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Cisco Visual Networking Index:Usage

ホワイトペーパー





Cisco Visual Networking Index:Usage



Cisco® Visual Networking Index(VNI)Usage の調査は、ビジュアル ネットワーキング(ビデオ、ソーシャル ネットワーキング、および高度なコラボレーション アプリケーションを組み合わせたもの)の影響を測定する継続的な取り組みの一部です。このホワイト ペーパーでは、VNI Usage の最新の調査結果とデータの収集方法について説明します。このホワイト ペーパーで説明しているアプリケーションの今後の増加の可能性については、「Cisco Visual Networking Index:予測と方法論、2009 〜 2014 年」を参照してください。

2010 年 10 月 25 日


Cisco VNI Usage 調査結果の概要


平均的なブロードバンド接続では、1 ヶ月あたり 14.9 GB のインターネット トラフィックが生成されます(昨年の 11.4 GB/月から 31% 増加)1

最頻時のトラフィックは、平均時のトラフィックよりも速いペースで増加しました(昨年から 41% 増加)。ピーク時のインターネット トラフィックは、平均時のインターネット トラフィックよりも 72% 多くなっています。平均時に対する最頻時の比率は、世界全体で 1.59 から 1.72 に増加しました。

ピアツーピア(P2P)のファイル共有は現在、世界中のブロードバンド トラフィックの 25% を占めています(昨年の 38% から低下し、34% 減少)。P2P のトラフィック量は引き続き増加していますが、ビジュアル ネットワーキングやその他の高度なアプリケーションよりも増加のペースが遅い状態です。

オンライン ビデオがピアツーピアを上回り、最大のカテゴリになりました。ストリーミング ビデオ、Flash、およびインターネット TV を含むビデオのサブセットの割合は 26% で、P2P の 25% を上回っています2

トラフィック量の上位 50 サイトの 3 分の 1 以上が、ビデオのサイトです。ゲーム機で視聴されているビデオ、インターネット TV、ユーザが作成した短時間のビデオ、商用のビデオのダウンロード、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)で配信されているビデオなど、上位 50 サイトの中のビデオのサイトにはさまざまなものがあります。上位 50 サイトの中で最も多かったのが、ビデオのサイトです。

一般的な認識とは異なり、世界中の Web サイトの(トラフィック量の)上位 50 サイトには、アダルト コンテンツを含むものはありませんでした。2 年前の世界中の上位の Web サイトの構成と比較すると、コンテンツが変化していることがわかります。

上位 50 サイトのうちの 10 サイトはソフトウェアの更新とダウンロードに関連していました(セキュリティの強化およびアプリケーションの拡張)。

音声とビデオによる通信のトラフィックは現在、データ通信のトラフィック(E メール、インスタント メッセージング、インスタント メッセージングでのファイル転送)の 6 倍の量になっています。音声とビデオによる通信のトラフィック(Voice over IP(VoIP)や、インスタント メッセージングでの音声とビデオなど)は、昨年の 1% 未満から増加して、トラフィック全体の 2% に達しました。

オンライン ビデオのトラフィックは、ファイル共有のトラフィックよりも大きく変動します。オンライン ビデオの変動率(1 日の中でのトラフィック量の変動の大きさ)は、ファイル共有の変動率よりも 51% 高くなっています。ファイル共有のピーク時は平均時よりも 64% 高くなっていますが、ビデオのピーク時は平均時よりも 91% 高くなっています。

ブロードバンド接続の上位 1% が、インターネット トラフィック全体の 20% 以上を占めています。上位 10% の接続が、世界全体のブロードバンド インターネット トラフィックの 60% 以上を占めています。

平均的な 1 日のインターネットの「ゴールデン タイム」は、世界中でほぼ午後 9 時から 午前 1 時 までの時間帯です。これは、TV 放送のプライム タイム(世界の大部分で一般的に午後 7 時から 午後 11 時までの時間帯) とは対照的です。

