エンタープライズ ネットワーク ユーザ事例

ソフトバンクテレコム株式会社、新マネージド CPE サービスに Cisco ISR G2 を全面採用

新たなマネージド CPE サービスに Cisco ISR G2 を全面採用クラウド時代に対応したネットワークを国内外シームレスに提供 ソフトバンクテレコム株式会社

20 年以上の実績を持つ高品質で安定性の高い情報通信サービスによって、企業の多様な経営課題に応え続けているソフトバンクテレコム株式会社。同社では 2012 年 3 月から、クラウド時代に対応した新たなマネージド CPE サービス「マネージドCPE-S」の提供をスタートしている。このサービスを実現するために全面採用されたのが、シスコの第 2 世代サービス統合型ルータ(ISR G2)をはじめとする、シスコのボーダーレスネットワークアーキテクチャ製品だ。これによって高品質、柔軟性の高さ、最適価格の実現に成功。世界 220 カ国に及ぶグローバルなサービスを、ワンストップでシームレスに提供することも可能になった。今後はさらにサービス内容を拡充し、エンド・ツー・エンドのネットワークを提供することで、顧客企業の競争力強化とさらなる成長への貢献を目指している。

クラウド時代のニーズを満たすため “4 つの S”を実現した CPE サービスへ

拠点間をつなぐネットワークをどのようにして構築していくか。これがいま再び、企業経営の重要課題として注目されるようになってきた。その背景には企業システムにおける、クラウド化の進展がある。クラウド化されたシステムでは、ユーザーが活動する各拠点とデータセンターとの間を、高品質なネットワークで結ぶ必要がある。しかし単に通信品質が高いだけでは十分ではない。クラウドで利用されるアプリケーションは多様化しているため、目的に応じたきめ細かい設定も重要なのだ。またコスト抑制へのプレッシャーも高まっている。これらの要求をいかにして満たしていくかが、現在の拠点間ネットワークには問われているのである。

このような多岐にわたる課題に対応するため、2012 年 3 月に「マネージド CPE-S」サービスを開始したのが、ソフトバンクテレコム株式会社である。CPE とは“Customer Premises Equipment”の略であり、拠点間通信を行うために通信業者が加入者サイトに設置する機器を意味する。ソフトバンクテレコムでは 2001 年から「マネージド CPE」サービスを提供することで、企業の拠点間通信にニーズに応え続けてきた。これを大幅にリニューアルし、新たな顧客ニーズへの対応を実現したのが「マネージド CPE-S」なのだ。

「ブランド名に新たに加えられた“S”には、4 つの意味が込められています」と説明するのは、ソフトバンクテレコム株式会社 営業開発本部 サービスオペレーション第 1 統括部 運用企画管理部 開発課 課長の高橋 誠氏だ。それは(1)国内・国際の継ぎ目がないこと(Seamless)、(2)法人利用に適した信頼性・安定性(Stable)(3)高機能(Smart)、(4)最適な料金(with the most Suitable price)なのだと言う。「高品質かつ柔軟性の高いサービスを最適料金でご提供し、クラウド時代のニーズにお応えすること。それがこのサービスの目的なのです」

サービス提供内容は、大きく 3 つの柱で構成されている。

まず第 1 はソフトバンクテレコム回線とバンドルする形でのネットワーク機器の提供。以前は複数ベンダーのネットワーク機器が利用されていたが、「マネージド CPE-S」ではシスコの第 2 世代サービス統合型ルータ、Cisco ISR G2 に統一されている。

第 2 はワンストップでの保守サポートだ。問題発生時にはお客様窓口で問い合わせを受け、そこで問題の切り分けを実施する。また各種設計要件にも柔軟に対応できる体制を整えている。

そして第 3 がネットワーク機器の 「PING 監視」と「簡易性能レポート」の提供である。ネットワークシステム全体を「見える化」することで、問題発生前にその予兆をとらえ、解消することを可能にしている。これも基本サービスとして標準提供されているのである。

