シスコ次世代 CMTS(ケーブル モデム終端装置)導入事例
株式会社ベイ・コミュニケーションズ
株式会社ベイ・コミュニケーションズ
加入者収容効率の高い Cisco cBR-8 の導入により
省スペース化とパフォーマンス向上を両立

株式会社ベイ・コミュニケーションズ(以下、ベイコム)は、大阪府大阪市に本社を置き、大阪府大阪市西部と兵庫県尼崎市、伊丹市、西宮市を主なサービス エリアとするケーブル テレビ局です。ケーブル テレビ、インターネット接続、電話のトリプルプレイ サービスを展開しています。


Cisco cBR-8 の導入によって 2 台の CMTS を 1 台に集約でき、パフォーマンスもさらに安定しました。またヘッドエンドの空きスペースも確保でき、FTTH 化に向けた投資も行いやすくなっています
─ 株式会社ベイ・コミュニケーションズ
技術部 課長 森 繁一 氏

1991 年に設立され、大阪府と兵庫県でサービスを展開するベイコムは、地上デジタル放送から BS デジタル放送や CS デジタル放送等の衛星放送に至るまで、様々な放送を大容量のケーブル回線で顧客に届けています。その一方で最大 160 Mbps のインターネット接続サービスや、KDDI 株式会社と提携した固定電話サービスも提供。地域密着型の様々な取り組みによって顧客満足度を高め続けています。


課題

光回線(FTTH)を提供する競合が存在する市場の中で、いかにして顧客満足度を高め、収益を確保し続けるかは、ケーブル テレビ事業者にとって重要な課題だといえます。この課題に対し、アクセス回線のFTTH 化を進めると共に、CMTS(ケーブル モデム終端装置)の刷新も同時に行うことで対応しているのが、株式会社ベイ・コミュニケーションズ(以下、ベイコム)です。


「総務省からも同様のデータが出ていますが、私どものサービスでは年率 50 %の割合でトラフィックが増加しています」と語るのは、ベイコム 技術部 課長の森 繁一氏です。その背景としては、インターネットを介した動画視聴の増加や、スマートフォンの普及が挙げられると説明します。「携帯キャリアと契約したスマートフォンも、家庭内では Wi-Fi で接続することが一般的になっています。最近では使用量を制限した安価なプランも携帯キャリアから提供されるようになり、ケーブルのトラフィック増はさらに加速しています」。


この課題に対応するため、ベイコムでは 2016 年 1 月から一部地域での FTTH 導入に着手。しかし「全ての回線を FTTH 化することまでは考えておらず、将来も長期的に同軸ケーブルは残ると予測しています」と、ベイコム 技術部 課長補佐の宮村 昭弘氏は指摘します。そのため同軸ケーブルのサービスで、CMTS の処理能力をさらに高めていくことは必須条件だと説明します。


既存機器のままで処理能力を高めていくには、CMTS の増設が必要になります。また FTTH 化を推進するには、FTTH 用の機器をヘッドエンドに追加することも求められます。しかしヘッドエンドのスペースはすでに逼迫しており、そのままでは機器の追加も難しい状況になっていたと、宮村氏は振り返ります。


CMTS のパフォーマンス向上と設置スペースの削減を両立すること。これがベイコムにおける大きな課題になっていたのです。


Cisco cBR-8 の最大の魅力は収容効率の高さ
既存機器 2 台分以上の加入者を余裕で収容可能


ソリューション

高い加入者収容効率を実現した Cisco cBR-8
この課題に対応するため、ベイコムは 2015 年 1 月に CMTS の刷新に向けた検討に着手。複数ベンダーの製品を比較検討した結果、2015 年 6 月に Cisco cBR-8 の採用を決定します。ベイコム技術部の富 慶舟氏は、「採用の理由はいくつかありますが、最大の決め手は加入者収容効率の高さです」と説明します。


Cisco cBR-8 は、データプレーンに 248 CPU コアを持つ Cisco Quantum Flow Processor(QFP)を搭載。これは 200 Gbps のフォワーディング能力を持ち、高度な QoS 処理を行いながら、7500 万 PPS のパフォーマンスを発揮します。また最大 1.6 Tbps まで拡張可能なバックプレーンを装備し、最大 8 枚のラインカードとそれぞれ 200 Gbps の速度で通信可能。バックホールも 160 Gbps の帯域を確保できます。


「これだけの能力があれば、1 台の Cisco cBR-8 で既存機器 2 台分の加入者を余裕で収容できます。これによって CMTS の設置スペースも削減可能になります」(富氏)。


冗長構成や RF スイッチも本体内に格納
Cisco cBR-8 は、本体シャーシ内部で冗長構成を取ることができ、以前はシャーシ外に設置する必要があった RF スイッチも本体内に格納しています。これも省スペース化に大きく寄与しており、 CMTS 周りのケーブル取り回しも、これまでに比べてシンプルになっています。


