複数存在するかのように動作させ、それらをネットワーク上で共有できます。Cisco SONA では仮想化テクノロジーを利用して、サーバや Storage Area Network(SAN; ストレージ エリア ネットワーク)などのネットワーク資産の利用率を高めます。利用率が高くなっても、CPU リソースにはこれに伴う重大な影響を与えることはありません。そのため、以前は容量の 20%(多くの企業での一般的な値)しか利用されていなかったストレージ ユニットも、仮想化によって利用率を大幅に改善できます。また、たとえば、1 つの物理ファイアウォールを複数の仮想ファイアウォールとして稼働するように設定することにより、リソースとセキュリティへの投資を最適化できます。セキュリティ、属性管理、コラボレーションといったサービスを仮想化できるのは、標準化されたインフラストラクチャ上のみです。その他の仮想化戦略としては、ロード バランシング、リソースの動的割り当て、データ経路の分散、ポリシーの集中管理があります。仮想化を活用するとアジリティが向上し、ネットワーク利用率が改善されるため、資本支出と運用支出の両方が削減されます。

Cisco SONA の利点

Cisco SONA を採用している企業は、より多くのネットワーク資産をきわめて効率良く利用できるため、デバイス、システム、サービス、およびアプリケーションの要件が厳しくなるような場合でもコストの節減を実現できます。Cisco SONA を活用すれば、全体的な IT の効率と利用率が高まるため、IT の総合的な実効性が向上します。シスコでは、このような相乗作用を「ネットワーク相乗効果」と呼んでいます(図 2)。

図 2 ネットワーク相乗効果の計算

図 2 ネットワーク相乗効果の計算

ネットワーク相乗効果:実例

シスコシステムズでは、自社のインフラストラクチャの重要な部分にインテリジェント ネットワーキング ソリューションを実装してきました。この 3 年間で標準化された環境で仮想化テクノロジーを活用して定量化可能な結果を得ることができ、ネットワーク相乗効果の有効性を実証しました。

  • ストレージ サービス - 100 台の Cisco MDS 9000 シリーズ スイッチを仮想化することで、シスコの IT 部門は 3 年間でストレージ利用率を 25% から 47% に倍増させました。ストレージ要件は年 50% の割合で増えましたが、その間の運用コストは少しずつ減少しました。ただし、平均的なストレージ管理者が管理するストレージの量は合計 38 TB です。利用率の増加と経費の低減によって、シスコの IT 部門はストレージ サービス支出における資産の実効性を 3.85 倍に高めることができました。
  • コンピューティング サービス - サーバ仮想化テクノロジーを活用することで、IT 部門は複雑なマルチプロセッサ プラットフォームではなく、スケーラビリティの高い(相互にネットワーク接続された)業界標準のサーバを使用できるようになりました。これにより資本コストを大幅に削減できました。さらに、サーバ オペレーティング システムを SAN に移行することで、ネットワークの可用性と耐障害性が向上しました。今では、IT 部門はネットワークに接続されたすべてのサーバのコンピューティング リソースの起動を実行できるため、1 台のサーバに障害が生じても、同じ OS イメージを使って代替サーバを起動できます。このようにして、IT 部門では、サーバのプロビジョニングと機能停止からの回復をより迅速に行うことができます。以前は 1 台のサーバのプロビジョニングに 30 日間もかかっていましたが、今では 1 日足らずで実行できます。また、一般的なシステム管理者で、以前の倍に当たる 100 台以上のサーバを管理できます。この転換により、コンピューティング サービス支出における実効性は 3.21 倍に向上しました。
  • セキュリティ サービス - 50,000 台の PC にインストールされた Cisco Security Agent(CSA)を使ってシスコ自己防衛型ネットワーク ソリューションを展開することで、シスコは多くのセキュリティ関連業務を自動化できました。その結果、今では、ウイルス対策ソフトウェアによる検出、パッチのダウンロード、シグニチャの更新などの業務は自動的に実行されています。