このサービスでもう 1 つ注目したいのが対象エリアの広さだ。日本全国はもちろんのこと、海外も世界 220 の国と地域をカバーしている。グローバルビジネスの要求にも、ワンストップで対応できるのである。

マネージド CPE-S のサービス提供内容

マネージド CPE-S のサービス提供内容
※画像をクリックすると、大きな画面で表示されますpopup_icon

顧客サイトのネットワーク機器は Cisco ISR G2 に統一
グローバル化/クラウド化に最適と評価


マネージド CPE-S の 3 つの特長

マネージド CPE-S の 3 つの特長

ソフトバンクテレコムがこのサービス実現に向けた検討に入ったのは 2011 年 6 月。その最大の焦点になったのが「ネットワーク機器の選定でした」と高橋氏は振り返る。複数ベンダーのネットワーク機器を検討の俎上に上げ、約 3 ヶ月かけて徹底的に比較。2011 年 12 月には Cisco ISR G2 の全面採用を決定する。マルチベンダーで機器をラインアップしていた従来の「マネージド CPE」とは、全く異なる方向へと大きく舵を切ったのである。

なぜこのような決定に至ったのか。ソフトバンクテレコム株式会社 営業開発本部 サービスオペレーション第 1 統括部 運用企画管理部 開発課の倉員 明寛氏は「最大のポイントは国内と海外で同じ機器を使えることです」と説明する。マルチベンダー型で複数種類のネットワーク機器を採用すると、技術者に求められる知識が増え、設計や運用管理は煩雑になる。全世界で統一された機器を利用することは、高品質と柔軟性の高さを最適な価格で提供する上で、避けて通れない道なのだと言う。「ワールドワイドでシームレスなサービスを実現するには、世界のどこででも調達でき、一定水準以上のサポートが受けられることも必須条件になります。シスコはこの条件への対応に、すでに高い実績があります」

しかし評価ポイントはこれだけではない。高品質への要求に対しても、シスコ製品は高いレベルで応えられると倉員氏は指摘する。故障率が低い上、信頼性や通信品質を高めるための機能も充実しているからである。「Cisco ISR G2 にはパフォーマンスやスループット等を可視化する機能があり、QoS の設定もきめ細かく行えるので、音声やビデオのトラフィックが混在するケースでも遅延の最小化が可能です。またコンフィグロールバックが装備されているのも、大きな魅力です」

コンフィグロールバックとは、リモートから設定変更した時に一定時間コミットせずに放置しておくと、自動的に元の設定の戻す機能のこと。オペレーターが設定を誤って通信不能になった場合でも、通信不能になった時点でコミット不可能になるため、しばらく待つことで通信可能な状態に復帰する。「リモート設定もローコストオペレーションの重要な要素であり、以前からも行っていましたが、やはり一番怖いのは設定ミスによる通信遮断でした。こうなると現地作業が必要になってしまうからです。しかし Cisco ISR G2 ならその心配はありません。ヒューマンエラーによる信頼性低下とコストアップを防止できるのです」(倉員氏)

そしてもう1つ、SRE(Services Ready Engines)モジュールの実装も高く評価されている。これはシスコ製、サードパーティ製、およびカスタムアプリケーションの稼働が可能なルータブレードのこと。リモートからアプリケーションを展開することで、ビジネスニーズへの迅速な対応が可能になる。

「Cisco ISR G2 なら、品質と柔軟性の高いサービスを全世界でシームレスに、ローコストオペレーションで提供できます」と倉員氏。「グローバル化とクラウド化への対応に、最も適したネットワーク製品だと言えます」

高品質なサービスを最適な価格で提供
顧客ニーズに合わせたカスタマイズも可能

「シスコ製品全面採用」を決定したソフトバンクテレコムは、すぐにサービス提供の準備に入る。そして約3ヶ月の準備期間を経て、2012 年 3 月のサービスリリースへと至るのである。

