データセンター ユーザ事例

NTT データ、社内情報システム基盤を Cisco UCS で仮想化統合

社内情報システム基盤を Cisco UCS で仮想化統合し TCO を削減 その経験とノウハウを総合クラウドサービス「BizXaaS®」にも展開  株式会社NTTデータ

社内情報システム基盤を Cisco UCS で仮想化統合

「Global IT Innovator」をグループビジョンとして掲げ、IT基盤の構築・運用で豊富な経験と実績を持ち、34カ国、145都市に拠点を持つグローバル企業である株式会社 NTT データ。同社では社内システムの TCO 削減と戦略的 IT 投資強化を目的に、システム基盤の仮想化統合が進められている。これを支えるプラットフォームとして活用されているのが Cisco Unified Computing System(UCS)だ。採用の理由は仮想化に最適化された革新的なアーキテクチャと、優れたコストパフォーマンス。導入後は安定性や信頼性も高く評価されている。この仮想化統合によってサーバ提供のリードタイムを半減、TCO も 50 %削減された。NTT データはこの経験とノウハウを、同社の総合クラウドサービスである「BizXaaS®(ビズエクサース)」にも活用。企業の変革パートナーとしてのソリューション提案力を、さらに強化している。

TCO 削減のためシステム基盤を仮想化統合
そのプラットフォームに Cisco UCS を採用

情報システム基盤の TCO をいかにして削減していくか。これは多くの企業が長年にわたって取り組んでいる重要課題の 1 つだといえる。そのための手段として近年大きな注目を集めるようになったのが、システム基盤の仮想化統合だ。業務アプリケーション毎にシステム基盤を用意するのではなく、全社で統合されたシステム基盤を構築し、その上で各種業務アプリケーションを動かしていこうというのである。 このシステム基盤の仮想化統合を、Cisco Unified Computing System(UCS)で実現しているのが、株式会社 NTT データだ。同社は企業向け業務システム構築や共同利用型センターの構築運用などで、豊富な経験と実績を持つ システムインテグレータ。自らも 100 を超えるシステムを保有し、IT 活用を積極的に進めている。

TCO 削減のためシステム基盤を仮想化統合   そのプラットフォームに Cisco UCS を採用

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しかし「従来は業務アプリケーション毎にシステム基盤を設計・構築してきたため、サーバ等の機器が増加し、運用も煩雑化していました」と振り返るのは、株式会社 NTT データ IT マネジメント室長の切田 仁氏だ。システムは主として UNIX サーバや Linux サーバで構成されており、サーバの数は 130 台を突破。システム毎に重複する機能が多く、設置スペースや消費電力も大きかったと言う。「これらのシステムのほとんどは 2004 年から 2005 年にかけて導入されており、ハードウェアの老朽化やソフトウェアのサポート切れも大きな問題になっていました。また今後戦略的な IT 投資を進めていくには、システムの維持・運用に費やされるコストを削減することも求められました」 これらの問題を解決するため、2009 年 9 月に次世代システム基盤構築の企画に着手。「業務プロセスの優先度や可用性に応じて必要なサービスレベルをパターン化し、仮想化統合したシステム基盤でそれらを実現することで、システム開発・運用コストを大幅に削減することを目指しました」と切田氏は説明する。

「当初は 2U サイズのラックマウント型サーバの導入を検討していました」と言うのは、株式会社 NTT データ 基盤システム事業本部 システム方式技術ビジネスユニット 第二技術統括部 第二技術担当 課長代理の山田 正和氏。しかし 2U サーバでは中規模以上の仮想化統合環境での維持コストが十分に下がらないと判断し、導入予定サーバをブレード型へと変更。主要サーバベンダの製品を機能面・運用面・コスト面で机上比較し、最終的に Cisco UCS の採用を決定したのである。

