データ シート仮想デスクトップ インフラストラクチャ:Cisco Unified Computing System による問題解決概要Virtual Desktop Infrastructure(VDI; 仮想デスクトップ インフラストラクチャ)は、従業員のデスクトップ、アプリケーション、およびデータを、データ センターで集中管理する手段として広がりつつあります。現在の VDI ソリューションのほとんどは仮想化されたデータ センター環境で実行されています。数千にも上るデスクトップを少数の強力なサーバに統合するには管理性能とセキュリティ機能を強化する必要があるためです。 この文書では、VDI の利点と技術的な問題を概説するとともに、Cisco® Unified Computing System の新技術によって VDI の導入がどのように簡素化されるかについて説明します。 仮想デスクトップ インフラストラクチャの導入IDC が最近実施した仮想化に関する調査では、回答者の半数近くがデスクトップの仮想化を完了したか、完了しつつあると答えています。VDI がもたらすメリットは基本的にサーバ側を仮想化した場合と同様です。つまり、VDI はデスクトップの配置と管理を簡素化し、法令やセキュリティ ガイドラインを遵守しながら全体的な運用コストを削減します。こういった確かな利点があるため、VMware、Citrix、Microsoft などのベンダー各社がさまざまな VDI ソリューションを提供しています。 デスクトップをデータ センターで集中管理するという考え方は特に目新しいものではありません。しかし、企業は常に IT の効率化を求めており、最近の技術の進歩によって、VDI の導入は加速しつつあります。サーバ側の仮想化や、ストレージのシン プロビジョニング、ユーザにわかりやすい多彩なグラフィックス機能、WAN アクセラレーションなどの関連テクノロジーの進歩により、VDI はすでに現実的な選択肢となっています。主要なテクノロジー ベンダーの中には、大規模なイニシアティブを通じて、VDI ソリューションを顧客に提供しているところもいくつかあります。 データセンターのサーバに集中これらの VDI ソリューションすべてに共通しているのは、すべてのアプリケーションとデータがデータ センターのサーバ上にあり、デスクトップには複製されないという点です。VDI ソリューションのサーバには、特殊な要件がいくつかあります。Cisco Unified Computing System は次に示すような革新的な特性を備えており、これらの要件を十分に満たします。
VDI に共通する問題を Cisco Unified Computing System で解決多数のデスクトップを 1 つの仮想サーバで実行するということは、1 つのサーバ上で複数の OS やアプリケーションのインスタンスを実行するということを意味します。そしてそれには大量のメモリが必要不可欠です。CPU のパフォーマンスがメモリのパフォーマンスを凌駕している現在、メモリというボトルネックは VDI について考える上で誰もが直面する問題となっています。現在多くの企業ではサーバのソケットを 4 つにしたり、2 ソケットを複数用意することでこの問題に対処しています。しかしこの方法では、サーバの費用が高くなるだけでなく、電力コストやライセンスのコストもかさみます。一方で Cisco UCS の革新的な拡張メモリ技術は、標準的な DIMM メモリ、オペレーティング システム、ハイパーバイザを使用しながら 2 ソケット サーバを拡張し、最大 48 の DIMM スロット(384 GB メモリ)に対応します。このようなメモリ集約的な VDI 環境で 2 ソケットの x86 サーバを使用できれば、資本コスト(CapEx)を軽減し、長期的に運用コスト(OpEx)を抑えることができます。 VDI ソリューションの各デスクトップは、通常、サーバ上の仮想マシンで実行されます。このとき IT 管理者は、各デスクトップ(仮想マシン)にネットワーク ポリシー(セキュリティやコンプライアンスのポリシー)を適用する必要があります。この他にも、負荷分散のためにサーバ間で仮想マシンを移動した場合にも同じポリシーが適用される、仮想環境で処理を中断せずに診断やプロビジョニングを実行できる、といった機能が必要になります。このような要件に応えるため、Cisco Unified Computing System では Cisco VN-Link テクノロジーが活用されています。Cisco Unified Computing System では、ソフトウェアベースの Cisco Nexus™ 1000V シリーズ スイッチと、シスコの仮想インターフェイス カードである Cisco UCS VIC M81KR Virtual Interface Card のどちらでも、Cisco VN-Link 機能を柔軟に提供します。 VDI 環境において Cisco UCS VIC M81KR が実現するメリットは極めて大きなものです。このカードは、パススルー スイッチングまたはハイパーバイザ バイパス テクノロジーによって仮想デスクトップの仮想マシンに直接接続できる仮想インターフェイスを最大 128 個提供します。またハイパーバイザのバイパス機能がネットワーキング処理における CPU オーバーヘッドを軽減するため、より多くの CPU サイクルを同じサーバ上の仮想デスクトップで使えるようになります。さらに Cisco VIC M81KR はユニファイド ファブリックへのユニファイド I/O アクセスが可能で、標準の IP プロトコルと Fibre Channel over Ethernet(FCoE)カプセル化によるファイバ チャネルにも対応するため、VDI で必要となるアダプタやスイッチの数を減らす効果もあります。 Cisco Unified Computing System では、システム内のすべての仮想インターフェイスとポリシーのプロビジョニングと管理を Cisco UCS Manager から一元的に実行します。この方法では、デスクトップの管理が簡素化されるうえ、各仮想デスクトップに対する可視性とポリシー強制力も強化されるため、規制遵守が容易になります。