リファレンス ガイドCisco Aironet アンテナおよびアクセサリ概要目的と内容このアンテナ リファレンス ガイドの目的は、Cisco® Aironet® 無線 LAN システム、または無線ブリッジ システムで使用するアンテナの諸問題を理解するうえで役に立つ情報を提供することです。このガイドでは、アンテナの配置と設計、制限事項と機能、および基礎理論について詳しく説明します。また、シスコシステムズのアンテナおよびアクセサリに関する情報、設置シナリオ、規制に関する情報、および提供されているアンテナの技術仕様と図表も記載されています。 アンテナの概要各 Cisco Aironet 無線製品は、さまざまな環境で機能するように設計されています。アンテナ システムの実装によって、カバレッジとパフォーマンスを大幅に向上させることができます。シスコの無線 LAN のパフォーマンスを全体的に最適化するには、適切なアンテナを選択して正しく設置することで無線のカバレッジを最大限に拡大する方法を理解することが重要です。アンテナ システム(図 1)は、アンテナ、取り付け用ハードウェア、コネクタ、アンテナ ケーブル、さらに場合によっては避雷器など、多数のコンポーネントで構成されます。ご相談については、次のサイトで Cisco Aironet パートナーを検索してご連絡ください。 シスコのパートナーはオンサイトの技術サポートを提供しており、複雑なご要望にもお応えできます。
図 1 Cisco Aironet 5.8 GHz および 2.4 GHz アンテナ 無線テクノロジー1980 年代半ば、米国の Federal Communications Commission(FCC; 米国連邦通信委員会)は、無線スペクトル規制の Part 15 に変更を加えました。Part 15 は、無認可のデバイスについて定めたものであり、この変更により、スペクトル拡散変調を利用して無線ネットワーク製品を Industrial, Scientific, and Medical(ISM; 産業、科学、および医療用)帯域で動作させることが許可されました。それ以前には、この種類の変調は軍用製品に分類されたうえで許可されていました。ISM 周波数には、異なる 3 つの帯域(900 MHz、2.4 GHz、5 GHz)があります。このガイドでは、2.4 GHz 帯域と 5 GHz 帯域の両方が対象となります。 通常、ISM 帯域では、ユーザは特定のライセンスなしで無線製品を運用できますが、一部の国では異なります。米国では FCC の認可は必要ありませんが、製品自体は、販売の認定を得るために特定の要件を満たす必要があります。これは、1 W 未満のトランスミッタ出力での動作(米国内)や、アンテナの最大ゲインまたは Effective Isotropic Radiated Power(EIRP; 等価等方放射電力)の定格などです。日本では、ARIB STD-T66、ARIB-STD-33、ARIB-STD-T71 に準拠しております。 Cisco Aironet 製品群では、2.4 GHz および 5 GHz 帯域の両方を利用できます。米国はもちろん、日本でも、これらの周波数帯には免許は不要で、ISM 帯域として知られています。ISM 帯域には、次のものがあります。
各周波数帯域には、異なる特性があります。周波数が低い方が到達範囲は大きくなりますが、帯域幅が限定されるため、データ レートは小さくなります。周波数が高くなると到達範囲が小さくなり、物体による減衰を受けやすくなります。 DSSS(直接シーケンス スペクトル拡散)Direct Sequence(DS; 直接シーケンス)スペクトル拡散方式では、冗長情報が符号化され、RF(無線周波)信号に変換されます。各データ ビットは、チッピング シーケンスまたは Barker シーケンスと呼ばれる一連のチップに展開されます。米国 FCC が規定しているチッピング レートは、1 Mbps および 2 Mbps のレートで 10 チップ、11 Mbps のレートで 8 チップです。そのため、11 Mbps では、1 データ ビットにつき 8 ビットが伝送されます。チッピング シーケンスは、スペクトル拡散周波数チャネル全体にわたって同時に伝送されます。 FHSS(周波数ホッピング スペクトル拡散)Frequency Hopping(FH; 周波数ホッピング)スペクトル拡散方式では、あらかじめ定義されたタイミングとチャネルで、ある周波数から別の周波数へと移行またはホップする無線が使用されます。規制によって、1 つのチャネルが持続的に使用される時間は最大 400 ミリ秒と定められています。