ユーザー事例

ソフトバンクモバイル株式会社、ビジネス発展の基盤となる、ITインフラのあるべき姿を策定

ソフトバンクモバイル株式会社 複雑化していた自社 IT インフラの整理統合と標準化を推進
実務と技術の蓄積に基づくシスコのコンサルティング サービスを活用して今後の基礎となる方針とアーキテクチャを策定

ソフトバンクモバイルは、モバイル通信分野の企業を吸収合併しながら事業規模を拡大している。それに伴い、社内の IT インフラは構成が複雑化しており、整理統合が必要となっていた。社内に向けた IT サービスの提供をはじめ、より良い基盤を保ち続けるためクラウド環境や事業継続計画などの課題解決に取り組んでいる同社は、机上論ではなく実務経験と技術の蓄積に基づくシスコのコンサルティング サービスを活用して今後のあるべき方向性を自ら見出し、実現に向けて新たな対応を進めている。

■経緯:
グループ企業が構築してきた IT インフラの整理統合、
経緯社内に向けた IT サービスの提供をはじめ課題が山積

ソフトバンクモバイルは、各々のグループ企業が構築してきた IT インフラを社内のユーザには 1 つの基盤としてスムーズに利用できるようにすること、その信頼性の維持向上は大きな課題であると認識していた。また、インフラのプロビジョニングをはじめ一般顧客向けに提供している IT サービスを社内に展開したいというニーズにも応えていく必要があった。

同社は、こうした課題の解決に向けて物理的なネットワークの整理統合をはじめ、短期的な対応はもとより中長期的な視点に立った取り組みを日々の通常業務と並行して進めている。各々の担当者がスピード感を持って取り組み、少しずつ改善されていた一方で、全体的な方向性や優先順位の取りまとめや意識の共有が困難という別の課題も生じていたという。そんな折、シスコからコンサルティングの提案を受けたことが、今回のサービス利用の契機になった。

情報システム本部ネットワーク統括部統括部長の森和浩氏は、次のように話す。

「当社は複数の会社が連結して成り立っているので、ネットワークも各々が構築してきたものが複数組み合わさった状態になっているのが現状です。単一のネットワークであってもさまざまな課題がありますが、クラウドの時代を迎え、アジリティがより求められる中で、複数の考え方やコンセプトで成り立っているネットワークを 1 つのものとして見せていくにはさらに多くの課題があります。社内に向けたクラウド環境や IT サービスの提供も大きなニーズとしてあり、それを現行の組織や人員で対応していくにはどうするか? ということを考えていました。

ネットワークの技術は日々進歩していると言われますが、実はそれほど変わっていないところもありますし、エンジニアたちの日々の努力や頑張りで支えられている面も相当あります。ただ、そうした属人的なものに依存し続けるのではなく、エンジニアが本来の仕事をできる環境を整えて、俊敏性や利便性に応える IT サービスをいかに簡単に提供できるようにしていくかが重要です。

当社のネットワークにもシスコ製品は多く、シスコとのコミュニケーションは頻繁に行われています。

その中で、こうした課題の解決に貢献できるサービスがあるという話を聞いたのが今回のきっかけですね。最初は半信半疑なところもあったのですが、これが良い機会になればと思い、コンサルティング サービスの利用を検討することにしたのです。」

■プロセス 1:
ワークショップで各々の課題意識や取り組みを共有
前提となる要件、優先順位を整理する良い機会に

まず 2011 年に、グループ各社から社内 IT インフラのエキスパートが参加したワークショップを開催していた。シスコのファシリテーターが進行を務め、各々が抱えている課題や今後の展望などを踏まえつつ、要件の整理と優先順位をまとめたという。それまでグループ各社の担当者が皆で集まって議論する機会はあまりなかったと森氏は話す。

「このときは 20 数人が集まりました。エンジニア、企画担当、構築、運用など、社内 IT インフラに携わる人たちが一堂に会して、本当のブレーン ストーミングからやっていくのは初めてだったと思います。今抱えている課題を抽出し、全員で共有する良い機会になりましたし、お互いが何を考え、何に注目し、どのように取り組もうとしているかを知ることができました。」

