ユーザー事例

株式会社エネルギア・コミュニケーションズ

株式会社エネルギア・コミュニケーションズCisco I AC でクラウド サービスのプロビジョニングを自動化 設定作業や環境構築の大幅な効率化、省力化によって スピーディかつ高品質なサービス提供体制を実現

中国地方を事業基盤として、地域に根差した情報通信事業を展開している株式会社エネルギア・コミュニケーションズは、顧客に合った新しい ICT サービスの創出や、豊富なサービスを組み合わせたトータル ソリューションの提供によってビジネスや生活のスタイル変革を支えている。事業の新たな柱としてクラウド サービスを積極的に展開する同社は、今後さらに飛躍していくためにもサービス提供の迅速化と運用を効率化することが不可欠と判断。シスコのクラウド運用管理ソリューション Cisco IAC の採用によって、俊敏かつ安定した業務基盤を確立している。

経緯
クラウド サービスの大きな伸びに対応するには社内業務の効率化が不可欠

中国地方を中心に、法人ならびに個人を対象とした ICT サービスを提供しているエネルギア・コミュニケーションズは、2011 年 12 月から提供を始めているクラウド(データセンター)サービスの利用者が急速に増えていることから、運営体制の効率化による業務負荷の削減、よりスピーディな顧客対応の実現を図ろうとしていた。顧客ごとに行っている機器の設定やプロビジョニング作業の負荷を減らすことを最初の目標とした同社は、各社のソリューションの比較検討を経て、シスコのクラウド運用管理ソリューション Cisco Intelligent Automation for Cloud (Cisco IAC)を採用した。

通信技術本部 伝送設備部 システム技術チーム マネージャーの武田洋之氏は、同社のクラウド サービスへの取り組みを踏まえて、次のように話す。

「当社は 2 年前からクラウド サービス『EneWings クラウド』の提供をはじめ、データセンター事業を本格的に展開しているところです。クラウドへの注目はこれからさらに高まり、事業の大きな柱になっていくと考えています。

現在、クラウド サービスは法人向けに特化した形で提供していますが、そのインフラの一部にはシスコ製品を用いています。それらをよりうまく活用していく上で、Cisco IAC は大いに役立つと感じました。」

通信技術本部 伝送設備部 システム技術チーム サブマネージャーの曲渕勝氏は、同社が今後クラウド サービスをさらに展開していくにあたり、3 つの課題があったと話す。

「 1 つ目は、お客様がサービスを利用開始できるまでの時間(期間)短縮。2 つ目は、プロビジョニング作業の効率化、平準化。そして 3 つ目が、お客様増加に伴う管理の複雑化の解消でした。当社のクラウド サービスは、仮想マシンなどデータセンター側の環境に加えて、自社の閉域回線網と組み合わせてご提供していることを強みとしていて、お客様ごとに構成が異なります。

以前は担当者が手作業でプロビジョニング作業を実施していたので、工数自体も多く、なかなか効率化できませんでした。複数のお客様から申し込みが重なったときなどは業務負荷が大幅に増して迅速な対応が困難になってしまうこともあり、担当者の業務品質を維持する上でも、効率化は必須だったのです。」

選定〜導入
まずはプロビジョニングの自動化からスタート
シスコの手厚い導入支援サービスで懸念を払拭

課題解決に最適なソリューションとして、シスコから Cisco IAC の提案があったのは 2013 年夏ごろ。同年 11 月ごろから検討に入り、2014 年 2 月に初期の導入プロセスを終えている。まずは導入効果が大きいと見込まれたプロビジョニング作業をメインとした限定的な範囲から導入を始め、実際の経過を見ながら次のステップに進めるという段取りにしたと曲渕氏は話す。

「現状のプロビジョニング業務の要員および設定方法では負担が大きく、まずはここを改善しようと考えました。いわゆる自動化ツール、運用支援ツールは各社の製品を比較検討しました。そのなかでもシスコの提案は、導入前のシミュレーション(効果測定)、コンサルティングや導入支援サービスなど非常に手厚いもので、社内での理解や把握がスムーズに進みました。すでにシスコ製品を利用していることもあり、信頼できると判断したのも Cisco IAC 採用の理由です。」

導入時期が同社の繁忙期と重なり、通常の業務と並行して作業を進めることになったが、シスコの適切な導入支援サービスもあって支障なく完了できたとのこと。通信技術本部ネットワークオペレーションセンター回線構成チームの伊藤徹彦氏は次のように話す。