1 Mb および 2 Mb の FH システムでは、ホッピング パターンに 75 の異なるチャネルを含める必要があり、すべてのチャネルを使用するまでどのチャネルも再利用できません。Wide Band Frequency Hopping(WBFH)システムでは、最大 10 Mb のデータ レートを使用できますが、規制によって少なくとも 15 のチャネルを使用することが定められ、オーバーラップは許されません。83 MHz のスペクトルのみを使用する場合、システムが使用できるチャネル数は 15 に限定されるので、スケーラビリティに問題が発生します。 どんな場合でも、トランスミッタ(送信)出力とアンテナが同じであれば、DS システムは FH システムに比べてレンジ、スケーラビリティ、スループットが大きくなります。そのため、シスコのスペクトル拡散製品では、DS システムのみをサポートしています。 OFDM(直交周波数分割多重)802.11a および 802.11g データ伝送で使用される Orthogonal Frequency Division Multiplexing(OFDM; 直交周波数分割多重)方式は、旧式の DS システムよりも高いパフォーマンスを発揮します。OFDM システムでは、各トーンが隣接トーンに対して直交しているため、DS システムに必要な周波数ガード帯域は不要です。このガード帯域を設けると、帯域幅の効率が低下し、利用可能な帯域幅のうち最大で 50%が無駄になります。OFDM は多くの狭帯域トーンから構成されるため、狭帯域干渉によって悪影響を受けるのは信号の小さな部分に限られ、周波数コンポーネントの残りの部分への影響はほとんど、またはまったくありません。 アンテナの特性と定格アンテナによって無線システムの 3 つの基本的特性 - ゲイン、放射方向、および極性が決まります。ゲインは出力増加の尺度です。放射方向は伝送パターンの形状です。アンテナの機能は、懐中電灯の反射鏡にたとえて考えるとよく理解できます。反射鏡によって光線は特定の方向に集中し、強められます。これは無線システムでパラボラ アンテナが RF 発信元に対して果たす役割に似ています。 アンテナのゲイン定格は、dB 単位で 2 つの値の比率として表示されます。アンテナの定格は通常、等方性アンテナまたはダイポール アンテナのゲインを基準とします。等方性アンテナは、均一な 3 次元放射パターンを持つ理論上のアンテナです(反射鏡のない電球のようなものです)。dBi は、この理論上の等方性アンテナに対する特定のアンテナ出力レベルの比率を表す単位です。米国 FCC では、計算に dBi を使用しています。等方性アンテナの出力定格は 0 dB とされ、それ自体に対する比率をとると、ゲイン/損失は 0 となります。 等方性アンテナと異なり、ダイポール アンテナは実際のアンテナです(ダイポール アンテナは、Cisco Aironet アクセス ポイントおよびワークグループ ブリッジにおける標準です)。ダイポール アンテナは、等方性アンテナとは異なる放射パターンを持っています。ダイポールの放射パターンは、水平偏波面で 360 度、垂直偏波面で 75 度であり(ダイポール アンテナを垂直に立てて設置した場合)、ドーナツのような形をしています。ビームが「わずかに」集中されるため、ダイポール アンテナのゲインは等方性アンテナよりも大きくなり、水平偏波面で 2 dB となります。したがって、ダイポール アンテナのゲインは 2.14 dBi とされています(等方性アンテナに対する比率)。 アンテナの定格は、ダイポール アンテナに対する比率で表示する場合もあります。これは、dBd というサフィックスによって示します。したがって、ダイポール アンテナのゲインは 0 dBd(= 2.14 dBi)となります。 ほとんどの資料では、ダイポール アンテナのゲインは 2.2 dBi とされていることに注意してください。実際の数値は 2.14 dBi ですが、端数が切り上げられることがよくあります。 アンテナの種類シスコでは様式の異なる数種類のアンテナを提供しており、2.4 GHz 製品群のアクセス ポイントとブリッジの両方、および 5 GHz BR1400 ブリッジで使用できます。販売されているアンテナは、すべて FCC によって認可済みです。アンテナは、種類によってカバレッジの特性が異なります。アンテナのゲインが大きくなると、代わりにカバレッジ領域は少し小さくなります。通常、ゲイン アンテナではカバレッジ距離が長くなりますが、それは特定の方向に限られます。以下の放射パターンは、シスコが提供している各種アンテナ(全方向性、八木、およびパッチ アンテナ)のカバレッジです。 全方向性アンテナ全方向性アンテナ(図 2)は、360 度の放射パターンを持つ設計となっています。この種類のアンテナは、アンテナの全方向をカバーする必要がある場合に使用されます。標準的な 2.14 dBi の「Rubber Duck」も全方向性アンテナの一種です。
