ホワイトペーパーCisco Carrier-Grade IPv6(CGv6)ソリューション インターネットの未来を約束する目次Cisco Carrier-Grade IPv6 ソリューション(CGv6) 概要インターネット プロトコルの次のバージョンである IPv6(IP バージョン 6)は、1990 年代の初期に開発されました。前のバージョンの IPv4 に対して、自動構成、ヘッダーの簡素化、拡張されたルーティング ヘッダー、フロー ラベリングなど、多数の改良と最適化が行われています。最も重要な改良点は、アドレス指定に使用されるビットの数が、IPv4 の 32 ビットから IPv6 の 128 ビットに増加したことです。IPv6 の設計者たちは、将来的に、アドレス指定を必要とする IP エンドポイントの数が IPv4 でサポートされるアドレス数を上回ることを的確に予想していました。 アドレスが足りなくなる日は間近に迫っています。IPv4 アドレスの使用増加率に基づいた現在の予測では、使用可能な IPv4 アドレスは 2011 年 6 月に底をつくとも言われています。大きなインターネット コミュニティであるサービス プロバイダー、ベンダー、顧客は、IPv4 の枯渇問題に今すぐ対処する必要があります。 明白な解決策は、IPv6 です。IPv4 から IPv6 にするために、多くのさまざまな移行方法が長年にわたって提案されています。これらの方法のいくつかは、製品に実装されたり、ネットワークに展開されたりしています。枯渇の時が迫っているにも関わらず、インターネットの大部分で IPv6 の準備が整っていない(整うこともない)ようなことになれば、サービス プロバイダー コミュニティは大きな問題に直面することになります。 このホワイト ペーパーでは、サービス プロバイダー向けの Carrier-Grade IPv6 ソリューション(CGv6)と呼ばれる Cisco® フレームワークの概要について説明します。IPv4 枯渇問題に対処し、IPv6 へ整然と、徐々に、安全に移行することを可能にするテクノロジーがさまざまな製品で実装されています。このホワイト ペーパーでは、既知で汎用的、および標準のテクノロジーを採用して実施できる各方法について説明します。さまざまなソリューションを使用して実施される移行時の維持、準備、繁栄の各層における実践的なアプローチを、詳細に説明します。 IPv6 へ移行する理由インターネットは、グローバルに相互接続されたネットワーク システムであり、インターネット プロトコル(IP)のテクノロジーを使用して実現されています。このシステムの成長は、接続されるすべてのデバイス間での互換性を実現する標準化プロセスにより促進されてきました。この標準化の重要な機能は、各デバイスを識別し、その位置を示すメカニズムです(アドレッシングと呼ぶ)。IP アドレスは、各デバイスに割り当てられる固有の識別情報であり、デバイスが互いに通信できるようにするには、それらのアドレスが同じ標準に従う必要があります。標準テクノロジーの現在のバージョンは、IP バージョン 4(IPv4)です。ここでは、インターネット上でこのテクノロジーを使い続けることができない根本的な制約について見ていきます。 根本的な制約IPv4 に基づいた現在の IP アドレス空間では、予想されるユーザ数の爆発的な増加、地理的なインターネットの拡大のニーズ、新興アプリケーション(インターネット対応のワイヤレス デバイス、家庭用および産業用の機器、インターネット接続された交通設備、統合されたテレフォニー サービス、RFID などのセンサー ネットワーク、スマート グリッド、クラウド コンピューティング、ゲームなど)の要件に対応できません。 IP バージョン 6(IPv6)では、ネットワーク アドレスのビット数が IPv4 の 32 ビットから 4 倍の 128 ビットになります。これにより、グローバルで一意の IP アドレスが、地球上のすべてのネットワーク デバイスに十分すぎるほど行き渡ります。グローバルで一意の IPv6 アドレスを使用すれば、ネットワーク デバイスの到達可能性とエンドツーエンド セキュリティのメカニズムが簡素化されます。このメカニズムは、アドレス需要の増加を引き起こしているアプリケーションやサービスに対応するためには不可欠です。 障害のある道のりIPv4 から IPv6 にするために、多くのさまざまな移行方法が長年にわたって提案されています。これらの方法には、製品に実装されているもの、ネットワークに展開されているものなどがありますが、意図したとおりに機能しないものもあります。