IP NGN における Cisco IP over DWDM ソリューションダウンロード
IP NGN における Cisco_ IP over DWDM ソリューションは、サービスプロバイダーのコア IP ネットワークと高密度波長分割多重(DWDM)ネットワークの統合を実現します。このソリューションによりサービスの柔軟性と信頼性が向上するとともに、運用コスト(OpEx)および資本コスト(CapEx)を削減でき、Cisco CRS-1 キャリア ルーティング システムおよび Cisco ONS 15454 マルチサービス トランスポート プラットフォーム(MSTP)による効率のよいトラフィックの増加に対処できます。はじめに統合型パケット インフラストラクチャへの需要を満たすために、ネットワークを IP 次世代ネットワーク(IP NGN)ベースのアーキテクチャに移行するサービスプロバイダーが増えています。この移行の背景には、OpEx と CapEx を抑えながら、統合型インフラストラクチャで収益性の高い新型サービスを配信したいというニーズがあります。IP NGN は、アプリケーション、サービス、およびネットワークの各レイヤでの統合を実現します。この資料では、ネットワーク レイヤに焦点を当て、サービスプロバイダーのコア ネットワークにおける重要な 2 つのテクノロジーである IP と DWDM の統合について説明します。 コア ネットワーク インフラストラクチャの進化最近のコア ネットワークの傾向として、複数のレイヤ 2/3 ネットワークを 1 つの IP/Multiprotocol Label Switching(IP/MPLS)インフラストラクチャに統合することが挙げられます。ただし、レイヤ 2/3 を統合するとしても、その基盤となっているトランスポート レイヤ(レイヤ 1)には、依然として SONET/SDH が多くのサービスプロバイダーのコア ネットワークで使用されています。SONET/SDH は、従来の時分割多重(TDM)ベースのデータおよび音声サービスをサポートする目的で 1990 年代初期に導入されたインフラストラクチャです。この SONET/SDH インフラストラクチャは、3 つの重要な機能(グルーミング、保護、および復旧)と綿密な運用サポート(アラーム生成、パフォーマンス モニタリングなど)を目的に実装されています。 SONET/SDH インフラストラクチャでは導入当時、サービスプロバイダーのコア ネットワーク経由での伝送用に、T1/E1、T3/E3 などの低速な TDM 回線を、より高速な OC-3 および OC-12 トランクに効率よく多重化できました。低速接続はその同期的な性質から、エンド ポイントで必要に応じて引き続き個別にスイッチング可能であり、TDM ベースのデータおよび音声サービスで要求される複雑な逆多重化の必要もありません。このインフラストラクチャでは、OC-48 以上の高速集約リンクへの拡張が可能である一方で、現在の新しい IP ネットワークもサポートします。この「グルーミング」機能により、サービスプロバイダーが SONET/SDH add/drop マルチプレクサ(ADM)およびクロスコネクト機器を使用して、ネットワーク コアで複数のスイッチド TDM サービスをサポートするために必要な、帯域幅の効率化とともに自動化機能が実現しました。通常コア内でリング型のトポロジーを使用する SONET/SDH インフラストラクチャでは、リングの一部分に障害が発生したときの保護および迅速な復旧(50 ms)も可能で、ネットワーク全体のアベイラビリティが最大限に引き出されます。SONET/SDH が標準化された時点では、中央ロケーションからアラーム、制御、モニタリング、およびリンク管理を行うために、標準化されたメッセージ ベース チャネル * が個別に使用されていました。 1990 年代後半になると、1 つの物理ファイバ上で複数の波長を伝送可能にすることにより、敷設済みファイバ設備の効率を大幅に高める技術として DWDM が登場しました。この機能によってオプティカル レベルでの多重化および逆多重化が可能になりました。このため、World Wide Web(WWW)の急成長がもたらした IP ベース ネットワークが急激に発展するのに伴ってネットワーク コアで大幅に向上した帯域幅に対応しています。