図 2 全方向性アンテナ 指向性アンテナ指向性アンテナには、さまざまな様式と形状のものがあります。アンテナを取り付けても、信号の出力を追加できるわけではありません。アンテナは、トランスミッタから受信したエネルギーの方向を変えるだけです。こうしてエネルギーの方向を変えると、ある方向でのみエネルギーが増幅され、その他の方向では減少します。指向性アンテナでは通常、ゲインが大きくなると放射角度が狭くなり、カバレッジ距離が長くなりますが、カバレッジ角度は小さくなります。指向性アンテナには、八木アンテナ(図 4)、パッチ アンテナ(図 3)、パラボラ アンテナなどがあります。パラボラ アンテナは RF エネルギー パスが非常に狭いため、設置の際は正確に向き合うように調整する必要があります。
図 3 指向性パッチ アンテナ
図 4 八木アンテナ ダイバーシティ アンテナ システムダイバーシティ アンテナ システムを採用すれば、マルチパス フェーディングのマルチパス歪みとして知られる現象を克服できます。ダイバーシティ アンテナ システムでは、少し離して配置されたまったく同じ 2 つのアンテナを使用することにより、同一の物理領域を通信範囲としてカバーします。 マルチパス歪みマルチパス干渉は、レシーバーとトランスミッタの間に RF 信号のパスが複数存在する場合に発生します。これは、金属または RF を反射しやすいその他の物質からなる面が多数存在する場所で発生します。 光や音が物体に反射するのとまったく同様のことが RF でも起こります。つまり、RF は TX アンテナから RX アンテナに向かうときに複数のパスを取る可能性があります。こうして複数になった信号が RX アンテナとレシーバーにおいて結合されると、信号に歪みが発生します。 マルチパス干渉が発生するとアンテナの RF エネルギーが非常に高くなる場合がありますが、データは復元できせん。アンテナの種類と位置を変更すれば、マルチパス干渉を解消できます(図 5)。
図 5 マルチパス歪み これは、一般的に自動車の中で経験する現象とも関係があります。自動車を路肩に停車させたときに、ラジオの雑音に気付くことがあります。しかし、数センチまたは数メートル前進すると、ラジオの電波がよりクリアに入り始めます。この現象は、自動車を前進させたことでアンテナがわずかに移動し、複数の信号が収束するポイントから離れたことによるものです。 ダイバーシティ アンテナ システムは、2 つのアンテナから 1 つを選択するスイッチのようなものであり、両方のアンテナが同時に使用されることはありません。受信モードの無線装置では、有効な無線パケットを受信できるようにアンテナが常時切り替わります。有効なパケットの同期が始まると、無線装置では、まず一方のアンテナでパケットの同期信号が評価され、次にもう一方のアンテナに切り替わって評価が行われます。そのうえで無線装置は受信状態の良い方のアンテナを選択し、そのアンテナのみを使用してパケットの残りの部分を受信します。 送信を行う場合は、無線装置が最後の通信に使用したアンテナが選択されます。パケットの送信に失敗すると、他のアンテナに切り替わり、そのパケットを再度送信します。 ダイバーシティ アンテナ システムは、2 つのアンテナを使用して異なる 2 つのカバレッジ セルをカバーするようには設計されていません。こうした使用法では問題が発生します。アンテナ No.1 がデバイス No.1 と通信しているときに、(アンテナ No.2 のセルに属する)デバイス No.2 が通信しようとすると、(アンテナ No.1 に切り替わっているために)アンテナ No.2 には接続できず、通信は失敗します。2 つのダイバーシティ アンテナは、わずかに異なる位置から同一領域をカバーする必要があります。 最新の DS 物理レイヤ チップの導入と、ダイバーシティ アンテナ システムの使用により、DS システムはマルチパス干渉への対処で FH システムと同等かそれを超える性能を発揮します。WBFH を導入すれば確かに FH システムの帯域幅は増加しますが、それによってマルチパス問題に対処する性能は大きな影響を受け、RF を反射しやすい物体の多い場所では、FH システムのレンジは現在の DS システムに比べてさらに大きく縮小します。 無線 LAN の設計物理環境の検討に先立って、アプリケーションのモビリティ、カバレッジを確保する手段、およびシステムの冗長性を特定しておくことが不可欠です。