シスコ ワイヤレス LAN ソリューション 導入事例
東京急行電鉄株式会社
イッツ・コミュニケーションズ株式会社
東京急行電鉄株式会社 
イッツ・コミュニケーションズ株式会社
渋谷の街で外国人観光客向けのフリー Wi-Fi サービスを提供
情報の取得と発信の基盤となる安定性の高い無線通信環境を
シスコ ワイヤレス LAN ソリューションで実現

外国人観光客が日本を訪れた際、最も不満に感じているのはフリー Wi-Fi 環境が整備されていないことだという調査結果を踏まえ、東京急行電鉄とイッツ・コミュニケーションズは東急グループの主要拠点である渋谷駅周辺においてフリー Wi-Fi サービスを提供している。駅構内や商業施設の構造、来街者の過密度などを踏まえて信頼性の高い無線通信環境の整備を目指したイッツ・コミュニケーションズは、シスコのワイヤレス LAN ソリューションを選択。集中管理と干渉源の自動検出/補正によって大規模なサービス基盤を効率的に運営している。

経緯
フリー Wi-Fi を提供して外国人観光客の不満を解消
情報の取得と発信を支え、渋谷を魅力ある街に

東京急行電鉄とイッツ・コミュニケーションズ(以下イッツコム)が提供しているフリー Wi-Fi サービス「Visit SHIBUYA Wi-Fi 」は、東京都渋谷区にある渋谷駅の構内(東急/東京メトロ)、渋谷ヒカリエや東急百貨店など駅周辺の商業スペースで、外国人観光客が無料で利用できる無線通信環境ならびに情報提供の基盤として機能している。サービスは 2014 年 3 月 25 日から開始しており、サービス提供施設のインフォメーション コーナーに赴いて外国籍であることを証明するもの(パスポートなど)を提示すると、サービスの利用に必要な ID とパスワードが記載されたリーフレットをもらえる。積極的なプロモーション活動はしていないものの、利用者が 2,000 人を超える月も珍しくない。

東京急行電鉄株式会社 経営企画室 VISIT 渋谷委員会の長武ウ典氏は、このサービスを始めることになった経緯を次のように話す。

「2011 年の観光庁の調査で、日本を訪れる外国人観光客の不満の第 1 位がフリー Wi-Fi 環境の未整備であるという結果が出ており、関係者の間ではよく知られています。そこで、他の街に先駆けて渋谷で環境を整備し、不満を解消したいと考えました。

インターネットを通じて情報を得て、街のことを知り、楽しみ、そして SNS などで自分の体験を発信するという最近の観光客の方々の行動特性を踏まえて、そのサイクルを支える基盤を整えることは、満足度を高めるだけでなく、さらなる来街者の増加にもつながると思ったのです。」
このサービスは渋谷区、渋谷区観光協会とも連携しながら取り組んでおり、サービスのトップ画面では渋谷の街全体の情報を英語で提供するなど、東急グループにとどまらない観光情報を提供するインフラとしても機能している。

同社としては以前から検討していた事案の 1 つだったと長侮≠ヘ話す。

「当社の目標である『日本一訪れたい街、渋谷』の実現のためには、何らかの形で Wi-Fi 環境の整備が必要という意識はありました。今回のサービス開始で、その実現に向けて一歩進めたことになります。2020 年に開催される東京オリンピックに向けて取り組みが加速すると思いますが、仮にオリンピック開催がなかったとしても、これは当社としてやるべくして取り組むことだと捉えていました。

プロジェクトが決定してからサービス提供開始までの期間は、実はかなり短くて 2 ヵ月ほどだったのですが、イッツコムとシスコのご尽力のおかげで無事にスタートできてよかったです。」

プロセス
CleanAir による干渉源の把握と解消の自動化や
高い拡張性によって早期のサービス提供を実現

Visit SHIBUYA Wi-Fi のサービスでは、無線 LAN アクセス ポイントの Cisco Aironet シリーズ、集中管理用のワイヤレス LAN コントローラ、管理ソリューションとして Cisco Prime Infrastructure が用いられている。イッツコムは以前から Wi-Fi 事業を展開しており、その基盤としてシスコ ソリューションを用いていた。拡張性が高く、SSID の追加や新サービスの展開におけるコストや工数を抑えられることや、保守サービスの体制が充実していることが採用の理由で、今回のサービス提供施設(エリア)にもアクセス ポイントなど設備の一部は導入済みだったという。

