コラボレーション ユーザ事例

シスコ テレプレゼンスを全拠点に導入。手軽に開催できる高品質なビデオ会議で地域密着型金融の推進をさらに加速

株式会社 広島銀行
シスコ テレプレゼンスを全拠点に導入
手軽に開催できる高品質なビデオ会議で
地域密着型金融の推進をさらに加速

「地域社会との強い信頼関係で結ばれた、頼りがいのある<ひろぎんグループ>を構築する」を経営ビジョンに掲げ、地域密着型金融を推進している株式会社 広島銀行。ここでは拠点間の円滑なコミュニケーションを実現するため、シスコ テレプレゼンスが活用されている。採用の決め手は、映像・音声品質の高さと、使い勝手の良さ、そしてネットワークに対する負荷の低さだ。将来的に Cisco Jabber によって PC を端末にできることや、100 拠点以上を同時接続できる点も高く評価されている。運用開始からわずか 1 ヶ月で活用が定着しており、年間 2 万時間を超えていた移動時間を削減できると期待されている。また営業店のローカウンターに設置された PC に Cisco Jabber を導入し、来店した顧客と行内の専門家とが直接対話できる仕組みの実現も視野に入っている。

頻繁に行われている拠点間の会議
そのための移動時間は年間 2 万時間を超える


 支店や営業所など本社以外に多数の拠点を展開する企業にとって、拠点間の情報伝達や話し合いをいかに効率化するかは、経営上の重要課題の 1 つである。特に専門性の高い商品やサービスを提供している場合には、その重要性は飛躍的に高まる。本部などに常駐する専門スタッフのナレッジに対し、他の拠点からアクセスする必要が生じるからだ。ナレッジの種類によっては、直接会わなければ伝わりにくいケースも少なくない。しかしそのために拠点間を人が移動しなければならないのであれば、膨大な移動時間が必要になり、業務効率を悪化させる懸念がある。

 このような問題をシスコ テレプレゼンスで解決したのが、株式会社 広島銀行である。

 「広島銀行は地域に密着した営業を実践するために多数の拠点を置いていますが、拠点の枠を超えた会議は日常的に行われています」と言うのは、広島銀行 取締役の中島 正夫氏。以前は会議に参加するため拠点間で人が移動する必要があり、これにかなりの時間が費やされていたと説明する。

 広島銀行の支店は広島県内のみならず、西は山口県や福岡県、北は島根県、南は愛媛県、東は大阪府や東京都まで、幅広いエリアに設置されている。広島県内の拠点から本部に移動する場合でも、片道 1 時間以上かかることは珍しくない。それが東京からの移動になれば、日帰りで往復することすら簡単ではなくなってしまう。

 「日常的な会議と研修だけでも、相当の時間が移動に使われていました」と言うのは、広島銀行 IT 統括部 システム管理課 課長の好川 和利氏。この他にも融資案件の協議を本支店間で行うことも多く、これらを合わせれば年間 2 万時間を超えると指摘する。「融資の決定を下すには、営業店の行員が本部の審査担当者と話をする必要がありますが、メールや電話では伝わりにくい場合があり、どうしても資料を挟んだフェイス ツー フェイスでの話し合いが行われることになります。

 年間 2 万時間超が移動に費やされるということは、それだけの機会損失が生じているということである。この膨大な時間をもっと有効に活用したいというのは、ごく自然な要求だと言えるだろう。もちろん移動時間だけではなく、移動コストの増大も経営に影響を与える要因になる。

 これらの問題を解消するために広島銀行が着目したのが、拠点間をつなぐビデオ会議システムの導入だった。ではそれを実現するソリューションとして、なぜシスコ テレプレゼンスが選ばれたのか。最大の理由は映像と音声の品質が高いことと、使い勝手の良さだったのである。

映像 / 音声品質と使いやすさを評価
Cisco Jabber の存在も重視


会議室に設置されている、Cisco TelePresence Quick Set C20(上) と Cisco TelePresence EX90(下)。これらのテレプレゼンス端末が合計 177 台導入されている。