ポイントツーポイントのようなアプリケーションの場合は、複数の静止したユーザを接続するため、指向性アンテナが最適かもしれませんが、モバイル ユーザ向けには全方向性の小さなセルが多数必要です。こうした個々の小さなセルは、有線 LAN インフラストラクチャを通じて、またはすべての Cisco Aironet アクセス ポイントに組み込まれている無線リピータ機能によって、互いにリンクできます。すべての Cisco Aironet 無線 LAN 製品は、特許を取得した Cisco MicroCellular Architecture によって、トランスペアレントに複雑なマルチセル環境をサポートするように設計されています。 物理環境モビリティの問題を解決したら、次に物理環境を検討する必要があります。カバレッジ領域は、アンテナを選択するうえで最も重要な決定要素ですが、判断基準はそれだけではありません。建物の構造、天井の高さ、内部の障害物、取り付け可能な場所、さらにお客様の美観上の要求も考慮する必要があります。鉄筋コンクリート建築は、無線の伝播にさまざまな影響を与えます。倉庫環境における在庫製品やラックといった内部の障害物も要因となります。アウトドア環境では、たとえば樹木、車両、建物など、多くの物体がアンテナのパターンに影響を与える可能性があります。 ネットワーク接続アクセス ポイントでは、10/100 Mb イーサネット接続を使用します。通常、アクセス ポイントはアンテナと同じ場所に配置されます。アクセス ポイントも、スイッチ、ハブ、ルータといった他のネットワーク コンポーネントと一緒にワイヤリング クローゼット内に配置するのが最適と考えられるかもしれませんが、そうではありません。アンテナは最良のカバレッジを実現できる領域に配置する必要があります(サイト サーベイで決定します)。無線 LAN になじみのない人は、多くの場合アクセス ポイントをワイヤリング クローゼット内に配置し、RF 同軸ケーブルを使用してアンテナを接続しようとします。アンテナ ケーブルは、アンテナ システム内でトランスミッタとレシーバーの両方で損失の原因となります。ケーブルが長くなれば、発生する損失の量も増加します。最適効率で運用するには、敷設するケーブルをできるかぎり短くする必要があります(「ケーブル配線」を参照)。 建物の構造建物の建築に使用されている材料の密度によって、RF 信号が通過しても有効なカバレッジを維持できる壁の数が決まります。以下にいくつかの例を挙げます。RF に対する実際の影響については、サイトで試験を行う必要があるため、サイト サーベイの実施を推奨します。 壁が紙およびビニール製の場合は、信号の透過に対する影響はほとんどありません。開口部のない壁やフロア、プレキャスト コンクリート壁などでは、信号がカバレッジを損なわずに透過できる壁の数は 1 枚か 2 枚になる場合があります。これは、コンクリート内部での鉄筋の使用のされ方によって大きく変化します。コンクリートおよびコンクリート ブロック壁では、信号が透過できる壁の数はおそらく 3 枚か 4 枚です。木材または乾式壁では、通常、5 枚か 6 枚まで有効に透過できます。分厚い金属の壁は信号を反射するため、透過率は低くなります。床が鉄筋コンクリート製の場合は、階層間でのカバレッジは、1 または 2 階層程度です。 以下に、いくつかの一般的な設置環境について推奨事項をまとめます。
ケーブル配線前に説明したように、ケーブル配線によってシステム内で損失が発生するため、アンテナがもたらすゲインの一部は無効になり、RF のカバレッジ範囲は縮小します。 相互接続ケーブルこのケーブルは、(標準的なダイポール以外の)すべてのアンテナに取り付けられ、50 Ω のインピーダンスを無線装置とアンテナに提供し、これら 2 つのユニット間を柔軟に接続できます。このケーブルは大きな損失を引き起こすので、接続距離は非常に短くする必要があります(通常は 3 メートル未満)。ほとんどのアンテナの標準的な長さは 90 センチです(一部の屋外アンテナでは 30 センチ)。 低損失および超低損失ケーブルシスコでは、2.4 GHz および 5 GHz 製品群用に 2 種類のケーブルを提供しています。これらのケーブルは、標準的な相互接続ケーブルに比べてはるかに損失が少なく、アンテナと無線装置が長距離を隔てている場合にも使用できます。これらは低損失ケーブルですが、それでも使用する長さは最小限にする必要があります。シスコが提供する 2 種類のケーブルを使用すると、アンテナを無線装置から離れた場所に取り付けることができます。