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NTTネオメイト関西
VDSLを使用した高速インターネット接続サービスで
設集合住宅にブローバンド環境を実現


[目次]
[既設マンションでも高速インターネットが可能なステップエコノミー]
[苛酷な環境でも安定した性能を発揮するスイッチとスプリッタ]
[綿密な打合せによって生まれる信頼関係とよりよい製品]
NTT西日本のグループ企業で、設備系地域会社のエヌ・ティ・ティ ネオメイト関西(旧:エヌ・ティ・ティ エムイー関西)は、2002年5月24日から既設のマンションにおいてVDSLによる下り最大15Mbpsという高速インターネット接続サービスを開始した。「ステップエコノミー」と呼ばれるこのサービスは安価で手軽に既設マンションに導入できるため、今後既設マンションを中心に採用数の大幅な増加が見込まれている。ステップエコノミーのネットワーク設備にはシスコのCatalyst2900LRE XLスイッチとCisco LRE48POTSスプリッタが採用され、信頼性の高いネットワークが構築されている。エヌ・ティ・ティ ネオメイト関西が阪急ヒルズコートに構築したステップエコノミーを例に、既設マンションへの高速インターネット接続サービスの導入事例を見てみよう。

NTTネオメイト関西


既設マンションでも高速インターネットが可能なステップエコノミー
 エヌ・ティ・ティ ネオメイト関西が2001年3月10日から新規事業として始めたのが、既設のマンションにインターネット接続サービスを導入するステップエコノミーだ。
 ステップエコノミー開始当時は「インターネットマンション」という言葉が広まり始めた時期であり、新築マンションの付加価値を高めるためにインターネット接続サービスを導入することが多かった。しかし、その一方で既設マンションへのインターネット接続サービスはどうしていくのかという問題があがっていた。NTTグループとしては光ファイバーを使うBフレッツサービスの展開を進めており、ステップエコノミーはその販売における有効なツールのひとつとなりうるものだった。
 新築マンションについては、通常マンション建築時にLANケーブルの工事を実施して高速ネットワークを構築することができる。だが、既設マンションはすでに住居として使われているため、LANケーブルの敷設工事を行うことが困難だ。そこでステップエコノミー開始時に考え出されたのが、LANケーブルを敷設せず、宅内電話回線を活用したPNA(Phoneline Networking Alliance)を使用するというものだった。これは、アクセスポイントからMDF(Main Distribution Frame:主配線盤)までは高速・大容量の光ファイバーなどで結び、MDFで屋内用電話のメタリック回線上にデータトラフィックを共存させ、既存の電話用メタリック屋内配線を用いてLANを構築するシステムだ。もっともステップエコノミーのサービス開始当初は宅内速度が最大で1Mbpsだった。同じグループ内でさらに高速なADSLサービスが導入されたこともあり、ステップエコノミーは顧客に満足してもらえる通信速度ではなくなりつつあった。
 そこでエヌ・ティ・ティ ネオメイト関西では、ステップエコノミーのバージョンアップを図る形でVDSL(Very high bit rate Digital Subscriber Line)を使った宅内速度最大15Mbpsのブロードバンド対応のメニューを追加、2002年5月24日からサービスを開始した。それにより、既設マンションにおいても高速広帯域インターネット接続環境を容易に、かつ安価に構築することが可能となったのである。
 現在、ステップエコノミーの利用料金は月額2900円(24時間常時接続)で、その中にはプロバイダ使用料も含まれており、ひとつの契約につき5つまでメールアドレスを取得することができる。メールアドレスを5つまで取得できるシステムとしたのは、インターネットやメールを家族みんなで活用してほしいというエヌ・ティ・ティ ネオメイト関西の思いが込められている。各部屋で使用するCisco575LRE CPEデバイスは利用者の買い取りとなっている。これは次々とサービスを乗り換えるのではなく、ステップエコノミーを長く利用し、その良さを実感してほしいからだという。また、エヌ・ティ・ティ ネオメイト関西では24時間体制でヘルプデスクを設置し、利用者から問題が寄せられた場合はすぐに対応策を講じられる体制をとっている。

