コラボレーション ユーザ事例

関西電力 株式会社、グループ内の Web 会議基盤 として Cisco WebEx Meetings Server を採用

グループ内のWeb会議基盤として
Cisco WebEx Meetings Serverを採用
出張コストの削減と情報伝達の円滑化を目指す 関西電力株式会社(関西電力グループ)

関西電力株式会社を中核に、エネルギーをコアとした幅広い事業を展開している関西電力グループ。ここではコミュニケーションのスピードや効率の向上、出張コストの削減のために、オン プレミス型のWeb会議ソリューションCisco WebEx Meetings Serverが導入され、2013年4月から運用を開始している。グループ内の情報分野を担う関電システムソリューションズがシステム構築と運用を担当、関西電力をはじめとするグループ各社に、同社のサービスとしてCisco WebEx(以下、WebEx)の機能を提供しているのだ。遠隔地間のWeb会議はもちろんのこと、変電所などでの事故対応や大規模な集会、教育研修にも活用。2014年度以降は関西電力だけで、年間1億円を超えるコスト削減を見込んでいる。またグループ会社でもすでに10社が利用を開始。グループ内の人と人をつなぐコミュニケーション基盤として、重要な役割を担うと期待されている。

遠隔地間の会議を手軽に行うため
オン プレミス型のWebExを導入

 出張旅費などのコスト抑制と、社内のきめ細かいコミュニケーションの両立をいかにして実現するか。これは多拠点でビジネスを展開する企業にとって、避けて通れない重要課題だといえる。メールやファイル共有だけでは伝えきれない情報を伝達するには、どうしてもフェイストゥフェイスのコミュニケーションが必要になる。しかし、遠隔地にいる社員同士でこのような活動を行うには、移動に伴うコストや時間がかかってしまう。

 このような悩みをオン プレミス型のWebExで解消しつつあるのが、関西電力株式会社(関西電力グループ)だ。同社は近畿地方を営業エリアとする電力会社。半世紀以上にわたって電力の安定供給に務める一方で、60社を超える関西電力グループを展開、エネルギーをコアにした幅広いビジネスを行っている。

 「関西電力グループは、安全や品質を徹底的に追求する一方で、スピードや効率の向上も重視しています」と説明するのは、関西電力株式会社 経営改革・IT本部 ビジネス構造改革推進グループでチーフマネジャーを務める浜田 誠一郎氏。出張旅費の削減も、効率向上を実現する上で、欠かすことのできないテーマなのだと指摘する。関西電力には多数の拠点があり、拠点間の会議も数多く行われている。またグループ内の関係会社とのミーティングも少なくない。本社ビルには100室近くの会議室が用意されているが、これらも常に埋まっている状況だと言う。

 会議参加に伴う出張回数について「年間の延べ人数で36万人に達しています」と説明するのは、関西電力株式会社 経営改革・IT本部 ビジネス構造改革推進グループでリーダーを務める石川 靖剛氏だ。「遠隔地間の会議のためにテレビ会議システムも導入されていますが、導入コストが高いため、各事業所に1〜4セットまでの設置に留まっており、会議が重複して利用できないことが多々起きていました。また、設置場所が特定の会議室に固定されることも、利用が敬遠される一因でした。さらに、テレビ会議システムを持たないグループ会社とは遠隔地間での会議ができないという弱点もありました」。

 遠隔地間での会議を、もっと手軽に行うことはできないか。この問いに対する答えとして、Web会議システムに着目したのは2011年10月だった。その後、Web会議システムに関する調査を進め、2012年6月から本格的な製品検討をスタート。約3ヶ月かけて複数のソリューションの使い勝手や品質を比較し、さらに2ヶ月かけて費用対効果を検証していった。その結果選ばれたのが、オン プレミス型のWebExだったのである。

 2013年1月にシステム構築を開始。2013年3月にはシステムを完成させ、2013年4月に運用を開始している。システムの構築・運用はグループ内の情報分野を担う関電システムソリューションズが担当。関西電力とグループ会社に対するサービスとして、WebExの機能を提供している。

