ソリューション概要
Cisco Nexus 7000 シリーズ:サービス プロバイダーのデータセンターの変化するニーズに対応
概要
このドキュメントでは、サービス プロバイダーにとって特に有用な Cisco® Nexus 7000 シリーズ プラットフォームの特徴と機能、具体的には、Cisco Nexus ソリューションの新しいオペレーティング システムである Cisco NX-OS ソフトウェアの機能について説明します。このガイドでは、特にサービス プロバイダーのアプリケーション展開、日々の業務、およびプロビジョニングにおけるこれらの機能の利点を紹介します。
課題
今日、サービス プロバイダーは、コストの管理から新サービスの展開、斬新なサービスの提供に至るまで、さまざまな課題に直面しています。こうした課題の多くは、サービス プロバイダーのデータセンターにある資産によって対処することができます。データセンターの将来を十分に考慮して計画を立てるためには、課題を明らかにし、それらの課題に対処できる製品の種類を理解する必要があります。このドキュメントでは、サービス プロバイダーが直面している課題の種類と、それらの課題への対処に役立つデータセンタークラスのプラットフォーム ソリューションの機能について取り上げます。
Cisco Nexus 7000 シリーズ
Cisco Nexus 7000 シリーズ スイッチは、スケーラビリティの高い 10 ギガビット イーサネット ネットワーク用に設計されたモジュール型のデータセンタークラス製品ラインです。15 テラビット/秒(Tbps)を超える拡張が可能なファブリック アーキテクチャに基づいており、将来的には 40 Gbps および 100 Gbps イーサネットもサポートします。この新しいデータセンタークラスのプラットフォームでは、優れたスケーラビリティ、継続的なシステム運用、運用管理性、および転送の柔軟性が実現します。Cisco Nexus 7000 シリーズは、最先端のオペレーティング システムである Cisco NX-OS を利用しています。当初の位置付けとして、インターネットを扱うプラットフォームとしての使用は考慮されていませんが、Cisco NX-OS ソフトウェアと Cisco Nexus 7000 シリーズ ハードウェア プラットフォームの充実した機能を踏まえると、ホスティングやコロケーション、およびこれに類するその他のサービス プロバイダーのデータセンター向けのプラットフォームとしての用途も十分検討する価値があります1。
図 1 は、サービス プロバイダーの標準的なデータセンター、つまりサービス配信センターを示す参照図です。図 2 は、シスコのデータセンター製品の概要と図 1 のアイコンの説明です。
1 Cisco Nexus 7000 シリーズは、初期状態では Multiprotocol Label Switching(MPLS; マルチプロトコル ラベル スイッチング)をサポートしていません。また、Forwarding Information Base(FIB; 転送情報ベース)テーブルの初期サイズは 128,000 エントリです。大規模な顧客ベースを 1 つのプラットフォームでサポートするためのインターネット ルーティングの用途を検討している場合、このサイズでは足りないことがあります。
図 1 サービス配信センター(SDC)のベースライン アーキテクチャ基本となる物理的構成
図 2 シスコのデータセンター ポートフォリオ
Cisco NX-OS
Cisco NX-OS は、モジュール性、復元性、サービサビリティを基礎として構築された、データセンター クラスの OS です。業界をリードする Cisco MDS 9000 SAN-OS ソフトウェアに基づくこの OS は、仮想化、アベイラビリティ、サービサビリティ、管理性、スケーラビリティ、およびセキュリティの点で、ミッションクリティカルな環境の標準となるものです。
データセンターの要件に特化した Cisco NX-OS は、現在および将来のデータセンターで要求されるルーティング、スイッチング、およびストレージ ネットワーキングの要件を満たす、堅牢な機能を豊富に備えています。Cisco IOS® ソフトウェアと同様に XML(Extensible Markup Language)インターフェイスと CLI(コマンドライン インターフェイス)を持つ Cisco NX-OS は、主要なネットワーキング標準およびシスコが持つ真のデータセンター クラスの革新的技術を実装した、最先端の OS です。