しかし、今日のインターネットはまだ大部分が IPv4 に基づいており、IPv6 はわずかしか実装されていません。ここでは、こうした状態が続いている理由について見ていきます。 相互運用性のない IPv4 と IPv6IPv6 と IPv4 は、完全に独立したプロトコルであり、IPv6 には IPv4 との下位互換性はありません。したがって、どちらかのバージョンで稼動しているネットワークは、もう一方と直接通信することはできません。これは、1990 年代の中頃に標準化された IPv6 プロトコル スタックの設計が原因です。結果として、ネットワークは両方のプロトコルを収容している並列インフラストラクチャで稼動することが必要になります。このシナリオで課せられる運用上の負担が、IPv6 の採用を遅らせる要因の 1 つになっています。デバイスは通信するために同じ標準をサポートする必要があるため、ブリッジング メカニズムが IPv4 と IPv6 の間で相互運用するように進化することが期待されています。 経済的な動機がほとんどないIP アドレスは、収益が得られるリソースではありません。お客様(サービス プロバイダーを含む)は、Regional Internet Registry(RIR; 地域インターネット レジストリ)によって基本的に無償でアドレスが割り当てられます。ただし、要求された割り当てには、正当な理由が必要です。IPv4 と IPv6 のアドレス割り当てはこのモデルに従います。これは、インターネットの公平性とオープンな性質に基づいたものです。IPv4 の無償のプールが継続して使用可能なため、それが急速に減少しているとしても、お客様が IPv6 を要求して使用する経済的な動機はありません。 緊急性がほとんど感じられないインターネットは急速に成長し続けています。無償の IPv4 アドレスの入手が困難になるにつれ、それらを再使用するメカニズムが発達してきています。すべてのデバイスに対して 1 つのパブリック IPv4 アドレスしか必要としない Network Address Translation(NAT; ネットワーク アドレス変換)がホーム ネットワークにおいて人気を得ました。さらに、インターネットは単独の権威者に統制されることはありません。せいぜい、その使用についてベスト プラクティスのガイドラインが示されるだけです。これらの要因が組み合わさったことにより、IPv6 の採用が遅れ、確実に起こることがわかっている IPv4 アドレスの枯渇への対処の勢いが鈍っています。 互換性のないインフラストラクチャIPv4 と IPv6 は相互運用できないため、デバイスは共存するために両方のプロトコル スタックをサポートする必要があります。しかし、インターネットは、受け継がれてきたさまざまなネットワークとデバイスの上に構築されています。それらの一部には、IPv4 プロトコル スタックしかサポートしないもの、また IPv6 プロトコル スタックを部分的にしかサポートしないものもあります。インターネット上で人気のあるほとんどのサービスは、現在 IPv4 上で有効になります。プロトコル サポートに多様性があるため、しばらくの間は IPv4 だけを使用するという代替案が運用上簡単に見えます。このため、ユーザを IPv6 に移行させることは困難となっています。 新たな緊急性IPv4 アドレスの無償のプールの枯渇する日がもうすぐやってきます。IPv4 アドレスの使用増加率に基づいた現在の予測では、使用可能な IPv4 アドレスは 2011 年 6 月には底をつくと言われています。つまりこれは、Internet Assigned Numbers Authority(IANA; インターネット割り当て番号局)が、まだ割り当てられていないパブリック IPv4 アドレス空間の最後の大きなブロックを地域インターネット レジストリ(RIR)に配布することが予測される日です。サービス プロバイダーは、2010年の中頃には IPv4 アドレス空間をレジストリからこれ以上入手できなくなると正式に通知されることになるかもしれません。 出典:Geoff Huston、http://www.potaroo.net/tools/ipv4/index.html 同時に、ビデオ、モバイル、クラウド コンピューティングのアプリケーションの急増により、インターネットに接続されるデバイスの数は急激に上昇しています。この数は家庭内での NAT の使用を考慮に入れたとしても、IPv4 のアドレス容量をすぐに超えることになります。この時点で対策を講じていなければ、インターネットに依存したビジネスの成長は制約を受ける可能性が高くなります。