このワークショップを経てシスコのコンサルティング サービスの利用を正式に決めたが、実際の取り組み(ディスカッション、資料作成など)はそれから 1 年半ほど経った 2013 年に行われることになった。その理由を森氏は次のように話す。

「コンサルティングをお願いしたら丸投げして終わるわけではありませんし、そもそもシスコのサービスはそういうものではないので、こちらも事前に準備する時間が必要だったのです。実際に動き出せば、資料を作ったり、打ち合わせをしたり、さまざまな工数が発生します。通常の業務をしながら対応できるようにするための準備期間が、結果的に 1 年半ほどかかったというところですね。良くも悪くも時間が空いたことで、各々が自分の考えを整理できたのではないかと思います。その間に物理的なネットワークの整理も進みました。その上でシスコのサービスを利用して議論を重ねたので、より熟成度を高めた結果につながったと言えるでしょう。」

■プロセス 2:
さまざまなテーマで集中的なディスカッションを実施
シスコの提案、ノウハウを活かして今後の方向性を明確化

今回のサービス展開期間は 3 ヵ月ほどで、その間にデータセンターや仮想化、SDN(Software Defined Network)、運用の自動化など主要なテーマを設けて十数回のディスカッションが実施され、都度その内容は標準仕様書という成果物の形でもまとめられた。シスコはここで「モジュール化」という考え方を提案し、それを活かす形で今後の方向性を整理していったという。個々の担当者が考えていたことは多数あり、そこから必要なものを結び付けて 1 つの「あるべき姿」を見出せたのは大きいと森氏は話す。

「モジュール化という手法自体は以前からありますが、自分たちの業務やサービスに当てはめた場合に、どのような単位で構成すれば良いかを考えるプロセスが全体の整理につながりました。ベースとなるアイデアとしても参考になり、良い提案をいただいたと思っています。ディスカッションの主要テーマとしたデータセンターインターコネクト(DCI)や SDN などの各項目、そのためのテクノロジーや実現の仕方をそれぞれモジュールとして捉え、まとめていきました。

実際に取り組みを始めてから最終的に完成するまで、プランニングの有効性は 5 年から 7 年くらいと考えているのですが、その基となるアーキテクチャを今回しっかり決められて、方針や落としどころ、今後に向けた青写真を具体的に目に見えるものにできたのは何よりでした。

DCI や、セキュリティ設計(ファイアウォールの設定変更作業)の工数削減など優先順位が高いものは、明確な目標を設定して実現に向けて動き出しています。」

同社は企業風土的に、スピード感を持って業務を進めることを是としており、外部の助力を請うよりも自ら解決していく意識が強いという。これは、コンサルティング サービスに対する社内の認識と関連しているところもあり、森氏は今回のシスコ サービス活用は数少ない成功例になったのではないかと話す。

「コンサルティングというと、中身のよくわからない大量のドキュメントが出てきて、結局役に立たないのではないか、という話は社内でもよく出ていました。今回はシスコのサービスということで、ベンダーロックにつながってしまうのではないかという懸念もなくはなかったのですが、実際に利用したら全然違いましたね。こういうサービスもあると学べたのも収穫でした。

図1

※画像をクリックすると、大きな画面で表示されますpopup_icon

今回、こちらからお願いしたことは大きく3つあり、

  1. 我々の考えをまとめる手助けをしてほしい  
  2. その考えの裏付けをしてほしい  
  3. プロジェクトの進め方、ドキュメントのまとめ方などノウハウを学ばせてほしい

これらを成果として満たせたと思っています。このサービスを通じて知ることができたシスコならではの視点や考え方、資料のまとめ方といった事柄は、今でも非常に参考になっています。」

■効果〜今後:
シスコから実務経験に裏打ちされた評価を得て次のステップへ
継続的なアップデートで今回の成果を継承、発展させていきたい

一般的なコンサルティング サービスとは異なり、シスコは IT インフラに関する実務経験、技術の蓄積、ノウハウが非常に豊富であり、ディスカッションの内容や提供されるドキュメントには常に確固たる根拠や経験の裏打ちがあったと森氏は評価している。技術的な観点でもわかりやすく、話を理解しやすいことは参加したエンジニアたちも感じ取っていたという。

