ユーザー事例

富士通株式会社、ICT 運用管理サービスとシスコスマート機能との統合によりプロアクティブなサービス提供を実現

ICT 環境の変化に対応するプロアクティブなサービス展開を強化
技術情報の速やかな提供、ネットワークの体感品質向上を目指して
自社 ICT 運用管理サービスとシスコ スマート機能を統合 富士通株式会社

さまざまな新技術の台頭、ユーザのニーズの変化を踏まえて、富士通はプロアクティブなサービス提供に向けた取り組みを進めている。ネットワークやシステム全体を監視し、その体感品質の向上を図る際、取り扱いが増えているシスコ製品の技術情報も速やかに提供する必要があると判断した同社は、自社の ICT 運用管理サービスにシスコ スマート機能を組み合わせることを決断。双方のメリットを最大限に発揮できる、新たなサービス提供形態を実現した。

背景
ICT 環境の変化に伴いネットワークのトラフィックは増加傾向
安定稼働や体感品質の“見える化”へのニーズがさらに高まる

富士通は、顧客の ICT 環境の運用管理を担うライフサイクル マネジメント(LCM)サービスの 1 つとして、ネットワーク環境の企画設計、構築、運用管理など業務全般を継続的にサポートする「ネットワーク LCM サービス」を提供している。ネットワークの最適化や安定稼働に効果を発揮し、同社の技術力や対応力と相まって顧客から高い評価を得ている。このサービスをより強化し、プロアクティブな対応を促進したいと考えた同社は、シスコの技術サービスであるシスコ スマート機能を導入。両者を組み合わせて顧客に提供するための取り組みを進めている。

富士通株式会社 インフラサービス事業本部 本部長代理の山本享史氏は、こうした展開の背景にある、ICT 環境の変化について次のように話す。

「次世代 ICT のキーワードとして、クラウド、モビリティ、ビッグデータ、ソーシャルなどが挙げられています。これらの背景には、仮想化技術の進展はもとより、Software Defined Network(SDN)など新たな技術の台頭や、多彩なモバイル機器の出現と普及、情報家電や各種センサーまであらゆるものがインターネットにつながる Internet of Things(IoT)の市場拡大など、さまざまな要因があるでしょう。

こうした状況の変化によって、ネットワークのトラフィック、とりわけモバイル端末のトラフィック増加は目覚ましく、ネットワークの安定稼働に向けたサービスの拡充は不可欠となっています。今回、当社のサービスにシスコのサービスを組み合わせることにしたのも、こうした理由に因るところが大きいですね。」

富士通株式会社 サービスビジネス本部 アウトソーシングビジネス統括部 オンサイトサービス推進部の伊藤英也氏は、ICT 環境が変化することで、顧客のニーズも変化していると話す。

「安定したネットワーク環境、ネットワーク セキュリティの担保といったこれまでの主要なニーズに加えて、システムやネットワークのユーザ体感品質を維持、向上することに、お客様の意識が高まっているように感じています。

昨今のネットワーク トラフィックの増加傾向や今後の技術動向、ユーザの利用シーンや端末の多様化などさまざまな事柄を踏まえると、従来の運用支援サービスだけでなく、体感品質の見える化や改善を実現できるサービスへのニーズが高まっていくでしょう。」

プロセス
自社のサービスや技術情報とシスコ製品の情報を合わせて
プロアクティブなサービス提供の強化を目指す

これまで同社のサービス展開はオンプレミスでシステムを導入している顧客が主で、どちらかというとリアクティブな対応だったという。株式会社富士通エフサス サービスビジネス本部 ネットワーク・セキュリティサービス統括部の狩野弘氏は、これからはよりプロアクティブな対応が求められると話す。

「従来はシステム監視やネットワーク監視の技術を駆使して、トラブルに迅速に対応することを目指していました。機器の監視機能に特化したツールを開発し、それを活かしたサービス提供を行ってきましたが、今までは機器単体を監視していれば十分という面もあったと言えるでしょう。

今後、スマート デバイスからのアクセス増加、データセンターやクラウドの活用がいっそう進み、システムの形態も変化することでネットワークの重要性は大きく高まっていきます。そうした状況の中、トラブルが起きてから対応するリアクティブなサービスでは十分ではありません。トラブルの芽を未然に摘み取るべく、プロアクティブなサービス提供を拡大していくことが重要です。」