したがって、サービス プロバイダー、ベンダー、および顧客からなる幅広いインターネット コミュニティで IPv4 の枯渇問題に速やかに対処する必要があります。 出典:Cisco VNI / Intel Embedded Internet Projections IPv6 への道のり:先頭に立つシスコ創業以来、シスコは、IPv6 テクノロジー分野の先駆者として、IPv6 標準の開発を Internet Engineering Task Force(IETF; インターネット技術特別調査委員会)などのさまざまな標準化団体を通じて推進してきました。また、多種多様なエンドツーエンド IPv6 製品およびソリューションを出荷しています。展開戦略の選択は、ご使用中の現在のネットワーク環境、および展開の各段階での IPv6 トラフィックの予測量、エンド システムとアプライアンス上の IPv6 アプリケーションの可用性などの要因に依存します。 Cisco Carrier-Grade IPv6 ソリューション(CGv6)の前にIPv6 プロトコルの大部分は、1990 年代の中頃に標準化されました。世界中のさまざまな教育と研究用のネットワーク(6bone、Moonv6、JGNv6 など)が、IPv6 を率先して導入しました。一方、プロバイダー ネットワークでの実装は、2000 年代初頭にやっと開始されたばかりです。これらの実装は、主にデュアルスタック テクノロジーまたはオール IPv6 テクノロジーを使用し、IPv4 とは別に機能する並列インフラストラクチャを構築していました。政府は IPv6 への移行を命じていますが、まだ散発的であり、その採用は地域によってばらつきが大きい状態です。これまでのところ、普及しているエンドユーザ アプリケーションのほとんどは IPv4 を使用しています。また、プロバイダーは、エンド カスタマーの家庭の機器に対してアドレス変換を義務づけることにより、所有する IPv4 アドレス プールの寿命を延長しました。IPv4 の枯渇する日が近づくにつれ、プロバイダーが IPv6 へ移行するのを支援するために、重層的なソリューションによるアプローチの必要性が出てきました。 シスコは、維持、準備、繁栄からなる実践的なアプローチによる Carrier-Grade IPv6 ソリューション(CGv6)のフレームワークを提唱しています。 維持このアプローチでの目標は、IPv4 を、枯渇するまでおよびそれ以降も使用し続けることです。このアプローチは、IPv6 へのアップグレードの準備が整っていないか、その意思がないか、それを実行できないプロバイダーのための論理的なパスとなります。この層でのソリューションには、Large Scale NAT(LSN:NAT44 または Carrier-Grade NAT)、IPv4 Address Trading(アドレス取引)、IPv4 Renumbering(再番号割り当て)などがあります。このアプローチは、短期間または中期間での枯渇の対処に使用される安全で低リスクの選択肢であり、オペレータが IPv6 用の計画を立案するためにより多くの時間をあてることができます。アドレスの取引と再番号割り当ての手法は、複数プロバイダーとのインフラストラクチャの接続に同時に影響するため、公平に解決するための業界内での協力が必要です。再番号割り当て用のベストプラクティスのガイドラインや取引用のマーケットは、展開できる成熟レベルにはまだ達していません。一方、LSN 手法は、それを使用するプロバイダーにだけ影響を与え、そのための手法(NAT)は実証済みです。 準備このアプローチの目標は、IPv4 と共存しながら、インフラストラクチャをアップグレードして IPv6 をサポートすることです。この層は、IPv6 のサービスとアプリケーションの層から利益を得るために欠かすことのできないものです。デュアルスタックをホスト、スイッチ、およびルータ上で稼動することは、1 つの解決策です。IPv4 上で IPv6 をトンネリング(Multiprotocol Label Switching(MPLS; マルチプロトコル ラベル スイッチング))するためには、多数の成熟した手法と新しい手法が利用できます(有名な例として 6PE があります)。また見過ごされがちですが、逆のケースもあります。つまり、従来の IPv4 パケットが IPv6 ネットワーク内をトンネリングするケースです。Softwires Mesh と Dual-Stack Lite は、IETF Softwires Working Group で定義されている 2 つの例です。トンネルに関連するものとして、そのようなトンネルを終端し、ペイロードをネットワーク内のネクストホップにリレーするオペレータのネットワークでのソリューションもあります。