Cisco Data Center Network Manager(DCNM)
DCNM は、データセンターのネットワーク運用に特化した包括的な管理ソリューションです。Cisco DCNM は、マルチプロトコルに対応しており、プロビジョニング、パフォーマンス、および確実性を重視した総合的なネットワーク サービス ライフサイクル管理や、オープンな API のサポートなどの利点を備えています。
表 1 に、サービス プロバイダーがデータセンターの運用で直面する課題、それらの課題に対処するためのソリューションに求められる特性、およびそれらの特性を満たす Cisco NX-OS と Cisco Nexus 7000 の具体的な機能を示します。次のセクションでは、各機能の詳細、およびサービス プロバイダーにとっての運用上の利点について説明します。
表 1 サービス プロバイダーのデータセンター ソリューションが対処する必要がある課題
Cisco Nexus 7000 シリーズ ソリューション
Cisco Nexus 7000 シリーズ ソリューションは、サービス プロバイダーのデータセンターにおける課題に対処するためのさまざまな機能を提供します。
サービスの迅速な展開と分離
- VDC:データセンター管理者は、VDC を使用してソフトウェアとハードウェアの両方を分割することができます。これにより、ソフトウェア障害の封じ込め(各 VDC が独立したプロセスを実行することを利用)や、デバイスのポート利用率の最大化が可能です。各 VDC は、独立した物理デバイスのように動作します。したがって、サービス プロバイダーは、新しいサービスの展開前に既存の Cisco Nexus プラットフォームで VDC を使用してサービスをテストし、サービスの展開準備が整っているかどうかを確認できます。この確認を行った後でサービスを展開すれば、既存のサービスに影響が及ぶ危険を回避できます。
- 仮想化:すべての機能が最初から VDC または Virtual Route Forwarding(VRF)に対応するように設計されています。これにより、将来のネットワークで機能が必要になった時点で、その機能を仮想化されたサービスとして提供することができます。
- 包括的な機能セット:データセンターの要件に特化した、そのまま使用できる包括的なレイヤ 2 および 3 の機能セットが用意されています。
- ユニファイド I/O:Cisco Nexus 7000 シリーズは、1 つのスイッチング ファブリックで複数のインターフェイス(Fibre Channel over Ethernet および標準的なイーサネット)をサポートするように設計されており、ユニファイド I/O 機能を備えています。また、サービス プロバイダーのアキテクチャおよび設計実装が簡易化されています。
ネットワークと SLA の管理
- プログラマチック XML インターフェイス:業界標準の NETCONF をベースとする Cisco NX-OS XML インターフェイスによって、デバイスに対する API が統一され、ネットワークの機能を強化するためのツールを短時間で開発および設計できるようになります。
- Cisco DCNM:Cisco DCNM は、データセンター インフラストラクチャ全体のアップタイムおよび信頼性を最大化することによってビジネスの継続性を実現する、シスコのネットワーク管理アプリケーションです。Cisco DCNM は、プロビジョニング プロセスの自動化、SAN および LAN ネットワークのプロアクティブな調査(停止の検出と回避)、ネットワークの保護、および適切に機能していないネットワーク要素の効率的な診断を行います。この Java ベースのソフトウェアには、総合的で信頼性が高く、完全に自動化された検出と再同期のプロセスが含まれており、このプロセスによってネットワークが抽象化されます。インフラストラクチャの変更は、エンド ユーザからはまったく検知できません。この製品の API によってデータセンターの運用が簡素化され、正確なフロースルー プロビジョニングおよびモニタリングが可能になります。
- 構成の検証:システム管理者は、構成を適用する前に、構成と利用可能なハードウェアを確認できます。構成が正しいことと、適切なハードウェア リソースが利用可能であることを確認するだけでなく、デバイスをあらかじめ構成しておき、その構成を特定のタイミングで適用することができます。
