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Cisco BPX 8600シリーズ

BPX8600 シリーズにおけるSONET自動保護スイッチング(APS)


BPX 8600 シリーズにおける SONET 自動保護スイッチング (APS)


           BPX 8600 シリーズに関する追加情報

概要

SONET リニア自動保護スイッチング (APS) は BPX 8600 シリーズの広域スイッチで使用可能な新機能で、ハードウェアおよびソフトウェアで使用することができます。APS は SONET 機器に優れた冗長性を提供し、カードの故障やファイバの切断から保護するための手段を提供します。BPX® 8600 シリーズ・スイッチに APS を実装することにより、このキャリア・クラスのスイッチにおける最高の信頼性とアベイラビリティにまで拡張されます。この機能は、現在ご利用いただくことができます。

ソフトウェア・リリース 9.2 では、広帯域スイッチ・モジュール (BXM) の OC-3/STM1 および OC-12/STM4 バージョンの APS が、1+1 および 1:1 の両モードで提供されます。APS 1+1 G.783 Annex B (日本向け) もサポートされています。APS ではカードと回線に冗長性が提供されるため、BXM カードの冗長性が向上し、Y 字型ケーブルに代わるより高速な標準準拠の冗長性が提供されます。SONET APS は GR-253 および ITU-T G.783 に準拠するため、BPX 8600 を SONET Add/Drop マルチプレクサ (ADM) とシームレスに統合することができます。APS の実装により、1 対の SONET 回線を回線冗長性用に構成することが可能になります。ファイバが切断された場合は、60 ミリ秒 (開始に 10 ミリ秒と 切り替えに 50 ミリ秒) 以内にアクティブ回線がスタンバイ回線に自動的に切り替わります。

APS 1+1 または APS 1:1 における 1 対の冗長回線は、それぞれ現用回線と予備回線からなります。信号障害状態または信号劣化状態が検出されると同時に、ハードウェアは現用回線から予備回線へと切り替わります。帰属型のオプションを設定すると、信号障害状態が検出された場合、現用回線が修復されて設定済みの時間間隔が経過した後、ハードウェアは自動的に現用回線に戻ります。現用回線と予備回線の間の調整は、インバンド・プロトコルを使用して行われます。非帰属型のオプションでは、信号障害状態が検出されるとハードウェアは予備回線に切り替わりますが、自動的に現用回線に戻ることはありません。


カスタマのメリット

APS では、データ損失を最小限に抑えて切り替えを行うため、時間のかかる再ルーティングが回避されます。また、APS を実装するネットワーク要素の外部では障害が発生したことを認識しないため、他のノードは障害による影響を受けません。障害はローカル・デバイスのレベルで切り離されるため、APS を実装することによってネットワークが複雑な再起動や再同期化から保護されます。APS を使用すると、障害の影響が大幅に最小化され、高速な切り替えによって、ネットワークが受ける影響を最小限にできます。また、ポイントツーポイントの APS を BPX 8600 に実装することにより、リンク障害からのより迅速な復旧が可能になります。

SONET APS は、レイヤ 2 またはレイヤ 3 に比べてずっと高速なレイヤ 1 で切り替えを行います。たとえば、ATM 層で行われる Y 字型ケーブル冗長性の切り替えが約 250 ミリ秒かかるのに対し、APS 切り替えは 60 ミリ秒未満で行われます。トラフィック速度が OC-12/STM4 およびそれ以上の速度に近づくにつれ、高速な切り替えはますます重要になってきています。

以下の例は、高速切り替えの数値について具体的に説明したものです。

OC-12 = 622 Mb/秒 = 1,466,981 セル毎秒

Y 字型ケーブル冗長性を使用した 250 ミリ秒切り替えの結果、350,000 セル以上のセルが損失

SONET APS を使用した 60 ミリ秒切り替えの結果、約 88,000 セルが損失

以上により、APS によって約 260,000 セルの損失を回避できます。


SONET リニア APS 1:1

SONET リニア APS 1:1 は、フロント・カードまたはバック・カードの故障ではなくファイバの切断から保護する、シングル・カードのソリューションです。SONET APS 1:1 では、すべての現用回線に予備回線が存在することが必要になります。冗長性によって保護されたトラフィックは、現用回線で障害が発生した場合にだけ予備回線上を搬送されます。予備回線では、障害発生とそれに伴う切り替えが送信端末に通知されるまで、実際にトラフィックを搬送しません。


図 1: SONET リニア APS 1:1


帰属型のオプションが有効になっている場合は、設定済みの時間間隔 (復旧するまでの待ち時間) の経過後に、ハードウェアは予備回線から現用回線に戻ります。帰属型のオプションは、APS 1:1 のデフォルト・モードになっています。