トラフィックのアプリケーションの構成比についての傾向


アプリケーションの構成比についての傾向で最も著しい変化は、引き続き、P2P でのファイル共有と比較してビデオのトラフィックの割合が増加していることです。2010 年の VNI Usage の調査結果によって、ビデオのトラフィックの割合が 2010 年末までに P2P でのファイル共有を上回るという、過去 3 年間についての VNI Forecast の中心的な予測が裏付けられました。VNI Forecast の取り組みでのカテゴリと VNI Usage の取り組みでのカテゴリは厳密には比較できません(ビデオは、VNI Usage の調査結果ではいくつかのカテゴリにまたがりますが、VNI Forecast の予想結果では 1 つのカテゴリにまとめられています)が、VNI Usage の調査結果から、オンライン ビデオのサブセットの割合が、接続ごとのトラフィックの 26.2% に達した一方で、P2P でのファイル共有のトラフィックの割合がトラフィックの 24.9% に減少したことがわかります。また、音声とビデオによる通信の増加も注目すべき点で、E メールとインスタント メッセージングのトラフィック全体の 6 倍になっています(表 1 を参照)。

表 1 アプリケーション カテゴリ別のブロードバンド トラフィック(2010 年第 3 四半期)

  トラフィックの割合
データ* 28.05%
オンライン ビデオ* 26.15%
データ通信(E メールおよびインスタント メッセージング) 0.28%
音声とビデオによる通信* 1.71%
P2P でのファイル共有 24.85%
その他のファイル共有 18.69%
ゲーム機* 0.16%
PC ゲーム 0.65%

* マークが付いているカテゴリにはビデオが含まれます。
出典:VNI Usage、2010 年

表 2 は、アプリケーション別の調査結果を詳細に示したものです。詳細なアプリケーション トラフィックのデータから、次の 2 つの重要な傾向が明らかになりました。

  • ビデオはすでにさまざまな用途で利用されています。VNI Usage の調査結果のオンライン ビデオのカテゴリのトラフィックの割合(26%)の中で、Flash ビデオは 7% のみです。
  • Web ベースのファイル共有およびその他の方法でのファイル共有は、トラフィック全体の中で大きな割合(19%)を占めています。

表 2 アプリケーションのサブカテゴリ別のブロードバンド トラフィック(2010 年第 3 四半期)

  アプリケーション トラフィックの割合
データ* HTTP 26.39%
HTTPS 0.64%
VPN およびトンネリング 0.57%
管理 0.21%
デフォルトのサービス 0.14%
地図 0.02%
その他 0.00%
データ通信 E メール 0.23%
インスタント メッセージング 0.12%
インスタント メッセージングでのファイル転送 0.03%
ファイル共有 P2P 24.85%
Web ベースおよびその他のファイル共有 18.69%
ゲーム PC ゲーム 0.65%
ゲーム機* Xbox 0.12%
PlayStation 0.04%
任天堂 Wii 0.00%
オンライン ビデオ* ストリーミング ビデオ 10.52%
Flash ビデオ 6.99%
P2P でのストリーミング ビデオ 4.80%
HTTP での音声およびビデオ 3.56%
ビデオ ダウンロード 0.28%
音声とビデオによる通信* その他の VoIP 0.64%
Skype 0.57%
MGCP(メディア ゲートウェイ コントロール プロトコル) 0.40%
SIP(Session Initiation Protocol) 0.05%
インスタント メッセージングでの音声およびビデオ 0.04%
VoIP を利用する電話 0.01%
H.323 0.00%

* これらのカテゴリにはビデオが含まれます。
出典:VNI Usage、2010 年

トラフィック量と変動についての傾向


VNI Usage の調査結果からわかるアプリケーションの構成比の変化は、広い範囲に影響を及ぼします。ビデオのトラフィックの割合が増加すると、トラフィックの変動率も増加します。大量のビデオの伝送が行われるネットワークでは、最頻時の変動率は P2P よりも大きくなります。P2P の変動率はアプリケーション カテゴリの中で最も低くなっています。P2P はこの 10 年間のインターネットでの主要なアプリケーションだったので、ピーク時と平均時の比率は、P2P の比率に近くなっていました。表 3 で示しているように、オンライン ビデオの変動率(1 日の中でのトラフィック量の変動の大きさ3)は、ファイル共有の変動率よりも 51% 高くなっています。通信とコラボレーション アプリケーションの変動率はビデオの変動率よりもさらに高く、こういったアプリケーションのトラフィックの割合が増加すると、ピーク時と平均時の比率の増加が続く傾向があります。