- Cisco IOS ソフトウェアと同様の CLI:Cisco NX-OS は、業界標準となっている Cisco IOS ソフトウェアの CLI を使用しているため、管理者がシステムを習得して効率的に作業できるようになるまでの時間が最小限ですみます。
- 構成のロールバック:システム管理者は、必要に応じて、問題がないことがわかっている構成にロールバックできるように、構成のチェックポイントを設けることができます。
- 接続管理プロセッサ(CMP):CMP は Lights-Out Management(LOM)機能を備えており、多くの場合、ターミナル サーバは必要ありません。
- RBAC:Cisco NX-OS では、RBAC によってユーザにロールを割り当てることで、スイッチ操作へのアクセスを制限することができます。したがって、管理者は、アクセスが必要なユーザだけにアクセスを制限したり、アクセスをカスタマイズしたりすることが可能です。この機能は、多様な顧客を持ち、個別の SLA を提供しているサービス プロバイダーにとって理想的です。
- Cisco Netflow:Cisco NetFlow 9.0 に基づくハードウェア ベースで拡張性のあるフロー別アカウンティング機能を使用すると、サービス プロバイダーは、Cisco NetFlow の統計情報をサードパーティの課金アプリケーションにエクスポートし、SLA が満たされていること、および課金が正当であることを証明するために利用できます。
アプリケーション配信の完全サポート
- VOQ とファブリック調停(Fabric Arbitration):このキューイングと調停の方式を利用すると、配信先が混雑している場合(たとえば、アップリンクや多対 1 のフロー)にビデオなどのコンテンツの配信を公平に行い、リソース(10 ギガビット イーサネットおよびギガビット イーサネット)の公平な共有を保証することができます。この機能を使用するとクロスバー スイッチ ファブリック内でのブロッキングが回避されるため、クロスバーの効率が高まります。
- 業界をリードする IP マルチキャスト機能セット:Cisco NX-OS 4.0 の実装は、今後のさまざまなマルチキャスト対応ネットワーク機能開発の基盤となります。ユニキャスト ルーティング プロトコルと同様に、Cisco NX-OS 4.0 には、以下に示すマルチキャスト プロトコルおよび機能の最新バージョンが実装されています。
- PIMv2
- SSM
- PIM スパース モード(Any Source Multicast [ASM])
- 双方向 Protocol Independent Multicast(Bidir-PIM)
- エニーキャスト ランデブー ポイント(RP)
- 効率的なマルチキャスト レプリケーション
- IPv4 および IPv6 対応のマルチキャスト ノンストップ フォワーディング(NSF)
- ブートストラップ ルータ(BSR)を使用した RP 検出、自動 RP、およびスタティック モード
- IGMPv1、IGMPv2、および IGMPv3 ルータの役割
- IGMPv2 ホスト モード
- IGMP スヌーピング
- IPv6 用の Multicast Listener Discovery(MLD)プロトコル バージョン 2
- MSDP(IPv4 のみ対応)
- PIM デンス モードなどの現在使用されていない機能の廃止:Cisco NX-OS は、将来を見据えて設計されたオペレーティング システムです。
- QoS:Cisco NX-OS ソフトウェアは、分類、マーキング、キューイング、ポリシング、スケジューリングなど、QoS のさまざまなメカニズムをサポートしています。すべての QoS 機能において、Modular QoS CLI(MQC)および Cisco Common Classification Policy Language(C3PL)準拠の CLI をサポートしています。MQC と C3PL CLI を使用すると、シスコの複数のプラットフォーム間で構成を統一することができます。
- ロスレスのファブリック:ロスレスのファブリックは、ドロップを防止し、ドロップの影響を受けやすいトラフィックの処理を最適化します。
法規制のサポート
- グレースフル プロトコル リスタートなどのメカニズムを使用した、ルーティング、スイッチング、およびアベイラビリティの最新業界標準の組み込み。これにより、安定性が向上し、ユーザ操作が簡素化されます。