「この 3 ヶ月間でサービス導入に向けた様々な検証を行いましたが、予想以上に順調に進みました」と倉員氏は振り返る。クリティカルな不具合は全くなく、シスコ製品のクオリティの高さを改めて実感したと言う。またサポートも充実しており、マニュアルやコミュニティから技術情報を入手しやすいことも大きなメリットだったと説明する。「オペレーター教育も短い期間で行えました。ネットワーク技術者の多くはシスコの CLI に慣れています。シスコ製品に統一したことで、サービスインまでの期間を最短化できました」

製品ラインアップが幅広いのも、Cisco ISR G2 のメリットの 1 つだと言う。これによって小規模拠点から大規模拠点まで、最適なモデルを選択できるのだ。「マネージド CPE-S」では、拠点規模に合わせて合計 7 モデルが用意されている。

サービスをリリースしてから現在(2012 年 6 月)までまだ 3 ヶ月しか経過していないが、「すでに数多くのお客様からの引き合いをいただいております」と高橋氏。顧客企業数は 2 桁に上っており、その中には数百拠点を展開する大規模ユーザーもあると言う。

マネージド CPE-S で提供されているルータのラインアップ

マネージド CPE-S で提供されているルータのラインアップ
※画像をクリックすると、大きな画面で表示されますpopup_icon

顧客からの評価が最も高いのは、高品質なサービスをリーズナブルな価格体系で提供している点である。DHCP、NAT、QoS、ACL 等の設定が標準サービスとして提供されており、ルーティング設定も多様なプロトコルに対応。ネットワーク監視やトラフィックレポートも標準で提供されている。個別対応のメニューを利用しなくても、幅広いニーズに対応できるのだ。また価格表が明示されており、透明性が高い点も好まれていると言う。

その一方で、顧客ニーズに合わせたカスタマイズが可能なことも、数多くの引き合いにつながっていると倉員氏は指摘する。「例えばこのサービスでは、IP-VPN、Wide Ethernet、Managed Ethernet、グローバル IP-VPN という 4 種類の回線サービスが利用できますが、これらの中から 1 つを選択するだけではなく、複数の回線に接続して目的に応じて使い分けることも可能です。また QoS やアクセスコントロール等もきめ細かく設定できます」

最近では「ビデオ会議やユニファイドコミュニケーションのトラフィックを乗せたい」という案件も増えていると高橋氏は言う。このニーズに対応するには、ジッタ(時間的なずれや揺らぎ)の管理を徹底しなければならない。また国によっては十分な帯域の確保が難しいこともあるため、Cisco Wide Area Application Services(WAAS)ソフトウェアが必要になるケースもあるはずだという。Cisco ISR G2 ならこのような要求にも、柔軟に対応できるのだ。

将来は LAN 環境へもサービスを拡大
エンド・ツー・エンドで価値を高める

今後はサービス内容をさらに高度化させていく計画だ。特に力を入れているのが、レポーティングの充実である。現在すでに、WAN のトラフィックやルータの CPU 使用率、Pingレスポンスタイム等のデータを、顧客向けポータルで表示・ダウンロードできるようにしているが、提供情報をさらに増やすことが検討されているのである。「シスコ製品に標準で組み込まれている Flexible NetFlow を活用すれば、フロー属性毎のレポートも提供できるはずです」と倉員氏。さらに IP SLA を活用すれば、測定用のテストパケットを実際に生成する「アクティブモニタリング」によって、アプリケーション毎のラウンドトリップ時間やジッタの測定、ネットワークのサービスレベル定量化も可能になるだろうと言う。

また拠点間接続だけではなく、顧客サイト内の LAN 環境へとサービスを拡大することも視野に入っている。そのための第一歩として 2012 年 6 月には、提供機器のラインアップに Cisco Catalyst 3560-X が追加された。将来はモバイル対応やLAN内機器の提供も検討している。Cisco ISR G2 が実装している SRE モジュールの存在も、これらの機能拡充を実現する上で重要な役割を果たすはずだ。

