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ユーザー事例

川辺町
無線LANによるコストパフォーマンスの高い
学校内ネットワークシステム


[目次]
[いち早くインターネット授業を導入]
[インターネット授業を支えるCisco Aironet]
[若い感性が新しい時代のネットワークシステムを構築]

 和歌山県日高郡川辺町は、能楽の「鐘巻」「道成寺」、歌舞伎の「京鹿子娘道成寺」の舞台となった道成寺があることで知られる町である。平地と丘陵からなるその町並みはのどかで美しい。その川辺町が今回、県下でも先進的で高度な、無線LANによるネットワーク網を構築した。なかでも教育用にインターネットを活用するため、学校内には無線LANによるネットワーク環境が導入されている。学校内における使用を考慮した、コストパフォーマンスの高い無線LANネットワークの事例を紹介する。

川辺町

いち早くインターネット授業を導入
 平成14年度から全国の小中学校で完全週5日制が実施されることを受け、新しい学習指導要領が制定された。新しい学習指導要領の大きな特徴のひとつは、自ら学び、自ら考える力の育成と、学び方や調べ方を身に付けることを目的とした「総合的な学習の時間」が週に3時間程度設けられていることだ。この「総合的な学習の時間」は学校が独自性を持って特色ある教育活動を行える時間であり、国際理解、情報、環境、福祉・健康など従来の教科にとらわれない課題に取り組める時間でもある。カリキュラムについては、それぞれの市町村や学校が独自に創意工夫を凝らしている。
 川辺町でも教育に熱心な町長を筆頭に町役場、学校が一丸となって、この問題に取り組んできた。その取り組みのひとつとして、生徒に早い段階から国際社会と情報化社会に対する理解と経験を深めてもらうため、町内の小中学校にインターネットを使った授業を導入することとなったのである。しかし、そのためには人数に応じたパソコンの導入やネットワークシステムの構築など、インターネット環境の整備を行わねばならない。川辺町では一部の中学校にパソコン教室があるものの、小学校は敷地面積や予算などの問題で新たにパソコン専用教室を作ることが難しかった。
「専用教室を作らなくとも、ほかに何か方法があるのではないかと考え、現状でパソコン教室の代わりになるものを検討しました。その結果、図書室を充実させて、そこでインターネットを使った授業ができないかと考えたのです。ただし、町内の小中学校の図書室はフロア構造になっていないため、どうしても配線がむき出しの状態になってしまいます。ネットワーク用の配線が張り巡らされた状態では、生徒たちが配線に足をとられてしまうなどの危険がともないます。そこで、無線LANを考えたわけです。しかも無線LANであれば図書室に限定せず、学校内のどこであってもインターネット環境を実現できます。また、無線LANのほうが後々さまざまな変化に対応することができると考え、無線LANの導入を決定しました」と川辺町役場総務課の坂尻勝信氏は語る。

坂尻勝信氏
       
川辺町役場総務課
坂尻勝信氏

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インターネット授業を支えるCisco Aironet
 では、学校側は無線LANの導入をどう捉え、またどのようにインターネットを活用しているのだろうか。
「わが校には現在42名の児童が在籍しています。児童用として32台のノートPCがあり、すべて無線LANでインターネットができる環境にあります。無線LANですから、子どもたちがPCを扱うときも配線によるケガなどの心配がないので大変助かります。授業では国際理解という観点から、さまざまな国のことを調べたりするのにインターネットを活用しています。有害サイトの閲覧ができないように、役場側でフィルタリングを行ってもらっていますので安心してインターネットを活用できます。子どもたちのほうが使い方を覚えるのが早いので、教員もインターネットを教えるにあたり、勉強することが多くなりました」と川辺町立山野小学校の芝田博文校長は語る
 山野小学校ではプリンタを職員室に設置し、それを職員と児童が一緒に使っている。このプリンタもネットワークで接続されているため、データは無線LANを経由してプリンタへ送信されるようになっている。また、役場や教育委員会との連絡をメールで行うなど、授業以外でも積極的にネットワークを活用している。

芝田博文校長
       
川辺町立山野小学校
芝田博文校長

Aironetとインターネットを使った授業風景 Aironetとインターネットを使った授業風
Aironetとインターネットを使った授業風景 各学校に設置されているAironetとインターネットを使った授業風景。インターネットを授業に取り入れたことで、授業の効率があがったという

 川辺町立川辺西小学校では、図書室に31台のノートPCをカギのかかる蓋付きのPCデスクとあわせて導入した。電源のコンセントは天井からの吊り下げ型となっている。
「インターネットを授業に取り入れてからそれほど時間はたっていませんが、5、6年生のほとんどはインターネットを自在に使いこなしています。インターネットでさまざまな情報を瞬時に探し出すことができますから、授業の効率もいいですね。電源以外の配線が必要ないので、電源さえあればどこででも使えるのもありがたいです。ネットワークのトラブルもありませんし、通信速度も現在の規模や使い方ならばまったく問題ありません。一度無線LANを体験すると、無線LANのないところへ行ったときに使いづらさを感じてしまうほどです」と川辺西小学校の古屋修校長も校内ネットワークを高く評価している。