イッツ・コミュニケーションズ株式会社 ライフソリューション部 主任の田村知章氏は、シスコ ソリューションの高い拡張性や、独自の技術である CleanAir の活用などによってサービス提供を短期間で実現できたと話す。

「渋谷の街は多くの人が集まり、電波の状態が不安定なことも多くあります。今回のサービス提供施設では無線 LAN アクセス ポイントを多数設置していますが、安定した Wi-Fi 環境を保つには干渉の問題は避けて通れません。そこで CleanAir テクノロジーを積極的に活用して、干渉源の把握と解消をほぼ自動化し、運用管理の負担を大きく抑えています。
また、集中管理型のシステムはすごく使いやすいですね。多数のアクセス ポイントを効率的に管理できており、追加導入や拡張のしやすさにも優れています。アクセス ポイントはすべて PoE で接続/給電し、距離や設置場所を念頭に置きながら、なるべく密に配置してカバーエリアと安定性を確保しています。

シスコ ソリューションならではの拡張性や管理性の高さがあったから、短期間でサービス提供を実現できたのだと思います。シスコと構築パートナーの対応も非常に早かったです。」

ちなみに長侮≠ノよると、サービスの提供開始を 3 月にしたのは、日本を訪れる旅行客のピーク時期に合わせたからとのこと。

「日本の桜の季節に間に合わせたかったんですね。4 月の初めは旅行シーズンにあたり、またタイの旧正月(ソンクラーン)の時期で、年間にいくつかあるピーク時期の 1 つなのです。ここできちんとサービスを提供できるようにすることが大切だと思っていました。」

効果〜今後
毎日数十件の利用があり、求められていたサービスと実感
防災情報を伝える基盤としても活用していく

サービスの提供を始めてから半年ほどが経過し、外国人観光客の利用は着実に進んでいる。システムとして大きなトラブルはなく、長侮≠ヘ求められているサービス提供の基盤を実現できたと手応えを感じている。

「サービス開始前は、どのくらいのお客様が利用されるのだろうと不安もありましたが、いざ始めてみたら非常に多くの利用があり、やはり強く望まれていたものだったと感じています。サービス提供施設でポスターやステッカーを掲示するなど、訪れた方々の目になるべく留まるよう工夫しています。それを目にした方がインフォメーション コーナーに来られて、リーフレットを入手して……という一連のサイクルができ上がりつつあります。利便性の高いサービスを実現できたのは、渋谷で複数の施設を運営している当社(東急グループ)の強みが発揮できた結果でもあるでしょう。

「Visit SHIBUYA Wi-Fi」サービス利用の流れ

「Visit SHIBUYA Wi-Fi」サービス利用の流れ
※画像をクリックすると、大きな画面で表示されますpopup_icon

日本人が日本にいるときは、情報入手の手段はいろいろあり、情報を得るのは容易ですが、海外に行くととたんに困難になってしまった経験をお持ちの方は多いと思います。これは海外から日本を訪れる人も同じで、テレビやラジオもよくわからず、困ってしまうわけです。そんなときに Wi-Fi 環境を通じて英語や母国語で情報を得られるというのは、その地を旅行するうえで最低限満たさなければいけない環境だとあらためて感じました。」

同社としては、このサービスを東急グループだけのものではなく、渋谷の街全体のインフラとして育てていきたいという思いがある。田村氏は、シスコが持つ豊富な事例も参考にしていきたいと話す。

「最近は東京オリンピックの絡みもあって、グループ外のところからもお声掛けいただく機会が増えています。街のいろいろな方と連携しながら、発展させていきたいですね。

シスコは、グローバルで豊富な事例があり、こうした街全体の取り組みにも知見を持っているので、そこから学ぶことが多くあります。今後も製品、技術、事例など多種多様な情報をご提供いただけると、こちらも新しいことを考えるきっかけになります。」