LMR600 タイプのケーブルには 30 メートルおよび 45 メートル用、LMR400 タイプのケーブルには 6 メートルおよび 15 メートル用があります。この長さの異なる 4 種類のケーブルには、すべて RP-TNC プラグと RP-TNC ジャック コネクタが 1 つずつ同梱されています。これによって、無線装置、およびアンテナに付属している相互接続ケーブルに対する接続が可能となります。 コネクタ米国の Code Federal Regulations(CFR; 連邦法)では、2.4 GHz および 5 GHz ISM 帯域を使用する製品で 1994 年 6 月以降に製造されたものは、独特で非標準的な(一般的なユーザが市場ですぐに入手できない)コネクタを使用するか、または専門家(RF の設置と規制に関する研修を受けた人)によって設置される設計になっている必要があります。多くの場合、2.4 GHz 製品は RF の研修を受けていない人が設置するため、これらの製品は独特なコネクタを使用するという規則に従う必要があります。Cisco Aironet 2.4 GHz 製品では、Reverse Polarity-TNC(RP-TNC)コネクタを使用しています。これらは通常の TNC コネクタに似ていますが、標準的なコネクタには接続できません。Cisco Aironet 製品との互換性を保証するため、シスコ製のアンテナとケーブルをご使用ください。 取り付け用ハードウェア各アンテナには、特定の取り付け方法があります。標準的なダイポール アンテナは、装置背面にある RP-TNC コネクタに接続するだけですが、マスト マウント アンテナは最大 1.5 インチのマストに取り付ける設計になっており、取り付け用ハードウェアが付属しています。八木アンテナには連続型マウント オプションがあります。これについては、このガイドのあとの方に記載があります。パッチ アンテナは、壁面や天井の平面に取り付けるように設計されており、天井マウント アンテナには、つり天井の横木に取り付けるためのクリップが装備されています。2.4 GHz の 21 dBi パラボラ アンテナは、1.625 ~ 2.375 インチのマストに取り付けられ、ネジ山が細かい締め金具を使用して正確にアンテナの方向を定められます。 屋内用途では、ほとんどの場合、0.75 インチまたは 1 インチの電線用コンジットを使用すれば適切に取り付けられます。屋外用途では、厚い亜鉛めっきまたはアルミニウム製のウォール マストを使用しますが、これは選択したアンテナの風圧荷重値に耐えられる必要があります。 避雷器アンテナを屋外に設置して使用している場合、アンテナやケーブルでの潜在的な帯電や、近くの落雷に起因する電力サージによって、アンテナが損傷する可能性が常にあります。Aironet Lightning Arrestor は、静電気や、落雷によって発生し、送信用同軸ケーブルから伝わる電力サージから、2.4 GHz 無線装置を保護するように設計されています。両システムとも、製品のハードウェア インストレーション マニュアルの指示に従って正しくアースする必要があります。これらの保護機構は、雷が直撃した場合の損傷を防ぐものではありません。 動作原理Cisco Aironet Lightning Arrestor(図 6)は、装置の短絡効果によってエネルギー サージが RF 装置に到達することを防ぎます。電力サージは、約 0.0000001 秒(100 ナノ秒)以内で 50 V 未満に抑えられます。通常、落雷による電力サージは、約 0.000002 秒(2 マイクロ秒)で発生します。
図 6 Cisco Aironet Lightning Arrestor IEEE の許容している一時的な電流(電力サージ)抑制時間は、0.000008 秒(8 マイクロ秒)です。Cisco Aironet Lightning Arrestor は、50 Ω の伝送ラインであり、中央の導体とアースとの間にガス放電管を装備しています。電圧およびエネルギー サージが発生した場合、このガス放電管はほぼ瞬間的に回路オープンから回路短絡に変わり、エネルギー サージはアースされます。 設置方法この避雷器は、屋外アンテナ ケーブルと Aironet 無線デバイスとの間に取り付ける設計になっており、屋内、または保護された場所に設置します。この避雷器には、性能の高いアースを取り付ける必要があります。このため、避雷器に取り付けられたアース端子を、太いケーブル(No.6 の高純度銅線)を使用してアースします。図 6 を参照してください。 RF 出力値の理解RF 信号は、トランスミッタからケーブルを通じてアンテナに達し、大気(または固体の障害物)を通過して受信側のアンテナ、ケーブル、無線装置へと伝送される間に、さまざまな損失とゲインの影響を受けます。