革新的なアーキテクチャを高く評価
コストパフォーマンスの良さも魅力

それではなぜ全社情報システムのプラットフォームとして Cisco UCS が採用されたのか。「CiscoのUCSの持つ、サービスプロファイル機能やファブリック統合などの機能で構築フェーズや運用フェーズにおいて新しいアプローチが可能となるところが非常に魅力的でした。」と山田氏。これなら仮想化統合による TCO 削減効果を、最大限に引き出せると判断したと言う。そしてこのアーキテクチャによって、大きく3つの魅力が生み出されていると指摘する。 まず第 1 はシステム構成が極めてシンプルになることだ。Cisco UCS はアーキテクチャ レベルでシンプルさを徹底的に追及しており、システム全体の構成要素が一般的なブレード サーバに比べて圧倒的に少なくなる。ネットワークはファブリック インターコネクトに収容され、ケーブル類も極めて少ない。さらにストレージ ネットワークもファブリック インターコネクトに統合できるため、SAN スイッチやストレージ接続のケーブルも削減できる。またUCS Managerによりシステム全体の統合管理が可能であるため、運用管理もシンプルになり運用コスト削減に寄与している。

第 2 はネットワークとの親和性の高さである。仮想化統合によってシステム基盤をクラウド化するには、ネットワークの複雑性排除が重要な鍵になる。Cisco UCS はこの点も強く意識されており、前出のI/O統合や管理ポイントを大幅に削減したファブリックエクステンダーテクノロジーを採用して複雑性を排除し、ネットワークとの相互運用が容易になっている。

Cisco UCS の魅力

Cisco UCS の魅力
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そして第 3 が仮想化技術との高い親和性を持っていることだ。Cisco UCS には、仮想 NIC 毎の QoS 制御が行える仮想インターフェース カード(VIC)や、最大 6,400 物理コア(2011年8月時点)を単一のレイヤ 2 ネットワークで統合できるスケーラビリティ等、仮想化技術のメリットを最大限に引き出せるハードウェア設計がなされている。またサービス プロファイルによって、サーバ導入や交換などの運用負担も、大幅に軽減できるようになっている。 これらだけではなく、プライベートクラウド環境のTCOを低く抑える仕組みがあることも大きな魅力だと山田氏は付け加える。「Cisco UCS ならサービスプロファイル機能を活用することで、仮想サーバのスケールアウト時の対応工数の圧縮とリードタイムの短縮を同時に実現できます。また CPU 単体の能力も高いため、CPU 数でライセンス料金が変動するOracle等のソフトウェアのライセンスも、大幅に削減できる可能性があります」

Cisco UCS の採用が決定したのは 2010 年 4 月。すぐにハードウェア構成の設計を開始し、7 月には機器を搬入。8 月に単体試験、10 月にUCSとしての総合試験を完了した。2010 年11月から2011年3月にかけて業務アプリケーションも含めたシステムテストを行い、2011年4月から5月上旬にシステム移行を実施した。そして 2011 年 5 月に「購買管理」「電子決裁」「勤怠管理」などの複数のシステムがこの環境でサービスを開始。2011 年 8 月には「人事給与」と「会議体支援(プロジェクト毎の意思決定ワークフローシステム)」の移行も完了した。

サーバ提供のリードタイムを半減
50 %に上る TCO 削減効果も

UCSを用いたリードタイム短縮

UCSを用いたリードタイム短縮
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システム基盤を Cisco UCS で仮想化統合することで、保守・運用性は大きく向上した。特に注目すべきなのが、サービス プロファイルによってサーバ提供のリードタイムが削減できたことだと山田氏は言う。「事前にプロファイルを作成して仮想化ホストを事前に導入しておけば、新しいブレードを追加する場合でも設定は 30 分程度で済んでしまいます。もちろん従来と同じように OS 導入や動作確認、各種試験も行う必要がありますが、これらを全て合わせてもリードタイムは従来の半分以下になっています」