SONET/SDH レイヤは、増加し続ける IP トラフィックを処理するため、 複数の国や地域におよぶコア長距離 ** ネットワークで伝送される波長に DWDM トランスポート レイヤでマッピングされました。現在でも、これは世界中の多くのサービスプロバイダー ネットワークで一般的です。 * DCC ― Data Communications Channel の略。SONET/SDH 機器間で OAM&P に使用される 192 kbps のメッセージ ベース チャネル。 ** 長距離ネットワークは、通常、到達距離 1000 km(620 マイル)までとされています。 IP の急成長しかし、このようなコア ネットワークで IP トラフィックのボリュームが絶えず増え続けた結果、現在のコア長距離ネットワークの主な用途は、従来の音声およびデータ サービスのトラフィック ボリュームを大きく超えた大量の IP トラフィックを一時的に伝送することになっています。今後 5 年間だけ考慮しても、全世界における月ごとの IP トラフィックは、音声、ビデオ、およびデータ トラフィックの IP へのアプリケーション統合により、およそ 11 EB * まで増加し、世界規模での複合年間成長率(CAGR)は 56% を超えると予測されています。ブロードキャスト TV、ビデオ オン デマンド、音声などの従来のアプリケーションが IP による新しい配信モデルに統合され、音楽やビデオのポッドキャスト、ピアツーピア(P2P)ファイル共有といった新しいアプリケーションが急成長していることから、コア IP トラフィックは今後も大幅に増加し続けるでしょう。 Return to Topコア ネットワーク インフラストラクチャの課題IP への統合という傾向にもかかわらず、依然としてコア長距離ネットワークをサポートする機器レイヤが複数存在し、サービスプロバイダーの OpEx と CapEx の不安材料となっているとともに、収益性や投資回収率に関しての課題でもあります。さらに、従来にも増して厳密なサービスレベル契約(SLA)が求められていることから、サービスプロバイダーは、より高度な信頼性を維持しつつ、ネットワーク コアにおけるサービス需要やトラフィックの成長特性に基づく変化に対応するための柔軟性や迅速なサービスも保たなければなりません。これらの要件を満たすためにサービスプロバイダーは、コア ネットワークを簡素化し、増加する IP トラフィックの負荷に効率よく対応できる体制へ移行する必要がありますが、この目標を達成するには、複数のレベルでさまざまな問題に直面せざるを得ません。 複数のトランスポート レイヤ エレメントネットワークが非効率的である原因の一端として、基盤となっている DWDM インフラストラクチャ上に SONET/SDHレイヤがあり、その上で IP レイヤがサポートされているという、現在のコア転送ネットワークの構築方法があります。一般的なサービスプロバイダーのポイント オブ プレゼンス(POP)を出入りする 2 種類のトラフィックの経路について考察してみましょう。第一のトラフィックは、POP でのレイヤ 3 ルックアップを必要とするため、ルータで終端する波長を使用する IP トラフィックです。第二のトラフィックは、「パススルー」(または一時的)トラフィックと呼ばれています。これは、トランスポート ドメインに留まり、ルータをバイパスしてサービスプロバイダーのコア ネットワーク内の隣接する POP に送信されます。 ルータで終端するトラフィック 現在、POP に着信するトラフィックは通常、DWDM によって物理ファイバに多重化された、複数の着色波長からなる 10 Gbps の SONET/SDH OC-192/STM-64 回線を使用しています。この光ファイバが DWDM デマルチプレクサに搬送され、そこで個々の着色波長に分割されます。ルータで終端されるこれらの波長は、続いてトランスポンダに伝送され、そこで光(着色)から電気に変換されたあと、標準的な短距離波長(「グレー ライト」)に変換されます。このような Optical-to-Electrical-to-Optical(OEO)変換が使われる理由は、POP 環境での内部接続にはこれまで短距離光ファイバが使用されてきたためです。次に、通常はグレー ライトが SONET/SDH クロスコネクト ** 上の短距離インターフェイスに入力されます。これにより SONET/SDH クロッキングの回復、必要なグルーミング、エラーのチェック、および信号消失(LOS)の監視が行われるため、必要に応じて SONET/SDH レベルの復旧が可能になります。