固体の障害物を除いて、これらの数値または要因のほとんどは把握でき、設計段階で WLAN などの RF システムが機能するかどうかを判定するために使用できます。 dB(デシベル)dB(デシベル)は、ある電力の別の電力に対する比率を表す対数です。次に例を挙げます。 dB = 10 log10(電力 A/電力 B) 3 dB の増加は、電力が 2 倍(2 ×)になったことを示します。6 dB の増加は、電力が 4 倍(4 ×)になったことを示します。反対に、3 dB 減少すると電力は半分(1/2)になり、6 dB 減少すると電力は 4 分の 1(1/4)になります。次の表 1 にいくつか例を示します。 表 1 dB 値と対応する係数
電力定格WLAN 機器は通常、dB 単位で、既知の値に対する比率で仕様が定められています。送信電力と受信感度は、「dBm」単位で示されます。ここで、「m」は 1 mW(ミリワット)を意味します。したがって、0 dBm は 1 mW、3 dBm は 2 mW、6 dBm は 4 mW にそれぞれ等しくなります。 表 2 一般的な mW 値と dBm 値との対応
屋外レンジ無線リンクのレンジは、許容可能な最大パス損失によって変化します。屋外リンクでは、2 つのアンテナ間の直線上に障害物がなく、フレネル ゾーン内にも十分なクリアランスがある場合、この計算は単純です。メイン サイトからは、リモート側のアンテナを直線的に目視できる必要があります(距離が長い場合は、双眼鏡が必要になる場合もあります)。アンテナの間には樹木、建物、丘などの障害物がないようにする必要があります。 距離が 6 マイル以上になると、地表面のカーブ(アース バルジ)が設備に影響を与えるため、アンテナの設置高度を上げる必要があります。 フレネル ゾーンフレネル ゾーンとは、アンテナ間の目視パスのまわりを囲む楕円形の領域です。この領域は、信号パスの長さと信号の周波数によって変化します。フレネル ゾーンは計算可能なので、無線リンクの設計段階で考慮に入れておく必要があります(図 7)。
図 7 フレネル ゾーン 表 3 は、両アンテナ間の直線とフレネル ゾーンに対する要件に基づいて、さまざまな距離における 2.4 GHz アンテナの設置高度要件のガイドラインをまとめたものです。これは、RF パスの途上にある障害物からの高さを示します。 表 3 2.4 GHz アンテナの設置高度要件のガイドライン
Cisco.com では、2.4 GHz および 5 GHz 製品用の Outdoor Bridge Range Calculation Utility を提供しています。このユーティリティを使用すれば、ケーブルの種類と長さ、トランスミッタとレシーバーのモデル、およびアンテナに基づいて、フレネル ゾーンと最大レンジを計算できます。このユーティリティの URL は次のとおりです。 2.4 GHz の計算では 10 dB の減衰マージンが取られており、5 GHz の計算では 5 dB です。これはあらゆる気象条件のもとで信頼性の高い通信を行うために十分な値です。示された距離はあくまで理論上の値なので、特定の設計の実現可能性を判定するためにのみ使用してください。 屋外では、6 dB 増加ごとに距離は 2 倍になります。逆に 6 dB 減少すれば距離は半分になります。ケーブルの敷設距離が短くなり、アンテナのゲインが高くなれば、レンジが大幅に変化する可能性があります。 規制北米
図 8 ポイントツーポイント無線ブリッジ ソリューション
図 9 ポイントツーマルチポイント無線ブリッジ ソリューション
ETSIETSI(欧州通信規格協会)が制定した規格は、欧州その他の多くの諸国で採用されています。ETSI の規制では、出力電力および EIRP に関する規制が米国のものと大きく異なります。
周波数およびチャネル セットIEEE 802.11b/g DS チャネルIEEE 802.11b/g DS チャネル セットでは、14 のチャネルが定義されています。伝送用の各 DS チャネルは、22 MHz の幅がありますが、チャネルの中央は 5 MHz しか離れていません。そのため、チャネル間にオーバーラップが発生し、隣接するチャネルの信号同士が互いに干渉する可能性があります。14 チャネルの DS システム(米国では 11 チャネルが使用可能)では、オーバーラップ(つまり干渉)が発生しないチャネルは、25 MHz 離して 3 チャネルのみ設定できます(たとえばチャネル 1、6、11)。 こうしたチャネルの間隔によって、オフィスやキャンパスといったマルチ アクセス ポイント環境におけるチャネルの使用と割り当てが決定されます。アクセス ポイントは、通常「セルラー」形式で企業内に配置され、隣接アクセス ポイントのチャネルはオーバーラップしないように割り当てられます。アクセス ポイントは、また、チャネル 1、6、および 11 を使用して配列でき、単一の領域に対して 33 Mbps(ただし、1 つのクライアントにつき 11 Mbps)の帯域幅を提供します。図 10 は、チャネルの割り当て方式を示します。また、表 4 に使用可能なチャネルを異なる規制区域ごとに示します。 表 4 は、各規制区域で許可されているチャネルを示します。 表 4 DSSS PHY 周波数チャネル プラン
