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新しい時代へ向けた
統合インテリジェントIPネットワーク
[目次]
- ◆ [グローバルスタンダードであるシスコを選択]
- ◆ [新ネットワークシステム構築で活躍したプロフェッショナルサービス]
- ◆ [IP Telephonyによって統合されたIPネットワークを構築]
◆ [IBSGによってネットワークを高度に活用]
リテールやホールセールなどを統合したフルライン型の証券会社を目指す新光証券は、合併後のシステム統合を完了し、社内のネットワークシステムの再構築を行うこととなった。2002年6月末に運用が開始される、新光グループ関連会社11社を含めた統合的なネットワークシステムとはどのようなものか。また、ネットワークシステムを構築するにあたり、シスコはどのような役割を果したか。新時代のEカンパニーを目指す新光証券のネットワークシステムを見てみよう。
ネットワークの再構築により、戦略的にITを活用したビジネス展開を目指す新光証券
| グローバルスタンダードであるシスコを選択 |
新光証券は、2000年4月に新日本証券株式会社と和光証券株式会社が合併して発足した会社である。合併直後は異なる形態のシステムやネットワークを使用しており、二重化などの安全対策を含めた整備もなされていない状態だった。まさにタイムイズマネーの証券業にとって、このシステム基盤の弱さは早急に解消すべき重要な課題である。そこで、新光証券では全国98店舗を結ぶネットワークに業務系のシステムを乗せるために、ネットワークシステムの一新を図ることとなった。合併後のネットワークにも業務系のシステムを乗せてはいたが、それまでのネットワークは脆弱で使い勝手が悪いという問題があった。そのため、システムの統合とネットワークの再構築は必須条項だったのである。
システム統合が一段落した2001年春から、ネットワーク再構築に向けての検討が始まった。ネットワークの構築にあたっては、事務分野の低コスト化と高効率化を図るとともに、顧客への総合的なサービスを向上させることが基本方針とされた。そのためには、証券取引の注文から決済に至る一連の作業を電子化する、いわゆるSTP(ストレート・スルー・プロセッシング)を実現しなければならない。それには高速で信頼性の高い新しいネットワークが必要である。
今回のネットワーク構築に携わった新光証券IT戦略部システム管理課課長の鈴木満明氏は、ネットワークの構想段階を振り返ってこう語っている。
「構想段階にネットワークに対する要求をまとめていきました。設計段階に入るとデータ系や業務系のシステムだけではなく、将来を見据えボイスやビデオも乗せられるような、インテリジェントなネットワークにしようということになりました。2001年の5月からシスコのプロフェッショナルサービスを受け、最善と思われる構成を考えていきました。システムはグローバルスタンダードで構築していこうという意識がありましたので、その時点でシスコを採用するという答えがでていました」
シスコ製品の性能と信頼性の高さが、新しいプロジェクトには必須だったのである。
IT戦略部システム管理課課長
鈴木満明氏
| 新ネットワークシステム構築で活躍したプロフェッショナルサービス |
新光証券では新しいネットワークの構築にあたり、シスコのプロフェッショナルサービスを導入している。プロフェッショナルサービスとは、大規模なネットワークや最新技術の実装など、シスコがネットワーク構築のエキスパートとしてのノウハウを提供し、顧客のソリューション導入を構想段階から一貫したプロジェクトとしてサポートするサービスである。これまでも安田火災海上保険株式会社などに提供の実績があり、今後もさまざまな企業や自治体へのサービス提供が期待されている。
シスコのプロフェッショナルサービスに関し、IT戦略部IT戦略課課長代理の井上洋一氏はこう語っている。
「今後のビジネスの中でネットワークを使うにあたり、接続したいものや実現したい事柄はだいたい見えてはいたのです。しかし、ネットワークそのものを刷新する手法に関してはまったく知識がありませんでしたので、シスコにさまざまな情報を提供してもらいました。セキュリティを含めて、しっかりしたポリシーを持った土台作りができたと思います。今後ネットワークを拡張するにしても、きちんとした運用管理ができるようになっています。シスコのプロフェッショナルサービスを受けたことにより、構想、設計、手法、結果すべての局面で大きな成果が出せたと思います」
IT戦略部IT戦略課課長代理
井上洋一氏
ネットワーク構築までには6ヵ月間を要している。構築までの過程をIT戦略部IT戦略課課長の山田季之氏はつぎのように語った。
「2001年5月からプロフェッショナルサービスを受けながら、最初の3ヵ月間は現状の問題点を洗い出し、新ネットワークの概要などのポリシー作りを行いました。この時点で、ネットワークの方向性はインフラとしてのシステム構築という考え方が固まりました。その後の3ヵ月でネットワークの詳細を詰めていき、最後の段階でベンダーが入り、ネットワークシステムの最終的な構成を決定したわけです」
IT戦略部IT戦略課課長
山田季之氏