インターネット接続サービス
エヌ・ティ・ティ ネオメイト関西が開始したVDSL(Very high bit rate Digital Subscriber Line)を使ったインターネット接続サービスの構成図

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苛酷な環境でも安定した性能を発揮するスイッチとスプリッタ

 今回エヌ・ティ・ティ ネオメイト関西が構築した事例として、阪急ヒルズコートのシステム構成を見てみよう。阪急ヒルズコートではもともと電話を光ファイバーで敷設していたため、ADSL接続でインターネットを利用するのが難しい環境だった。そこで、エヌ・ティ・ティ ネオメイト関西は以下のようなネットワークを作り上げた。アクセスポイントと阪急ヒルズコートを光ファイバーで結び、阪急ヒルズコートのMDF室に置かれたルータとスイッチ(Catalyst2900LRE)で受け、Cisco LRE48POTSスプリッタでMDFのメタリック宅内回線上にデータ信号を乗せ、各部屋ではCisco575LRE CPEデバイスで電話の音声信号とデータ信号を分離する形のVDSLシステムを構築している。Catalyst2900LREスイッチは、長距離イーサネットソリューションを実現するコンパクト設計、低コストのデスクトップスイッチだ。ポートごとに最大15Mbpsの専用帯域幅を提供し、アナログ電話回線やISDNと共存することが可能となっている。また、Cisco LRE48 POTSスプリッタは、システム配備環境で音声とデータトラフィックを同一メタリック回線上に共存させるために使用する。阪急ヒルズコートは500戸ほどの世帯数を有し、現在ステップエコノミーへ加入しているのは約170戸である。しかし、ネットワークシステムは24ポートを受けもてるCatalyst2900LREが8台導入されており、余裕を持たせた構成となっている。
 阪急ヒルズコートのような複数の棟で構成される集合住宅の場合、通常は各棟にMDFを設置するが、阪急ヒルズコートではすべての棟を集約する形でMDFが設置されている。そのため、住宅用としてはかなり大きめのMDF室が専用に設けられており、Catalyst2900LREやCisco LRE48POTSスプリッタもすべて1ヵ所に設置されている。ラックは今後契約者が増えることを見越し、さらにCatalyst2900LREを追加することになっても対応できるように19インチのラックを使用している。

阪急ヒルズコートのMDF室とネットワークを支えるシスコの機器阪急ヒルズコートのMDF室とネットワークを支えるシスコの機器 阪急ヒルズコートのMDF室とネットワークを支えるシスコの機器

 システム構成だけを見た場合、VDSLシステムはかなり簡素化されており、機器が整えば簡単に工事が完了するかのように思える。だが、実際のシステム構築には高度な技術が要求される。エヌ・ティ・ティ エムイー関西時代から関西エリアのネットワークの保守管理を受けもち、敷設工事など現場作業におけるスキルが非常に高いエヌ・ティ・ティ ネオメイト関西だからこそサービスの早期開始に踏み切れたといえるだろう。

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綿密な打合せによって生まれる信頼関係とよりよい製品

 実際にステップエコノミー導入の指揮を執ったエヌ・ティ・ティ ネオメイト関西ITビジネス本部ソリューション営業部ISP事業部長の樫木護氏は、VDSL導入にあたっての技術的な課題について語ってくれた。
「第一に既設マンションは宅内の電話配線がどのようになっているか非常に分かりにくいことがあげられます。なかには図面がない場合もありますし、図面があっても配線が図面通りになされていない場合もあります。そのような状況で工事を実施し、機器のポテンシャルを最大限に出すためには、マニュアル通りに設定したのではうまくいかない場合もあります。機器を設置するために配線を繋げることはできても、実際に稼動した際にはノイズが乗ってパフォーマンスの半分も発揮できないこともありえるのです。例えば、電話の配線のメタルケーブルはノイズが乗りやすく、またエアコンやテレビをつけるとノイズが乗ってしまうこともあります。それらの問題を回避し、機器の最大限のパフォーマンスを実現する。現場での設置工事を重ねることにより、そのためのノウハウがエヌ・ティ・ティ ネオメイト関西やシスコに蓄積されつつあります」