アーキテクチャの概要

Cisco SONA は、ネットワーキングに必要なすべての要素を 3 層で設計しています。3 層とは、アプリケーション ネットワーキング サービス レイヤ、ネットワーク インフラストラクチャ レイヤ、および相互サービス レイヤです(図 3)。シスコは、各層で実行される論理的な役割と機能を定義しています。また、円滑な移行、投資保護、新しいテクノロジーの容易な導入を促進するために、アーキテクチャにモジュラ型アプローチを採用しています。各企業は、テクノロジーの進歩や市場の需要動向に応じて、各層を独立して自由に開発できます。これにより、Cisco SONA の統合された環境にインフラストラクチャを統合することができます。このようにして、企業は新しい機能を迅速に効率良く導入できます。

Cisco SONA 対応のネットワークでは、アプリケーションとネットワーク サービス間の通信を容易にして補完すると同時に、ネットワーク全体のパフォーマンスと機能を拡張するために、各層が互いに密接に統合されています。

  • アプリケーション レイヤ - 企業内のエンド ユーザがビジネス目的で利用するすべてのソフトウェア(ERP、CRM など)と、コラボレーションに利用するソフトウェア(ユニファイド メッセージング、カンファレンスなど)が含まれます。
  • ネットワーク インフラストラクチャ レイヤ - ネットワーク内の重要なポイント(キャンパス、データセンター、ネットワーク エッジ、MAN [メトロポリタン エリア ネットワーク]、WAN [ワイド エリア ネットワーク]、ブランチ オフィス、在宅勤務者の作業場所)に配置されたデバイスを相互接続し、企業全体にわたってサービスとアプリケーションの転送を促進します。
  • 相互サービス レイヤ - セキュリティ、属性管理、Quality of Service(QoS; サービス品質)機能などのインテリジェント ネットワーク機能を利用して、アプリケーション レイヤ内のアプリケーションとサービス間の通信を最適化します。
図 3 Cisco SONA を構成する 3 つの層

図 3 Cisco SONA を構成する 3 つの層
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アプリケーション レイヤの概要

今日の企業の経営者は、生産性と革新に直接効果をもたらす新しいアプリケーションを求めています。そのような要求に応えられるかどうかは、アプリケーションがネットワーク全体にどのように統合されるかにかかっています。企業が Cisco SONA ベースの IT インフラストラクチャへ移行を進めるにつれ、ネットワーク アプリケーションは緊密に関連して、より高度なコラボレーションとより効果的な通信をサポートできるようになります。個別のプラットフォームと個別の製品を使用した場合には実現不可能だった利点がもたらされます。

アプリケーション レイヤ(図 4)には、エンタープライズ環境で一般に利用されるビジネス アプリケーションとコラボレーション アプリケーションが含まれます。これらのエンタープライズ アプリケーションは、部門、パートナー、お客様、およびサプライヤ間のコラボレーションを促進し可視性を高め、内部ビジネス機能(ビジネス インテリジェンスおよびバックオフィス システムなど)を実行しています。目的のタスクを最適に遂行するには、各アプリケーションが、優れた安全性、信頼性、柔軟性を備え、かつ迅速に応答できなければなりません。また、アプリケーションは、正確な情報の配信や政府の規制およびビジネス ポリシーへの準拠を可能にするテクノロジーを使用する必要があります。シスコシステムズとそのパートナーがビジネス ニーズを満たす一連のアプリケーションを提供し、Cisco SONA が重要なアプリケーション要件をサポートする強力な基盤を提供します。

図 4 アプリケーション レイヤ

図 4 アプリケーション レイヤ
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ネットワーク インフラストラクチャ レイヤの概要

ネットワーク インフラストラクチャ レイヤ(図 5)は、クライアント/サーバ間の接続やストレージ間の接続といった広範な接続機能に加え、さまざまな独自のネットワーク相互接続機能をサポートします。