ヘッドエンドのスペースに設置された Cisco cBR-8。13 RU のコンパクトなシャーシでありながら、1 台で 2 万 5000 世帯強のアクセス回線を収容しています。
ヘッドエンドのスペースに設置された Cisco cBR-8。13 RU のコンパクトなシャーシでありながら、1 台で 2 万 5000 世帯強のアクセス回線を収容しています。
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CMTS の集約による運用負担軽減にも期待
より多くの回線を 1 台の CMTS に収容できれば、運用負担も軽減できると期待されています。ベイコムは、同軸ケーブルでは 6 Mbps、30 Mbps、120 Mbps、160 Mbpsという 4 種類のインターネット接続サービスを提供しており、これまではサービスによって CMTS を分けるという運用を行ってきました。例えば 30 Mbps のサービスから 120 Mbps のサービスへと切り替える場合には、使用する CMTS が変わるため、接続変更を行う必要があったのです。


「旧モデルのモデムにも継続的に対応する必要があるため、現在は既存の CMTS も残していますが、今後 Cisco cBR-8 への移行がさらに進んでいけば、このような運用も不要になるはずです」(富氏)。


またベイコムでは CMTS を統合し、監視対象となる機器の台数を減らすことは、運用および保守の改善ととらえており、Cisco cBR-8 導入メリットの 1 つだと評価しています。


結果〜今後

現在2 万 5000 世帯強加入者を 1 台のCisco cBR-8 に集約
ベイコムは合計 3 拠点にヘッドエンドを設けていますが、2015 年 8 月、そのうち 1 拠点のヘッドエンドに Cisco cBR-8 を導入。ここで約 1 ヵ月間の実機テストを行った後、2015 年 9 月〜11 月にかけて、2 万 5000 世帯強の加入者を Cisco cBR-8 へと移行しました。


「Cisco cBR-8 の導入によって 2 台の CMTS を 1 台に集約でき、パフォーマンスもさらに安定しました」と森氏。トラフィックの集中に伴う速度低下も発生しなくなり、顧客満足度の向上にも貢献していると言います。「またヘッドエンドの空きスペースも確保でき、新サービスに向けた投資も行いやすくなっています」。


4 波から 8 波へと増波、将来の広帯域化にも道拓く
これまで 4 波で提供していたインターネット接続サービスも、Cisco cBR-8 に接続されている顧客に対しては 8 波へと増波しています。最大スピードは現在も 160 Mbps のままですが、将来 320 Mbps へと拡大することも可能になっています。


ベイコムでは今後 FTTH 化を進めていくと共に、同軸ケーブルのサービスを利用している顧客に対しても、より品質の高いサービスを提供し続けていく予定です。

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製品 & サービス

  • Cisco cBR-8(次世代 CMTS:ケーブルモデム終端装置)

課題

  • インターネットを介したビデオ視聴の増加や、スマートフォンによる家庭内 Wi-Fi への接続が一般的になったことで、トラフィックが年率 50 %で増加していた。
  • アクセス回線の帯域拡大のために同軸ケーブルから光ケーブルへの移行(FTTH 化)にも着手しているが、ヘッドエンドの設置場所で新規設備のためのスペースを確保することが難しかった。

ソリューション

  • ヘッドエンドに設置されていた既存 CMTS を統合、集約することでケーブル加入者の収容効率を向上。
  • RF スイッチ内蔵と集約によるシンプル化により、運用負荷、コストの削減を実現。

結果〜今後

  • 既存 CMTS × 2 台を Cisco cBR-8 × 1 台へと移行、13 RU のシャーシで 2 万 5000 世帯強の加入者を収容した。
  • バックプレーンやラインカードが強化されているため、パフォーマンスの安定性が高まった。
  • これまでは 4 波でインターネット接続サービスを提供していたが、Cisco cBR-8 へと移行した回線では 8 波へと増波。現在の DOCSIS でのデータサービスの最大速度は 160 Mbps となっているが、増波により 320 Mbps 以上へと拡張することも可能になっている。
株式会社ベイ・コミュニケーションズ
技術部 課長
森 繁一 氏

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技術部 課長
森 繁一 氏

株式会社ベイ・コミュニケーションズ
技術部 課長補佐
宮村 昭弘 氏

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技術部 課長補佐
宮村 昭弘 氏

株式会社ベイ・コミュニケーションズ
技術部
富 慶舟 氏

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技術部
富 慶舟 氏

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所在地: 大阪府大阪市福島区海老江 1-1-31
阪神野田センタービルディング 4 階
設立: 1991 年 4 月
資本金: 40 億円(2014 年 6 月現在)
業種: ケーブルテレビ局
規模: 約 86 万世帯にサービスを提供
URL: http://baycom.jp/

大阪府大阪市西部と兵庫県尼崎市、伊丹市、西宮市を主なサービス エリアとするケーブル テレビ局。ケーブル テレビ、インターネット接続、電話のトリプルプレイ サービスを展開、顧客数は約 86 万世帯に上る。2016 年 1 月からは FTTH サービスの提供も開始。その一方で同軸ケーブルのサービス品質向上にも積極的に取り組んでいる。