SONET リニア APS 1+1

SONET リニア APS 1+1 は、ファイバの切断と、フロント・カードまたはバック・カードの故障の両方から保護するための機能です。APS 1+1 では、すべての現用回線に対して冗長な予備回線が存在することが必要になります。トラフィックは、現用回線と予備回線によって同時に搬送されます。GR-253 および ITU-T G.783 では、電気レベルでのブリッジングが必要になります。このため、現用回線および予備回線上で同じペイロードが搬送されます。現用回線と予備回線によってトラフィックが同時に搬送されるため、APS 1+1 の終端となる受信装置はいずれかの回線からセルを選択し、1 つの一貫したトラフィック・ストリームを転送し続ける必要があります。両回線では同じ情報が搬送されるため、送信端末で調整しなくても、受信端末で現用回線から予備回線に切り替えることが可能になります。


図 2: SONET リニア APS 1+1


SONET APS 1+1 は、ファイバの切断、バック・カードの故障、またはフロント・カードの故障などの各種障害から保護するための機能です。切り替え時間は、発生した障害の種類によって異なります。図 3 を参照してください。
  • 現用回線でファイバの切断が発生した場合、作動中のフロント・カードがアクティブなまま、データは予備回線にルーティングされます。切り替え時間は、60 ミリ秒未満です。
  • 作動中のバック・カードが故障した場合、切り替え時間はバック・カードの故障の種類によって異なります。基盤の電源が故障した場合は、予備バック・カードおよびフロント・カードにデータが切り替えられます。切り替え時間は約 250 ミリ秒です。バック・カードの光学部品類が故障したためにバック・カードが現用回線から切り離された場合は、予備回線にデータが切り替えられます。切り替えは 60 ミリ秒未満です。
  • 考えられる 3 つ目のケースとして、作動中のフロント・カードが故障した場合、予備フロント・カードにデータがルーティングされます。この場合の切り替え時間は約 250 ミリ秒です。

図 3: SONET リニア APS 1+1 フロント・カードおよびバック・カード


図 4 からわかるように、ブリッジング要件を満たすために 2 対の APS ポート間で送信シグナルと受信シグナルが相互に接続し、対になったバック・カードを介してブリッジングが行われます。相互接続は、各バック・カードの同じポートで 1 対 1 です。対になったポートの切り替えは、他の対になったポートとは関係なく行われます。対になるバック・カードは、BPX ノードで隣接するスロットを確保する必要があります。


図 4: SONET リニア APS 1+1 対になったバック・カード




APS 1:1 構成上の制限

スタンバイ用の機器をフルセットで使用する必要のないカスタマには、ハードウェアを追加せずに APS 1:1 による冗長性がご利用いただけます。APS 1:1 は、以下の BXM カードに実装されています。


フロント・カード

BPX-BXM-155-4
BPX-BXM-155-8
BPX-BXM-622-2


バック・カード

BPX-MMF-155-4-BC
BPX-SMF-155-4-BC
BPX-SMFLR-155-4-BC
BPX-STM1-EL-4-BC
BPX-MMF-155-8-BC
BPX-SMF-155-8-BC
BPX-SMFLR-155-8-BC
BPX-SMF-622-2-BC
BPX-SMFLR-622-2-BC

上記の BXM カードの他に、APS 1:1 には新しいファームウェア、9.2 ソフトウェア、および Cisco WAN Manager (CWM) アップグレード版が必要になります。対になったポートの切り替えは、他の対になったポートに関係なく行うことができます。ポートを対にするには、ポート 1 とポート 2、ポート 3 とポート 4 のように、連続した番号のポートを組み合わせる必要があります。

APS 1:1 構成上の制限:

  1. APS 1:1 は、Y 字型ケーブルの冗長性で構成済みのカードでは、構成できません。
  2. APS 1:1 では、ユーザは APS を稼働する前に、APS 構成を回線に追加する必要があります。
  3. APS 1:1 では、ユーザは回線から APS 構成を削除する前に、回線を停止する必要があります。
  4. APS 1:1 は、双方向の動作および帰属型切り替えを行うようにのみ構成できます。
  5. APS 1:1 を使用するとスタンバイ回線のポートが現用回線のポートとリソースを共有するため、使用できる接続数が半減します。BXM 拡張カード (1999 年下半期にリリース予定) を使用すると、使用可能な接続数は減少しません。

図 5: SONET リニア APS 1:1 BPX 8600 構成




APS 1+1 構成要件

APS 1+1 の冗長性は、BXM-155 および BXM-622 (SMF と SMFLR) カードでご利用いただけます。この機能は、新しい (冗長な) BXM バック・カードによるカード冗長性、および冗長な OC3/OC12 回線に実装されます。APS 1+1 には、BXM-155 または BXM-622 と新しいバック・カード (SMF または SMFLR)、9.2 ソフトウェア、9.2 互換 BXM ファームウェア、CWM アップグレード版の各製品が必要になります。