「今回シスコ サービスを利用した目的は、ドキュメントを作ることではなく、最終的に我々が提供するネットワークやサービスがいかに良いものであり続けるか、自分たちの仕事にどのようにフィードバックしていくかを明確にするためです。グループ各社の担当者には、ディスカッションに参加するにあたり、まずは自分たちで主体的に考えていくための場として積極的に活用してほしいと話していました。そこにシスコの人たちが加わってくるということを、チャンスと捉えてもらえればと思っていましたね。

日頃、システム基盤のエンジニアたちは第三者的な立場から自身の業務を評価してもらう機会があまりなく、その意味でも今回のサービスは有用でした。自分たちの取り組みが正しい道のりを歩んでいると明確に評価され、裏付けを得られたわけです。この 3 ヵ月にシスコから得たコメントやドキュメント、吸収できた数々のノウハウは、今後もベースになっていくでしょう。ここで間違っていなかったという確証を得られたことで、さらに次のこと、新しいことを始められます。」

最後に、森氏はコンサルティング サービスとの接し方を交えて、シスコへの評価と期待を話してくれた。「単にドキュメントとしてまとめられたものを提供してもらい、その内容を把握するためだけに無駄な時間とコストを費やしたくはありませんでした。自分たちの主体的な考えがあり、それをいかに実現していくか、やる気を見せていくかということが日々なされていないと、コンサルティングの本来の効果を得ることはできないでしょう。シスコのサービスは、そうした観点でもこれまで当社が経験してきたコンサルティングとは違うと感じました。

今回作成したロードマップやアーキテクチャは、新しい考え方や周囲の環境の変化を捉えながらアップデートしていく必要があります。それも単にシスコにお任せということではなく、またシスコのエンジニアとともに議論していきたいですね。そうすることで、当社の中でもこのサービスを通じて得られた考え方やノウハウを資産として継承し、さらに発展させていくことができると期待しています。」

導入ソリューション

  • 次世代 IT インフラ戦略策定コンサルティング サービス(シスコ アドバンスド サービス)

導入前の課題、検討事案

  • 事業規模の拡大に伴い社内 IT インフラの構成が複雑化しており、整理統合が必要となっていた。
  • IT サービスの提供をはじめ、社内のニーズに迅速に対応していくための基盤整備や新しいクラウド環境などへの対応が求められていた。

導入効果

  • シスコのコンサルティング サービスを活用したことで、短期的対応はもとより、中長期的な視点でも取り組むべき課題の要件や優先順位の明確化が図られ、今後の方針策定の基礎を共有できた。
  • 課題の洗い出しから解決までのプロジェクト運営、ドキュメント作成など、業務ノウハウをシスコから得ることができ、自社の資産として活用できるようになった。
  • シスコからこれまで取り組んできた業務に対する適正な裏付けや評価が得られ、新たな取り組みへの自信や意欲を醸成できた。
  • 机上論ではなく、実務経験と技術の蓄積に裏打ちされたシスコのコンサルティングにより、社内でも評価される成功例を実現できた。
ソフトバンクモバイル株式会社
ソフトバンクテレコム株式会社
ソフトバンクBB株式会社
情報システム本部
ネットワーク統括部
統括部長
森 和浩 様

ソフトバンクモバイル株式会社
ソフトバンクテレコム株式会社
ソフトバンクBB株式会社
情報システム本部
ネットワーク統括部
統括部長
森 和浩 様

ソフトバンクモバイル株式会社

ソフトバンクモバイル株式会社
本社所在地
東京都港区東新橋1 -9 -1
サービス開始日
1994 年 4 月 1 日
資本金
1,772 億 5,100 万円(2014 年 3 月末現在)
従業員数
約 7,900 人( 2014 年 3 月末現在)
URL
http://www.softbank.jp/
corp/group/sbm/

iPhone/iPad、SoftBank スマートフォンなど魅力的 な携帯端末や多彩なコンテンツを提供するとともに、 より快適に利用できるよう、通信ネットワークの拡充 に取り組んでおり、お客さまに選ばれる移動通信サー ビスを目指している。