会議室に設置されている、Cisco TelePresence Quick Set C20(上) と Cisco TelePresence EX90(下)。これらのテレプレゼンス端末が合計 177 台導入されている。

 実は広島銀行がビデオ会議システムを導入したのは、今回が初めてではない。同行が基幹系ホスト システムの共同化に参加した 2003 年、共同システムが設置されたデータセンターと本部との間を、他社メーカーのビデオ会議システムで接続していたのだ。しかし「このシステムは利用者の期待にそえるものではありませんでした」と、広島銀行 総合企画部 企画室 担当課長代理の水原 周作 氏は振り返る。映像、音声、使い勝手に優れたものが必要であったと言う。シスコ テレプレゼンス採用の際に品質と使い勝手が重視されたのは、この時の経験に基づいた判断だったのである。

 新たなビデオ会議システムの導入検討に着手したのは 2012 年夏。複数の製品を比較検討した結果、最終的にシスコ テレプレゼンスを含む 2 種類のソリューションが検討対象として残ることになった。その後これらの実機テストを実施。その結果を受けて、2012 年 11 月にシスコ テレプレゼンスの採用を決定している。

 「決め手になったのは、既存の行内ネットワークで十分に高品質な会議が可能だったことです」と言うのは、広島銀行 IT 統括部 システム管理課 課長代理の川手 孝 氏だ。「シスコ テレプレゼンスはデータ伝送の効率が高く、それほど大きな帯域を確保できないネットワークでも、臨場感のある会議が可能です。また会議室に設置する端末を構成する機器もコンパクトで、タッチパネルでの操作も簡単です」。

 このような評価に加え、Cisco Jabber の存在も重視されたと言う。Cisco Jabber を PC に導入することで、テレプレゼンス端末を手軽に増やすことが可能だからだ。支店のローカウンター(顧客と行員が座って手続きを行う場所)に設置された PC や、専門スタッフが使用している PC をテレプレゼンス端末として利用できれば、利用可能な場所や用途を拡大しやすくなる。

 導入されたシステムの構成は図に示す通り。まずデータセンターには、管理サーバ(Cisco TelePresence Management Suite)、他拠点接続サーバ(Cisco TelePresence MSE 8000 シリーズ)、コール制御サーバ(Cisco TelePresence Video Communication Server)、録画サーバ(Cisco TelePresence Content Server)が設置されている。本部や研修所、出張所、営業店には、Cisco TelePresence Quick Set C20 や Cisco TelePresence EX90、Cisco TelePresence Codec C60 を設置。全拠点に最低 1 台はこれらのいずれかが入っており、その総数は 177 台に上っている。

導入後わずか 1 ヶ月で活用が定着
新入行員研修でも大きな貢献果たす


 広島銀行がシスコ テレプレゼンスの本番運用を開始したのは 2013 年 4 月。その後わずか 1 ヶ月で活用が定着したと水原氏は言う。「本部が開催する会議や商品研修等をテレプレゼンスで行う場合、本部が事前に作成した“番組表”に基づいて実施していますが、番組表に掲載された会議の時間は 4 月だけで 3000 時間に達しています。番組表に掲載された時間以外は各拠点で自由に使えるようにしていますので、これを含めれば相当の時間のビデオ会議が行われたことになります」。

システム構成の概要

システム構成の概要
※画像をクリックすると、大きな画面で表示されますpopup_icon

 これだけ急速に浸透したのは、「高品質なビデオ会議が手軽に行えるから」だと水原氏は指摘する。端末はスリープモードからすぐに立ち上がり、相手とのコネクションも短時間で確立できるため、1 分もかからずに会議を始められる。また操作もタッチパネルで行えるため、直感的だ。もちろん映像・音声の品質も高く評価されている。利用者からも「まるで相手の会議室と直接つながっているような感覚でストレスなく使える」といったコメントが寄せられていると言う。

 その一方で「複数拠点間の会議が簡単に行えるのも大きな魅力です」と指摘するのは川手氏だ。すでに 100 拠点以上が参加する会議を開催したことがあるが、まったく問題なく会議を進められたと言う。「話者の映像を自動的に大きく表示する機能も用意されているため、接続拠点数が増えてもスムーズな会議が可能です。エリア内の情報交換のため複数支店が参加する会議も頻繁に行われていますが、ここでもテレプレゼンスが積極的に活用されています」。