ステートフルとステートレスの IPv4/IPv6 トランスレータ(Address Family Translator(AFT)とも呼ばれる)は、この層に含まれるもう 1 つの重要なソリューションであり、IPv6 エンドポイントを IPv4 エンドポイントと通信可能にできます。IETF BEHAVE Working Group は、NAT64 と NAT46 の AFT について機能と動作を標準化するために組織されています。 繁栄このアプローチの目標は、インターネットのサービスとアプリケーションのほとんどを IPv6 上で実行することです。これには、IPv6 を採用する既存アプリケーション(Voice over IP、電子メール、ビデオ)と新興アプリケーション(スマート グリッド、モバイル、センサー ネットワーク)の一式が含まれます。明らかにこれらのアプリケーションは、同時に登場し、同時に準備が整うことはありません。したがって、IPv4 と IPv6 が共存するインフラストラクチャが必要です。パブリック IPv6 アドレスは、無尽蔵と見なせるほど大量に供給されるため、アドレスを必要とするすべてのデバイスに 1 つずつ割り当てられます。接続されたすべてのインターネット デバイスに対して真にグローバルな到達可能性を実現でき、利益をもたらす新しい未開発のサービスの機会が開けます。 移行の開始維持、準備、繁栄からなるシスコの重層的なアプローチにより、サービス プロバイダーは、オール IPv6 インフラストラクチャへの移行を整然と、徐々に、安全な方法で開始できます。CGN などの維持アプローチのソリューションを実装しても、IPv6 を完全に回避できるわけではありません。IPv4 アドレスの枯渇に対する直近の時間的な圧力は軽減されますが、インターネット デバイスの急激な増加に伴い、オペレータが IPv4 インフラストラクチャを活用できる時間は限られたままです。さらに、オペレータは、複数の層のソリューションを同時に展開することもできます。たとえば、NAT44 により個人顧客向けのネットワーク アクセス部分のパブリック IPv4 アドレスの消費を軽減すると同時に、デュアルスタック 6VPE ルータをバックボーンに展開して企業顧客向けの IPv6 VPN サービスをサポートできます。対処すべき重要な問題は、この移行を開始するネットワーク内の場所です。この決定は各お客様の状況に依存しますが、一般的なガイドラインは CGv6 の導入時に提供することができます。この場所は、IPv4 アドレスの枯渇について最大の適用範囲が得られる場所で、隣接するネットワーク アドレス体系が豊富な場所であるべきです。これらの場所はオペレータ ネットワークのバックボーン セクションに収束します。結局、この移行自体は、専門サービス サポートを頼むことにより簡素化されます。このサポートによって評価、計画、展開の作業が行われます。 Cisco Carrier-Grade IPv6 ソリューション(CGv6)IP に関する豊富な経験により、シスコは、CGv6 による IPv6 への移行を先導しています。移行時の維持、準備、繁栄からなる重層的なアプローチは、知名度の高い標準のテクノロジーに基づきます。これらのテクノロジーは、プロバイダーが展開可能な包括的なソリューションのためにプラットフォームおよびサービス提供用のコンポーネントから構成されます。 CGv6 テクノロジーサービス プロバイダーが IPv6 へ移行するために複数のテクノロジーを使用できます。これらのテクノロジーでは、アドレス変換、トンネリング、およびカプセル化の確立した手法が使用されます。CGv6 では、これらのテクノロジーを連続して採用する必要はありません。お客様は、個別のビジネスと技術的な優先順位に基づいて任意の多層的なアプローチを選択できます。 NAT 444NAT とは、1 つの IP アドレスを別の IP アドレスに変換することを意味します。Network and Address Port Translation(NAPT)とは、片側にある複数の IP アドレスを反対側の単一の IP アドレスに変換する NAT を意味します。この場合、異なるパケット フローは、TCP/UDP ポート番号によって区別されます。Large Scale NAT(LSN)は、加入者 NAT デバイスのサービス プロバイダー版です。加入者 NAT デバイスは、家庭または小規模企業のニーズに快適に対処できます。LSN は、何百万もの変換を処理する設計になっていて、プロバイダー ネットワークのバックボーンを対象としています。