データ シートCisco ME 3400 シリーズ イーサネット アクセス スイッチCisco® ME 3400 シリーズ イーサネット アクセス スイッチは、イーサネット サービス接続向け宅内機器(CPE)を想定した次世代レイヤ 2/3 スイッチ シリーズです。この製品は、Cisco Catalyst® 2950 や 3550 シリーズといった、今日最も広く導入されているアクセス スイッチから得たノウハウに基づいて設計および開発されました。 製品概要イーサネット サービスの接続デバイスとして扱いやすいハードウェアとソフトウェアを備えた Cisco ME 3400 シリーズは、シスコ アクセス スイッチ ファミリとして Ethernet-To-The-Home(ETTH)のトリプル プレイ サービスと、Ethernet-To-The-Business(ETTB)VPN サービスの両方をサポートするのに最適なスイッチです。この製品シリーズには、加入者のネットワークを全面的に保護するために必須のセキュリティ機能が実装されています。また、複数タイプのソフトウェア イメージを選択可能であるため、「設置後も必要に応じて機能拡張する」ことができます。トリプル プレイ サービスやレイヤ 2 および レイヤ 3 VPN サービスなどの幅広いサービスに対応することで、単一の ETTH/ETTB アクセス ソリューションによる Total Cost of Ownership(TCO; 総所有コスト)と運用コストの削減が可能になります。 Cisco ME 3400 シリーズ(図 1)には、次の構成が用意されています。
図 1 Cisco ME 3400 シリーズ Cisco ME 3400 シリーズでは、3 種類の Cisco IOS® ソフトウェア フィーチャ イメージがあり、機能要件にあわせて選択できます。METROBASE イメージは、拡張 QoS(Quality of Service)、レート リミット、安定性の高いマルチキャスト制御、包括的なセキュリティ機能を備えています。METROACCESS イメージは、METROBASE の機能に加え、802.1Q トンネリング、Layer 2 Protocol Tunneling(L2PT; レイヤ 2 プロトコル トンネリング)、Flex Link などの豊富なメトロ イーサネット アクセス機能を備えています。METROIPACCESS イメージは更に、高度な IP ルーティング プロトコルのサポート、Multi-VPN Routing and Forwarding Customer Edge(Multi-VRF CE)、Policy Based Routing(PBR; ポリシーベース ルーティング)などの先進的なレイヤ 3 機能を備えています。 SFP ベースのギガビット イーサネット ポートは、100BASE および 1000BASE SFP トランシーバに幅広く対応しています。オプションには、Cisco 100BASE-LX、100BASE-FX、100BASE-BX、1000BASE-T、1000BASE-SX、1000BASE-LX、1000BASE-ZX、および Coarse Wavelength Division Multiplexing(CWDM; 低密度波長分割多重)と Dense Wavelength Division Multiplexing(DWDM; 高密度波長分割多重)の両方の SFP トランシーバなどがあります。これらのポートは、低価格のギガビット イーサネット ポイントツーポイント接続を実現する Cisco Catalyst 3560 SFP 相互接続ケーブルもサポートしています。 サービス プロバイダーが扱いやすいハードウェア通常、メトロ イーサネット アクセス スイッチは、オフィス ビルや集合住宅の地階の小さなスペースに設置されるため、Cisco ME 3400 シリーズはコンパクトな外観サイズで設計されており、多様な設置方法に柔軟に対応します。さらに、コネクタの接続をすべて前面から行うことができるため、現場でのインストールやトラブルシューティングを容易に行うことができます。Cisco ME 3400 シリーズは業界標準に準拠するために、Network Equipment Building Standards Level 3(NEBS3)および ETSI 認定規格を取得しています。 業界標準のサービスキャリア イーサネットは、新しい接続サービスにおいて大きな成長が見込まれている分野です。キャリア イーサネットはシンプルで費用対効果に優れ、扱いやすいテクノロジーであるため、このテクノロジーを WAN に移行することでネットワーク接続が柔軟になるとともに、IT コストも削減できます。各メーカー間での機器の相互接続性・相互運用性を保証するために、Metro Ethernet Forum(MEF)において一連の標準規格と認定プログラムの作成が進められました。