たとえば、アクセス コントロールを設定することにより、不正な仮想デスクトップが同じサーバ上の別の仮想デスクトップからアクセスするリスクを軽減できます。 ダイナミック VDI のプロビジョニングと配置IT 管理者は、仮想デスクトップのダイナミック プロビジョニングを求めています。たとえば、金融機関の IT 管理者は、毎朝従業員が出社したら、データ センターのサーバをオンラインにします。しかし、夕方従業員が帰宅する頃、これらのサーバは、翌日のための解析処理を実行するという役割を果たす必要があります。同様のパターンは他の業界にも見られます。たとえば、大規模な不動産環境では、営業取引から解析処理へのシフト、そしてその逆方向のシフトが生じます。 こうした業務環境のサーバ インフラストラクチャには、変化に応じて機敏に対応する能力と、ダイナミック プロビジョニングの機能が必要です。Cisco Unified Computing System では、サービス プロファイルを使用することにより、ダイナミック プロビジョニングを簡単に実行できます。Cisco Unified Computing System のサービス プロファイルは、ID(Universal User ID [UUID]、MAC アドレス、Worldwide Name [WWN] など)、I/O 設定、ファームウェア バージョン、BIOS ブート順序などの演算属性やネットワーク属性を指定したものです。サーバが必要となった場合、このプロファイルを使用して、これらの属性すべてをハードウェア ブレードに即座に適用できます。 たとえば、IT 管理者は VDI-Service-Profile というサービス プロファイル テンプレートをあらかじめ設定しておくことができます。このテンプレートには、サーバが VDI 処理の実行に必要とするすべての演算属性およびネットワーク属性が含まれています。サーバの追加が必要になった場合、IT 管理者は実行しなければならないのは、そのテンプレートの新しいサービス プロファイル インスタンスを作成することだけです。VLAN や VSAN など、デスクトップの配置に必要な LAN や SAN のプロパティはすべてサーバ上にあります。 この方法を採用すれば、VDI 管理者は新しいサーバをすぐに演算リソース プールに追加して利用できるようになります。今まで何週間もかかっていた作業が、わずか数分ですむようになるのです。このように、サービス プロファイルを使用すると、VDI 処理の負荷要求の変化に応じて、コンピュータ、ストレージ、ネットワークのリソースを即座に調整できるので、ビジネス アジリティ(機敏な対応力)が向上します。 現在のサーバ インフラストラクチャには、システム内の多様な要素を管理するために複数の管理ポイントが設けられています。ファームウェア、ID、シャーシ、ネットワークなどの管理に個別の管理プレーンが使用され、それぞれから運用オーバーヘッドが生じます。また、個別にライセンス コストがかかる場合もあります。Cisco UCS Manager は可用性の高いユニファイド デバイス マネージャであり、Cisco Unified Computing System のすべての要素を 1 箇所で管理できます。 総所有コストの削減IT 管理者は、資本コストと運用コストの両方を削減したいと考えて VDI ソリューションを導入します。しかし、既存のサーバ アーキテクチャの中には、負荷がクライアント側からデータセンターに移動しただけで終わってしまう例もよくあります。 一方、Cisco Unified Computing System では低遅延、無損失の 10 Gbps ユニファイド ファブリックへのユニファイド I/O アクセスを利用することで「wire-once(配線は初回のみ)」導入モデルを実現して、従来のアーキテクチャを根本的に合理化することができます。デバイスの数の大幅減に伴い、購入、配線、設定、給電、冷却、セキュリティにかかる作業やコストも軽減されます。また、各種アダプタ、スイッチ、管理ツールをいくつも使用する代わりに、10 Gbps の Converged Network Adapter(CNA; 統合型ネットワーク アダプタ)とユニファイド ファブリック、そして新しいファブリック エクステンダ I/O アーキテクチャを使用するため、インフラストラクチャの統一と簡素化が可能になります。またインフラストラクチャが簡素化されるため、結果的にエネルギー効率も向上します。この他、新しいファブリック エクステンダ I/O アーキテクチャによるユニファイド I/O は、配線作業の削減と管理の簡素化に大きく貢献します。 Cisco Unified Computing Systemは、物理的設計面でのコスト削減だけでなく、サービス プロファイルを使用したジャストインタイムの自動プロビジョニングによって、TCO の軽減とビジネス アジリティの向上に役立ちます。Cisco UCS Manager を使用することにより、サーバ、ネットワーク、ストレージの IT 管理者は、単一のツール内からすべてのシステム コンポーネントの検出、プロビジョニング、監視を実行できます。この機能によって、運用が簡素化され、障害リスクが軽減するともに、IT の応答性が向上します。このシステムはオープン スタンダードをベースとしているため、既存のシステム管理ツールとの相互運用性もあります。 まとめCisco Unified Computing System は、VDI の導入に求められる要件を満たすことができるように設計されています。Cisco Unified Computing System は、共通の管理ドメインからすべてのリソースを管理できるスケーラブルな統合管理プラットフォームです。アーキテクチャが単純であるため、取得コストを低く抑えることができるだけでなく、電力利用の効率化やビジネス アジリティの向上により、運用コストも削減できます。 関連情報Cisco Unified Computing System の詳細については、http://www.cisco.com/jp/go/unifiedcomputing/ をご覧ください。 |