今後の取り組みの 1 つとして、この Wi-Fi 環境を活用した防災対応が挙げられる。現在も渋谷区と連携し、サービスのトップ画面で地震に遭遇した際の注意情報や、帰宅困難者の受け入れ施設案内を掲載している。これらの情報は日本語と外国語で表示されており、外国人観光客にとどまらない基盤として発展させていきたいと長侮≠ヘ話す。

「日本人にとっては、地震が来たら机の下や頑丈なものの下に隠れるといった基本的な対処はほぼ常識ですが、外国の方はそうしたこともご存じありません。自分の身を守り、安全を確保するための基礎的な情報を提供することで、不安を解消していただければと思っています。

東日本大震災のときに Wi-Fi 環境が情報の取得と発信に有用だった実績もあり、行政側も期待しているところが大きいです。災害時に皆様にご利用いただける基盤としても、今後整備していくことが重要でしょう。

このサービスと基盤を活かして、渋谷の街をさらに魅力あるものにしていきたいと思っています。日本を訪れるときには、ぜひ渋谷にもお越しください。」

導入ソリューション、サービス

  • 無線 LAN アクセス ポイント
    Cisco Aironet 3600 シリーズ
    Cisco Aironet 3500 シリーズ
    Cisco Aironet 2600 シリーズ
  • ワイヤレス LAN コントローラ
    Cisco 8500 シリーズ
    Cisco 5500 シリーズ
  • 管理ソリューション
    Cisco Prime Infrastructure

導入前の課題、検討事案

  • 渋谷の街にフリー Wi-Fi 環境を整備することで、外国人観光客の不満を解消し、観光地として魅力ある街づくりを推し進めたいと考えていた。
  • 構造の複雑な駅構内や商業スペースで、安定して無線通信が利用できるようにする必要があった。

導入効果

  • 利用者が 2,000 人を超える月もあり、必要なサービスであることをあらためて実感している。
  • 多数のアクセス ポイントの集中管理と干渉源の把握/ 解消の自動化で高品質な無線通信環境を常に保っている。
  • 地震の際の安全確保の情報提供など地域の防災対応とも連携している。
東京急行電鉄株式会社
経営企画室 VISIT 渋谷委員会
長 正典 様

東京急行電鉄株式会社
経営企画室 VISIT 渋谷委員会
長 正典 様

イッツ・コミュニケーションズ株式会社
ライフソリューション部
主任
田村 知章 様

イッツ・コミュニケーションズ株式会社
ライフソリューション部
主任
田村 知章 様

東京急行電鉄株式会社

東京急行電鉄株式会社

本社所在地
東京都渋谷区南平台町 5-6
設立
1922 年 9 月 2 日
資本金
1,217 億 24 百万円(2012 年 3 月 31 日現在)
従業員数
4,276 名(2013 年 6 月 30 日現在)
URL
http://www.tokyu.co.jp

鉄軌道事業、都市開発事業、生活サービス事業をはじめさまざまな事業を展開。他社線との相互直通運転による利便性の向上、大型開発事業の推進や環境に優しい街づくりと沿線活性化など、これらの事業を連携し、相乗効果を発揮させることで沿線価値の向上に努めている。

イッツ・コミュニケーションズ株式会社

イッツ・コミュニケーションズ株式会社

本社所在地
東京都世田谷区玉川 2-21-1 二子玉川ライズ・オフィス
設立
1983 年(昭和 58 年)3 月 2 日
資本金
52 億 9 千 4 百万円
従業員数
487 名(2014 年 4 月 1 日)
URL
http://www.itscom.net/

東急沿線地域をカバーするケーブル事業者として、放送サービス、ネットワーク サービスを提供。すべての情報伝達を一元管理できる「光ハイブリッド方式」のネットワークを活かして、ユーザの生活スタイルに合わせたサービスを提供しており、新たなニーズにも素早く対応し続けている。沿線の地域情報を伝えるローカル コンテンツ サプライヤとしても実績を持ち、地域の生活に密着した情報を日々提供している。