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愛媛県東予市
教育や情報化計画を推進する
高速で安全な地域イントラネットを構築


[目次]
[民間に頼らず自前で高速イントラネットを構築]
[安全・高速なインターネットを学校教育の場に提供]
[安全性を第一に考え、すべてをシスコ製品で固めたシステム構成]
[IP Phone導入を見越したネットワークシステムを構築]

 愛媛県東予市は、“ひとりに1台パソコンを”という大きな目標を掲げながら情報化計画を推進している。その東予市が、平成12年度の補助事業である地域イントラネット基盤整備事業を組みあわせる形で、市役所と出先機関、そして学校を光ファイバーで結ぶ大規模で高速な地域イントラネットを構築した。以前よりシスコ製品を使いつづけ、シスコ製品を知り抜いた東予市が構築した最新のイントラネットの事例を紹介しよう。


民間に頼らず自前で高速イントラネットを構築
 愛媛県東予市は愛媛県の北東部に位置し、北東に瀬戸内海、南に四国山脈を擁す自然豊かな地方都市である。東西が14.3km、南北が10.2kmの市内には、光ファイバーによるギガビット地域イントラネットが構築されている。この地域イントラネットは市の事業として自前でネットワーク網を敷設したもので、市の出先機関や小中学校などと結ばれている。出先機関にはさまざまな情報を提供するキオスク端末が設置され、市民への情報提供の一役を担っている。また、中央公民館には各種証明書自動交付機が設置され、市民が休日なども利用できるよう利便性の向上を図っている。
「小中学校とイントラネットで結んだのは、授業で活用するためにインターネットに接続したいという学校側からの要望が強かったからです。現在、情報化社会に即した教育をということで、小中学校では総合学習のカリキュラムの中で、インターネットを使った授業に取り組む学校が増えています。東予市の学校でも積極的に活用していく予定です」と東予市役所総務部企画広報課情報化推進室の田中廉仁氏は語る。

田中氏
       
東予市役所総務部
企画広報課
情報化推進室
田中廉仁氏

 今回、総延長約25kmにもおよぶ光ファイバー網を市が自ら敷設したのは、ひとえに地方でのネットワークインフラ整備が進んでいないことにある。民間の通信事業者は、利用者数を見込めない地方都市では高速回線の敷設に腰が重いのが現状だ。東予市が平成12年度に実施した地域インターネット導入促進事業では、やむをえずINS回線を使用していた。
 しかし、業務などで大きなデータ転送が行われる場合、INS回線ではネットワークが脆弱である。また、今後ネットワーク上を流れるデータ量が増えていくと、INS回線によるネットワークではパンクしてしまうことも明白だ。だからといって専用線を引くとなるとコストが跳ね上がるため、それもできない状態だった。以前、各小中学校と出先機関に1.5Mbpsの専用線を引く場合を想定し、通信事業者から見積もりをとったところ、年間5〜6000万円という運用費が提示された。コストと費用対効果を考えたら、自前でネットワークを構築した方がいいのではないか、それが東予市の出した結論だった。こうして東予市は、国が進める地域イントラネット基盤整備事業の平成12年度補正予算で予算の枠を確保し、自前の光ファイバー網を持つこととなったのである。

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安全・高速なインターネットを学校教育の場に提供
 行政機関が自前でネットワークを構築するとなると、予算の組み方や国への補助金申請など、超えなければいけないハードルがいくつも存在する。市長や市議会議員、実際にシステムの構築や管理運用を行うセクションのメンバーが、学校教育や情報化社会における基盤整備の重要性を十分に認識していなければ、事業自体がたちゆかなくなってしまう。東予市の事例では、教育や地域振興に熱心な市長のもと、熱意あるスタッフがネットワークの構成要素を素早くとりまとめ、どこに出しても胸を張れる地域イントラネットを完成させたのである。
 これまでは各小中学校ともにインターネットに接続する環境を持っていなかったが、この地域イントラネットの整備によって、いつでも自由にインターネット接続を行えるようになった。各学校が所有するパソコンも地域イントラネットの整備完了と同時期に入れ替えの時期を迎え、生徒たちは最新の環境でインターネットに触れることができるようになった。さらに愛媛県の情報スーパーハイウェイの稼働もタイミングが一致した。愛媛県の情報スーパーハイウェイにはESnet(愛媛スクールネット)があり、学校向けに有害情報のフィルタリングを行っているので、それを使うことで安心して導入することができたのである。また、市役所から学校への業務連絡や通達に関しても、現在はほとんどがネットを使って行っている。このことでペーパーレス化や業務の効率化が大幅に進んでいる。
 学校以外で地域住民が地域イントラネットとふれあう場として、13ヵ所の出先機関にキヨスク端末が設置された。市の最終的な情報化計画の項目に、やさしい地域情報化を進めていこうというものがある。操作の簡単なタッチパネル式のキオスク端末によって、市民が情報通信技術に接する機会の拡大を図っているのである。また、使い方が分からない人のために、キヨスク端末には電話回線ではなくLANを使ったCisco IP Phoneのヘルプデスクが用意されている。IP Phoneを導入した理由は、ヘルプ電話のために新たに電話回線を増やすよりも、同じLAN上に乗せることのできるIP Phoneの方が効率がいいからだ。