シェアと品質、使い勝手、コスト、セキュリティを重視
他システム連携の取り組みも高く評価

 それではなぜオン プレミス型のWebExが選ばれたのか。大きく6つのポイントがあると浜田氏は説明する。

 まず、大前提となったのは、市場でのシェアの高さだ。「十分なシェアを獲得できてきない製品は、OSのバージョンアップ時に対応できない等、将来の不安があります」と浜田氏。この点、SaaS版のWebExは米国で高いシェアを獲得しており、日本国内でも契約数が伸びている。これなら長期的に安心して使えると判断したという。

 第2のポイントは、映像や音声の品質だ。関西電力は約20名が参加する実機検証を、WebExを含む4社のソリューションを対象に実施し、品質を確認している。「映像の滑らかさや音質のクリアさは、ソリューション毎に異なります。実際に比較した結果、WebExが最も高品質でした」(石川氏)。

 第3は使い勝手。ユーザ インター フェースがWindowsに似ており、一度使えばすぐに慣れると浜田氏は言う。またタブレット(iPad)やスマートフォン(iPhone)での操作性も優れていると指摘。今後はノートPCだけではなく、スマート デバイスの活用も視野に入れているため、このような特徴も重要だった説明する。

 第4はコスト。ビジネス内容や財務状況が異なるグループ各社に幅広く利用してもらうには、サービス品質を維持しながら、できる限り利用料金を抑える必要がある。通信コストまで含めた試算によれば、今回行われたオン プレミス型WebExの導入は、SaaS型のWebExよりも低い総所有コストを実現していると言う。

 第5のポイントは、他システムとの連携に関するシスコの前向きな取り組みである。前述のように、関西電力ではすでにテレビ会議システムが導入されているが、これとWebExとの連携の実現の方向性を示したのだ。「取り組みの中にはこの他にも、Microsoft Office製品との連携等が含まれています。シスコはWebExを単なるWeb会議システムとしてだけではなく、コミュニケーションの根幹をなす基盤ソリューションとして提案してくれました。このような姿勢も高く評価しています」。

 そして第6 のポイントがセキュリティの高さだ。SE/Linuxで拡張された仮想アプライアンスであるため不正アクセスに強く、通信もSSL とAES によって暗号化されている。また万一不正アクセスが行われたとしても、サーバに共有データが残らない仕組みになっているため過去の情報を悪用されるようなことがない。さらに、Web会議開催中に予期せぬ参加を防ぐための施錠や、強制退出機能も用意されているのである。

 その一方で「ソフトウェア製品としての完成度が高く、システム構築をスムーズに行えたことも大きなメリットです」と指摘するのは、WebExのシステム構築・運用を担当する関電システムソリューションズ株式会社の高宮 順氏だ。今回のシステム構築では、すでに関電システムソリューションズが構築・運用していたグループ全体のユーザ認証システムと連携させ、シングル サインオンを実現することが求められたが、これも全く問題なかったと言う。「認証システムとの連携も含めわずか3ヶ月でシステムを立ち上げましたが、通常の新規システム構築がこれだけ短期間で完了することはほとんどありません。技術検証の期間も短く、当初はかなり厳しい案件だと感じましたが、驚くほど順調に導入できました」。

 構築されたシステムの構成は図に示す通り。ユーザがWebExのサーバに接続すると、認証システムに対して自動的にSAML(Security Assertion Markup Language)認証リクエストが送られ、認証サーバへの認証要求が行われる。この認証結果に基づき、WebExへのアクセス可否を判断、シングル サインオンでWebExの利用を開始できるのである。

関西電力グループが導入したオン プレミス型WebExと、認証システムとの連携。グループ各社のユーザは、既存の認証システムによって、シングル サインオンでWebExを利用できる。

関西電力グループが導入したオン プレミス型WebExと、認証システムとの連携。グループ各社のユーザは、既存の認証システムによって、シングル サインオンでWebExを利用できる。
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多様な用途で活用しコストを削減
利用者へのアンケートでも高い評価

 2013年10月現在、WebExを使用するため、全所属グループ(部・課など)に対し、1〜2台の外付けWebカメラを配備している。その一方で2013年4月から、Webカメラを内蔵したノートPCへの移行も始まっており、2014年3月にはこの移行が完了する予定になっている。またタブレット(iPad)も、役員や幹部社員、営業職を中心に約1000台が配布されており、タブレットによるWebExの利用も始まっているという。

