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山形県
県内全域へのサービスを充足させる
山形県基幹高速通信ネットワーク


[目次]
[地域に密着したネットワーク構想]
[イーサネットスイッチング方式によりシステムの発展性を確保]
[システムの構成]
[ネットワークが県の産業と将来をサポート]

 情報化社会へ迅速に適応するという目標を掲げ、現在さまざまな地方自治体が地域イントラネットの整備を急ピッチで進めている。山形県でも情報通信技術の高度化やブロードバンド化といった情報通信の急速で大きな変化に対応し、県イントラネットの基幹網および地域情報化の基盤として、県内全域を結ぶ「山形県基幹高速通信ネットワーク」を構築した。大容量高速通信を実現したネットワークの実態を見てみよう。

山形県

地域に密着したネットワーク構想
 山形県では政府が提唱するe-Japan戦略のもと、電子自治体の早期実現を目指し、新しいスタイルのネットワーク構築を平成13年度に行った。もともと庁内には、財務会計や人事給与などを扱うための業務系のネットワークが存在していた。しかし、回線速度は庁内で10baseTのイーサネットを使い、WANの部分は128Kbpsという、現在の水準から見るとかなり脆弱なものだった。それでも業務用のみでの使用ならば大きな問題はない。しかし、電子県庁化や地域情報化を推進するための基盤とするうえでは、従来のネットワークでは対応できない状況であった。そこで、平成12年9月に策定した県の情報化推進計画の中で、新しいネットワーク網の整備を打ち出し、準備に着手した。
 ネットワーク網の基本構成としては、基幹回線のブロードバンド化と県の出先機関のすべてを最寄りのアクセスポイントでネットワーク接続するというものだった。県内全域の出先機関、さらに各市町村のネットワークと将来接続することになった場合、地域によるサービスの格差をほとんど生じさせないということも重要なポイントだった。山形県の山間部では、冬期間外部とのアクセスが困難になる地域もある。そうした地域についても、ネットワークを活用し、さまざまなサービスを享受できるようにする必要があるからだ。
 ネットワークを構築していく際、そのネットワークを何に使うのか、将来の発展性をどこまで見越したものにするのか、セキュリティポリシーをどこまで強固なものにするのかなどさまざまな課題がある。
 山形県総務部総合政策室情報企画課課長の佐々木隆仁氏は、システム構築時を振り返って、つぎのように語ってくれた。
「地域の情報化やインターネット環境などの情報通信の分野に、総合的に対応していけるシステムにしていこうということで検討を始めました。そのためにはシステムに柔軟性を持たせたいと思いました。そして、後々自分たちの一番望むような姿にネットワークを成長させていきたいと考えたのです。そこで専門家の方やさまざまなノウハウをお持ちの業者の方々にもご意見を伺いました。その中で山形県として目指すべき具体的な姿を想定し、システム構成を固めていったのです」

佐々木隆仁氏
       
山形県総務部総合政策室
情報企画課課長
佐々木隆仁氏

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イーサネットスイッチング方式によりシステムの発展性を確保
 ネットワーク構築は平成12年度末に着手し、構築そのものは13年度に行った。
 構想の段階ではATM方式やIPルーティング方式の採用を検討した段階もあったという。しかし、将来性・拡張性の観点から、シスコを含めた多くの業者からのヒヤリング等を通じて、イーサネットスイッチング方式の採用を決定した。
「さまざまな角度から検討した結果、当初の構想にこだわらず、最新の技術を導入しようということになりました。イーサネットスイッチング技術を採用したのは、現在のグローバルスタンダードになっているということ、また維持管理の負担が少ないためです。2年前までは、端末までVLAN対応にすることはとても高価でしたが、今では無理のない予算で実現できるようになりました。また、DVLANを採用することでATMと比較してシンプルで拡張性が優れていることも理由の1つです。イーサネットスイッチング技術を導入したことによって、私たちが望んだ発展性や柔軟性に富むシステムを構築できたと思います」と山形県総務部総合政策室情報企画課行政情報化推進主査の林義和氏は語っている。
 現在、県の関係機関すべてがネットワーク化されており、約6500台のPCが接続されている。基本的に職員は1人1台のPCが配置され、ネットワークに接続されている。電子メールや電子掲示板の利用が行われ、県例規や議会議事録のデータベースといった庁内向けサービス、県庁公式ホームページの自動更新システムとその入力を支援するためのE-Learningなどを提供し、ネットワーク運営管理でのIP Phoneの活用も行われている。
 また、TV会議システムを活用した生涯学習などの遠隔講座の開講や、CCDカメラを活用した相談システムによるフェース・トゥ・フェースでの県民相談の実施など県民サービスへの利用も始まっている。
 基幹ネットワークにおけるイーサネットスイッチング方式の採用により、本庁・総合支庁だけではなく、ネットワークに接続するすべての県機関で同様の利用が可能な仕組みが確保されており、今後、地域間の情報通信格差を超えた質の高い県民サービス提供の一役を担うことが期待される。