表 3 アプリケーション カテゴリ別のピーク時と平均時の比較(2010 年第 3 四半期)

  変動率 ピーク時と平均時の比率
ゲーム機 63% 2.19
音声とビデオによる通信 56% 1.87
データ通信 54% 2.14
オンライン ビデオ 53% 1.91
データ 49% 1.71
その他のファイル共有 42% 1.77
P2P 33% 1.61

出典:VNI Usage、2010 年

各アプリケーションのトラフィックの割合に注目すると、少し違った見方ができます。トラフィックの割合は、日中ほとんどの時間帯でオンライン ビデオが P2P を上回っているのに対して、深夜 0 時から午前 9 時までは P2P がオンライン ビデオを上回っています。表 4 のデータが示しているように、P2P でのファイル共有は、ピーク時ではトラフィックの 40% で、最も低い時間帯ではトラフィックの 21% です。ビデオは、ピーク時では 29%、最も低い時間帯では 16% になっています。このため、P2P でのファイル共有の変動率が比較的高いという印象を与える可能性がありますが、トラフィックの全体量も考慮する必要があります。深夜 0 時から午前 9 時まではトラフィック量が最も少ないので、P2P のトラフィック量は、実際には 1 日を通して比較的一定しています。

表 4 時間帯別のアプリケーション トラフィックの割合(2010 年第 3 四半期)

時間帯 データ および閲覧 オンライン ビデオ P2P でのファイル 共有 その他のファイル 共有 音声と ビデオに よる通信 データ通信 ゲーム機 PC ゲーム
00:00:00 26.6% 27.0% 27.6% 16.9% 1.6% 0.2% 0.2% 0.5%
01:00:00 24.4% 24.1% 30.6% 19.2% 1.3% 0.2% 0.2% 0.6%
02:00:00 24.3% 22.2% 32.6% 19.3% 1.2% 0.2% 0.2% 0.5%
03:00:00 24.2% 19.9% 34.3% 20.0% 1.1% 0.2% 0.1% 0.7%
04:00:00 22.7% 17.7% 38.1% 20.3% 0.9% 0.2% 0.1% 0.7%
05:00:00 20.9% 15.5% 39.9% 21.8% 0.8% 0.2% 0.1% 1.4%
06:00:00 20.3% 16.7% 37.5% 23.1% 0.7% 0.2% 0.1% 1.9%
07:00:00 23.6% 18.8% 36.2% 20.8% 0.5% 0.3% 0.1% 0.3%
08:00:00 26.3% 20.5% 31.8% 20.4% 0.7% 0.3% 0.1% 0.4%
09:00:00 27.5% 20.5% 30.6% 20.0% 1.0% 0.4% 0.1% 0.3%
10:00:00 30.1% 24.2% 23.7% 20.1% 1.4% 0.5% 0.1% 0.4%
11:00:00 31.3% 25.1% 21.9% 19.2% 2.0% 0.4% 0.1% 0.6%
12:00:00 30.5% 26.0% 21.3% 19.5% 2.4% 0.4% 0.1% 0.4%
13:00:00 29.3% 26.5% 22.6% 19.1% 2.2% 0.4% 0.1% 0.4%
14:00:00 29.8% 26.6% 22.8% 18.5% 2.0% 0.4% 0.2% 0.3%
15:00:00 30.0% 27.7% 22.2% 17.7% 1.9% 0.3% 0.1% 0.5%
16:00:00 29.3% 27.7% 22.6% 18.1% 1.9% 0.3% 0.2% 0.4%
17:00:00 29.8% 27.6% 22.2% 18.0% 1.8% 0.3% 0.2% 0.7%
18:00:00 30.4% 27.2% 21.5% 18.5% 1.9% 0.3% 0.2% 0.6%
19:00:00 29.8% 27.7% 21.6% 18.8% 1.9% 0.3% 0.2% 0.4%
20:00:00 28.6% 27.5% 23.8% 17.7% 2.1% 0.2% 0.2% 0.4%
21:00:00 27.6% 28.3% 23.3% 18.2% 2.1% 0.2% 0.2% 0.7%
22:00:00 26.8% 28.8% 23.8% 17.8% 2.0% 0.2% 0.2% 1.0%
23:00:00 27.3% 28.9% 24.1% 16.9% 1.9% 0.2% 0.2% 1.1%