テレプレゼンスによる会議の様子。映像・音声品質が高いため、まるでお互いの会議室が直接つながっているような感覚で話ができるという。

テレプレゼンスによる会議の様子。映像・音声品質が高いため、まるでお互いの会議室が直接つながっているような感覚で話ができるという。

 新入行員の研修でも、シスコ テレプレゼンスは大きな貢献を果たしている。広島銀行では、新入行員が研修所に集まる集合研修を一定期間行った後、営業店で OJT(オン ザ ジョブ トレーニング)を行い、再び研修所での集合研修を行うというステップで、最初の行員教育を行っているが、この OJT の期間、営業店と研修所をテレプレゼンスで結び、新入行員からの質問を受けられるようにしているのである。これによって新入行員が営業店で感じた疑問等を、時間をおくことなく即座に解決できるようになった。また集合研修で講師を任された行員が、本部や営業店に居ながらにして講義を行うことも可能だ。今年度の研修では「先輩行員の話を聞く」という新たな試みも行われたが、これもテレプレゼンスの活用で初めて実現できたものだと言う。

タッチ型の操作パネルもシスコ テレプレゼンスの特徴の 1 つ。ボタン型リモコンよりもはるかに使いやすいと評価されている。

タッチ型の操作パネルもシスコ テレプレゼンスの特徴の 1 つ。ボタン型リモコンよりもはるかに使いやすいと評価されている。

 2013 年 4 月 には全店支店長会議における頭取の講話をテレプレゼンスで全拠点に流す、といったことも行われた。「テレプレゼンスなら支店にもタイムリーに頭取の生の声を伝えられます。また、細かい表情が見えるため、頭取がどのような気持ちで語っているのかも理解しやすくなります」(水原氏)。

 さらにテレプレゼンスは、事業継続を支えるツールとしても、重要な役割を果たすと考えられている。大規模災害によって IT システムが被災した場合、サービスを継続するには手作業での業務が必要になる。この時テレプレゼンスが使えれば、一般行員にとって未経験の手作業業務も、遠隔地から効率よく指導できるからである。テレプレゼンス端末を全拠点に導入したのは、このような危機管理の意味もあるのだと水原氏は言う。

顧客と行内の専門家とが
直接対話する仕組みも視野に


 「以前は年間 2 万時間を超えていた行員の移動時間も、テレプレゼンスによって削減できるはずです」と好川氏。これだけの時間を営業活動やコンサルティングに振り向けることができれば、ビジネスに大きなインパクトをもたらすと指摘する。また行員同士のコミュニケーションが円滑化することで、新たな知見も得られやすくなる。例えば営業店の声を商品開発に活かすといったことも、容易になると期待されている。

 円滑化されるのは行員同士のコミュニケーションだけではない。顧客と行員とのコミュニケーション円滑化にも期待が寄せられている。その一例として挙げられているのが、相続相談への活用である。営業店のローカウンターの PC と相続相談センターの PC に Cisco Jabber を導入し、これらをテレプレゼンスでつなぐことで、顧客と相続の専門家が会話できる仕組みの実現が計画されているのである。採用検討段階の実機テストでは、「相手の表情がきちんと見える」点が高く評価されたという。

 「以前はビデオ会議で円滑なやり取りを行うのは無理だと思っていましたが、テレプレゼンスはその“常識”を覆してしまいました」と 中島氏。実際にシスコ テレプレゼンスを使ってみて、その臨場感の高さに驚かされたと言う。「これによって拠点間の心理的・時間的な距離は一気に短縮されました。地域密着型金融の実現にも、大きな貢献を果たすと考えています」。

株式会社広島銀行の概要
(平成 25 年 3 月 31 日現在)

株式会社広島銀行
本店所在地
広島県広島市中区紙屋町 1-3-8
創業
1878(明治 11)年 11 月
資本金
545 億 73 百万円
従業員数
3,344 名
預金
5兆9,325億円
貸出金
4兆6,451億円