ネットワークは新光証券のみならずグループの隅々まで及ぶ。顧客からの発注、金銭や物のデリバリーなどの情報もネットワーク上を走るため、強固なセキュリティや回線の二重化対策などを行い、ネットワークを安全で確実なものとしている。 現在はシステム機器の移行が完了し、モデル店舗での運用が始まったところだ。ネットワーク全体の実運用を開始するのは2002年6月末を予定している。
| IP Telephonyによって統合されたIPネットワークを構築 |
このネットワークを構築するにあたり、新光証券では約8000台もの電話をIP Phoneへと切り替えることも決定した。IP Telephonyを導入することによって、通信コストやメインテナンスコストの低減を図ることができるようになる。従来のPBXでは、人員の増加や配置転換によって電話を移設する場合、業者による移設工事を行わなければならない。しかし、IP Telephonyならば増設にしてもネットワーク配線のみのコストで済み、電話に関する設定などのコストも抑えることができる。新光証券ではPBXの老朽化が進んでおり、新しいネットワーク構築にあわせてのIP Telephony導入は自然な流れであったといえるだろう。また、IP TelephonyによってボイスデータがIPになることで、今後登場する新しいアプリケーションを乗せるなど、さらなるネットワークの活用も考えられている。
新光証券のインテリジェントIPネットワークを支えるシスコ製品
ここで、新光証券における新しいネットワークの概要をまとめてみよう。ネットワークそのものはインフラを統合し、ネットワークそのものを事業戦略に活用するためのインテリジェントIPネットワークを構築している。さらにIP Telephonyも統合し、音声やビデオデータなども同一ネットワーク上に乗せ、ネットワークの隅々までも均一で高品質なサービスを確保した。この統合ネットワークは、シスコの最先端技術であるAVVID(Architecture for Voice, Video and Integrated Data)によって実現している。AVVIDは音声、映像、データの統合による、マルチサービスを実現するアーキテクチャで、ポリシーベースの管理や情報の形式にとらわれないオープンな環境を実現する。新光証券のインテリジェントIPネットワークは、プロフェッショナルサービスなどのソフト面と、Cisco AVVIDに代表されるテクニカルな部分の両面によって実現されたのである
シスコの最先端技術であるAVVID(Architecture for Voice, Video and Integrated Data)によって実現した新光証券の統合ネットワーク
| IBSGによってネットワークを高度に活用 |
今後、新光証券はこのネットワークをどのように活用していくのであろうか。社外に対しては、エンドユーザー向けにインターネットを利用した「新光ネット倶楽部」を2001年1月から稼動させている。また、電話による取引を行える「コールセンター」も2001年1月に設立している。これらの通信による無店舗サービスは今後ますます利用が増えていくと予想される。そのためには、万一トラブルが起こった際もエンドユーザーに迷惑をかけずに済むように、最新の技術を導入した信頼性の高いネットワークが必要なのだ。
「社内的にはデータ管理や業務の効率化を図るということのほかに、E-learningによる社内の教育体制の充実を進めていきます」と井上氏は語ってくれた。E-learningによって、必要な研修を業務と並行して行ったり、新人に社内の情報を提供することなども簡単に行えるようにする予定だ。
そのために、シスコのIBSG(インターネット・ビジネス・ソリューション・グループ)との連携を行っていくことも決定している。IBSGはインターネット技術によって、ビジネスの効率化の促進や競争力を引き出す企業ネットワークのためのソリューションで、新光証券ではCDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)を活用していく予定となっている。IBSGとの連携に関し、どういう狙いがあるのかを鈴木氏はこう語った。
「今後、証券業界もIPの上に立たなければいけない状況になっています。しかしながら、未だに古い考え方が残っている業界でもあり、そのギャップにとまどっている部分もあるわけです。今回のIBSGとの連携によって考え方を一新し、より進んだEカンパニーやEビジネスへと変身するきっかけになればと思っています」
ネットワークを構築するだけではなく、ネットワークを活用していくにあたっても、シスコはIBSGなどのさまざまなサービスを提供し、クライアントとの新しい関係を築いているのである。
会社概要 新光証券株式会社
2000年4月、新日本証券株式会社と和光証券株式会社が合併し、新光証券株式会社として発足。リテール部門、ホールセール部門のすべてが「クライアント・ファースト」を掲げ、みずほフィナンシャルグループの一員として新時代にふさわしい的確な証券サービスを提供する。ネットワークの再構築により、戦略的にITを活用したビジネス展開を目指す。
http://www.shinko-sec.co.jp
更新日:2002年3月25日
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