同社はプロアクティブなサービス拡大の一環として、ネットワーク上のトラフィックやサーバの処理時間などシステム全体の状態をリアルタイムに可視化する独自の技術とツールを開発。ネットワークが「何となく遅い、重い」と表現されてきた体感的な品質の劣化をデータとして表示し、潜在的なトラブル要因のいち早い具現化と対応を実現している。

こうした独自のアプローチを積み重ねてきた同社が、今回シスコ スマート機能を自社のサービスに組み込むことにしたのは、機器の一元管理を行うための情報が容易に取得できること、さらに同社が取り扱うシスコ製品の割合が増加し、技術情報などをより迅速に把握、提供する必要が出てきたためと狩野氏は話す。

「自社製品の技術情報は、すでにデータベースとして保有しています。そこにシスコ製品の情報を合わせて、インフラ部分にフォーカスしたプロアクティブな対応を強化したいと考えました。その際、お客様が利用しているシスコ機器の最新情報、脆弱性、契約状況などを一元的に確認できるシスコ スマート機能は非常に役立ちます。両者を組み合わせれば、当社が目指しているプロアクティブなサービス提供をより強固なものにできると思ったのです。

当社独自の監視ツールであるネットワーク サービス ツールと、シスコ スマート機能のコレクター ツールを同一プラットフォーム上で動作させるようにして、機器状態の監視、最新コンフィグの自動管理、機器のアラート レポート提供を同時に行うサービスを提供する予定です。」

今後の展望
富士通ならでは、の付加価値を顧客に提供
ネットワーク ビジネスの協業を進め、両社の関係を発展させていきたい

シスコ スマート機能は、インベントリ管理による機器情報の可視化、機器の自動診断による問題の早期検出、契約情報の一覧などを専用のポータル サイト上で一元的に行うことができる。狩野氏は、シスコ スマート機能から取得した情報を実際の顧客(エンドユーザ)へ提供する際に、富士通としてどのように付加価値を実現するかを意識したと話す。

「お客様が一番知りたいと思われるのは、機器の不具合(バグ)に関する情報だと思っています。シスコ機器に関する情報を、これまで当社が自社製品について提供してきた情報と同じ体裁(表形式)にまとめるまで少々手間がかかりましたね。どうすれば見やすく、また富士通製品と同じレベルで情報を提供できるか、試行錯誤を繰り返しました。」

今後は、システム全体の監視とプロアクティブな対応の強化に加え、データセンター間やミドルウェア、アプリケーション レイヤーにおけるデータ トラフィックの可視化、さらなるサービス領域拡大に向けた取り組みを進めていくとのこと。

山本氏は、今回の経緯を踏まえ、シスコとの良好なパートナーシップの下で、ネットワーク ビジネスがより広がっていくことに期待を見せる。

「当社では、既存のサービス メニューにシスコのサービスを組み込むことで、双方のシナジーが最大限に発揮できるサービス構成を実現できたと思っています。今回の協業で、両社のネットワーク ビジネス拡大に向けた貴重な第一歩を踏み出せました。今後もシスコとのビジネスを進め、よりよい関係を発展させていきたいですね。」

シスコ スマート機能

機器情報の収集、可視化でネットワークの管理能力を大幅に向上
ネットワークを中心とした IT インフラの可用性向上を包括的に支援。遠隔技術支援サポート(Cisco TAC)や代替パーツ配送など基本テクニカル サポート サービスに加え、お客様の詳細なインベントリ情報をパートナーに提供します。

図1

※画像をクリックすると、大きな画面で表示されますpopup_icon


ネットワーク LCM サービス

ネットワークの設計、構築、運用に関わる業務を包括的に支援
高いスキルを持ったサービス マネージャーが、お客様ネットワークの企画、設計から運用管理、業務全般を継続的かつトータルにサポートします。ネットワークに関するお客様の作業負荷を軽減しつつ、ネットワークの最適化、安定運用を実現します。