なお LSN は、IPv4 NAT に限定されません。IPv4 と IPv6 の間の変換にも使用されます。二重の NAT 444 は、サービス プロバイダーがそのネットワーク内で NAT44 による LSN を使用しているのに加えて、加入者が IPv4 NAT を使用する場合のシナリオです。Carrier Grade NAT(CGN)は、LSN と同義語です。 Address Family Translation(AFT)Address Family Translation(AFT)とは、1 つの IP アドレスを別のアドレス ファミリに変換することを意味します。たとえば、1 つの IPv4 アドレスを IPv6 アドレスに変換したり、その逆に変換したりします。この変換は、NAT46(発信側が IPv4 の場合)または NAT64(発信側が IPv6 の場合)と表されることもあります。AFT は、ステートフルとステートレスのいずれにもなります。ステートレス AFT は、IVI とも呼ばれます(ローマ数字で IV = 4 および VI = 6)。なお、IVI は、IPv4 側からの発信と IPv6 側からの発信のいずれもあります。 IPv6 Rapid Deployment(6rd)IPv6 rapid deployment(6rd)は、NAT64 のメカニズムの上に構築され、サービス プロバイダーが、Customer Premise Equipment(CPE; 顧客宅内機器)を提供している既存の IPv4 サイトに IPv6 サービスを迅速に展開することを可能にします。このアプローチでは、IPv4 専用のネットワーク インフラストラクチャを通過するために、IPv4 カプセル化でステートレス IPv6 を利用します。カプセル化(softwire とも呼ばれます)が CPE でサポートされている必要があります。それと同時に、CGv6 ソリューション(6rd ゲートウェイ)は、IPv4 上のインターネット ホストにパケットをルーティングする NAT64 に加えてトンネル終端もサポートする必要があります。プロバイダー バックボーンは引き続き IPv4 上になり、IPv6 ではないお客様はこれまでどおりの方法でネットワークにアクセスします。このテクノロジーの主要な展開実績の 1 つに Free(フランス Iliad グループの ISP)があります。 Dual-Stack Lite(DS-Lite)このシナリオでは、少なくともサービス プロバイダー ネットワークの一部(たとえば、アクセス ネットワークや集約ネットワーク)だけが IPv6 ルーティングをサポートします。CPE は、IPv6 でネイティブにプロビジョニングされるだけです。そのローカルな LAN 上の IPv4 トラフィックは、CPE によって、IPv6 インフラストラクチャ上で CGv6 ゲートウェイにトンネリングされます。カプセル化(softwire とも呼ばれます)が CPE でサポートされている必要があります。加入者の IPv4 アドレス空間はプライベートのアドレスです。CGv6 ゲートウェイは、トンネルを終端し、IPv4 ローカル アドレッシングをグローバルにルーティング可能な IPv4 に変換します(NAT44)。加入者ネットワークで IPv6 を使用できる場合、IPv6 トラフィックは SP インフラストラクチャを介してネイティブにルーティングされます。サービス プロバイダー ネットワークでは、加入者トラフィックに IPv4 NAT オペレーションが 1 回だけ適用されます。 オール IPv6オール IPv6 インターネット インフラストラクチャが普及するのは、まだ先のことだと考えられます。このシナリオでは、IPv4 は、あるとしても控えめに使用されます。ネットワークのすべての部分で IPv6 がネイティブにサポートされます。このテクノロジーでは、すべてのデバイスが固有のアドレスを持つため、各デバイスはグローバルに到達可能になります。これにより、利益をもたらす新しいサービスの機会が与えられます。 CGv6 コンポーネントCisco Carrier-Grade IPv6 ソリューション(CGv6)は、さまざまな製品とサービスのコンポーネントで構成されます。これらのコンポーネントは、新しいハードウェアや既存のプラットフォーム上の新機能からサービス プロバイダー プロダクト ポートフォリオ上の既存の機能までさまざまです。これらのコンポーネントの優れたスケーラビリティと機能の豊富さにより、プロバイダーは包括的なツール セットをトランジションに利用できます。 