Cisco MGX 8800シリーズ

Cisco MGX 8800 ルート プロセッサ モジュール

データ シート

Cisco MGX 8800 ルート プロセッサ モジュール


今日のサービス プロバイダー ネットワークは、カスタマーからのサービス要求の高まりに対応できる、多様なソリューションを必要としています。Cisco MGX 8800 Route Processor Module(RPM; ルート プロセッサ モジュール)は、ATM プラットフォームにおける IP との統合や、統合 Point-to-Point(PPP)プロトコル、フレームリレー終端、IP Virtual Private Network(VPN; バーチャル プライベート ネットワーク)などのサービスに対応しており、その業界トップクラスの幅広いサービス対応能力によって新たな局面を切り開きます。

MGX 8800 のルート プロセッサ モジュールは、MGX 8800 シャーシに収容する単一のダブルハイト カードに搭載する目的で再設計された Cisco 7200 シリーズ ルータです。

このモジュールは MGX 8800 ミッドプレーン アーキテクチャに適合しており、RPM フロント カードに最大 120K パケット/秒(pps)の処理能力を持つ Cisco IOS® ネットワーク プロセッシング エンジン(NPE-150)を装備しています。このフロント カードは、全二重 OC-3c によるモジュールから MGX 8800 内部セル バスへの ATM 接続も提供します。各モジュールはそれぞれ 2 枚のシングルハイト バック カードをサポートします。当初は、4 ポート イーサネット、1 ポート FDDI、および 1 ポート ファースト イーサネットの 3 種類のシングルハイト バック カードがサポートされる予定です。MGX シャーシには合計 12 枚の RPM を収容できるスケーラビリティがあり、シャーシごとに 1 秒あたり 12×120K pps に相当する集約パケットを提供できます。

RPM は、Multiprotocol Label Switching(MPLS; マルチプロトコル ラベル スイッチング)テクノロジーを使用して、MGX 8800 プラットフォーム上での高品質なスケーラブル IP+ATM 統合を実現します。MPLS は、スケーラブル インターネット ソリューションを提供するためのシスコの総合戦略において重要な役割を持っています。MPLS はレイヤ 2 スイッチングのパフォーマンスと仮想回線機能を、レイヤ 3 ネットワーキングの実証されたスケーラビリティと組み合せる技術であり、スケーラブル IP 環境を実現するためにルーティングとスイッチングを完全に統合した初めてのテクノロジーです。

技術仕様

フロント カード

  • 寸法:39.75 x 40.2 cm(15.65 x 15.83 インチ)

  • MGX 8800 シャーシのダブルハイト スロットを 1 つ占有

  • 150 MHz R4700 RISC プロセッサ

  • 120,000 パケット/秒の IP ルーティング

  • OC-3 の速度で動作可能な統合セル バス インターフェイス

  • フロント カードあたり最大 2 枚のシングルハイト バック カードをサポート

  • 最大 128 MB の DRAM

  • 最大 20 MB の フラッシュ メモリ

  • コンソール ポート:コンフィギュレーション ポート RJ-45 EIA/TIA-232 コネクタ、非同期インターフェイス、9600 ボー、1 スタート、2 ストップ、パリティなし

  • 補助ポート:メンテナンス ポート RJ-45 EIA/TIA-232 コネクタ、非同期インターフェイス、9600 ボー、1 スタート、2 ストップ、パリティなし

バック カード

  • 寸法:17.78 x 10.48 cm(7 x 4.125 インチ)

  • 4 ポート イーサネット(10 BaseT)

  • 1 ポート ファースト イーサネット(UTP、MMF)

  • 1 ポート ファースト イーサネット(全二重、半二重、SMF、MMF)