出典:VNI Usage、2010 年

図 1 は、表 4 のデータをグラフにしたものです。P2P でのファイル共有は、ユーザが不在でも大量のトラフィックが生成される可能性があるので、「パッシブ」なアプリケーションとして分類できます。近年 VNI Forecast で指摘されているように、ビデオには、Web カメラやセキュリティ用カメラ、インターネット パーソナル ビデオ レコーダ(PVR)といった新たなパッシブ コンポーネントも含まれます。近い将来に発生する可能性は低いですが、パッシブな監視ビデオがネットワークで増えると、ビデオのピーク時と平均時の比率が P2P でのファイル共有に近い値に減少する可能性があります。

図 1 時間帯別のアプリケーション トラフィックの割合(2010 年第 3 四半期)

図 1 時間帯別のアプリケーション トラフィックの割合(2010 年第 3 四半期)
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出典:VNI Usage、2010 年

上位のサイトに関しての動向


図 2 で示しているように、トラフィック量に関しての世界の上位 50 サイトの中では、オンライン ビデオのサイトが最も多く、その次はソフトウェアのダウンロードと更新のサイトです。

図 2 トラフィック量およびアクティビティ/ヒット数に関しての世界の上位 50 サイト

図 2 トラフィック量およびアクティビティ/ヒット数に関しての世界の上位 50 サイト4
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出典:VNI Usage、2010 年

世界の上位 50 サイトだけでなく、世界の上位 100 サイトでも、トラフィック量に関してはすべての地域で、オンライン ビデオのサイトが最も多くなっています。世界の上位 100 サイトでは、春と秋は夏よりもトラフィックが集中します(季節的傾向)。ビデオベースのサイト(MySpace のビデオや Facebook のビデオなど)、およびソフトウェアのダウンロードのサイト(Windows や Symantec など)はトラフィックの上位サイトに入っていて、オンライン広告サイト(Google Analytics や Doubleclick など)は合計ヒット数の上位サイトに入っていました。

北米では、昨年の上位 100 サイトの 60% 近くが、ビデオおよびゲームのサイトでした。北米の上位 10 サイトの中で多かったのは、ビデオ ストリーミングおよびダウンロード(ゲームを含む)、ソーシャル ネットワーキング、およびソフトウェアの更新のサイトです。この地域の上位 100 サイトのトラフィックの約 29% は、上位 10 サイトのトラフィックです。

アジアでは、上位 100 サイトの中でソーシャル ネットワーキングの順位が昨年よりも上がりました。上位 100 サイトのトラフィックは、ビデオ、ソーシャル ネットワーキング、P2P、音楽のダウンロード、およびソフトウェアの更新で構成されます。この地域の上位 100 サイトのトラフィックの約 42% は、上位 10 サイトのトラフィックです。

南米では、上位 100 サイトの中でソーシャル ネットワーキングの順位が昨年よりも上がりました。上位 100 サイトのトラフィックは、ビデオ、ソーシャル ネットワーキング、P2P、音楽のダウンロード、およびソフトウェアの更新で構成されます。この地域の上位 100 サイトのトラフィックの約 36% は、上位 10 サイトのトラフィックです。

上位のユーザの分析


インターネット トラフィックのパターンは、加入者の使用状況に応じて大きく異なります。2010 年第 3 四半期は、2009 年第 3 四半期と同様に、利用されている接続の上位 1% でインターネット トラフィックの 20% 以上を使用し、上位 10% でインターネット トラフィックの 60% を使用していました(図 3)。