ただし、現在では 10 Gbps がルータに接続される(従来のように 2.5 Gbps 以下の低速リンクではなく)ので、実際にはほとんどの場合、グルーミングの必要はありません。したがって接続という観点では、クロスコネクトは実質的にパッチ パネルとして動作しています。SONET/SDH クロスコネクトからルータが 10 Gbps を受け取ると、ルータはレイヤ 1 ~ 3 でパフォーマンス モニタリングを実行し、MPLS Fast Reroute(FRR)復旧を実行できるように LOS をチェックしたうえで、レイヤ 3 以上のルックアップを実行して、パケットを宛先にルーティングします。集約側ではコア ルータが通常、複数の低速リンクを集約し、IP トラフィックを使い勝手の良い 10 Gbps リンクにグルーミングしたうえで、コア トランスポート ネットワークに戻します。 * 1 エクサバイト(EB) = 1 × 1018 バイト。出典:Cisco Estimates, Ovum, Bernstein, and Public Company Data ** 「クロスコネクト」という用語は、電気的バックプレーンを装備して OEO 変換を実行する、ブロードバンド デジタル アクセス クロス接続システム(DACS)などのデバイスを表します。 パススルー トラフィック コア上でのトラフィック パターンが以前よりも分散化してきているため、純粋にトランスポート レイヤで POP を通過する(IP ルータで終端するのではなく)トラフィックの量が増える傾向があり、場合によっては POP が処理する全トラフィックの 70 ~ 80% を占めることもあります。この場合、着信 DWDM リンクは同様の相互接続で、DWDM デマルチプレクサおよびトランスポンダを通過し、短距離光ファイバを使用して SONET/SDH クロスコネクトに流れます。エラーおよび LOS をチェックすると、SONET/SDH 復旧が可能になります。この場合にも、10 Gbps リンク全体が POP を通過するので、従来実行されていたグルーミング機能は不要です。したがって、ここでも接続という観点では、クロスコネクトは実質的にパッチ パネルとしての役割を果たしています。POP からの発信トラフィックについても、同様の相互接続プロセスが行われます。 このような OEO 変換および関連する電気的処理により、設置スペースの点で余分なコストが発生してしまいます。サービスプロバイダー POP にシェルフを搭載したラックが多数必要になるばかりか、その中のアクティブな電子コンポーネント用にさらなる電力と冷却が必要になるからです。さらに、このシナリオのコア ネットワークでは、ルータに統合されている機能のために、次の SONET/SDH 機能が冗長なものになっています。
このような理由から、サービスプロバイダーはコストを節約するために、クロスコネクトの代わりに手動パッチングの使用をすでに開始しています。 * BLSR ― Bidirectional Line Switch Ring の略。各ネットワーク ノードをリング形式で接続し、ケーブル切断やオプティカル信号の劣化などが発生した場合には、リング上でトラフィックを反対方向に再ルーティングして、障害ポイントを回避する SONET トランスポート ネットワーク構成。 手動パッチング手動パッチングでは、パス上の各ホップにトランスポンダを残したまま、ネットワークからクロスコネクトを削除します。従来の DWDM システムでは、リング構成やメッシュ構成で動作する能力が限られているので、POP ロケーションを通過するだけの一時的(パススルー)トラフィックの場合でも、すべての波長に OEO 変換を実行する必要があります。このシナリオでは引き続き、DWDM 信号を個々の波長に逆多重化および多重化し、トランスポンダを通じてグレー ライトに変換しなければなりません。そのあと、これらのグレー信号をパッチ パネル経由で POP 内の最終的な宛先に手動でパッチしたあと、多重化したうえで DWDM システムに戻す必要があります。現在の DWDM ネットワークでは、手動パッチングが一般的に行われています。波長未満のレベルでのグルーミングを必要とせず、DWDM 波長に直接マッッピングする、完全に使用された 10 Gbps リンクをルータが提供することが多いからです。