電源

  • -48 VDC 3.13 A、150 W

ステータス インジケータ


フロント カード
LED 名 カラー 定義
CPU OK

オフ

CPU が動作していない

CPU が動作中

LMI OK

オフ

バック カード 1 が存在しない

バック カード 1 が存在し、使用可能

LM2 OK

オフ

バック カード 2 が存在しない

バック カード 2 が存在し、使用可能

CB RX

セル バスからセルを受信中

CB TX

セル バスにセルを送信中


バック カード
LED 名 カラー 定義
RJ45-4E

Enabled

Link

Link

Link

Link

バック カードが給電され、動作可能

ポート 1 がネットワークからキャリア信号を受信中

ポート 2 がネットワークからキャリア信号を受信中

ポート 3 がネットワークからキャリア信号を受信中

ポート 4 がネットワークからキャリア信号を受信中

MMF/RJ45-FE

Enabled

MII

Link

RJ45

バック カードが給電され、動作可能

MII がアクティブ ポートとして選択されている

ポートがネットワークからキャリア信号を受信中

RJ45 または MMF がアクティブ ポートとして選択されている

MMF/SMF-FDDI

Enabled

PHY A

PHY B

Dual Homed

バック カードが給電され、動作可能

FDDI リングで PHY A 接続がアクティブ

FDDI リングで PHY B 接続がアクティブ

FDDI ステーションがデュアルホーム

レイヤ 3 に関する特長

RPM では Cisco IOS オペレーティング システムが実行されます。

ルーティング プロトコル

RPM は企業およびサービス プロバイダー環境で今日使用されているすべてのルーティング プロトコルをサポートしています。次のようなプロトコルがあります。

  • Interior Gateway Routing Protocol(IGRP)

  • Enhanced IGRP(EIGRP)

  • Open Shortest Path First(OSPF)

  • Intermediate System-to-Intermediate System(IS-IS)

  • Border Gateway Protocol バージョン 4

  • Routing Information Protocol(RIP)バージョン 1 と 2

  • 静的ルート

  • 経路再配布

QoS(Quality of Service)

Cisco IOS QoS ソフトウェアには、次の主要機能があります。

  • 分類。パケット分類機能を利用すると、ネットワーク トラフィックを複数のプライオリティ レベルまたは Classes of Service(CoS; クラス オブ サービス)に区分できます。次のトラフィック分類タイプがあります。

    • ポリシーベース ルーティング

    • BGP による QoS ポリシーの伝搬

    • 専用アクセス レート

  • 輻輳管理。輻輳管理機能は、輻輳が発生したときにそれを制御するように働きます。ネットワーク要素が、到達するトラフィックのオーバーフローを処理する方法の 1 つとして、キューイング アルゴリズムに基づいてトラフィックを分類してから、出力リンク上でのトラフィックの優先順位付け方式を決定するという方法があります。Cisco IOS ソフトウェアの輻輳管理またはキューイング機能には次のようなものがあります。

    • First in First out Queueing(FIFO; 先入れ先出しキューイング)

    • Priority Queueing(PQ; プライオリティ キューイング)

    • Custom Queueing(CQ; カスタム キューイング)

    • Weighted Fair Queueing(WFQ; 均等化キューイング)

  • 輻輳回避。輻輳回避手法はネットワーク トラフィックの負荷を監視し、共通ネットワークおよびインターネットワークのボトルネックにおける輻輳を事前に予測して回避します。これらの手法は、輻輳発生時にプレミアム(プライオリティ)クラスのトラフィックを優先的に処理しながら、ネットワーク スループットと稼働率を最大限に高め、さらにパケットの損失と遅延を最小限に抑えるように設計されています。シスコでは輻輳回避アルゴリズムの Random Early Detection(RED; ランダム早期検出)クラスとして WRED を実装しており、これが輻輳回避に使用されます。

Multi Protocol Label Switching(MPLS)

MPLS はラベルベースの転送方式を使用する革新的な方法です。ラベルはルートとサービスの両方の属性を示します。MPLS を使用することで、RPM は次の機能を行います。

  • Label Edge Router(LER; ラベル エッジ ルータ)

  • Label Switch Router(LSR; ラベル スイッチ ルータ)

MPLS をサポートする RPM 上のインターフェイスは次のとおりです。

  • イーサネット

  • ファースト イーサネット

  • ATM ポートアダプタ

MPLS サービス クラス(予定)

MPLS を使用すれば、サービス プロバイダーがサービス クラスなどの特別な意味を持つラベルを指定できるため、大規模なルーテッド ネットワークまたはスイッチド ネットワーク全体にわたって QoS を適用することが可能になります。RPM は、次の 2 つの典型的なモデルをサポートしています。

  • 宛先ごとに 1 つの ABR VC を持つモデル

  • 宛先ごとに複数のラベル VC を持つモデル

MPLS バーチャル プライベート ネットワーク(MPLS-VPN)