IEEE 802.11a チャネル現在の 802.11a 規格では、UNII1 帯域、UNII2@帯域、および UNII3 帯域用に、それぞれ 4 チャネルずつが規定されています。これらのチャネル間には 20 MHz の間隔があるので、干渉は発生しないと考えられていますが、周波数スペクトルではわずかにオーバーラップが存在します。隣接するセル カバレッジで隣接するチャネルを使用することは可能ですが、可能であれば隣接セルのチャネル同士は少なくとも 1 チャネル離すことを推奨します。図 11 は、802.11 帯域のチャネル方式を示します。また、表 5 に北米における周波数割り当てを示します。 表 5 802.11a の周波数プラン
Cisco Aironet アンテナの説明次の表 6 は、Cisco Aironet 製品群用にシスコが提供しているさまざまな 2.4 GHz アンテナについて説明しています。また、表 7 に Cisco Aironet 5 GHz ブリッジ製品で使用できるアンテナを示します。 表 6 2.4 GHz アンテナ
表 7 5 GHz アンテナ
表 8 2.4 GHz および 5 GHz アクセス ポイント統合型アンテナ
Cisco Aironet ケーブルの説明表 9 に、Cisco Aironet 製品群のアンテナと無線装置を相互接続するために使用できるケーブルを示します。 表 9 シスコのケーブル
表 10 アクセサリ
アンテナの仕様ここでは、シスコが Cisco Aironet 製品群用に提供しているアンテナについて、物理仕様や電気仕様を含めて詳しく説明します。 2.0 dBi 天井マウント ダイバーシティ パッチAIR-ANT5959![]()
2.2 dBi POS ダイバーシティ ダイポール(LMC カード用)AIR-ANT3351![]()
2 dBi ダイポールAIR-ANT4941![]()
5.2 dBi 天井マウント全方向性AIR-ANT1728![]()
5.2 dBi マスト マウント全方向性AIR-ANT2506![]()
5.2 dBi 柱マウントダイバーシティ全方向性AIR-ANT3213![]()
6 dBi 壁面マウント指向性AIR-ANT2460P-R![]()
6.5 dBi 壁面マウントAIR-ANT2465![]()
12 dBi マスト マウント全方向性AIR-ANT24120![]()
6 dBi 壁面マウント パッチAIR-ANT1729![]()
6 dBi 壁面マウント ダイバーシティ パッチAIR-ANT2012![]()
10 dBi 壁面/マスト マウント 八木Cisco Aironet 1300 シリーズ統合型アンテナ![]()
Cisco Aironet 1100 シリーズ統合型アンテナ![]()
13.5 dBi マスト マウント 八木AIR-ANT1949![]()
14 dBi マスト マウント セクターAIR-ANT2414S-R![]()
21 dBi マスト マウント パラボラAIR-ANT3338![]()
9 dBi パッチ/5 dBi 全方向性統合型アンテナ - AP1200 5 GHz 無線モジュールの部品(部品番号 AIR-RM21A)![]()
3.5 dBi ダイポールAIR-ANT5135D-R![]()
4.5 dBi ダイバーシティ全方向性AIR-ANT5145V-R![]()
6 dBi 全方向性AIR-ANT5160V-R![]()
7 dBi 壁面マウント ダイバーシティ パッチAIR-ANT5170P-R![]()
9.5 dBi パッチ壁面/連接型マスト マウントAIR-ANT5195P-R![]()
5.5 dBi 全方向性Cisco Aironet 1130 シリーズ 統合型アンテナ![]()
Cisco Aironet 1000 シリーズ 統合型アンテナ![]()
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