「Cisco IAC を導入して、できるだけ早く自動化を実現したいと考えました。導入作業は大変でしたが、シスコのしっかりした導入支援サービスのおかげで順調だったと思います。初めてお客様環境に適用するときは、事前に十分検証を行っていても緊張しました。とてもスムーズに必要な設定を投入でき、それからは安心して利用しています。」

導入前の検討段階では、少々不安もあったと伊藤氏は振り返る。

「最初にシスコからプロビジョニングの自動化という提案をいただいたときは、当社のサービス提供形態と照らして、本当に自動化できるのだろうか? という不安もありました。お客様によって構成や展開の仕方がちがうので、それらを網羅できるのか? 自分たちがその都度検討しながら、その場その場で行ってきた作業を標準化していけるのか? と、いろいろ考えました。そうした懸念をシスコへ率直に伝えて、適切なコンサルティングや支援をいただきながら検討を進め、今回はまず基本となる標準化の手順を決めるところからスタートしました。今後、この手順に即さない新しいお客様が出てくることも、もちろん想定しています。今回の導入で、どのようにすれば業務を標準化できるか? 設定を作っていけばよいか? という基本的な考え方が明確になり、これまでにない観点で物事を捉えられるようになったのは大きいと思っています。」

導入効果
ネットワーク機器の設定作業を大幅に省力化
熟練者でなくとも安定した運用管理が可能

今回の Cisco IAC 導入でプロビジョニング自動化の対象としたのは、シスコの高機能ルータ Cisco ASR 9000 シリーズと、セキュリティ アプライアンス Cisco ASA 5500 シリーズの 2 製品。これらは設定の回数が多く、効果が高いと判断された。当初目標としていた自動化は順調に展開し、確かな効果が得られているとのこと。通信技術本部ネットワークオペレーションセンター回線構成チーム サブマネージャーの原田大地氏は次のように話す。

「以前は機器ごとに手順を作成し、大量のコマンドを確実かつ間違いなく投入するため、常に 2 人がかりで作業をしていました。パラメータの投入箇所は 33 ヵ所ほどあったのですが、Cisco IAC の導入 後は 5 ヵ所ほどに集約され、パラメータ入力画面に必要な値を入れればコマンドも自動的に生成されるようになりました。作業時間は機器にもよりますが、90 分ほどかかっていたものが 20 分程度になるなど、はっきりと効果が出ています。担当者の作業負荷が非常に軽くなり、設定ミスの低減にもつながっています。

作業手順書の作成も、導入前はコマンド 1 行 1 行を網羅的に作成する必要があり、かなりの分量になっていましたが、Cisco IAC 導入後はシンプルになってチェックの負荷も軽くなりました。

また、以前はコマンドの内容を理解していないと作業できない部分が多く、熟練した担当者がずっと作業していたのですが、Cisco IAC を導入した部分はパラメータ入力を間違わなければ熟練者でなくても確実に対応できます。今後クラウド サービスの業務に携わる人員の幅も広がっていくと期待しています。」

今回の導入プロセスと効果

今回の導入プロセスと効果

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今後の展開
管理や自動化の対象を広げ、より効率化を図ることが目標
シスコの経験やノウハウのフィードバックにも期待

Cisco IAC による自動化の効果がはっきり出ていることを踏まえて、同社では早くも次のステップへ進もうとしている。原田氏は今後の予定を次のように話す。

「まずは Cisco IAC で運用を自動化する対象機器を増やしていきたいですね。設定回数が多いリモート アクセスやファイアウォールは、ぜひ実現したいところです。また、UTM の設定もよく行うのですが、今はまだ Cisco IAC から直接制御できないので、対応するインターフェイスの部分を社内で作成したいと考えています。Cisco IAC はユーザ側である程度インターフェイス部分の作り込みができるので、シスコにアドバイスをもらいながら実現できればと思います。

現在は機器 1 台ずつに対してパラメータの登録と設定の投入を行っていますが、これを少し発展させて、パラメータが共通の複数の機器に対する一括設定なども検討していく予定です。」

曲渕氏は、同社のクラウド サービスの発展に伴い、Cisco IAC の活用がさらに進んでいくと話す。

「これからお客様がさらに増えて、稼働マシンがどんどん増えていくことが予想されます。Cisco IAC による構成管理のシステム化など、より効果的な運用も検討していくことになるでしょう。」

最後に、武田氏はシスコへの期待を込めて、次のように話す。

「Cisco IAC によって、当社のクラウド サービスを支える業務の効率化、ヒューマン エラーの防止など、さまざまな効果が生まれています。シスコ自身も Cisco IAC を活用しているとのことですし、シスコ製品は世界中で利用されていますので、その経験やノウハウが反映されていけば、それは当社にとってもメリットにつながります。作業の安全性が向上するような機能の追加をはじめ、これからの展開に期待しつつ、当社としても積極的にシスコ ソリューションを活用していきたいと思っています。」


Cisco IAC とは?