シスコのスイッチングおよびルーティング ソリューションは、最適なパフォーマンスと I/O 機能を提供するとともに、優れたネットワーク アーキテクチャに基づいてエンタープライズ ネットワーク内のあらゆる場所に予測可能なレベルのサービス、信頼性、およびセキュリティを提供します。このアーキテクチャの 3 つのレイヤのすべてを仮想化することで、デバイスとサービスの利用が効率化されます。また、シスコの優れたネットワーク アーキテクチャにより、アプリケーションとサービスの適応を業務に沿ったポリシーに従って制御できます。

Cisco SONA は、キャンパス、データセンター、ネットワーク エッジ、MAN、WAN、ブランチ オフィス、在宅勤務者の作業場所など、エンタープライズ ネットワークのすべての場所を網羅しています(図 5)。シスコは、それぞれの場所において完全に統合された設計を採用し、あらゆる場所に対応するインテリジェント アーキテクチャ ソリューションを開発してきました。各ソリューションには、Cisco SONA ベースのインフラストラクチャのパフォーマンスと機能を拡張する多くの重要な要素が含まれています。

図 5 ネットワークに含まれる 6 つの場所

図 5 ネットワークに含まれる 6 つの場所
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相互サービス レイヤの概要

相互サービス レイヤ(図 6)は、重要なアプリケーションとネットワーク インフラストラクチャ レイヤを直接サポートします。標準化されたネットワーク基盤と仮想化技術により、Cisco SONA のような統合機能とインテリジェント機能を持たない IT インフラを利用した場合に比べ、セキュリティや音声サービスなどの相互サービスをより適切に拡張および実行し、より効果的に相互運用させることができます。

このレイヤのサービスでは、Cisco SONA ベースのインフラ全体にわたるアプリケーションおよびサービスをサポートします。これらのアプリケーションやサービスには、次のような特徴があります。

  • セキュリティ - データ セキュリティは、アプリケーションレベルのセキュリティおよびネットワーク セキュリティ(VPN/Secure Sockets Layer [SSL]、ネットワーク アクセス制御、Access Control List [ACL; アクセス コントロール リスト]、およびセグメンテーション)によって保証されます。
  • 正確さ - アプリケーションの正確さは、継続したデータ保護、侵入防御、HTTP インスペクションなどのサービスによって強化されます。
  • 信頼性 - サービスとアプリケーションの信頼性は、データ複製、リモート バックアップ、ワームの軽減、拡張 QoS、および DDoS の防御によって実現されます。
  • 柔軟性 - ネットワークとアプリケーションの柔軟性は、マルチプロトコル メッセージ ルーティング、メッセージ変換、モビリティ サービス(いつでもどこからでもリモート アクセスを可能にするサービスなど)、およびマルチチャネル構成のための IP コンバージェンスなどのサービスによって向上します。
  • 応答性 - ネットワークは、Remote Direct Memory Access(RDMA; リモート ダイレクト メモリ アクセス)や I/O 仮想化などのコンピューティング サービスと、アプリケーション アクセラレーション、コンテンツ キャッシュ、サーバ負荷分散などのアプリケーション拡張サービスを利用することで、より迅速に応答できるようになります。
  • コンプライアンス - コンプライアンスと説明責任は、イベント キャプチャとロギング、適合管理、Cisco Wide Area File Service(WAFS)、および広範なポリシー適用などのサービスによって実現されます。

このレイヤで提供されるサービスは、2 つのカテゴリに分けられます。

1. インフラストラクチャ サービス

これらのサービスは、ネットワーク サービスとアプリケーションの運用を最適化し、Cisco SONA ベースのインフラストラクチャ全体に利益をもたらす、ネットワーク全体にわたる重要な機能を提供します。また、インフラストラクチャ サービスは、ネットワーク インフラストラクチャ レイヤとアプリケーション サービス レイヤ間のインターフェイスを提供します。