樫木護氏
       
ITビジネス本部ソリューション営業部
ISP事業部長
樫木護氏

 シスコとしても今回のエヌ・ティ・ティ ネオメイト関西のステップエコノミーには特に力を入れている。阪急ヒルズコートへの機器設置の際には、米国シスコ本社からLREの担当者が来日し、現場に立ち会っている。これは万一のトラブルに機敏に対応するためと、日本ならではの環境を理解し、今後の機器開発に活かすためだ。その際、エヌ・ティ・ティ ネオメイト関西からも機器に関する忌憚のない意見をもらった。それらは今後の機器開発において貴重な財産となった。LRE担当者が現地を訪れたのは2度だが、日本のシスコからは担当者が毎週2回エヌ・ティ・ティ ネオメイト関西に行って打合せを行い、その内容を本社にフィードバックしている。
「お客様に届くケーブル類も含め、LREのポート数など機器に関する意見も出させていただいています。どんなに些細なことでも素早く対応してくれる、あるいは次に活かしてくれるということはカタログのスペック以上に大切なことです。これまでも当社の中にシスコセンターという部署を設け、シスコ製品の販売に力を入れてきました。今回アメリカを含めたシスコ全体としてさまざまな要望を聞いてもらえたのは非常によかったと思います。今後もさらに日本の特殊な事情を考慮して対応していただければありがたいですね。また、性能面でいうと通信速度や信頼性の高さはもちろんですが、NTTの既存サービスがある中でLREを使っても、ISDNやADSLなどにフィルタなどを使用しなくても干渉しないという点は大きなポイントでした」と樫木氏は語る。
 今回事例として取り上げている阪急ヒルズコートはMDF室が整備されていたため使用することはなかったが、マンション内にVDSLの装置を設置できない場合に備え、エヌ・ティ・ティ ネオメイト関西が独自に開発した防塵防水、気温変化、雷害に対応した全天候型の設置ボックスも用意されている。コンパクトサイズで設置・保守が容易であるという点も、エヌ・ティ・ティ ネオメイト関西が長年蓄積してきた通信工事のノウハウの賜物といえるだろう。

全天候型の設置ボックス全天候型の設置ボックス エヌ・ティ・ティ ネオメイト関西が独自に開発した防塵防水、気温変化、雷害に対応した全天候型の設置ボックス

 既設マンションに対するステップエコノミー導入は確実に増加している。エヌ・ティ・ティ ネオメイト関西では今後、サービスやヘルプデスクを含めたサービス全体のレベルアップを図っていくという。ソリューションも製品も売り切りではなく、利用者と末永くつき合っていきたいという同社の姿勢は、シスコと非常に類似しているといえよう。エヌ・ティ・ティ ネオメイト関西は、築年数の経ったマンションでさえも、高度な技術とこれまで培ってきたノウハウでブロードバンドを満喫できる環境に生まれ変わらせていく。そして、それを支えているのはシスコの機器と最先端技術なのである。

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株式会社エヌ・ティ・ティ ネオメイト関西
西日本電信電話株式会社の構造改革に伴い、大阪・和歌山エリアにおけるNTT西日本の情報インフラの24時間保守業務、さらに幅広いユーザーに向けた情報システムの構築などのサービス・インテグレーションを提供する会社として2002年5月1日に設立。同年5月24日より、VDSL(Very high bit rate Digital Subscriber Line)を使用した宅内速度最大15Mbpsのマンション向けインターネット接続サービス「ステップエコノミー」を開始した。
大阪府大阪市中央区島之内2-14-11

http://www.kansai.ntt-neo.com


return to top 更新日:2002年9月17日
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