広島県広島市に本店を置く地方銀行。「地域社会との強い信頼関係で結ばれた、頼りがいのある<ひろぎんグループ>を構築する」を経営ビジョンに掲げ、地域密着型金融を推進している。この目標を達成するため、コンサルティング機能の拡充や地域情報の収集・蓄積、地域や顧客への情報発信などを積極的に展開。地域のリーディングバンクとして高く評価されている。

導入の背景 / 課題

  • 広島銀行は地域密着型金融を推進しており、多数の拠点を展開している。拠点間の会議は日常的に行われており、そのために費やされる移動時間も多かった。
  • 日常的な会議や研修で費やされる時間は融資案件の協議まで含めると、年間 2 万時間を超えていた。この膨大な移動時間を削減するには、ビデオ会議の導入が必要だと考えられた。
  • 実はデータセンターと本部とをつなぐビデオ会議はすでに導入されていたが、これにはいくつかの改善が必要であった。
  • 全拠点で活用し十分な効果を上げるには、映像・音声の品質が十分に高く、簡単に使えるものが求められた。

導入ソリューション

  • シスコ テレプレゼンス ソリューション
    • Cisco TelePresence MSE 8000 シリーズ
    • Cisco TelePresence Video Communication
        Server (VCS)
    • Cisco TelePresence Management Suite
        (TMS)
    • Cisco TelePresence Content Server
    • Cisco TelePresence Quick Set C20
    • Cisco TelePresence EX90
    • Cisco TelePresence Codec C60
    • Cisco Jabber Video for TelePresence

導入効果

  • 高品質なビデオ会議を手軽に行えるようになった。そのため運用開始からわずか 1 ヶ月で活用が定着した。
  • 多拠点が参加する会議もスムーズに行えるようになった。100 拠点以上が参加する会議も、問題なく開催できた。
  • 新入行員の研修でも活用されている。OJT における質疑応答や、営業店で仕事をしている先輩行員の話を聞くといったことが、テレプレゼンスによって実現している。
  • 事業継続の基盤としても期待されている。災害時にシステム障害が発生した場合、手作業での業務の進め方をテレプレゼンスで伝達し易くなるからである。
  • 行員同士だけではなく、顧客と行員のコミュニケーションも円滑化できると考えられている。その一例として、相続相談のために営業店を訪れた顧客と、相続相談センターの専門家とが、テレプレゼンスで直接対話できる仕組みの実現が視野に入っている。
「拠点間の心理的・時間的な距離は一気に短縮されました。地域密着型金融の実現にも、大きな貢献を果たすと考えています」
広島銀行
取締役
中島 正夫 氏

「拠点間の心理的・時間的な距離は一気に短縮されました。地域密着型金融の実現にも、大きな貢献を果たすと考えています」
広島銀行
取締役
中島 正夫 氏

「会議などのために拠点間を移動する時間は約 2 万時間に達していました。テレプレゼンスによってその削減が可能になります」
広島銀行
IT統括部 システム管理課
課長
好川 和利 氏

「会議などのために拠点間を移動する時間は約 2 万時間に達していました。テレプレゼンスによってその削減が可能になります」
広島銀行
IT統括部 システム管理課
課長
好川 和利 氏

「重視したのは映像・音声の品質と使い勝手です。テレプレゼンスならストレスのないビデオ会議を手軽に行えます」
広島銀行
総合企画部 企画室
担当課長代理
水原 周作 氏

「重視したのは映像・音声の品質と使い勝手です。テレプレゼンスならストレスのないビデオ会議を手軽に行えます」
広島銀行
総合企画部 企画室
担当課長代理
水原 周作 氏

「複数拠点間の会議が簡単に行えるのも大きな魅力です。100 拠点以上が参加する会議もスムーズに進められました」
広島銀行
IT統括部 システム管理課
課長代理
川手 孝 氏

「複数拠点間の会議が簡単に行えるのも大きな魅力です。100 拠点以上が参加する会議もスムーズに進められました」
広島銀行
IT統括部 システム管理課
課長代理
川手 孝 氏