Cisco ME 3400 シリーズは、業界標準のレイヤ 2 サービスおよび QoS 機能への対応に関して MEF 9 および 14 で認定されています。 ギガビット イーサネット高帯域幅を必要とするアプリケーションの増加に伴い、企業および個人のお客様両方から 100 Mbps を超えるアクセス速度が求められています。この要求に対応するため、Cisco ME 3400 シリーズでは、あらゆるメトロ イーサネット機能を備えたワイヤ速度のギガビット イーサネットを提供しています。1000 Mbps の速度によるギガビット イーサネットの帯域幅により、ネットワークへの新たな要求への対応、ボトルネックの軽減、およびパフォーマンスの向上を実現すると同時に、既存インフラストラクチャへの投資も保護できます。 メトロ専用ソフトウェアCisco ME 3400 シリーズ スイッチは、メトロ イーサネット マーケット向けに設計されたソフトウェアを使用します。この製品シリーズには数多くの新しい機能が追加されており、サービス プロバイダーにとって最適なアクセス スイッチとなっています。また、デフォルト動作の多くが従来のイーサネット スイッチの動作とは異なるため、設定、管理、セキュリティ保護、トラブルシューティングを容易に行うことができます。 UNI/NNICisco ME 3400 シリーズ ソフトウェアには、イーサネット アクセス スイッチのユーザネットワーク インターフェイス/ネットワーク ノード インターフェイス(UNI/NNI)という概念が導入されています。ソフトウェアは各ポートの用途を識別できるため、効果的なデフォルト動作を数多く提供できます。表 1 に、UNI/NNI のデフォルト動作と利点の一部を示します。 表 1 UNI/NNI のデフォルト動作
ソフトウェア機能の柔軟な導入オプションCisco ME 3400 シリーズでは、METROBASE、METROACCESS、METROIPACCESS という 3 種類の Cisco IOS ソフトウェア フィーチャ イメージから用途に合わせた選択ができます。したがって複数サービスを展開するサービス プロバイダーは、必要に応じて機能拡張でき、費用対効果の高い形態でのサービス提供が可能です。つまり、当面必要のない機能に投資する必要はなく、将来必要となったときに簡単なソフトウェア アップグレードでその機能を導入することが可能になります。 複数のソフトウェア フィーチャ イメージを選択可能であることは、複数タイプのイーサネット サービスを提供するサービス プロバイダーにとって、ハードウェアを Cisco ME 3400 シリーズ スイッチで統一化しやすいということになります。これにより、複数製品使用にまつわる運用コストを削減し、サポート技術者の教育を簡素化、サービスごとに異なる製品をサポートする煩雑さを解消します。 表 2 に、Cisco ME 3400 シリーズ向け Cisco IOS ソフトウェア イメージの主な機能を示します。 表 2 Cisco ME 3400 シリーズ向け Cisco IOS ソフトウェア イメージの主な機能
包括的なセキュリティ ソリューションメトロ イーサネット ネットワークの拡大にともない、他のアクセス テクノロジーと同レベルのセキュリティを提供することが課題となっています。Cisco ME 3400 シリーズ スイッチは、加入者、スイッチ、およびネットワーク セキュリティの 3 つの分野のセキュリティ機能に対応することで、イーサネット アクセス ネットワーク向けの包括的なセキュリティ ソリューションを提供しています。 加入者セキュリティは、お客様間の保護に役立ちます。お客様同士が影響を与え合わないようにすることは、複数のお客様で共有デバイスを使用する場合の主要な課題です。Cisco ME 3400 シリーズは、複数の機能によってこの課題に対処しています。UNI/NNI 機能は、お客様ごとにトラフィックを分離する回線型の動作を実現します。DHCP スヌーピング、DAI、IP ソース ガードを使用すれば、MAC アドレスや IP アドレス、ポート情報に基づいて個々のお客様を識別し、悪意のあるユーザがアドレスを偽装して中間者攻撃(man-in-the-middle 攻撃)を仕掛けてくるのを防ぐことができます。 スイッチ セキュリティは、外部攻撃からスイッチ自体を保護するためのものです。Cisco ME 3400 シリーズには、CPU とコンフィギュレーション ファイルを攻撃から保護する機能が用意されています。CPU はイーサネット スイッチの重要なコンポーネントで、プロセス制御プロトコルやルーティング アップデートを処理します。DoS 攻撃によって CPU が過負荷状態になると、これらの制御パケットが廃棄され、ネットワークが停止する恐れがあります。