ただし、一時接続における中間 POP で手動パッチングを使用している場合に、コア ネットワーク内部での追加または変更が必要になったときには、運用担当者が中間サイトごとに、波長を宛先まで手動でパッチしなければならないことがあります。このプロセスは煩雑であるばかりでなくエラーが発生しやすく、ネットワークの変更作業を大幅に遅らせます。大規模な国内および国際ネットワークの場合、完了までに数週間を要することもあります。 クロスコネクトへの投資の継続このように増加する OpEx の負担を解決するため、クロスコネクト ベンダー各社は、G.709 標準で定められている拡張多重階層に基づき、10 Gbps 信号をスイッチングするようにシステムをアップグレードしています。これによって自動化スイッチングの問題が解決されるように思えますが、トラフィックの増加に対応して多くの波長が使用されるため、パススルー トラフィックの相互接続を提供するには、短距離インターフェイスのほか、トランスポンダ(またはクロスコネクト上の統合 DWDM インターフェイス)を追加する必要があります。クロスコネクト デバイス上では引き続き、波長ごとにコストのかかる OEO 変換を実行しなければなりません。これらのインターフェイスは高価であるため、サービスプロバイダーがこれらをあらかじめ配置しておくことはほとんどありません。その結果、トラフィック量が増加するたびに、複数の中間サイトで機器をアップグレードする必要性とそれに伴う作業の手間が発生することになります。さらに悪いことに、コア上の IP トラフィック ボリュームが増え、10 Gbps リンクから 40 Gbps リンクが必要になると、この移行に対応するために、これらのクロスコネクト プラットフォームおよびこれに関連する電気スイッチ ファブリックをさらにアップグレードする必要があります。つまり、サービスプロバイダーの CapEx および OpEx の負担がさらに増加することになります。トラフィック量の増加に対応できる帯域幅のキャパシティがクロスコネクトにある場合でも、そのキャパシティが実際に必要になるまで、余分な空き帯域幅の維持に利益はないため、サンク コスト(埋没コスト)となってしまいます。 個別のコントロール プレーントランスポート ネットワークと IP ネットワークは、さまざまな要件により、絶えず進化してきた結果、エンドポイント間でトラフィック フローを方向付けるために、類似性や互換性のない制御メカニズムを発展させてきました。現在のトランスポート ネットワークは、前述したように、1 つの入力ポートを 1 つの出力ポートに接続するために、物理的にパッチ パネルで構成されているか、またはクロスコネクト内部に手動でプロビジョニングされた固定パスに依存しています。後者の場合には、ある種の制御チャネル通信により、中間ポイント間で半ば自動化されたパス設定が行われることもありますが、管理システムではネットワーク トポロジーがリアルタイムで更新されるわけではないため、データベースが古くなり、場合によってはネットワークの変更を実装するのに長い準備期間が必要になることがあります。個々のロケーション間で新しい波長をプロビジョニングする必要があったり、また、これらのネットワークではオペレータ同士が口頭で連絡をとらなければならないことが多いため、大規模なネットワークでは何週間もかかる可能性があります。IP/MPLS ネットワークは、パケット ベースのネットワーク テクノロジーの特色である自動化モデルで進化してきました。したがってルータはエンドポイント間の最適なパスを判断するために、ボーダー ゲートウェイ プロトコル(BGP)、ラベル配布プロトコル(Label Distribution Protocol; LDP)などのプロトコルによる制御情報の交換に大きく依存しています。IP/MPLS ネットワークでこれらの制御プロトコルを使用すると、状況の変化に基づいて動的にトラフィックを自己最適化および自己ルーティングできるインテリジェンスが得られます。これは現在のトランスポート レベルのネットワークには欠けているものです。また、現在の IP ネットワークはトラフィック特性が動的なため、トランスポート レイヤと IP レイヤが相互に強く依存しているにもかかわらず、両者の間で制御メカニズムがこのように異なり互換性がないことにより、ネットワークが成長を続けるにつれてサービスプロバイダーの OpEx が増加する結果になります。 