CRS-1 用の Carrier-Grade サービス エンジン(CGSE)Cisco Carrier-Grade サービス エンジン(CGSE; Carrier-Grade Services Engine)は、業界をリードする CGv6 用ソリューションです。マルチコア CPU コンプレックスを備えており、数千万のアドレス変換と、数十万の加入者に対するギガビットのスループットを持つゲートウェイ機能にまで拡張できます。さらに、短い接続確立時間により、パフォーマンスが大幅に向上します。CGSE は、シスコの実績のあるハイエンド ルーティング システム CRS-1 のすべてのモデル上でサポートされるシングル スロット モジュールです。複数のモジュールをシャーシ内に収容し、CGv6 の適用範囲が最大になるネットワーク内の場所に高性能なソリューションを展開することも可能です。CGSE は、可用性の高いアーキテクチャをサポートし、上位の合法的傍受アプリケーションのためのライン レート アカウンティングと統計ロギングを備えています。 ASR ファミリCisco ASR ファミリ シリーズは、インテリジェントな IP/MPLS エッジ サービスを提供する ASR9000 および ASR1000 プラットフォームで構成されます。Cisco ASR 1000 シリーズは、スケーラビリティの高い WAN およびインターネットのエッジ ルータ プラットフォームであり、アドレス変換、VPN、ファイアウォール、Network-Based Application Recognition(NBAR)、Flexible Packet Matching(FPM)、NetFlow、Quality of Service(QoS)、IP マルチキャスト、Access Control List(ACL; アクセス コントロール リスト)、Unicast Reverse Path Forwarding(uRPF)、Policy-Based Routing(PBR; ポリシーベース ルーティング)などの多様なサービスのための組み込みハードウェア アクセラレーションをサービス ブレードなしで実現します。Cisco QuantumFlow Processor を備えており、並列処理により、CGv6 機能のためのギガビットのスループットで、数百万のアドレス変換にまで対応します。高度にプログラム可能であるため、コンパクトなフォーム ファクタで高速な機能追加速度を実現しています。また、インサービス ソフトウェア アップグレード機能(ISSU)により、このプラットフォームの信頼性は高いものになっています。 SP プロダクト ポートフォリオ図 13 デュアル スタックを備えた SP ポートフォリオ シスコのサービス プロバイダー プロダクト ポートフォリオは、かねてから IPv6 をデュアルスタック テクノロジーとしてサポートしています。お客様は、IPv4 プロトコル スタックの稼動に追加して、パフォーマンスに影響を与えることなく IPv6 を有効にできます。IPv4 と IPv6 の共存は、準備アプローチに含まれるものであり、プロバイダーが同じプラットフォームを使用できます。デュアルスタック テクノロジーのサポートには、他のプロトコルとまじっての IPv6 ルーティング(スタティック、RIPng、IS-IS、OSPFv3、MP-BGP、EIGRP)、モビリティ(モバイル IPv6)、QoS(パケット分類、キューイング、トラフィック シェーピング、WRED、ACL、NBAR)、VPN(6PE、6VPE)、マルチキャスト(PIM-SM、PIM-SSM、PIM-Bidir)、および管理(SNMP、Netflow、Ping、Traceroute)が含まれます。 Cisco Services for IPv6Cisco Services for IPv6 を利用することにより、サービス プロバイダーは、制御された安全かつコスト効率の高い方法で IPv6 へ移行できます。その結果、ビジネスへのリスクは低減します。世界中で IPv6 の実装に成功しているシスコの実績が、グローバルなベスト プラクティスの開発につながっています。このサービスはモジュラ式であり、主要なコンポーネントとして、準備状態の評価、ビジネス計画の評価、実装計画、使用可能化があります。 Cisco CGv6 の利点シスコの Carrier-Grade IPv6 ソリューション(CGv6)は、IPv6 インフラストラクチャへ移行するサービス プロバイダーを支援するように特別に設計されています。CGv6 の利点は、サービス プロバイダーだけでなく、エンド カスタマーにまで拡張されます。 