このような攻撃から CPU を保護するための方策として、コントロール プレーン セキュリティやストーム制御などの機能があります。また、メモリを保護する機能としてポート セキュリティ機能があります。この機能を使用すると、各加入者が使用可能な MAC アドレス数を制御できるため、大量のトラフィックでスイッチのメモリが枯渇するのを防ぐことができます。 ネットワーク セキュリティ機能は、すべての着信トラフィックをフィルタリングして、有効なトラフィックのみがスイッチを通過するように制御することです。Cisco ME 3400 シリーズ スイッチは、Access Control List(ACL; アクセス コントロール リスト)や IEEE 802.1X 認証などの機能を使用して、スイッチ経由でのトラフィック伝送が許可されているユーザやパケットを識別します。 表 3 に、セキュリティ ソリューションの主な機能を示します。 表 3 包括的なセキュリティ ソリューションの各分野における主な機能
イーサネットの保守運用管理とプロビジョニングイーサネットがメトロポリタンおよびワイドエリアのネットワーキング テクノロジーとして登場して以来、OAM & P(保守運用管理とプロビジョニング)用の新しいプロトコルの必要性も高まってきました。サービス プロバイダー ネットワークは、加入者の増加に伴って巨大化、複雑化しているほか、多くの場合、エンドツーエンドのサービスを企業に提供するために、さまざまなオペレータと連携する必要があります。企業顧客の需要に応えるために、サービス プロバイダーは、Mean Time To Repair(MTTR; 平均修復時間)を短縮し、サービス アベイラビリティを向上させる必要があります。イーサネット OAM & P 機能がこうした課題に対応することで、サービス プロバイダーは、キャリアクラス サービスの提供が可能になります。 Cisco ME 3400 シリーズは、IEEE 802.1ag Connectivity Fault Management や Ethernet Local Management Interface(E-LMI)プロトコルなど、業界標準の OAM & P ツールをサポートしています。IEEE 802.1ag ツールはエンドツーエンド イーサネット ネットワークのモニタリングとトラブルシューティングに利用できるため、サービス プロバイダーは接続のチェック、ネットワークの問題の特定、ネットワークの問題の影響を受けたお客様の特定が可能になります。MEF が開発した E-LMI プロトコルにより、サービス プロバイダーは、加入サービスに合わせてカスタマー エッジ デバイスを自動で設定できます。この自動プロビジョニングにより、サービスの設定作業が軽減されるだけでなく、サービス プロバイダーとその顧客企業間で必要となる調整作業にもつながります。また、Cisco ME 3400 シリーズは、顧客機器とサービス プロバイダー ネットワーク間のリンクのモニタリング、リモート障害表示、ループバック、OAM 検出に対応した、IEEE 802.3ah Ethernet in the First Mile(EFM)規格をサポートしています。 REPREP はシスコ独自のプロトコルで、Spanning Tree Protocol(STP; スパニングツリー プロトコル)に代わるプロトコルとして、ネットワーク ループの制御、リンク障害の処理、コンバージェンス時間の改善を実現します。REP は、レイヤ 2 ネットワークの高速かつ予測可能な再コンバージェンス ソリューションを必要とするサービス プロバイダー向けに設計されています。また、REP は VLAN ロード バランシングをサポートするため、冗長リンクを効率的に利用できます。 アプリケーションサービス プロバイダーは、Cisco ME 3400 シリーズ スイッチを使用することで、ETTB および ETTH の両マーケットにおいて、レイヤ 2 VPN サービス、レイヤ 3 VPN サービス、トリプル プレイ サービスといった収益性の高い各種の差別化サービスを提供できます。 トリプル プレイ サービストリプル プレイ サービスは、インターネット アクセス、音声、ビデオ サービスを融合させたサービスのことで、Average Revenue Per Unit(ARPU; ユニット単位の平均収益)を向上させることができることから、サービス プロバイダーによって広く提供されています。また、より多くのお客様を維持することで、トリプル プレイ サービスは新たな価値を生み出します。Cisco ME 3400 シリーズはトリプル プレイ サービスの提供に最適であり、サービス プロバイダーはカテゴリ 5 ケーブルまたは光ファイバを使用して加入者の接続に柔軟に対応できます。