- 広範な標準のサポート(サポートしているすべての IEEE、IETF、および RFC 標準の一覧は、Cisco NX-OS ソフトウェア リリース 4.0 のデータ シートを参照)
- NEBS 準拠の SR-3580 NEBS Level 3(GR-63-CORE、issue 3 および GR-1089-CORE、issue 4)
- 前面から背面へのエアフロー、および組み込みのケーブル マネジメント機能
- グリッドの冗長性。サービス プロバイダーは、復元力を確保するために 2 つの電源に接続できます。
- すべての共通機器(ファン、電源装置(PSU)、ファブリック モジュール)が背面から取り外し可能。ユーザ側のケーブルへの妨げとなりません。
- オプションのエア フィルタ
広範なセキュリティ
- Cisco TrustSec:Cisco TrustSec セキュリティ スイートの一部として、Cisco NX-OS はきわめて高いデータ機密性と完全性を実現しており、128 ビット AES(Advanced Encryption Standard)暗号化を使用した標準の IEEE 802.1AE リンク層暗号化をサポートしています。リンク層暗号化によって、エンドツーエンドのデータ プライバシーが保証されると共に、暗号化されたパスの途中にセキュリティ サービス デバイスを挿入することが可能になります。セキュリティ グループ ACL(SGACL)は、IP アドレスではなくセキュリティ グループ タグに基づく新たなネットワーク アクセス コントロール方式です。トポロジに依存しないため、ポリシーが簡潔で、管理しやすくなります。
- RBAC:RBAC は、ユーザにロールを割り当てることで、スイッチ操作へのアクセスを制限します。管理者は、アクセスが必要なユーザだけにアクセスを制限したり、アクセスをカスタマイズすることができるため、サービス プロバイダーはユーザごとのアクセスのカスタマイズを柔軟に行えます。
- CoPP:CoPP は、CPU に到達できるトラフィック レートを制限します。これにより、サービス拒絶(DoC)攻撃の影響がネットワーク デバイスの CPU 容量に及ばないようにすることができます。
- シスコの統合セキュリティ ソリューションの機能:シスコは、ネットワーク ホストのスプーフィングやトラフィックのスヌーピングを防ぐために、広範なセキュリティ機能を提供しています。ダイナミック Address Resolution Protocol(ARP; アドレス レゾリューション プロトコル)検査と IP ソース ガードを組み合わせて使用することにより、分散型サービス拒絶(DDoS)攻撃やデータおよび音声のスヌーピングを軽減できます。
- シスコの統合セキュリティ ソリューションの有用な機能には、他にも次のものがあります。
- AAA(認証、認可、アカウンティング)および TACACS+
- プロトコル準拠チェック
- SSH(Secure Shell)プロトコル バージョン 2
- SNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)バージョン 3 のサポート
- ポート セキュリティ
- IEEE 802.1x 認証および RADIUS のサポート
- レイヤ 2 の Cisco NAC(Network Access Control)および LAN ポート IP
- 名前付き ACL:ポート ACL(PACL)、VLAN ACL(VACL)、およびルータ ACL(RACL)における、MAC IPv4 および IPv6 アドレスに基づくポリシーのサポート
優れたアベイラビリティ
- 継続的なシステム運用:Cisco NX-OS は継続的なシステム運用を可能にします。サービスを中断することなく、保守、アップグレード、ソフトウェア認定を行うことができます。プロセスやパッチ適用のモジュール化、Cisco ISSU、NSF を組み合わせることで、ソフトウェアのアップグレードなどの操作による影響が最小限に抑えられます。
- モジュール性:業界をリードする Cisco MDS 9000 SAN-OS ソフトウェアに基づく Cisco NX-OS は、スケーラビリティ、アベイラビリティ、サービスの分離、および管理性に優れており、次世代のデータセンターにおける重要なすべての要件を満たしています。