東予市では地域住民が地域イントラネットとふれあう場として、13ヵ所の出先機関にキヨスク端末を設置した

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安全性を第一に考え、すべてをシスコ製品で固めたシステム構成
 東予市のネットワークの構成は安全性・安定性を第一としたもので、センターのスイッチにCatalyst6509を二重化して設置。光ファイバーを介して庁外施設25ヵ所と庁内の17ヵ所のCatalyst3500、12ヵ所の小中学校に向けに設置されたCatalyst4000、Catalyst2948G-L3と接続されている。Catalyst2948G-L3はCisco IOSを完全に実装した多機能のスイッチで、これを使用することによって現状通りにネットワークを管理しながら、バックボーン帯域幅をギガビットレベルまで拡張することができる。
 また外向きには、インターネット用としてCisco3620モジュラ型マルチサービスアクセスプラットフォームを、愛媛情報スーパーハイウェイの市町村VPN用にはCisco1720モジュラアクセスルータを使用している。当然外部との接触があるので、モジュラとスイッチの間にはファイアウォールが設置され、常に外部からの侵入を監視している。
 さらに東予市のネットワークシステムは、基幹スイッチのCatalyst6509を二重化するだけではなく、庁外施設や小中学校、庁内、そして外向きに設置されたスイッチへのすべての回線が二重化され、万一の時も業務が止まらないようなシステム構成となっている。

東予市のネットワーク概念図。安全性を第一に考え、すべての製品をシスコで統一している

「これまで業務でずっと使ってきて、サーバは1分たりとも落とせないことを熟知しています。ネットワークは安全性が一番で、そのつぎに高速であること、システムの追加や変更などに対応できる柔軟性と将来性があることが重要です。東予市の地域イントラネットは、回線の二重化によって万一のトラブルの時もすべてがダウンするのを未然に防ぐことができます。また、庁内では安定性をさらに高くするためにスイッチを分け、贅沢と思われるかもしれないシステム構成としました」と東予市役所総務部企画広報課情報化推進室の越智宗隆氏は語る。

村瀬文一氏
       
東予市役所総務部
企画広報課
情報化推進室
越智宗隆氏

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IP Phone導入を見越したネットワークシステムを構築
 東予市がシスコ製品を選んだ理由は明快だ。学校と行政、地域の住民に対するインターネットを使ったサービス提供を考えたとき、多くのVLANやレイヤ3ルーティングを実現するために、スイッチは必然的にシスコに絞られたのである。また、東予市役所はシスコ製品を以前から使用しており、性能の高さや信頼性について熟知していた。
「以前より市庁舎内には、税や住民基本台帳などの業務系で使用するための庁舎内イントラネットが構築されています。そのときからシスコのスイッチングハブやルータを使用しています。今回これだけ大きなネットワークを構築するにあたって、管理の問題や万一の故障の際の対応を考えたとき、シスコ以外の選択肢はありませんでした。2901の時代から使っていますし、いまでもCatalyst5000、5505は使用しています。性能面、管理面からもシスコでなければいけないと強く主張する役所内の技師もいます」と越智氏は言う。

市役所と出先機関、学校を光ファイバーで結ぶ大規模で高速な地域イントラネットを支えるシスコ製品

 また、将来的には庁内や出先機関の電話をCisco IP Phoneに移行していくことも念頭に置き、今回のネットワーク構築は行われている。 「現段階では費用対効果の面だけをみれば、まだIP Phoneの全面導入には到らないですね。しかし価格が下がれば、内線用の電話はすべてIP Phoneに変える可能性が高いといえます。電話機としての使い勝手はこれまでの電話機と比べても違和感はありませんし、音質的にはいま市庁舎内で使用している老朽化した内線よりもはるかにいいといえます。要望を言えば、表記を日本語にするなど日本に合ったものにしてほしいですね」と越智氏はIP Phoneの導入の可能性について語ってくれた
 東予市役所内のイントラネットには電話用のVLANが作られおり、情報コンセントに差し込むことで、どこでも同じ番号で電話が使えるようになっている。多忙で、頻繁に席を離れなければならない職員にとっては、IP Phoneは非常に重宝する電話なのである。
 地域イントラネットの構築の区切りがついた今、東予市が見据えるネットワークソリューションのひとつにDVTS(Digital Video Transport System)がある。
「従来型のテレビ会議システムだと、圧縮した帯域を使わざるを得ないわけです。しかし動画をより身近に、より鮮明な画像で扱えるようにしたいので、検討を重ねているところです。コンテンツとしては学校の授業に映像を使うとか、学校の授業を映像として流すなどを考えています」と田中氏は語る。
 東予市は現状で考えうる最新のネットワークを構築した。だが、それに満足せず、どう活かすか、どう発展させるかについて常に研究を怠らない。現在はIPv6の検討を行い、IPの新しい世界に対して備えているところだ。こうしたネットワークに対し非常に熱心な自治体と、最先端のテクノロジーを開発して世に送りだすシスコがともに手を携えながら新しい時代のネットワークを構築していくのである。

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愛媛県東予市
愛媛県東部に位置し、北東に瀬戸内海、南に四国山脈を擁す自然豊かな都市であり、「生きている化石」と呼ばれるカブトガニの生息地としても知られる。“ひとりに1台パソコンを”という目標のもと情報化計画を推進し、市役所と出先機関、学校を光ファイバーで結ぶ大規模で高速な地域イントラネットを構築した。道後温泉、鈍川温泉とともに伊予の三湯に数えられる 本谷温泉(写真)の新館にも市の出先機関として光ファイバーを敷設している。


愛媛県東予市周布349番地の1
東予市役所 企画広報課
TEL:0898-64-2700
http://www.city.toyo.ehime.jp/


return to top 更新日:2002年8月21日
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