図 3 上位のユーザの分析

図 3 上位のユーザの分析
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出典:VNI Usage、2010 年

VNI Forecast と VNI Usage のデータの手法の違い


Cisco VNI Usage の調査手法は直接的な測定によるものですが、Cisco VNI Forecast は個々のネットワークの動作のモデルから算出される予測です。Cisco VNI Forecast の取り組みでは、コンテンツの種類が広範囲に分類されて、それぞれの増加率の予測が提供されるのに対して、Cisco VNI Usage の手法では、トラフィックのパターンおよびアプリケーションの傾向を明確に把握できます。表 5 で、この 2 つのデータ モデルを比較しています。

表 5 Cisco VNI Forecast と VNI Usage の手法の比較

VNI Forecast VNI Usage
現在と今後の IP トラフィックの予測 現在のブロードバンド トラフィックの直接的な測定
すべての IP トラフィック(プライベート IP、インターネット、モバイル データを含む) インターネット トラフィックのみ
月別の集約トラフィック 時間帯別のトラフィック量
平均時のトラフィックのみ 平均時およびピーク時のトラフィック

出典:VNI Usage、2010 年

Cisco VNI Usage の調査結果と Cisco VNI Forecast の予測との比較


VNI Forecast と VNI Usage の取り組みは異なるものですが、表 6 で示しているように、VNI Usage の調査結果によって、VNI Forecast のモデルで行われた予測の多くが裏付けられています。

表 6 Cisco VNI Forecast と VNI Usage の調査結果の比較

  VNI Forecast VNI Usage
2009 年第 3 四半期の接続ごとの 1 ヶ月あたりのインターネット トラフィック(GB) 11.8 11.4*
2010 年第 3 四半期の接続ごとの 1 ヶ月あたりのインターネット トラフィック(GB) 15.6 14.9*
接続ごとの 1 ヶ月あたりのインターネット トラフィックの増加率(2009 年から 2010 年) 31.5% 30.7%*
全ユーザを対象としたインターネット トラフィック全体の増加率(2009 年から 2010 年) 42.0% N/A**

* VNI Usage の調査結果と VNI Forecast の予測を比較した場合のわずかな違いは、関係する VNI Usage のデータ ソース(世界中の 20 社を超えるサービス プロバイダーの無作為抽出)に起因する可能性があります。その一方で、VNI Forecast の取り組みは、包括的で世界的なモデルとなることを目的としたものです。
** Cisco VNI Usage の調査は、世界中のすべてのユーザについての増加率の提供を目的としたものではありません。比較するメトリックがありません。
出典:VNI Usage、2010 年

Cisco VNI Usage の調査結果によって、VNI Forecast のモデルで予測された傾向の多くについて定性的な確認も行われます。アプリケーション カテゴリの多くは厳密には比較できませんが、表 7 では、この 2 つのモデルの間で一致すると考えられる、その他の結果を説明しています。

表 7 Cisco VNI Forecast の予測と VNI Usage の調査結果との一致点

VNI Forecast の予測 VNI Usage の調査結果
2010 年末までに、オンライン ビデオのトラフィックは P2P のトラフィックを上回る。 Flash、ストリーミング ビデオ、およびインターネット TV で構成されるビデオ トラフィックのサブセットはブロードバンド トラフィックの 26% を占めているのに対して、P2P のトラフィックは 25% を占めている。
2010 年末までに、インターネットでのライブ ビデオは一般ユーザのインターネット トラフィックの 4% に達する。 P2P でのストリーミング ビデオ(ライブ TV コンテンツの大部分)は、すべてのトラフィックの 5% である。
2010 年末までに、ビデオ通話は一般ユーザのインターネット トラフィックの 1% を超える。 音声とビデオによる通信のトラフィック(VoIP、インスタント メッセージング上の音声とビデオ)は、トラフィック全体の 2% に達した。
パッシブ ネットワーキング(大部分はバックグラウンドでのストリーミングとダウンロード)は、トラフィックに関して、アクティブなインターネットの使用に匹敵する可能性がある。 上位 50 サイトのうちの 10 サイトはソフトウェアの更新とダウンロードに関連していた。