複数の管理レイヤサービスプロバイダーは、2 つのネットワークの保守運用管理とプロビジョニング(OAM&P)のために、複数の異なるネットワーク管理プラットフォーム、プロトコル、およびアプリケーションに依存しているのが一般的です。トランスポート ネットワークは通常、SONET/SDH 標準との関係が強い Transport Layer One(TL-1)、Common Object Request Broker Architecture(CORBA)などの管理プロトコルを使用しています。一方、IP ネットワークは SNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)や、新しい Extensible Markup Language(XML)メカニズムに依存してデバイスを管理しています。IP ネットワークとトランスポート ネットワークで両方のデバイス タイプを管理および運用に使用するプロトコルおよびメカニズムを完全に装備する管理アプリケーションは、ほとんどありません。さらに、現在ほとんどのサービスプロバイダー ネットワークでは、これら 2 つのネットワークの運用や管理を担当する部門が別々であることから、組織上の境界線が存在しています。したがって、両方のネットワーク(場合によってはリモート サイト間)で変更の必要が生じ、それを確実に成功させるには、部門間で直接連絡を取り合い調整していかなくてはなりません。このプロセスは誤りが生じやすく、また、多大な時間がかかってしまいます。 Return to Topシスコの IP-over-DWDM 戦略によるコアの統合シスコの IP-over-DWDM 戦略は、サービスプロバイダーが直面しているこうした問題すべてに対応し、 OpEx と CapEx を削減しながら全体的な信頼性を向上させ、より速やかなサービスを実現する一方で、今後 10 年以上にわたり増加し続ける IP トラフィックの需要に対応するために、ネットワークの全体的なスケーラビリティとパフォーマンスを改善します。このシナリオは、図 3 に示すように、IP および DWDM ネットワーク間の統合に関する 3 つの主要ポイントにより達成されます。 エレメントの統合エレメントの統合とは、現在のネットワーク上で動作する複数の異なるエレメントを、連続して運用するために必要な機能を 1 つも失わうことなく、1 つのデバイスにまとめる機能を指します。シスコシステムズはこのほど、Cisco CRS-1 キャリア ルーティング システム用の Physical Line Interface Module(PLIM)を発表しました * 。このデバイスは、40 Gbps(OC-768c/STM-256c)および 10 Gbps(10 ギガビット イーサネット)の速度のトランスポンダ機能を統合しています。これらの新しいタイプのインターフェイス(Cisco CRS-1 1 ポート OC-768c/STM-256c Tunable WDMPOS Interface Module および Cisco CRS-1 4 ポート 10GE Tunable WDMPHY Interface Module)により、Cisco CRS-1 を直接、既存の DWDM システムと相互接続できるため、一般的なサービスプロバイダー POP 構成に見られる外部トランスポンダ シェルフに投資する必要がなくなりました。その結果、DWDM 機器への相互接続に必要な短距離光ファイバが 50% 削減され、サービスプロバイダーの OpEx と CapEx を大幅に節約できます。ネットワークにアクティブ デバイスを追加する必要がなくなったため、基本的な復元力が強化されます。さらに、Cisco CRS-1 に DWDM レイヤの可視性が提供され、オプティカル パスの伝送レベル パフォーマンスについて、エンド ツー エンドで予防的に監視できます。つまり、物理的なファイバ設備の環境やコンポーネントなどの要因で波長パスが徐々に劣化している場合でも、ルータで FEC(Forward Error Correction; 前方誤り訂正)コードを監視することにより、訂正されたエラーが IP/MPLS レイヤで予防措置を認識する時期を確認できます。したがって、FEC の訂正機能が停止する(完全な LOS を引き起こす)前に FRR をトリガーしてパスをバックアップできます。これにより、無中断切り換えが実現されます。このメカニズムは、従来の SONET/SDH ベースのフェールオーバー メカニズムに勝るとも劣らないものです。