5年間のTCO比較

5年間のTCO比較

サービスレベルの維持も容易になった。まず VIC の活用によって、仮想マシン毎のネットワーク帯域をコントロールできるようになり、優先度の高いアプリケーションの帯域確保を、仮想環境で実現できるようになっている。他の仮想マシンのトラフィックが大きく変動しても、安定したアクセスが可能なのだ。 また物理サーバのメンテナンスが必要な場合には、ライブ マイグレーションによって仮想マシンを他の物理サーバに移動するという運用が行われているが、VICによって実現可能なVM-FEXテクノロジーを利用すれば仮想マシンのネットワーク ポリシーを移動後も維持できるため、このような運用も行いやすくなっているという。これはリードタイム短縮にも大きな貢献を果たしている。

5年間のCO2排出量比較

5年間のCO2排出量比較

TCO も大幅に削減された。従来のシステムに比べ、初期投資は 58 %、保守費は 17 %、ラック費は 58 %削減された。これらを合わせたトータルの TCO 削減効果は 50 %に上っている。 省電力効果も見逃せない。これはシステム全体の構成要素が削減されたことと、Cisco UCS 自体の省電力設計によってもたらされている。これに伴い CO2 排出量は 79 %削減。5 年間の累計では 3,540 トンの削減効果があると試算されている。

「Cisco UCS は確かに先進的な製品だと思いましたが、ネットワーク ベンダーであるシスコのサーバで本当に大丈夫なのか、最初の頃は正直に言って不安を感じていました」と切田氏。すでに 2009 年には NTT データ社内の R&D 部門で実機検証が行われており、信頼性、パフォーマンス共に問題ないという結論が出ていたが、実際に使ってみるまでは不安を払拭できなかったと振り返る。しかし運用を開始してみると、この不安は全くの杞憂だったと言う。「導入してから現在まで、ハードウェアのトラブルは全くありません。極めて安定した状態で稼働しています」 現在は順次社内システムの移行が進められており、ブレード サーバの増設も行われている。2011 年 8 月時点のブレード数は 24 枚。2012 年度末までには全システムの移行を完了させ、その時点で合計 32 ブレードが導入されると予測されている。

社内システムで培われたノウハウを
クラウドサービス『BizXaaS』でも活用

「今回の社内システム改革プロジェクトは、企業におけるクラウド基盤構築のモデルケースになると確信しています」と言うのは、株式会社 NTT データ基盤システム事業本部 システム方式技術ビジネスユニット長の吉岡 誠氏。ここで得られたノウハウは、NTT データが提供する『BizXaaS』にも活かされていると説明する。『BizXaaS』とは、最適化コンサルティングからマイグレーション、クラウド構築、運用管理、プラットフォーム サービスに至るまで、幅広い領域をカバーした総合的なクラウドサービス。2010 年 2 月にリリースされ、同年 4 月からサービスを開始している。 「クラウドの領域では言葉やコンセプトが先行していましたが、Cisco UCS の登場によってようやくプラットフォームが追いついてきました」と吉岡氏。NTT データが培ってきた社会情報インフラや IT システム構築の豊富な実績と、シスコが持つ最新テクノロジーを組み合わせることで、最適なクラウド基盤構築ソリューションを提供できると言う。「日本企業が置かれた経済環境は厳しさを増しており、最適なクラウド基盤構築がよりいっそう求められるようになっています。この取り組みを推進する上でも、シスコは重要なビジネスパートナーなのです」

ビジネスを変革するクラウド・コンピューティングへ クラウドで変える。NTTデータの総合クラウドサービスBizXaaS

導入の背景/課題

  • 2006年に全面的にシステムを更改したNTTデータの社内システムは、ハードウェアやソフトウェアの保守切れやEOS、システム維持管理コストの増加といった課題に直面していた。
  • 従来、システム個別に最適化・標準化を進めてきた個別最適基盤に対し、TCOを削減し、より効果的なIT投資を実現するには、仮想化統合による基盤最適化が必要と判断した。
  • 「システム基盤の最適化」の取り組みの1つとして、Cisco UCSの採用を検討。事前に社内で評価・検証を行った結果、性能・信頼性共に十分高いことが実証され、特にスケールアウト構成に適したサーバアーキテクチャであったため、UCSが採用された。
  • 2012年度末までに社内情報システム(基幹系)の移行が完了する予定。