 「まだ利用できる人が限定されている状況ですが、現在月平均で160回の会議がWebEx上で行われており、延べ数千人がこれらの会議に参加しています」と石川氏。これによってすでに月間300万円のコスト削減効果が得られていると言う。「Webカメラ内蔵PCへの移行が完了する2014年度以降は、月間で1000万円、年間で1億円を超える効果が出てくるはずです」。

 しかしWebExのコスト削減効果のポテンシャルは、この程度にとどまるものではないはずだとも言う。出張に伴うコストは、関西電力だけで年間約15億円に達しているからである。今後さらに大きな効果を引き出すには、WebExの利用者と利用頻度をできる限り増やす必要がある。そのために現在、代表的な活用例をまとめて、プロモーションを行っている最中だと浜田氏は説明する。

 その一例として挙げられているのが、変電所の事故復旧での利用ケースだ。変電所の事故復旧の際には、関係支店や電力所電気課、支店設備計画グループなど、複数の拠点とやり取りしながら作業を進める必要がある。従来は社内電話で打ち合わせを行っていたが、多拠点間のコミュニケーションを同時に行うことができず、音声だけではきめ細かい情報のやり取りが難しいという問題があった。このような問題を解消するため、2013年8月に発生した落雷による破損事故では、復旧作業にWebExを活用。多拠点間とのよりスムーズな情報連絡が可能になり、その利便性・有効性が確認されたのである。

 多数の拠点の従業員が参加する大規模な会議でも、WebExは大きな効果を発揮している。例えばある支店では、管内全事業所17拠点が参加する会議を定期的に開催しているが、2011年までは社外に会場を用意し、そこに参加者全員が集まる必要があったため、会場確保や移動に伴うコスト負担が大きかったと浜田氏は振り返る。そこで2012年にはテレビ会議の利用に切替えてコスト削減を図ったが、映像と資料を同時に表示できない、テレビ会議室の収容人数に制約がある、テレビ会議システムが設置されていない拠点からは参加できない、等の問題を抱えていた。これらの問題を解決したのが、2013年の会議で利用されたWebExである。これによって大幅なコスト削減を実現すると共に、参加者の満足度も向上。アンケート調査では約85%がWebEx経由での会議参加に満足と回答している。

 オンラインセミナーでの利用も始まっている。例えば本店・各支店の情報通信部門では社内のITキーマンを対象にした講習会を年に10回のペースで開催しているが、2013年6月以降はWebExを活用したオンラインセミナー方式へと移行している。演習を含む講習会は、テレビ会議システムでは内容を理解しにくいため、以前は情報通信部門の担当者が直接セミナー会場まで出張し、講習会を開催する必要があった。しかしWebExなら説明用画面と操作画面の2画面をPCに表示できるため、演習内容を理解しやすく、質疑応答も行いやすい。セミナー開催時のアンケート結果でも、100%が音声・資料共有の品質に問題ないと回答、今後もオンラインセミナーでよいとの回答も96%に達している。

グループ会社もすでに10社が利用を開始
現場情報の収集ツールとしての活用も

 「このような好事例を積み重ね、社内に紹介することで、WebExに対する認知をさらに高めていきたいと考えています」と浜田氏。その一方で、グループ会社へのアピールも、積極的に進めていきたいと言う。サービスの提供を開始して約半年、WebExを利用しているグループ会社は10社。この他に3〜4社が、近いうちに利用を開始する予定になっている。当初は「初年度の参加は10社程度」と予想されていたが、予想よりも順調な滑り出しになったと言えるだろう。

 WebExを利用しているエネルギー事業分野のグループ会社では、現場情報の収集ツールとしての活用を重視しているケースもあると言う。電気設備の設計・施工・管理などの業務において、設備現場の映像をWebExで共有することで、業務の効率化や問題解決の迅速化を進めている。

 このように関西電力グループでは、遠隔地間の会議はもちろんのこと、大規模な集会、教育研修、現場からの情報収集や問題対応など、実に多岐にわたるシーンでWebExが活用され始めている。今後利用者が増えていけば、その利用価値はさらに高まっていくだろう。グループ内の人と人をつなぐコミュニケーション基盤として、重要な役割を担う存在になっていくと期待されているのだ。