MPLS-VPN は IP VPN を実現するための手法です。MPLS VPN ネットワーク アーキテクチャでは、RPM が VPN サービスを提供するための Provider Edge(PE; プロバイダー エッジ)ルータとして動作します。MPLS VPN のメカニズムは次のとおりです。

  • マルチプロトコル BGP 拡張

  • VPN「ルートターゲット」BGP 拡張コミュニティ属性

  • バックボーン全体に渡る MPLS 転送

  • プロバイダー エッジ ルータ上の複数のルーティング/フォワーディング インスタンス

RPM ATM ポート アダプタ

前述したように、RPM にはシャーシのバックプレーンに対する ATM デラックス ポート アダプタ インターフェイスがあります。

新機能

  • 拡張トラフィック管理

    • ATM サービス クラス:nrt-VBR、ABR、UBR

    • トラフィック シェーピング(VC 単位)

  • 高性能アーキテクチャ

  • VC 機能の拡張

    • 最大 4096 の VC

    • 最大 200 の同時 SAR

    • データ トラフィック用の ATM アダプテーション レイヤ 5(AAL5)

拡張トラフィック管理

ATM Port Adaptor(PA)アーキテクチャの拡張トラフィック管理のメカニズムにより、バースト性のクライアント/サーバ トラフィックをサポートするとともに、「保証付き」または「ベスト エフォート」サービスが要求されるアプリケーションもサポートします。ATM PA のトラフィック管理能力(ATM フォーラムの仕様に基づく)は、ハイエンド ルータに搭載された既存の ATM インターフェイスの能力を上回っています。

ATM PA は、nrt-VBR、ABR、UBR などの非リアルタイム ATM サービス クラスをすべてサポートしています。これは、ATM PA が同じ ATM インターフェイス上でさまざまなネットワーク アプリケーションを同時にサポートできることを意味します。nrt-VBR は保証サービスを必要とするアプリケーション向け、ABR と UBR は「ベストエフォート」サービスのみを必要とするアプリケーション向けです。ATM PA 上に作成した VC(最大で、サポートされている合計数まで)はそれぞれ、これらの ATM サービス クラスのいずれかに設定できます。

注:ATM PA はハードウェアで ABR をサポートしていますが、この ATM サービス クラスを動作させるためにはフォローアップ Cisco IOS リリースが必要です。

ATM PA サービス クラス 一般的な用途
Non-Real Time Variable Bit Rate(nrt-VBR; 非リアルタイム可変ビット レート)

ATM ネットワークを通してサービス レベルの保証が必要なすべてのアプリケーションに対して使用

Available Bit Rate(ABR; 使用可能ビット レート)

輻輳フィードバック通知を使用して ATM リンクの帯域利用率を最大化するために使用(最小帯域幅を定義可能)

Unspecified Bit Rate(UBR; 未指定ビット レート)

設定をほとんど必要としない均等なベストエフォート サービスを使用する大部分のレガシー データ アプリケーションで使用



ABR のサポートには、Explicit Rate(ER; 明示レート)、Relative Rate(RR; 相対レート)、および Explicit Forward Congestion Indicator(EFCI; 明示的順方向輻輳通知)の各モードがあります。ABR は特にセル損失を最小限に抑え、ATM ネットワークの処理能力を最大化するために規定されたものです。明示レート モードは通常 ATM WAN ネットワークに導入し、相対レート モードはキャンパスに導入するのが効果的です。EFCI は通常、明示レートと相対レートをどちらもサポートしていないレガシー ATM スイッチに対する下位互換性を維持するために使用します。

VC 単位のトラフィック シェーピング

トラフィックシェーピングは、バースト性トラフィックを確実に既定の「コントラクト」に従わせるために、ATM エッジデバイスに一般的に装備されている機能です。特にトラフィック シェーピングは、1 つの VC からのトラフィックが別のトラフィックに悪影響を及ぼし、データが損失することを防ぎます。ATM WAN やパブリック ATM ネットワークに接続する場合、この機能は非常に重要となります。スイッチの入口で既定のコントラクトを超えるすべてのトラフィックを廃棄するようなトラフィック ポリシングが ATM スイッチによって有効になっている場合は、特に重要です。