図1

※画像をクリックすると、大きな画面で表示されますpopup_icon

サービス ツール

  • 可視化/診断ツール NDT (Network Diagnostic Tool)
    7 件の独自特許を取得した(出願中含む)最先端の技術を含むサービス ツール。 お客様ネットワークの通信品質を可視化。
  • 可視化/診断ツール SDT(System Diagnostic Tool)
    サーバ階層(Web、アプリケーション、データベース)の品質を可視化。
  • 監視ツール NST(Network Service Tool)
    ネットワーク機器の監視、管理による障害検出、リモート通報、構成定義情報管理、 トラフィック情報の取得を実行。

サービスメニュー概要
【設計、構築】
  • ネットワーク企画、設計
  • ネットワーク構築
【運用】
  • サービス マネジメント
  • 監視  
    • ネットワーク監視  
    • 監視情報 Web 公開  
    • 品質監視(性能監視)
  • トラブル対応  
    • 構成定義情報管理
  • 品質アセスメント  
    • ネットワーク可視化  
    • システム可視化  
    • ユーザ オペレーション   
      • 分析支援オプション
  • リソース提供
  • スマート レポート サービス
    シスコ スマート機能を活用したサービス。対象ネットワーク機器情報、構成情報、保守契約情報、脆弱性情報などを収集し、レポートとして提供

導入ソリューション

シスコ スマート機能

導入前の課題、検討事案

  • システム形態の変化やネットワーク トラフィックの増加に伴い、障害などが発生してから行う従来型のリアクティブな対応では十分なサービスを提供するのは難しいと考え、プロアクティブな対応の強化を図ろうとしていた。
  • 構築するネットワーク環境においてシスコ製品の割合が増え、プロアクティブな対応の一環として、シスコ製品に関する情報の迅速な把握や顧客への提供が必要となっていた。

導入効果

  • シスコ スマート機能で確認できる詳細な技術情報を、自社のサービスと組み合わせて顧客に提供できるようになり、よりよいサービス(サポート)を実現している。
富士通株式会社
インフラサービス事業本部
本部長代理
山本 享史 様

富士通株式会社
インフラサービス事業本部
本部長代理
山本 享史 様

富士通株式会社
サービスビジネス本部
アウトソーシングビジネス統括部
オンサイトサービス推進部
伊藤 英也 様

富士通株式会社
サービスビジネス本部
アウトソーシングビジネス統括部
オンサイトサービス推進部
伊藤 英也 様

株式会社富士通エフサス
サービスビジネス本部
ネットワーク・セキュリティサービス統括部
シニアディレクター
(センシング&モニタリングビジネス担当)
狩野 弘 様

株式会社富士通エフサス
サービスビジネス本部
ネットワーク・セキュリティサービス統括部
シニアディレクター
(センシング&モニタリングビジネス担当)
狩野 弘 様

富士通株式会社

ソフトバンクモバイル株式会社
本社所在地
神奈川県川崎市中原区上小田中 4 - 1 - 1
本社事務所所在地
東京都港区東新橋 1 - 5 - 2
汐留シティセンター
設立
1935 年 6 月 20 日
資本金
3246 億 2500 万円
(2013 年 3 月末現在)
従業員数
169,000 名
(2013 年 3 月末現在)
URL
http://www.fujitsu.com/jp/

株式会社富士通エフサス

本社所在地
神奈川県川崎市中原区中丸子 13 - 2
野村不動産武蔵小杉ビル N棟
設立
1989 年 3 月 1 日
資本金
94 億 175 万円
(株主 富士通株式会社 100%)
従業員数
6,285名
(2013 年 6 月 20 日現在、連結ベース)
URL
http://www.fujitsu.com/jp/group/fsas/

富士通グループでは、ICT 分野において各種サービスを提供するとともに、これらを支える最先端、高性能かつ高品質のプロダクトおよび電子デバイスの開発、製造、販売から保守運用までを総合的に提供する、トータル ソリューション ビジネスを行っています。
サービスの分野においては、保守サービスや ICT 運用管理を中心とするインフラ サービスや、ICT システムをデータセンターなどでお預かりしお客様に代わって一括運用管理を行うアウトソーシング、IT システムのコンサルティング、設計、アプリケーション開発、実装などのインテグレーションを行うソリューション/SI を展開しています。
ネットワーク LCM サービスについてはこちらを参照