障害への応答時間が大幅に短縮されるだけでなく、ネットワーク全体のエンド ツー エンドでの復元力も強化されます。これは現在の個別のトランスポンダを使用した離散的な構成では不可能です。 * 国内販売準備中 Cisco CRS-1 1 ポート OC-768c/STM-256c Tunable WDMPOS Interface Module は、多くのサービスプロバイダーが現在使用している既存の 10 Gbps DWDM システムおよび増幅器と互換性のある変調方式を採用しています。そのため、サービスプロバイダーは 10 Gbps DWDM システムで投資した大部分のコンポーネントを活用しながら、コア トランク リンクのスピードを 4 倍まで高められます。さらに、PLIM インターフェイスは ITU C バンドの 50 GHz 間隔で完全に調節可能なため、既存のシステムの柔軟性を高めると同時に、Enhanced Forward Error Correction(EFEC)をサポートします。EFEC を使用すると、光の再生成を必要とせず(ファイバ品質による)に、約 1000 km(621 マイル)まで DWDM 信号を到達させることができます。これは業界で初めて実現され、他社製ルータでは不可能です。Cisco CRS-1 1 ポート OC-768c/STM-256c Tunable WDMPOS Interface Module には、G.709 フレーミングによる標準的な SONET/SDH のような OAM&P も装備されており、従来の SONET/SDH タイプ インターフェイスの管理機能を完全にサポートしながら、DWDM レイヤに直接インターフェイス接続できます。 Cisco CRS-1 4 ポート 10GE Tunable WDMPHY Interface Module は、1 ポート OC-768c/STM-256c Tunable WDMPOS Interface Module と同様の機能(EFEC による到達距離の延長、および G.709 フレーミングによる SONET/SDH のような OAM&P)を装備していますが、WDMPHY ベースのテクノロジーを活用することで、10 Gbps LANPHY 価格ポイントでコスト効率に優れています。したがってサービスプロバイダーは、SONET/SDH のような OAM&P を備えた 10 Gbps DWDM 波長にマッピングされ、10 Gbps に近いコア IP リンクの利点を活かし、トラフィック ニーズの増大に応じてネットワークを拡張できます。 エレメントの統合には、Reconfigurable Optical ADM(ROADM)機能を Cisco ONS 15454 MSTP * プラットフォームに直接提供する、光多重化機器への光スイッチングの組み込みも含まれます。これにより、コストがかかる複雑な OEO 変換の必要がなくなり、トラフィックは IP 処理のためにルータで終端することなく、単にサイトを通過するだけで済みます。終端が必要な場合には、ROADM により光波長が引き渡され、事前にルータのネイティブ DWDM インターフェイスへの電気的変換を行わずに(電気的変換は IP 処理のためにのみ使用)、光波長は光ドメインに保たれます。ROADM によって自動ゲイン制御および一時的制御も提供されるので、リモート サイトで波長の追加または削除が必要になっても、技術者を派遣してシステムを手動で調整する経費がかかりません。 できるだけトラフィックを純粋に光ドメインに保つことは、サービスプロバイダーのコア トランスポート ネットワークを「未来対応」にするうえでひとつのメリットになります。今後、さらなる高速化と新しいプロトコルへの移行が引き続き必要になると考えられますが、純粋な光伝送は、そうした状況でのビット レートの変動に対する耐性に優れています。そのため、電気的処理を実行する一般的なエレメントとは異なり、光処理はその性質上、プロトコルの変更に影響されにくいので、安定性にも優れています。 これらの主なエレメントの統合コンポーネントにより、サービスプロバイダーはこの資料で説明してきた各方法で OpEx と CapEx を大幅に削減できる一方で、ネットワークの全体的な復元力を強化できます。図 6 に、実際のサービスプロバイダー コア ネットワークで、DWDM PLIMS を搭載した Cisco CRS-1 とともに MSTP 上の ROADM を使用し、一般的なコンポーネントにかかるコストを排除した場合のコスト差を示します。