APS 1+1 に実装される新しいバック・カードには、サービス交換のためのカード取り外しが可能かどうかを示す LED が実装されています。たとえば、特定のカードで 1 回線を除くすべての回線が作動中である場合があります。このため、カードを取り外してから交換する必要があります。LED の機能は、以下のとおりです。

BXM バック・カード・ディスプレイ

LED 説明
少なくとも 1 回線がアクティブなため、サービスへの影響を伴わずにカードを取り外すことは不可能
アクティブな回線がないため、カードの取り外しが可能
N/A

APS 1+1 構成上の制限
  1. カード冗長性を実装する場合、2 つの BXM フロント・カードは、2 スロットの APS 冗長フレーム・アセンブリに挿入する必要がある APS バック・カードと同じ、2 つの隣接スロット内にある必要があります。
  2. APS 1+1 Annex B は、回線上で双方向の動作および非帰属型切り替えを行うようにのみ構成できます。

図 6: SONET リニア APS 1+1 BPX 8600 構成




付録: アップグレード手順

既存の BPX 8600 をご利用の場合、APS 1+1 カードおよび回線の冗長性にアップグレードする手順について以下に説明します。既存の冗長性カードでは、Y 字型ケーブルと Y 字型以外のケーブルでアップグレード手順が異なります。APS バック・カードのモデル番号は、以下のとおりです。 BPX-RDNT-SM-155-4
BPX-RDNT-SM-155-8
BPX-RDNT-LR-155-8
BPX-RDNT-SM-622
BPX-RDNT-SM-622-2
BPX-RDNT-LR-622-2
APS 1+1 に必要なコンポーネントは、以下のとおりです。
  1. 対になった新しいバック・カード
  2. BXM-155 Rev C またはそれ以上
  3. BXM-622 Rev E またはそれ以上
  4. リリース 9.2 ソフトウェア
  5. リリース 9.2 互換 BXM ファームウェア
  6. リリース 9.2 Cisco WAN Manager
既存の Y 字型ケーブル冗長性カードのアップグレード手順は、以下のとおりです。
  1. ファームウェア、ソフトウェア、および CWM をリリース 9.2 にアップグレードします。
  2. Y 字型ケーブル冗長性によって、アクティブな回線をすべて 3 つ目のスタンバイ・カード (スロット C) に移します。
  3. APS 1+1 の BXM フロント・カード/バック・カード (スロット A および B) をすべてアップグレードします。
  4. Y 字型ケーブル冗長性によって、アクティブな回線をすべてスロット A (または B) に移します。
  5. 2 つ目の回線用ケーブルをスロット B (または A) に接続します。
  6. 必要に応じ、冗長性のためにスロット A/B ポート間をケーブルで接続します。
  7. A/B スロットの APS 機能をアクティブにします。
このアップグレード手順は Y 字型ケーブル冗長性によって異なり、各スイッチのトラフィックは 250 ms 未満の影響を受けます。ネットワークの中断を最小限に抑えるために、カードがアクティブなときはファームウェアのアップグレードを行わないでください。

既存の Y 字型ケーブル以外の冗長性カードのアップグレード手順は、以下のとおりです。

  1. 使用可能な帯域幅がある場合は、トランク・トラフィックを再ルーティングします。
  2. 既存の BXM バック・カードを取り外します。
  3. 1 対の APS バック・カードとケーブルを取り付けます。
  4. トラフィックの稼働後、カードとポートを APS 用に構成します。
  5. 必要に応じ、トラフィックを復活させます。
このアップグレード手順では、新しい APS バック・カードを取り付ける間トラフィックの中断を伴います。中断を最小限に抑えるために、トラフィックを再ルーティングして復活させてから、スイッチの APS をアクティブにしてください。

APS 1:1 に必要なコンポーネントは、以下のとおりです。

  1. リリース 9.2 ソフトウェア
  2. リリース 9.2 互換 BXM ファームウェア
  3. リリース 9.2 CWM
既存の Y 字型ケーブルの冗長性カードのアップグレード手順は、以下のとおりです。
  1. 既存の BXM カードに delcon、dnln、dnport の各コマンドを適用します。
  2. ソフトウェア、ファームウェア、および CWM をリリース 9.2 にアップグレードします。
  3. 新しいカードを APS 1:1 用に構成します。
  4. アクティブな回線を、対になった APS ポートの片方だけにケーブルで接続します。
  5. スタンバイ回線をケーブルで接続します。
  6. 隣接ポートの APS をアクティブにします。
  7. 必要に応じ、ポート、回線、および接続を追加します。
このアップグレード手順では、事実上トラフィックが停止することに注意してください。トランキング用途で、カスタマが他のトランクで追加の帯域幅を使用して接続を再ルーティングできる場合は、トラフィックの停止を回避することができます。追加の帯域幅が使用できない場合は、すべての接続を削除して再度追加することによって APS をアクティブにする必要があります。APS 1:1 (同じカード) を既存のスロットに追加する場合も同様です。



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