出典:VNI Usage、2010 年

帯域幅の対称性についての傾向


現在、ビデオのアップロードはすべて一般ユーザが行っていることから、アップストリームの帯域幅はダウンストリームよりも速いペースで確実に増加していて、上り速度と下り速度が対称な接続が 2 〜3 年以内に一般的なインターネット ユーザにとっての要件となるだろうというのが大方の予測でした。しかし、実際にはそうなってはいないようです。この数年間で、アップストリーム トラフィックの割合に変化はありません。表 8 は、Cisco VNI Usage プログラムの北米の参加者についてのこれまでのデータを示したものです。

表 8 ブロードバンド トラフィック全体の中のアップストリーム トラフィックの割合

北米の家庭向けブロードバンドのアップストリーム トラフィック(2007 年〜 2010 年)
  2007 年 2008 年 2009 年 2010 年
トラフィック全体の中のアップストリームの割合 31% 24% 25% 23%

出典:VNI Usage、2010 年

トラフィックの対称性が高くなっていないのはなぜでしょうか。トラフィック全体の中で P2P の影響が小さくなり、ビデオ アプリケーションの影響が大きくなっていることが原因となっています。ピアツーピアは本質的に対称性が高いトラフィックで、P2P トラフィックの 40 〜 60% がアップストリーム トラフィックです。高解像度の動画がダウンロードされるたびに、同程度の量のトラフィックがピアへアップロードされます。しかし、現在、ビデオが優勢になってきたため、P2P TV が普及している地域(中国など)以外では、現在ネットワークで伝送されている大部分のビデオ ストリームのプロファイルは対称性が低く、主にダウンストリーム トラフィックで構成されています。一般ユーザがコンテンツ制作者でもあることは、社会的、経済的、および文化的に極めて重要な現象ですが、それでも、一般ユーザが制作する量と比べてはるかに多くのビデオが視聴されます。

表 9 P2P のトラフィックはその他の形式のトラフィックよりも対称性が高い

アプリケーション別の北米の家庭向けブロードバンドのアップストリーム トラフィック(2007 年〜 2010 年)
  2010 年
P2P のトラフィックの中のアップストリームの割合 44%
その他のトラフィック全体の中のアップストリームの割合 12%
トラフィック全体の中のアップストリームの割合 23%

出典:VNI Usage、2010 年

P2P のトラフィックの割合が著しく減少していることを考慮すると、トラフィックの対称性は高くなるよりもむしろ低くなることが予想されます。しかし実際にはそうなっていません。なぜでしょうか。この理由として、ビデオの共有、アップロード、およびビデオ通信の影響が見られます。アップストリーム トラフィックのアプリケーションの構成比の変化が進み、2007 年の初頭にはアップストリーム トラフィックの 70% 以上が P2P によるものであったのに対して、現在 P2P はアップストリームの 60% 未満です。その代わりに、アップストリームでのビデオの増加で補われています。

今後 2 〜 3 年間は家庭向けのインターネット トラフィックは引き続き非対称のままであると予想されます。ただし、結果として対称性が高くなっていく可能性があるシナリオがいくつかあります。

  • コンテンツ プロバイダーやディストリビュータが、配信のメカニズムとして P2P を採用した場合。P2P は長年にわたって低コストのコンテンツ配信システムとして有力な存在でしたが、ほとんどのコンテンツ プロバイダーとディストリビュータは直接的な配信を選択しました。例外は中国での PPStream や PPLive などのアプリケーションで、P2P でのライブ ビデオ ストリーミングの提供で大きな成功を収めています。その他の地域のコンテンツ プロバイダーが同様に提供を行うと、トラフィックの対称性が急速に高くなる可能性があります。
  • 帯域幅の対称性を必要とする、ハイエンドのビデオ通信が急速に発展した場合。PC 間のビデオ通話が普及しつつあり、初期段階のモバイルでのビデオ通話の市場は将来性があると考えられます。ハイエンドのビデオ通話が一般的になると、再びトラフィックの対称性が高くなります。