Cisco IAC とは?

Cisco Intelligent Automation for Cloud(Cisco IAC)は、プライベート、パブリック、ハイブリッドまたはバーチャル プライベート モデルなど、さまざまな形態のクラウド インフラストラクチャの設計、導入、運用を支援するソリューションです。必要な機能を 1 つのプラットフォームとして統合し、クラウド環境に対する企業の課題をスマートかつスピーディに解決します。

  • サービス提供の自動化・・・ 標準化されたサービス カタログの作成など
  • 運用プロセスの自動化・・・プロビジョニング、サービス変更管理など
  • リソース管理の標準化・・・コンピューティング、仮想化、ネットワーク、ストレージなど
  • ライフ サイクル管理の効率化・・・自動化設計の作成および管理、各サービスのトラッキング機能など
  • ユーザ向けセルフサービス ポータルを提供

サービスのオーダーと管理を効率化

サービスのオーダーと管理を効率化


ワークフローを視覚的に設計

ワークフローを視覚的に設計

導入ソリューション、サービス

  • Cisco Intelligent Automation for Cloud(Cisco IAC)
  • Cisco IAC 設計、構築、導入支援サービス

導入前の課題、検討事案

  • 顧客ごとにサービス提供形態が異なり、プロビジョニング作業を手動で行っていたため、工数を抑えることが難しく、効率化を阻んでいた。
  • 作業に携わる人員の規模を踏まえ、業 務負荷の削減による品質の安定と向上、人的ミスの抑制などを図りたいと考えていた。
  • 今後のクラウド サービス利用者の増加に備え、迅速なサービス提供、運用管理の簡素化や合理化

導入効果

  • Cisco IAC によるプロビジョニング作業の自動化で、機器の設定作業にか かる負荷が大幅に削減された。
    例:パラメータ投入 33 ヵ所→ 5 ヵ所
    作業時間 90 分→ 20 分
  • 担当者の負担が大きく減り、業務品質
    の向上やミスの抑制につながっている。
  • シスコの手厚い導入支援サービスによって導入と運用が順調に進むとともに、 業務プロセスの標準化に対する理解や見識が深まり、今後のサービス運用管理の方向性が明確になった。
通信技術本部
伝送設備部 システム技術チーム マネージャー
武田 洋之 様

通信技術本部
伝送設備部 システム技術チーム
マネージャー
武田 洋之 様

通信技術本部
伝送設備部 システム技術チーム サブマネージャー
曲渕 勝 様

通信技術本部
伝送設備部 システム技術チーム
サブマネージャー
曲渕 勝 様

通信技術本部 ネットワークオペレーションセンター 回線構成チーム
サブマネージャー
原田 大地 様

通信技術本部
ネットワークオペレーションセンター
回線構成チーム
サブマネージャー
原田 大地 様

通信技術本部 ネットワークオペレーションセンター 回線構成チーム
伊藤 徹彦 様

通信技術本部
ネットワークオペレーションセンター
回線構成チーム
伊藤 徹彦 様

株式会社エネルギア・コミュニケーションズ

株式会社 エネルギア・コミュニケーションズ
所在地
広島県広島市中区大手町 二丁目 11 番 10 号
設立
1985 年 4 月 1 日
資本金
60 億円
従業員数
898 名(2014 年 4 月 1 日現在)
URL
http://www.enecom.co.jp/

システム構築、ソフトウェア開発、コンサルティングなどの情報処理事業と、信頼性の高い光ファイバーケーブルによる電気通信事業(IP 電話、インターネット サービス〔メガ・エッグ、メガ・エッグ光電話〕、イーサネット通信網サービス〔V-LAN〕など)を展開。さらに、この両者を効率的かつ有機的に活用するトータル ソリューション事業、および付帯事業(データセンター、ネットワーク ソリューション、OA サポート ソリューションなど)を展開しており、これらによって顧客の IT 化ニーズに応えるベスト パートナーとして、幅広いサービスを提供している。