安全かつインタラクティブでコラボレーション可能なエンタープライズ ネットワーク環境を提供するには、6 つのインフラストラクチャ サービスが不可欠です。

  • アイデンティティ管理サービス - ユーザとリソースの柔軟性とスケーラビリティを実現します。
  • モビリティ サービス - 物理的な場所に関係なくネットワーク アクセスを可能にします。
  • ストレージ サービス - 企業全体のストレージの利用率を改善します。
  • コンピューティング サービス - 企業全体のコンピューティング リソースを改善します。
  • セキュリティ サービス - ネットワーク上のすべてのデバイスとユーザにセキュリティを提供します。
  • 音声およびコラボレーション サービス - すべてのネットワーク リソースを通じてすべてのユーザのコラボレーションを可能にします。

これらのサービスをネットワーク インフラストラクチャ レイヤ上で仮想化し、さらに適合管理機能を通じて仮想リソース プールをどのように利用するか定義することで、ビジネスの変革は加速化し、より動的なものになります。インフラストラクチャ サービス レイヤでは、CPU、ストレージ、サーバ、メモリなどの要素は統合ネットワーク インフラストラクチャで利用するプールされたリソースとして扱われます。これらのリソースは、アプリケーションやサービスの要求に応じて、必要なときに割り当てられます。

さらに、ファイアウォールやロード バランシングなどのネットワーク自身を拡張する機能が、ネットワーク全体に分散されたデバイスやアプリケーションに統合されます。たとえば、ネットワーク セキュリティは、WAN エッジのファイアウォールなどのスタンドアロン アプライアンスが提供する保護機能だけにとどまりません。セキュリティ機能は PC からルータ CPU に至るまですべてのものに組み込まれるため、インフラストラクチャ全体に行き渡るのです。

もう 1 つ例を挙げると、インフラストラクチャ全体においてさまざまなデバイスやシステムに統合された Authentication, Authorization, Accounting(AAA; 認証、許可、アカウンティング)、Network Admission Control(NAC)レイヤ 2、Network Based Application Recognition(NBAR)などのアイデンティティ管理サービスは、互いに連携して動作し、誰がネットワークを使用しているか、どのように使用しているか、何を送信しているかを判断します。このようなインテリジェンスは、たとえば、高度な QoS およびセキュリティ ポリシーを必要なアプリケーションで利用したり、E メール メッセージのウイルスをすべての PC へ広がる前に食い止めるといった特定のアクションを実行するために利用したりすることができます。

2. アプリケーション ネットワーキング サービス

アプリケーション ネットワーキング サービスは、アプリケーション レイヤの情報をインテリジェントに処理するために、スケーラブルで安全な通信、アプリケーション間の統合、およびメッセージング機能を強化します。このレイヤは、ミドルウェア アプリケーションと Cisco Application-Oriented Networking(AON; アプリケーション指向ネットワーキング)を活用して、アプリケーションの配信を最適化し、アプリケーション間の緊密な統合と相互運用性を保証します。アプリケーション サービスは、アプリケーション情報の配信、アプリケーション配信の最適化、アプリケーションレベルのメッセージ処理、およびアプリケーション間のセキュリティの保証を行ったり、アプリケーション メッセージ レベルのイベントの可視性を提供したりします。

また、このレイヤで仮想化テクノロジーを活用することで、リソース利用率を最大化し、パフォーマンスを改善し、効果的なリソース共有に必要な柔軟性を提供します。その結果、アプリケーションとサービスは、より高速かつ効率的に動作します。したがって、企業のあらゆるユーザがアプリケーションとサービスに迅速にアクセスできるようになり、過去に発生していた遅延問題は回避されます。

図 6 相互サービス レイヤ

図 6 相互サービス レイヤ
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重要なアプリケーションとサービスをサポートするエンタープライズ ネットワーク インフラストラクチャを維持するのは容易ではありません。この複雑さに伴うリスクによって、費用のかかるダウンタイムが引き起こされる場合があります。適合管理ポリシーを適用すれば、ネットワークおよびサービスの導入と管理が簡素化されます。その結果、タスクのプロビジョニングと監視の自動化、アプリケーションとネットワーク リソースの柔軟な統合と最適化、ネットワークとビジネス間の耐障害性の維持、法規制の順守、およびアプリケーションのパフォーマンス パターンの最適化が強化されます。