一般的に、サービス プロバイダーが十分なアップストリーム帯域幅を提供すると、アップストリームのキャパシティを利用するアプリケーションが登場し始めます。

データ ソース


シスコは、ネットワーク使用状況についての、匿名の集約されたデータを受け取ります。このデータは、Cisco VNI Usage プログラムに参加することを選択した世界中のサービス プロバイダーから送信されます。対象のサービス プロバイダーは、ネットワークのピアリング ポイントとブロードバンド ハブに戦略的に設置されている Cisco Service Control Engine(SCE)を使用して、ネットワーク使用状況のデータを収集します。ネットワーク使用状況についての標準のレポートが、毎月シスコに送信されます(シスコが、対象のサービス プロバイダーのネットワーク内で機器を所有したり、機器を操作したりすることはありません)。Cisco SCE はアノニマス サブスクライバ モードで動作します。送信されるデータに、IP アドレス、MAC アドレス、その他の個人識別情報が含まれることはありません。このプログラムで使用される Cisco SCE にはポリシー制御モジュールは含まれていないので、この機器でさまざまなポリシーをさまざまな種類のトラフィックに適用することはできません。この機器はパッシブな受信のみを対象に設定されます。

Cisco VNI Usage のパートナー プログラムの規定により、シスコは、参加しているサービス プロバイダーの識別情報を共有することや、特定のサービス プロバイダーのネットワークのデータを公開することはできません。データは常に、匿名の集約された形式で利用されます。

加入者およびコンテンツのプライバシーについて


Cisco VNI Usage プログラムの一環として送信されるネットワーク使用状況のデータは、匿名の集約されたデータです。匿名のデータは「匿名化された」データとは異なります。匿名化されたデータとは、個々の IP アドレスがランダムな識別子で置換された未加工のデータです。これに対して、匿名のデータには、未加工の使用状況のレコードは含まれず、そのレコードに関しての集約された統計情報のみが含まれます。

表 10 に、データ収集に含まれる情報と含まれない情報の種類の例を示します。

表 10 VNI Usage の調査結果に含まれる情報と含まれない情報の種類

含まれる情報 含まれない情報
ビデオの使用に関連したトラフィックの全体量 ビデオを視聴した加入者の識別情報
トラフィック量とヒット数が上位の URL 上位の URL にアクセスした加入者の識別情報
ビデオを視聴した加入者の数およびファイル共有を利用した加入者の数 ビデオとファイル共有の両方のトラフィックを生成した加入者の数
任意の時点でアクティブな加入者の数 アクティブな加入者の IP アドレス、MAC アドレス、または加入者 ID

出典:VNI Usage、2010 年

関連情報


ご不明な点につきましては、traffic-inquiries@cisco.com [英語] までお問い合わせください。


1 ブロードバンド インターネット接続あたり年間 31% の増加は、一般ユーザのインターネット利用の増加についての VNI Forecast の予測(2009 年から 2010 年で 31.5% の増加)と一致しています。加入者の増加を考慮すると、2010 年の一般ユーザ全体のインターネット利用の増加率は 42.0% に上昇します。
2 ビデオは、ビデオ以外の特定のアプリケーション(ゲーム機のトラフィック、HTTP トラフィック、VPN、音声とビデオによる通信など)でも使用されています。このようなその他のカテゴリのビデオのトラフィックを合計すると、ビデオのカテゴリのトラフィックの割合の 26% に 10 〜 15% が追加されることになり、VNI Forecast の予測と一致します。
3 ここでの変動率とは、1 時間あたりのトラフィック量の標準偏差を、1 時間あたりの平均値で割った値です。ピーク時と平均時の比率は、そのアプリケーションの平均時のトラフィック量に対する、最大となる時間帯のトラフィック量の比率です。
4プライベート プロキシのトラフィックには、ファイル共有とプライベート ネットワークが含まれます。