- Cisco ISSU:Cisco ISSU は、冗長スーパーバイザを持つプラットフォーム上での透過的なソフトウェア アップグレード実行を可能にします。ダウンタイムが最小限に抑えられ、最新の機能を統合するときもネットワーク運用への影響はほとんどなくなります。
- プロセスの存続可能性:重要なプロセスは保護メモリ領域で実行され、他のプロセスやカーネルから独立しています。これにより、サービスの分離、障害の封じ込め、モジュール式のパッチ適用とアップグレード、および短時間での再起動が可能になります。プロセスは別々に再起動することができ、状態情報の消失やデータ転送への影響は生じません。このため、アップグレードや障害の後もプロセスは数ミリ秒で再起動し、隣接するデバイスやサービスに悪影響が及ぶことはありません。IP ルーティング プロトコルのように高度にステートフルなプロセスの再起動には、標準ベースの NSF グレースフル リスタート メカニズムが使用され、その他のプロセスの状態保持には、ローカルの Persistent Storage Service(PSS)が使用されます。
- プロセスのモジュール性:重要なプロセスは保護メモリ領域で実行され、他のプロセスやカーネルから独立しています。これにより、サービスの分離、障害の封じ込め、モジュール式のパッチ適用とアップグレード、および短時間での再起動が可能になります。
- プロセスのモジュール単位でのパッチ適用:モジュール アーキテクチャを採用しているため、プロセス固有のコードのパッチ適用やアップグレードをモジュール単位で実行し、機能を実装にかかる時間を短縮することができます。
- ステートフル スーパーバイザ フェールオーバー:冗長スーパーバイザどうしは常に同期しているため、1 秒未満でのステートフル スーパーバイザ フェールオーバーが可能です。高度なチェックが実施されるため、フェールオーバーの発生後、分散アーキテクチャ全体にわたって状態の一貫性と信頼性が保証されます。
- 信頼性の高い IPC:IPC は、プロセス間通信の信頼性向上を促進します。障害時や問題のある状況でも、すべてのメッセージが確実に配信され、適切に対処されるようになります。
- 冗長スイッチド EOBC:Cisco NX-OS は、コントロール プレーン プロセッサとライン カード プロセッサとの通信に冗長 EOBC を最大限に活用するように設計されています。
- グレースフルな操作(予定):Cisco NX-OS では、システムの中断なく(グレースフルに)ネットワーク要素を抜き差しできます。
- 無停止運用:Cisco NX-OS は、業界をリードする Cisco MDS 9000 SAN-OS ソフトウェア OS をベースとして構築されています。
- ネットワーク ベースのアベイラビリティ:フェールオーバーとフォールバックを透過的かつ高速にするツールおよび機能によって、ネットワーク コンバージェンスが最適化されます。Cisco NX-OS には、スパニング ツリー プロトコル コントロール プレーンの健全性を保証することによってスパニング ツリー プロトコルを強化する機能として、PortFast Bridge Protocol Data Unit(BPDU; ブリッジ プロトコル データ ユニット)ガード、ループ ガード、BPDU フィルタ、ブリッジ保証などが用意されています。その他の機能には、Unidirectional Link Detection(UDLD; 単方向リンク検出)プロトコル、ルーティング プロトコルの NSF グレースフル リスタート、ルーティング プロトコルおよびファースト ホップ リダンダンシー プロトコル(FHRP)用のミリ秒タイマ、リンクステート アドバタイズメント(LSA)ペーシングやインクリメンタル SPF などの Shortest Path First(SPF)の最適化、および調節可能なタイマを使用した IEEE 802.3ad リンク集約が含まれます。
ハードウェアとソフトウェアのスケーラビリティ
- Cisco NX-OS は、SMP コントロール プレーンに基づく分散マルチスレッド OS です。CPU サイクルの無駄を最少限に抑えることで、最適なパフォーマンスを提供します。