ATM PA は、VC ごとに、トラフィック シェーピングをハードウェアでサポートしています。ハードウェアでトラフィック シェーピングをサポートすることで、シェーピングを有効にしても、パフォーマンスが低下することはありません。また、トラフィック シェーピングを VC 単位で提供することにより、設定された個々の VC を全体的な視点から柔軟に制御できます。

ATM PA は、選択した ATM サービス クラスに応じて、Peak Cell Rate(PCR; ピーク セルレート)、Sustainable Cell Rate(SCR; 平均セルレート)、Maximum Burst Size(MBS; 最大バースト サイズ)、および Minimum Cell Rate(MCR; 最小セルレート)などの構成可能なパラメータをサポートします。これらの 3 つのパラメータについては、特定のアプリケーションの必要性に応じて、個々の VC 固有の帯域幅要件に基づいて定義することが可能です。

ATM PA でサポートされているサービス クラスでは、次のパラメータを設定できます。

nrt-VBR パラメータ ABR パラメータ UBR パラメータ
PCR(kbps)

PCR(kbps)

PCR(kbps)

SCR(kbps)

MCR(kbps)

MBS(セル)


ATM PA ハードウェアは、ホイールベースのスケジューリング アルゴリズムを使用して特定のパラメータに VC を適合させて、ATM インターフェイス上で公正な伝送が行われるようにします。同じタイムスロットに対して 2 つのセルが競合した場合は、次の順番で VC に優先順位が付けられます(優先度の高い順)。

1)OAM セルおよびシグナリング

2)nrt-VBR

3)ABR

4)UBR

この方法で VC を優先順位付けすると、優先度の高い、保証付きトラフィックは、ベスト エフォート型のトラフィックより確実に優先されるようになります。

柔軟性をさらに高めるために、ATM PA ではこれらの各パラメータを、次のようなさまざまな増分で設定できます。

パラメータ 範囲 増分
PCR

56 kbps ~ ラインレート

4.57 kbps(OC-3c/STM-1 の場合)

SCR

56 kbps ~ ラインレート

4.57 kbps(OC-3c/STM-1 の場合)

MBS

1 ~ 64,000 セル

1 セル



これらのトラフィック管理機能は、ATM Interface Processor(AIP)の第一世代のトラフィック シェーピング メカニズムとは大きく異なります。AIP のトラフィック シェーピングは 4 つの高優先順位レート キューと 4 つの低優先順位レート キューを使用してトラフィックをシェーピングします。

高性能アーキテクチャ

ATM PA のアーキテクチャは、デュアル SAR 構成で使用可能な最新の SAR プロセッサに基づいています。SAR プロセッサの一方は送信用で、もう一方は受信用です。各 SAR は、AAL5 ATM が高性能なデータアプリケーションへ対応できるようサポートしています。これまでに述べた ATM PA の先進的トラフィック管理機能の多くは、この SAR 設計の直接的な結果と言えます。

また、ATM PA には、ポートアダプタ上に大きなローカルバッファメモリがあります。これは ATM PA 独自の機能です。このバッファメモリは VC 単位に区切られるため、全体のパフォーマンスを高め、トラフィックの輻輳を吸収できます。この設計により、1 つの VC からの混雑したトラフィックが、他の VC の通行を妨げることはありません。これは、サービス プロバイダーの ATM ネットワークにとってたいへん重要な問題です。

ATM PA は F4 と F5 の OAM セルをどちらも処理します。OAM セルに応答または OAM セルを生成することで、リンクと接続の完全性を実現する設計になっています。

拡張された仮想接続機能

ATM PA は最大 4096 の Virtual Connection(VC; 仮想接続)と最大 256 の Virtual Path(VP; 仮想パス)をサポートします。仮想回線接続は VPI=0 でサポートされており、仮想パス接続は 0 より大きい VPI でサポートされています。

ATM PA は 1024 バイトのパケットで最大 200 の同時 SAR をサポートしています。

これらの機能は、高性能スループットに寄与しています。Digital Subscriber Line(DSL; 非対称デジタル加入者線)/ケーブル モデム アプリケーションおよびキャンパス LAN など、多数の VC を必要とするアプリケーションには特に役立ちます。

ネットワーク管理

  • Cisco Wan Manager を使用した、ATM 相手先固定接続の接続管理

  • 機器管理用の CiscoView

  • グラフィカル ユーザ インターフェイス