林義和氏
       
山形県総務部総合政策室
情報企画課
行政情報化推進主査
林義和氏

Cisco IP Phone
ネットワークの運営管理にはCisco IP Phoneも活用されている

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システムの構成
 今回、山形県が導入したネットワークの詳細を見てみよう。庁内の基幹部分は1Gbpsの光ファイバーギガビットネットワークを中心にしたファイバーと事業者のサービス網とを組み合わせた形となっている。回線そのものも自前で敷設するという案もあったが、地域ブロードバンド化への波及促進や、コストバランスを考慮した結果、すべての回線を借り上げで使用することになった。
 基本的に8ヵ所のアクセスポイントまではすべて光ファイバー(1G)で結び、アクセスポイントから先の県立高校や単独公所などについても光ファイバー(100Mbps)を基本としている。主要な機器は2重化による冗長化が図られ、万一のトラブルに対し万全の構えをとる。庁内と各アクセスポイントのスイッチはシスコのCatalyst6509を、アクセスポイントから先はCatalyst 3500シリーズを中心に導入している。セキュリティに関しては、業務や部署ごとに独立したVLANを提供することを原則とし、現在VLAN数は650を超えている。
 基幹ネットワークにはシスコ製品が導入されているが、ネットワーク全体の一元的な運営管理体系、今後の発展性やシステム拡張に際しての他機種との融合性、機器の信頼性において、ネットワークに対する満足度は高いという。

山形県基幹高速通信ネットワーク
県イントラネットの基幹網および地域情報化の基盤として、県内全域を結ぶ「山形県基幹高速通信ネットワーク」

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ネットワークが県の産業と将来をサポート
  山形県がネットワーク活用の目的として第一に掲げているのが、近い将来に電子県庁化を図ることだ。インターネットを通じた申請や届け出の電子化を推進し、県民サービスの向上を目指している。また、ホームページについても各機関が独自に運用していたものを統合し、検索機能など利便性を向上するとともに、新たに導入したホームページ自動更新システムにより情報作成・公開・削除を自動化し、情報提供のスピードアップとチェック機能の強化が実現された。
 さらに、将来的には各市町村とのネットワーク接続を図り、LGWANなどを使って市町村との情報共有を行うことも想定されている。
 また、コンテンツの充実にも積極的に取り組んでおり、今後映像系が重要なコンテンツになっていくことを見越し、4年ほど前から山形県の自然、伝統文化、伝統工芸などさまざまな映像のアーカイブの蓄積と登録を行っている。現在では相当数の映像を蓄積しており、学術用途、観光や国際交流などの産業支援に活用していく予定だ。
「山形県のネットワークはようやく器ができあがり、これから中身を充実させていく段階です。しかし、コンテンツに関しては行政側が一方的に作っていくものではないと考えています。いまは県民の方々にネットワークの活用方法をご説明し、ご理解いただく段階です。その取り組みの中で、県民の方々がどのようなサービスを求められているのかを見極め、迅速に対応していきたいと考えています」と佐々木氏は今後の構想を語ってくれた。
 今後、県民や企業などから、県の基幹ネットを活用した多種多様なコンテンツが求められることは間違いない。そのためにはネットワークのさらなる性能と信頼性の向上が求められていく。
 山形県のネットワークシステムをシスコはこれからもバックアップしていきたい。

山形県のネットワーク
大容量高速通信を実現した山形県のネットワークはシスコの機器が支えている

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山形県
人口1,240,877人(平成13年12月31日現在)。豊かな自然と豊富な農・畜産物、また情緒豊かな温泉が多くあることでも知られる。今回、県民サービスの向上と県政課題への迅速な対応を図るための情報通信基盤として、県内全域の県機関を結ぶ基幹高速通信ネットワークを構築した。

return to top 更新日:2003年1月6日
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