適合管理の重要な側面としては、サポートするネットワーク インフラストラクチャ アーキテクチャのすべての要素を制御する機能、Inter-Switch Link(ISL)サービスを制御する機能、これらの機能の間のインタラクション、およびサービス機能とアプリケーション環境との間の統合と相互運用性が挙げられます。

また、適合管理サービスは、要求ベースのリアルタイム環境、特にリアルタイム イベントによって引き起こす自動タスクの処理や、このようなタスクの実行を可能にするためのリソース プールの処理などにおいて、重要な役割を担います。


変革を成功させるためのシスコ ライフサイクル サービス

図 7 変革を成功させるためのシスコ ライフサイクル サービス

図 7 変革を成功させるためのシスコ ライフサイクル サービス

完全に統合された Cisco SONA ベースのインフラストラクチャへ移行するには、企業はまず、目標を達成するための適切な導入戦略を策定しなければなりません。通常、企業が IT インフラストラクチャに投資するのは、戦略的なビジネス アプリケーションを実装するためのプロジェクトの一環として行うか、あるいはインフラストラクチャを近代化し運用費用を削減するために行うかのいずれかの場合です。前者の場合は、計画の中に既存のシステムとアプリケーションの移行方法を盛り込む必要があります。後者の場合は、IT 面でのプライオリティと投資収益目標に基づき、既存のコンポーネントの移行について網羅する必要があります。

どのような戦略を選択した場合でも、企業は、準備、プランニング、設計、実装、運用、および最適化を含むライフサイクルのすべてのフェーズをサポートする適切なモデルを採用する必要があります。このようなモデルを採用することで、確信を持ってアーキテクチャを実装、運用、発展させることができるのです。また、組織は、リスクを軽減し導入を迅速に進めるために、ベスト プラクティスと実証済みの設計を採用する必要があります。さらに、成功を確実なものにするには、企業はトレーニングおよび社内教育プログラムを実施する必要があります。この場合、シスコとそのパートナーは、新しいインフラストラクチャをサポートし発展させるために必要な知識とスキルを企業に提供することができます。

シスコ ライフサイクル サービスは、広範なエンドツーエンド サービスのポートフォリオを備えた Cisco SONA ベースのインフラストラクチャへの移行を成功させるために、企業を支援します。このアプローチによって、企業が Cisco SONA ベースのインフラストラクチャを所有および運用するコストを低減し、それぞれのビジネス目標を達成できるようにします。


ビジネスの成長のための強力な基盤

新たなテクノロジーが出現し、ネットワークが広がるにつれ、企業にとっても、ネットワーク運用と業績の改善に役立つ新しいアプリケーションや IT ソリューションを導入する機会が増加しています。しかし、今日の企業の IT 部門の多くでは、新しいソリューションを活用するために必要なリソースが不足しています。競争上の優位性を獲得するには、IT システムの運用および管理コストを管理して、ビジネスに役立つ新しいアプリケーションを開発および導入するためのリソースを確保する必要があります。

Cisco SONA をフレームワークとして活用すれば、企業はそれぞれのネットワークを、市場の変化や要求に適応できるインテリジェントなインフラストラクチャへ発展させることができます。ネットワークに段階的に投資することで、ネットワーク相乗効果によるメリットが得られます。つまり、新しい機器、サービス、およびアプリケーションの要件が増大しても、ネットワークと資産の利用効率が向上するため、コストが削減されます。こうして運用コストとメンテナンス コストが節減されるため、新しいアプリケーションおよびテクノロジー ソリューションに、より多くのリソースを割り当てることができるようになります。その結果、企業は将来直面するであろう経営課題に適切に対処するための態勢を整えることができるのです。


関連情報

Cisco SONA、Cisco Network Multiplier Demonstration ツール、シスコ ライフサイクル サービス、および技術支援サービスの詳細については、以下の URL を参照してください。
http://www.cisco.com/jp/go/sona/

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