IP-over-DWDM ソリューションを採用すると、従来のパッチ パネルまたはクロスコネクトを使用するアプローチと比較して、最大 66% のコスト削減が可能です。 * ROADM テクノロジーを採用する Cisco ONS 15454 MSTP の詳細については、下記を参照してください。 制御の統合IP-over-DWDM 戦略での 2 つめの主要な統合エレメントは、IP ネットワークと DWDM ネットワークのプレーン間における制御の統合です。前述したように、トランスポート レイヤで手動プロビジョニングを個別に行うと、 OpEx が増加し、サービスの立ち上げに数週間かかることがあります。シスコは 2000 年初期から長年にわたり IETF を通じて、この計画に関して業界をリードしてきました。サービスプロバイダー ネットワーク上で、IP/MPLS により提供されるコントロール プレーン インテリジェンスを、トランスポート ネットワークまで拡張しています。この構想は、Cisco ONS 15454 などの光デバイスと、Cisco CRS-1 などの IP ルータで構成される Generalized MPLS(GMPLS)ベースのネットワークで、ユーザ トラフィックの要件に応じて動的に最適パスを検出し、プロビジョニングできるようにするというものです。言い換えれば、IP ネットワークを起点とするフローが、光ネットワークによって伝送され、中間にある GMPLS 対応の光ノードにより、特定物理ファイバ上に固有の波長を使用してスイッチングされる場合、そのフローはネットワークの全体的なインテリジェンスによって制御できます。このビジョンは、現在の転送ネットワーク上の光エレメントを IP ネットワーク上のルータ エレメントのピアにする手段をもたらし、IP コントロール プレーンによって指定される波長を自動プロビジョニングする機能を実現するため、非常に大規模なものです。サービスプロバイダーにとっては、ネットワーク間での障害の関連付けをリアルタイムで実行できるとともに、エンド ツー エンドで迅速なサービスが可能になるため、ネットワークの OpEx を大幅に削減できるメリットがあります。 ただし、サービスプロバイダーのコア ネットワークで GMPLS(特に、現在提案中の GMPLS の完全ピア モデル)を成功させようとすれば、克服すべき大きな課題があることを、シスコと業界は認識しています。GMPLS の完全ピア モデルに関する大きな課題のひとつは、管理境界という点で、ルーテッド ドメインと光ドメインの間に区別がないことです。そのため、転送グループとデータ グループ、またはサービス プロバイダーと顧客との間で、トランスポート ネットワークの制御およびトポロジーが露出し、セキュリティおよび運用上のリスクとなります。また、このモデルでは、すべての転送ノードが相互運用のために一連の GMPLS プロトコルすべて(Open Shortest Path First [OSPF]、リソース予約プロトコル [RSVP] など)を実行できることが条件になります。主に手動でのプロビジョニングを前提に設計されている既存の転送インフラストラクチャには、これはかなりの負担となることがあります。したがって制御の統合については、時間の経過とともに構想を拡大し、完全な実装ではなくても多くのメリットが得られるような、段階的な移行アプローチを中心としています。 このような段階的な移行を可能にするために、シスコは Segmented GMPLS(S-GMPLS)という新しい GMPLS モデルを導入しています。これは、現在の転送ネットワークの標準的なオーバーレイ モデルと、完全ピアのハイブリッドです(図 7)。S-GMPLS モデルでは、境界ルータだけが、光デバイスおよびほかのルータから情報を受信します。境界ルータは実際には、論理ルータ インスタンスを使用して、IP ドメインと光ドメイン間でトポロジー情報の遮断と区分を行います。境界ルータは両者間におけるゲートキーパーとして動作し、区分けされた管理境界を有効にするとともに、これら 2 つのネットワーク間での管理が別々に行われるようにします。必要に応じてネットワーク間での管理上の区分を維持できるので、このシナリオではサービスプロバイダー ネットワークにおいて GMPLS を導入しやすくなります。 