サービス プロバイダーは、QoS、マルチキャスト、セキュリティ分野における主要な機能を備えた Cisco ME 3400 シリーズを使用することで、優れたトリプル プレイ サービスを展開できます(図 2)。 図 2 トリプル プレイ サービス インテリジェント イーサネットの境界企業のワイヤリング クローゼット内の TDM 回線に代わってイーサネット回線が使用されるのに伴い、境界デバイスの交換も必要になります。従来、サービス プロバイダーは、境界デバイスを使用して管理責任を分離してきました。境界デバイスによりサービス プロバイダーは、カスタマーのワイヤリング クローゼットまで、回線のあらゆるところでモニタリングおよびトラブルシューティングを行うことが可能になります。Cisco ME-3400G-2CS スイッチは、イーサネットベースのネットワーク向けに同じ機能を提供します。業界標準のイーサネット OAM & P 機能を備えた Cisco ME-3400G-2CS では、イーサネット回線のモニタリングおよびトラブルシューティングをリモートで実行できます。これにより、ネットワーク障害のトラブルシューティングで現場に出向く回数が減るため、運用コストが大幅に削減されます。また、Cisco ME-3400G-2CS は、QoS、イーサネット セキュリティ、マルチキャストなど、Cisco ME 3400 シリーズの他のスイッチと同じインテリジェントな機能も備えています。 レイヤ 2 VPN サービスレイヤ 2 VPN サービスを利用すると、お客様はプライベート接続を使用することなく、サービス プロバイダー ネットワーク経由でリモート オフィスを相互に接続できます。Cisco ME 3400 シリーズには 802.1Q トンネリングや L2TP などの機能が備わっているため、メトロ アクセスでの使用に最適です。Cisco ME 3400 シリーズを使用すると、サービス プロバイダーは大規模〜中規模企業向けにレイヤ 2 VPN サービスを提供できます(図 3)。この場合、一般には、オフィス ビルの地階に設置されて複数のお客様が Customer Located Equipment(CLE; 顧客配置機器)として利用します。 レイヤ 3 VPN サービスIP テクノロジーの普及に従い、レイヤ 3 VPN サービスもまたサービス プロバイダーによって広く提供されています。レイヤ 3 VPN サービスには、各種の伝送テクノロジー、拡張 QoS、高度なセキュリティを、共通のコントロール プレーンで実現できるという利点があります。Cisco ME 3400 シリーズでは、Multi-VRF CE 機能を使用してお客様ごとに個別のルーティング テーブル機能を提供します。これにより、お客様のルーティング情報は確実に分離されます(図 4)。 図 4 レイヤ 3 VPN サービス 主な機能と利点表 4 に、Cisco ME 3400 シリーズの機能と利点を示します。 表 4 機能と利点
製品仕様表 5 に、Cisco ME 3400 シリーズ イーサネット アクセス スイッチの製品仕様を示します。 表 5 製品仕様
電源仕様表 6 に、Cisco ME 3400 シリーズの電源仕様を示します。 表 6 電源仕様
管理および規格表 7 に、Cisco ME 3400 シリーズの管理と規格に関する情報を示します。 表 7 管理および規格
安全性および適合規格表 8 に、Cisco ME 3400 シリーズの安全性および適合規格を示します。 表 8 安全性および適合規格
発注情報表 9 に、Cisco ME 3400 シリーズの発注情報を示します。シスコ製品の購入方法の詳細は、「購入案内」を参照してください。 表 9 発注情報
サービスおよびサポートシスコは、お客様がそのネットワーク サービスを最大限に活用するため、各種サービス プログラムを用意しています。これらのサービスは、スタッフ、プロセス、ツールをそれぞれに組み合わせて提供され、お客様から高い評価を受けています。ネットワークへの投資を無駄にすることなく、ネットワーク運用を最適化しネットワーク インテリジェンスの強化や事業拡張を進めていただくためにシスコのサービスを是非お役立てください。サービスについての詳細は、以下の URL を参照してください。
シスコシステムズでは TCO の削減に取り組んでいます。シスコ製品を効率的に運用してハイアベイラビリティを維持するとともに、最新のシステム ソフトウェアの利点を活用していただけるよう、豊富なテクニカル サポート サービスを用意しています。表 10 に示すサービスおよびサポート プログラムは、シスコ メトロ イーサネット スィッチング サービスおよびサポート ソリューションの一環として提供され、直接シスコから、あるいは代理店を通じてご利用いただけます。 表 10 サービスおよびサポート
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