サービス プロバイダーの利点維持、準備、繁栄からなる重層的なアプローチは、IPv4 の枯渇時にソリューションを慌てて構築、実装するのではなく、移行を整然かつ段階的に行うための設計になっています。「維持」アプローチでは、サービス プロバイダーは、貴重な IPv4 アドレスが枯渇するのを遅らせ、所有している IPv4 インフラストラクチャの使用期間をある程度延長できます。その間、加入者とデバイスは制約なしで増え続けることができます。「準備」アプローチでは、サービス プロバイダーは、IPv4 と IPv6 の共存を開始し、IPv6 の運用を増加させることができます。最後の「繁栄」アプローチでは、すべてのインターネット デバイスがグローバルに到達可能になることにより、新しい革新的なサービスの機会が開かれます。 エンド カスタマーの利点エンド カスタマーは、通常、アドレッシングをサービス プロバイダーにまかせています。そのため、間接的に Cisco CGv6 の恩恵を受けます。「維持」アプローチを採用しているプロバイダー内での IPv4 の使用の延長により、加入者は新しいサービスとデバイスに対してアドレスを簡単に取得できます。接続されたホーム デバイスへのインバウンド アクセスは単純化されます。IPv6 アドレッシングの急増により、グローバルなアクセシビリティとモビリティが、新しいサービスの革新をもたらすことができます。最終的に、新興市場とモバイル分野でのネットワークの成長は、先細りする IPv4 アドレス空間の影響を受けなくなります。他の市場と分野は、アドレス割り当てについてこれまで先行していましたが、IPv6 により、新興市場とモバイルの拡大に対して公平にアドレスを割り当てできるようになります。 まとめ最後の IPv4 アドレスが割り当てられる日は、間近に迫っています。問題を先送りすることはこれ以上できません。枯渇に対処するために、業界は IPv6 へ移行する必要があります。しかし、IPv4 と IPv6 のプロトコルには、直接的な互換性がありません。そのため、共存させるにはさまざまな手法が必要です。エンド カスタマーのほとんどは、IP アドレッシングをサービス プロバイダーに依存しています。したがって、これから訪れるアドレスの枯渇に対してオペレータが迅速に計画を立てる必要があります。 シスコは、革新的な Carrier-Grade IPv6 ソリューション(CGv6)で IPv6 への移行を先導しています。CGv6 では、こうした移行時の維持、準備、繁栄からなる重層的なアプローチを採用しています。維持アプローチでは、サービス プロバイダーは、所有している IPv4 アドレスの枯渇を遅らせることができます。準備アプローチでは、サービス プロバイダーは、IPv6 を IPv4 インフラストラクチャに導入して、成長を続けながらそれらを共存させます。繁栄アプローチでは、サービス プロバイダーは、最終的に IPv6 ネットワークへの移行をほぼ完了します。それにより、利益をもたらす新しいサービスへの機会が開かれます。変換、トンネリング、およびカプセル化のテクノロジーが、CGv6 の重層的なアプローチの基礎となっています。これらのテクノロジーは、シスコからの新規または既存のシステム(Carrier-Grade Services Engine(CGSE)for CRS-1、ASR シリーズ、およびサービス プロバイダー プロダクト一式)によって提供されます。この包括的なソリューション一式は、お客様が IPv6 への移行を整然かつ段階的に行えるように支援します。 今すぐ行動を起こすことをお勧めします。 関連情報Cisco Carrier-Grade IPv6 ソリューション(CGv6)についての詳細は、www.cisco.com/go/cgv6 を参照してください。 Cisco CRS-1 についての詳細は、http://www.cisco.com/go/crs を参照してください。 Cisco ASR シリーズについての詳細は、http://www.cisco.com/go/asr を参照してください。 Cisco SP ソリューションについての詳細は、http://www.cisco.com/go/sp を参照してください。 IPv6 についての詳細は、http://www.cisco.com/go/ipv6 を参照してください。 宇宙空間の人工衛星上での Cisco の IPv6 実装についての詳細は、http://www.cisco.com/web/strategy/docs/gov/wood-iac-07-B-2-6-06-paper.pdf を参照してください。 または、最寄りのシスコ代理店にお問い合わせください。 |