この移行の第一段階は、統合管理システムまたはその他のサードパーティ製ソリューションを通じて、Cisco ONS 15454 MSTP の ROADM テクノロジーを使用することにより、波長のリモート プロビジョニングを可能にすることです。このプロビジョニングにより、2 つのエンドポイント間にある中間ノードの完全自動パッチングも可能にする一方で、転送信号が純粋に光ドメインに保存されます。その結果、これらの中間ポイントで機器をアップグレードする必要がなくなり、サービスプロバイダーの OpEx が削減されるとともに、より迅速にサービスを提供できるようになります。このプロビジョニングが可能になると、S-GMPLS を導入して転送ネットワークにインテリジェンスを組み込めます。ROADM テクノロジーのリモート プロビジョニングおよび自動パッチング機能と S-GMPLS の組み合わせにより、サービスプロバイダーのコア ネットワークにおける動的なサービス アクティベーション機能への移行が実現できます。 管理の統合統合に関する 3 つめのエレメントは、IP ネットワークと DWDM ネットワーク間における管理の統合です。IP ネットワークとトランスポート ネットワークの両方で統合型の管理アプローチを採用すれば、運用を大幅に簡素化することができます。この目的を達成するには、Cisco CRS-1 および Cisco ONS 15454 MSTP の両方で OAM&P を一元管理する各種のシスコ製ツールを使用します。これらのツールは、光トランスポート レイヤ経由での Cisco CRS-1 DWDM ポートからピア ルータ ポートへのトラブルシューティングおよび波長プロビジョニングを組み合わせ、運用上の複雑性を抑えてコストを削減します。また、現在のサービスプロバイダーの運用部門は部課別に編成されている場合が多いので、これらのツールには区分管理モードも用意されています。このモードでは、さまざまな運用チームやユーザが、管理対象の IP および転送機器に個別にアクセスできます。このように、統一された管理プラットフォームによるコスト面でのメリットを享受しながら、必要に応じて運用グループ別のアクセスを提供できます。また、これらのツールは、TL-1、CORBA、および SNMP をノースバウンド インターフェイスでサポートすることで、既存のサードパーティ製管理システムや、サービスプロバイダーが開発した運用サポート システムとの相互運用が可能です。直接的なエレメントの通信用には、XML、直接的なコマンドライン インターフェイス(CLI)、および HTTP/S が提供されています。全体的な IP-over-DWDM 管理の統合イニシアティブの最後のエレメントとして、シスコは管理ライフサイクル全体を網羅するその他のツールを用意しています。これらのツールには、光伝送レイヤの設計を容易に行うためのツール、既知および未知のトラフィック予測を扱う計画ツール、および技術者向けのインストール手順の生成ツールがあり、サービスプロバイダー ネットワークにおける転送ネットワークおよび IP ネットワーク エレメントをエンドツーエンドで最終的に管理することができます。 Return to TopIP NGN における Cisco IP over DWDM ソリューションサービスプロバイダーが OpEx と CapEx を削減するには、IP レイヤと DWDM レイヤの統合について検討する必要があります。ますます競争の激しい環境の中、この統合を実現し、より迅速なサービスを実現するとともに信頼性を向上させることで、コストの削減と収益の増大を図るためのテクノロジーと手段は、すでに存在しています。この目標は、アプリケーションの統合(ビデオ、音声、およびデータ トラフィックをすべて IP に統合)の結果として、今後 10 年間に予測されるトラフィックの増加に対応できる十分なパフォーマンスとスケーラビリティの提供と平行して達成することができます。図 8 は、新しい統合型 IP-over-DWDM コア ネットワーク ソリューションを示しています。IP と DWDM の統合の実現に向けて、サービスプロバイダーに必要なパートナーとは、サービスプロバイダーのビジネスを理解するとともに、明確なビジョンと戦略、その戦略の実施プラン、およびエンド ツー エンド ソリューションに必要なすべてのコンポーネントを提供するパートナー、すなわちシスコシステムズです。 Return to Top |