- Cisco NX-OS のモジュール式プロセスは、それぞれ別の保護メモリ領域内にオンデマンドでインスタンス化されます。したがって、プロセスが開始されてシステム リソースが割り当てられるのは、機能が新たに有効化されたときだけです。これらのモジュール式プロセスはリアルタイム プリエンプティブ スケジューラによって制御されるため、重要な機能が適切なタイミングで実行されます。このモジュール性により、コントロール プレーンを拡張して、大規模なシステム構成や複雑なトポロジーをサポートすることができます。
- コントロール プレーンとデータ プレーンが分離されているため、高い柔軟性が提供されます。また、このことは、コントロール プレーンやデータ プレーンのプロセスにおける不要な相互依存性やパフォーマンスの低下を防ぐためにも役立ちます。
- 分散ライン カード プロセッサにより、ハードウェア テーブルのプログラミングなどの CPU 負荷の高いタスクを、複数のライン カードに分散された専用のプロセッサにオフロードできため、さらなる処理の高速化が可能です。
- イーサネット スイッチング機能を豊富にサポートしています。Cisco NX-OS は、高密度、高パフォーマンスのイーサネット システムをサポートするように作られており、データセンター クラスのイーサネット スイッチングに必要なあらゆる機能を備えています。具体的には、IEEE 802.1D-2004 Rapid Spanning Tree(RST; 高速スパニング ツリー)プロトコルおよび Multiple Instance Spanning Tree(MST; 多重スパニング ツリー)プロトコル、IEEE 802.1Q VLAN およびトランク、16,000 個の VLAN のサポート、IEEE 802.3ad リンク集約、プライベート VLAN、シャーシ間プライベート VLAN、アグレッシブ モードおよび標準モードの UDLD プロトコル、トラフィック抑制(ユニキャスト、マルチキャスト、ブロードキャスト)、スパニング ツリー プロトコル環境での透過的 ISSU、BPDU ガード、ループ ガード、ルート ガード、BPDU フィルタ、ブリッジ保証、ジャンボ フレームのサポートなどの機能があります。
- さまざまな IP 機能およびルーティング機能をサポートしています。Cisco NX-OS は、IPv4 および IPv6 サービスおよびルーティング プロトコルを多岐にわたってサポートしています。Cisco NX-OS リリース 4.0 では、以下に示すルーティング プロトコルの最新バージョンが実装されています。
- Open Shortest Path First(OSPF)プロトコル バージョン 2 および 3
- Intermediate System-to-Intermediate System(IS-IS)プロトコル
- ボーダー ゲートウェイ プロトコル(BGP)
- Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)
- Routing Information Protocol(RIP)バージョン 2 および次世代 RIP(RIPng)
これらのプロトコルの実装は最新の標準に完全に準拠しており、4 バイト自律システム番号やインクリメンタル SPF などの新しい拡張機能およびパラメータに対応しています。その一方で、活用されていない古い機能を除外しているため実装がスリムになり、新機能の迅速な実装が可能になっています。すべてのプロトコルで、すべてのインターフェイス タイプがサポートされます。利用可能なインターフェイス タイプには、イーサネット インターフェイス、スイッチ仮想インターフェイス(SVI)およびサブインターフェイス、PortChannel、トンネル インターフェイス、ループバック インターフェイスなどがあります。
- さまざまなルーティング プロトコルおよび機能を補完するためにサポートされている主要なサービスとして、以下のものがあります。
- VRF
- Dynamic Host Control Protocol(DHCP)Helper
- Unicast Reverse Path Forwarding(uRPF)
- Hot Standby Router Protocol(HSRP)
- Virtual Router Redundancy Protocol(VRRP)
- Gateway Load Balancing Protocol(GLBP)
- 拡張オブジェクト追跡
- Policy-Based Routing(PBR; ポリシーベース ルーティング)
- Generic Routing Encapsulation(GRE; 総称ルーティング カプセル化)トンネリング