「利便性の高いクラウド時代に適したルータを採用したことで、サービスの可能性が飛躍的に広がりました」と高橋氏。将来はネットワーク全体をエンド・ツー・エンドでサポートすると共に、同社の提供するGoogleApps 等のアプリケーション利用に最適なネットワーク環境を提供することも考えているという。「最近はBYODのニーズも高まってきており、ソフトバンクグループ全体のシナジーも発揮しやすくなるはずです。これによってさらに価値の高いサービスを実現し、お客様の競争力強化とさらなる成長に貢献したいと考えています」

導入の背景/課題

  • ソフトバンクテレコムでは 2001 年から、拠点間ネットワーク接続をサポートする「マネージド CPE」サービスを提供していた。しかし企業システムのクラウド化が広がったことで顧客ニーズが多様化し、従来のサービスだけでは対応しにくくなっていた。
  • クラウド時代のマネージド CPE サービスは、高信頼・高品質であることに加え、料金の最適化や、顧客の多様なニーズに対応できる柔軟性も必要だった。またビジネスのグローバル化も進んでいたため、国内外を問わないシームレスなサービス提供も重要な課題となった。
  • これらの要求に対応するため、顧客サイトに設置するネットワーク機器として Cisco ISR G2 を全面採用。グローバル市場での実績、信頼性、運用性、SRE(Services Ready Engines)モジュール実装による機能拡張の柔軟性、リモート管理機能の充実などが高く評価された。

導入ソリューション

  • Cisco サービス統合型ルータ第2世代(ISR G2)シリーズ

導入効果

  • クラウド時代に適した高品質・高機能なネットワーク機器を採用することで、サービスの品質向上、信頼性向上、柔軟性向上が可能になった。
  • 全世界で同一シリーズの製品を使うことで、設計やオペレーションの煩雑さが低減した。またオペレーター教育の期間も短縮された。
  • コンフィグロールバック機能によって、設定ミスによる通信遮断を防止できるようになった。これによってリモートによるオペレーションを徹底できるようになり、高品質とローコストオペレーションの両立が容易になった。
  • 高い実績のある機器を採用することで、サービス実現向けた機能検証を短期間で行うことも可能になった。
  • SRE(Services Ready Engines)モジュールにより機能拡張も容易に実現可能。将来的には、これを積極的に活用し、サービス内容を拡充していく予定。また顧客サイト内の LAN や無線 LAN へもサービスを拡大し、エンド・ツー・エンドのサービスを実現することも目指している。
ソフトバンクテレコム 株式会社 営業開発本部  サービスオペレーション 第 1 統括部 運用企画管理部 開発課 課長 高橋 誠 氏

「利便性の高いクラウド時代に適したルータを採用したことで、サービスの可能性が飛躍的に広がりました」
ソフトバンクテレコム 株式会社
営業開発本部
サービスオペレーション
第 1 統括部
運用企画管理部
開発課 課長
高橋 誠 氏

ソフトバンクテレコム 株式会社 営業開発本部 サービスオペレーション 第 1 統括部 運用企画管理部 開発課 倉員 明寛 氏

「Cisco ISR G2 なら、品質と柔軟性の高いサービスを全世界シームレスに、ローコストオペレーションで提供できます」
ソフトバンクテレコム 株式会社
営業開発本部
サービスオペレーション
第 1 統括部
運用企画管理部
開発課
倉員 明寛 氏

ソフトバンクテレコム株式会社

ソフトバンクテレコム株式会社
所在地
東京都港区東新橋 1-9-1
設立
1984年(昭和59年)10 月
資本金
1 億円
従業員数
約 4,500 名(2011 年 3 月 31 日現在)
営業収益
3,883 億円(2011 年 3 月 31 日現在)

1984 年 10 月、日本テレコム株式会社として設立。2004年 7 月にソフトバンクグループ傘下に入り、2006 年 10 月にソフトバンクテレコムへと社名変更した。「お客様にもっとも選ばれるビジネスソリューションを。」を事業ビジョンに掲げ、法人向け/個人向けの両方の市場で多岐にわたる情報通信サービスを提供。情報革命で人々を幸せにするため、全社一丸となった取り組みを進め、モバイルインターネット No.1、アジアインターネット No.1の達成を目指している。