導入ソリューション

  • Cisco Unified Computing System(UCS)  
    • Cisco UCS 6120 ファブリック インターコネクト  
    • Cisco UCS 5108 ブレードサーバ シャーシ  
    • Cisco UCS B200 M2 ブレードサーバ
  • Cisco Nexus 7000 スイッチ
  • Cisco Catalyst 3560 スイッチ
  • Cisco Catalyst 2960 スイッチ
  • Cisco MDS 9100 ファイバチャネルスイッチ
  • Cisco ASA 5500 適応型セキュリティアプライアンス (2011年8月現在)

導入効果

  • サーバの仮想化統合やファブリックインターコネクトによるネットワーク統合等によって、ハードウェアの数が大幅に削減された。クラウド基盤の導入により、TCOは以前に比べ50%削減されている。
  • サーバ群の一元管理やプロファイルの機能によって、運用が効率化された。
    プロビジョニングのリードタイムも、以前に比べて半分以下に短縮された。
  • 低消費電力製品の採用とハードウェア数の削減によって、CO2排出量も削減された。
    削減効果は79%、5年間で3,540トンに達すると試算されている。
株式会社 NTT データIT マネジメント室長切田 仁 氏

「従来は業務アプリケーション毎にシステム基盤を設計・構築してきたため、サーバ等の機器が増加し、運用も煩雑化していました。これを業務プロセスの優先度や可用性に応じて必要なサービスレベルをパターン化し、仮想化統合したシステム基盤でそれらを実現することで、システム開発・運用コストを大幅に削減することを目指しました」


株式会社 NTT データ
IT マネジメント室長
切田 仁 氏

株式会社 NTT データ基盤システム事業本部システム方式技術ビジネスユニット第二技術統括部第二技術担当課長代理山田 正和 氏

「Cisco UCS は仮想化に最適化された、革新的なシステム アーキテクチャを持っています。これなら仮想化統合による TCO 削減効果を、最大限に引き出せると判断しました」


株式会社 NTT データ
基盤システム事業本部
システム方式技術ビジネスユニット
第二技術統括部
第二技術担当
課長代理
山田 正和 氏

株式会社 NTT データ基盤システム事業本部システム方式技術ビジネスユニット長吉岡 誠 氏

「今回の社内システム改革プロジェクトは、企業におけるクラウド基盤構築のモデルケースになると確信しています。このノウハウは私どものクラウドビジネスである『BizXaaS』にも活かされています」


株式会社 NTT データ
基盤システム事業本部
システム方式技術ビジネスユニット長
吉岡 誠 氏

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ
所在地 : 東京都江東区豊洲3-3-3 豊洲センタービル
設立: 1988 年(昭和 63 年)5 月
資本金 : 1,425 億 2 千万円(2011年 3 月現在)
従業員数 : 10,139 名(2011 年 3 月現在)
売上高 : 1 兆 1,619 億円(2010年度実績)

日本を代表するIT企業の1社。「Global IT Innovator(世界的な規模とスケールで、IT を使って社会を変革していく企業)」をグループビジョンとして掲げ、企業向け基盤システムや共同利用型センターの構築・運用などで、豊富な経験と実績を持つ。ソリューションの拡充とグループ企業を横断したサービス提供を行うと共に、34カ国145都市、約24,000人体制を確立し、グローバル ビジネスも積極的に展開。情報技術によって新しい「しくみ」や「価値」を創造することで、より豊かで調和の取れた社会の実現に貢献し続けている。
注)「BizXaaS」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。