関西電力株式会社
(2013年10月20日現在)

関西電力株式会社
(2013年10月20日現在)
所在地
大阪府大阪市北区中之島3-6-16
設立
1951年(昭和26年)5月
資本金
4,893億円

近畿エリアで営業を行う電力会社。電力供給地域は大阪府、京都府、兵庫県(一部を除く)、奈良県、滋賀県、和歌山県の2府4県に加え、三重県・岐阜県・福井県の各一部もカバー。契約口数は1351万口、最大約3500万kWの電力供給力を持つ。電力の安定供給に務める一方で、関西電力グループとして幅広い事業も展開。エネルギーをコアに、くらしの基盤となる領域で、「お客さま満足No.1企業」を目指している。

導入の背景/課題

  • 安全や品質を徹底的に追求する一方で、スピードや効率の向上も重視。その一環として、会議参加に伴う出張旅費の削減が重要な課題になっていた。
  • 従来から遠隔地間の会議のためにテレビ会議システムも導入されていたが、導入コストが高いため導入数が制約されていた。また、既存システムは映像や音声の品質は高いが、資料共有やグループ会社間での利用が難しいという問題もあった。
  • より手軽に遠隔地間の会議を行うため、Web会議システムの導入を検討。市場シェア、品質、使い勝手、コスト、セキュリティを評価した結果、Cisco WebEx Meetings Serverの採用を決定した。また既存のテレビ会議システム等との連携実現に取り組んでいることをシスコが示したことも高く評価された。

導入ソリューション

  • Cisco WebEx Meetings Server
    (オン プレミス型Web会議ソリューション)

導入効果

  • 出張に伴う旅費・移動人件費の削減に繋がった。導入初年度の現在はまだ過渡期にあるが、すでに月間300万円を削減、2014年度以降は関西電力だけで年間1億円を超える効果が見込まれている。
  • 日常的な会議だけではなく、変電所等の事故対応や、大規模な集会、教育研修での活用も始まっている。映像・音声の品質が高く、資料共有も同時に行えるため、情報伝達が円滑になった。

「安全や品質を徹底的に追求する一方で、スピードや効率の向上も重視しています。出張旅費の削減も、そのための重要なテーマです」

関西電力株式会社
経営改革・IT本部
ビジネス構造改革推進
グループ
チーフマネジャー
浜田 誠一郎 氏

関西電力株式会社
経営改革・IT本部
ビジネス構造改革推進
グループ
チーフマネジャー
浜田 誠一郎 氏

「導入初年度の現在はまだWebカメラ内蔵型PCへの移行の過渡期ですが、2014年度以降は関西電力だけで月間1000万円、年間1億円を超えるコスト削減が可能になるはずです」

関西電力株式会社
経営改革・IT本部
ビジネス構造改革推進
グループ
リーダー
石川 靖剛 氏

関西電力株式会社
経営改革・IT本部
ビジネス構造改革推進
グループ
リーダー
石川 靖剛 氏

「認証システムとの連携も含め、わずか3ヶ月でシステムを立ち上げました。当初はかなり厳しい案件だと感じましたが、驚くほど順調に導入できました」

関電システムソリューションズ株式会社
電力ビジネス事業本部
電力ビジネス統括部
電力ソリューショングループ
アシスタントマネジャー
高宮 順 氏

関電システムソリューションズ株式会社
電力ビジネス事業本部
電力ビジネス統括部
電力ソリューショングループ
アシスタントマネジャー
高宮 順 氏

WebExを使用したミーティングの様子。相手の顔とミーティング資料を画面に表示しながら、離れた場所でもきめ細かい情報伝達が行える。

WebExを使用したミーティングの様子。相手の顔とミーティング資料を画面に表示しながら、離れた場所でもきめ細かい情報伝達が行える。

1カ所に複数の参加者がいる場合のミーティング風景。各自がノートPCでWebExを利用する一方で、代表者のPC画面をプロジェクターに投影するといったことも行われている。

1カ所に複数の参加者がいる場合のミーティング風景。各自がノートPCでWebExを利用する一方で、代表者のPC画面をプロジェクターに投影するといったことも行われている。