高密度のサポート
- ハードウェアとソフトウェアのどちらも、数万行の ACL をサポートするように設計されています。
- スイッチング ファブリックは、高密度マルチポート 10 ギガビット イーサネット インターフェイスをサポートするように構築されています。
サービサビリティ
- スイッチド ポート アナライザ(SPAN):SPAN とは、ポート(SPAN ソース ポートと呼びます)間のすべてのトラフィックを分析するための機能です。外部アナライザが取り付けられた SPAN 宛先ポートに、セッションに影響を及ぼすことなく SPAN セッション トラフィックをリダイレクトします。
- 組み込みのパケット アナライザ:Cisco NX-OS には、コントロール プレーン トラフィックの監視およびトラブルシューティングに役立つパケット アナライザが組み込まれています。このパケット アナライザは、広く使用されているオープン ソースのネットワーク プロトコル アナライザ Wireshark を基に作られています。
- Smart Call Home:Smart Call Home は、重要なシステム イベントの電子メールによる通知を提供します。さまざまなメッセージ フォーマットが用意されており、ポケットベル サービス、標準の電子メール、および XML ベースの自動解析アプリケーションに対応します。この機能の一般的な利用方法には、ネットワーク サポート技術者を直接ポケットベルで呼び出す、ネットワーク オペレーション センターに電子メールで通知する、Cisco AutoNotify サービスを使用して Cisco Technical Assistance Center(TAC)のケースを直接生成する、などがあります。自律システム運用に向けたこの機能により、問題発生時にネットワーキング デバイスから管理者に通知することが可能になり、問題への迅速な対処、解決までの時間の短縮、およびシステム稼働時間の最大化が促進されます。
- Cisco GOLD:Cisco GOLD を使用すると、エンド ユーザはスケジュールされたタスクを実行することにより、ハードウェアおよび内部データ パスが設計どおりに稼働していることを確認できます。業界最先端のこの診断サブシステムにより、現在の 24 時間連続運用環境に欠かせない、すみやかな障害分離と継続的なシステム監視が可能になります。
- Cisco IOS EEM:Cisco IOS EEM は、Cisco NX-OS に組み込まれている、デバイスおよびシステムの管理技術です。Cisco ソフトウェアの持つネットワーク インテリジェンスの活用を支援する技術である Cisco IOS EEM を使用すると、ネットワーク イベントの発生に応じて動作をユーザがカスタマイズすることができます。
インテリジェント ネットワーキング
Cisco Nexus 7000 シリーズは、ネットワークにインテリジェンスを持たせるという進行中の取り組みにおいて、さらなる重要な一歩を踏み出す製品です。2007 年秋に発表された Cisco Data Center 3.0 が示すように、データセンターに求められるものは、統合から重要なデータセンター資産の仮想化へと発展し、現在では、かつてはそれぞれ独立して処理されていた機能の自動化と調整に移行しています。ユニファイドファブリックおよび充実したソフトウェア サポートを提供する Cisco Nexus 7000 シリーズは、データセンターの絶え間ない進化における重要な一歩です。
シスコが選ばれる理由
重要なデータセンター機能をシスコほど広範にわたって提供している企業は他にはありません。シスコが提供する機能には、イーサネットとファイバ チャネルのスイッチング、LAN および SAN 資産の仮想化テクノロジー、アプリケーション ネットワーキング テクノロジー、さらに、データセンター内の分散している独立したテクノロジーをリンクしてプロビジョニングとサービス展開を高速化する、Cisco VFrame によるサービスの調整と管理などがあります。これらの機能が、シスコの包括的なサービスや、ストレージおよびサーバの大手ベンダーとのチャネルおよびパートナーシップと組み合わされることで、業界をリードするデータセンター ソリューションが実現します。
詳細については、製品ホームページ(http://www.cisco.com/jp/go/nexus/)を参照してください。