古屋修校長
       
川辺西小学校
古屋修校長

 川辺町は無線LANによるネットワークの構築にあたり、シスコのAironetを採用した。各学校で実際に無線の到達範囲を調べた結果、アクセスポイントも想定していた半分程度の数ですみ、当初の見積りよりも予想以上に抑えることができた。また、セキュリティや性能という点でもシスコの製品に対する信頼は高かったという。
「ここまで無線が届くのかと驚きました。たとえば川辺西小学校は、本館校舎と家庭科室などがある別館に分かれています。本館と別館は約10m離れているのですが、本館に設置したアクセスポイントで別館まで無線が届きました。おかげでアクセスポイントは非常に少なくてすんでいます」と坂尻氏は語る。また、ネットワークシステム自体は他社との混合システムとなっているが、それが原因となるトラブルはまったくない。
「有線は縛られたネットワークで、無線LANのほうが多種多様な使い方ができます。今後市町村が合併し、学校も場合によっては統廃合ということもあるかもしれません。その場合でも無線LANならばユニットを含め、ネットワークシステムの移転が可能で、投資も無駄にならずにすみます」と川辺町役場総務課柏木弘充氏は言う。

柏木弘充氏
       
川辺町役場総務課
柏木弘充氏

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若い感性が新しい時代のネットワークシステムを構築
 町役場内部の庁内LANの整備はすでに2年前に完成しているが、今回のネットワーク構築にともない庁内のイントラネットも出先機関までネットワーク網を拡充させた。今回構築した川辺町内のイントラネットも、ランニングコストを考えて定常的な費用を削減したいという観点から、無線ルータを採用している。もちろん川辺町内の小中学校のインターネット環境は、川辺町のイントラネットを利用して作られている。
「初期投資としては無線のほうが高額にはなってしまいます。しかし、ランニングコストを含めたトータルのコストで見たら、無線のほうが費用対効果ははるかに高いのです」と坂尻氏は言う。

川辺町は限りある予算を有効に活用し、信頼性が高く、安全で柔軟性のあるネットワーク構築を実現した

 小中学校8校のうち、役場から見渡せる距離にある大成中学校と川辺西小学校は無線ルータの到達範囲にあるので、町役場の無線ルータによるネットワーク網と1.5Mbpsによるダイレクトな接続が行われている。その他の学校6校については地形や位置の関係で、庁内ネットワークと光ファイバーによって接続されている。庁舎には6校向けのルータとしてCisco3640を設置してネットワーク網を構築。またセキュリティを考慮し、庁内ネットワークと校内ネットワーク用にCisco PIX-520とPIX-515-URを採用した。校内ではCisco1603Rを経由し、Aironetによるネットワークを実現している。Cisco1603Rは小規模ネットワークの構築に最適なセキュリティルータであり、今回のような校内ネットワークを構築するような場合に優れたコストパフォーマンスを発揮する。

川辺町内の小中学校のインターネット環境を支えるシスコ機器
川辺町内の小中学校のインターネット環境を支えるシスコ機器

 川辺町のネットワーク構築は、坂尻氏や柏木氏をはじめとする総務課の若い職員たちが陣頭に立って行った。その結果、限りある予算を有効に活用し、信頼性が高く、安全で柔軟性のあるネットワークを組むことに成功したのである。
 学校内のネットワーク構築と地域イントラネットの拡充により、川辺町としての基本的なネットワーク整備はほぼ完了した。より広域的な範囲のネットワーク網の整備については、近年中に近隣市町村との合併の予定があるため未定となっている。しかし、川辺町のように学校までも含めたIT化を推進している自治体はまだ少ない。今回の先駆的なネットワークの構築とその活用によって、川辺町の行政と教育はこれまで以上に活性化していくこととなるだろう。さらにこの事例が、近隣自治体の模範となっていくことだろう。そして、シスコのAironetは今後もさまざまなネットワーク環境の構築をフレキシブルに支えていく。

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和歌山県日高郡川辺町
日高川の下流部に位置し、日高川と数本の支流の中山間地域の町に21の集落が散在する純農村地域。能楽の「鐘巻」「道成寺」、歌舞伎の「京鹿子娘道成寺」の舞台となった道成寺があることでも知られる。また、きれいな夜空を望むことのできる同町では、かわべ天文公園を設立(本記事トップの写真)。天文公園では観望会、プラネタリウムなどが楽しめる。今回、町内の小中学校にインターネットを使った授業を導入するため、無線LANによる高度なネットワークを構築した。

川辺町役場
〒649-1324 和歌山県日高郡川辺町土生160番地
TEL:0738-22-1700/FAX:0738-22-8779
http://www.town.kawabe.wakayama.jp/


return to top 更新日:2002年9月17日
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