ホワイトペーパーCisco Catalyst 6500 のエネルギー持続可能性
はじめに国家安全保障、環境、資源の問題により、政府による環境保護の取り組みと奨励策の実施が活発になりつつあります。世界の国、州、地域の政府機関によって施行される政策の結果は、ビジネスにも影響を及ぼします。従来型のエネルギー供給が減少し、よりコストの高い再生可能エネルギーがその代替として利用可能になっていくにつれて、組織にはデータ ネットワークをさらに効率的に展開し、従来よりも厳しい政府の規制を満たして全体的な悪影響を防止することが求められるようになります。 シスコは IT コミュニティに対するこの差し迫った影響を早くから認識しており、この変化の中で組織を支援する製品と新しいテクノロジーの開発を進めてきました。このドキュメントでは、Cisco® Catalyst® 6500 シリーズ スイッチのエネルギー持続可能性について説明します。Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチは、組織が今日の環境要件を満たすと同時に将来の要求にも対応できる柔軟なアーキテクチャを実現できるようにする、最新のテクノロジーを提供します。このホワイト ペーパーでは、次のトピックについて説明します。
省エネルギー組織がより環境に配慮するという目標を達成するための最も直接的な方法の 1 つは、エネルギー効率を高めるソリューションを導入することです。ネットワーク機器に関連した電力は、企業全体の電力消費のほんの一部にすぎません。しかし、Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチは、電源管理やインフラストラクチャの統合において進化を遂げており、IT グループがよりエネルギー効率の高いアーキテクチャを展開できるようにします。これら拡張された機能の一部には、より効率の高い電源、EnergyWise、インテリジェントな電源管理、仮想化などが含まれています。 電源管理:電源の効率 Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチのエネルギー効率に関して、ハードウェアのいくつかの機能が拡張されました。最も顕著な変化は電源の効率です。このスイッチが最初に導入されたとき、電源の効率は 80% 台でした。2003 年の IEEE 802.3af Power over Ethernet 承認に伴って、お客様がデータ及び音声ネットワークの集中を開始したため、データ ネットワークにおける電源送達の需要は劇的に増大しました。これを踏まえて、シスコは Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチ向けにより大容量の電源を開発し、この新たな需要を満たすとともに新しいテクノロジーを活用して、91% 台の効率で電源を提供できるようになりました。図 1 に、6000 W 電源の実際の AC 電源効率曲線を示します。 80% から 90% への変化はあまり大きく感じられないかもしれませんが、このような変化によって生じる環境面および経済面の影響を見てみましょう。 例 1:電源の効率化による節約 384 台の IEEE クラス 3 デバイスを搭載したスイッチ(各 15.4 W )= システム電源はおよそ 5,913.6 W を供給 効率 80% の電源ではおよそ 7,392 W を消費(デバイスあたり 19.25 W) 効率 90% の電源ではおよそ 6,571 W を消費(デバイスあたり 17.11 W) 以上のように、この 1 台のアクセス スイッチでおよそ 821 W の差異が生じます。これらのデバイスに 365 日 12 時間ずつ電源が投入されると、スイッチ 1 台あたり年間でおよそ 3,596 kWh の節約になります。これらのデバイスを 24 時間稼動させている組織では、節約量は 2 倍になります。電力面から見た経済的な節約はかなり明白ですが、環境面での節約はそれほどはっきりしないかもしれません。あらゆる発電形態を考慮したとき、1 kWh の電力でおよそ 0.56 kg(1.25 ポンド) の二酸化炭素が発生します。より効率の良い電源に移行すると、アクセス スイッチ 1 台あたりでおよそ 2,041 kg(4,500 ポンド)の二酸化炭素を削減できます。一般に各国政府は、発生する二酸化炭素の重量に基づいて炭素税を取り入れようとしていますが、電源効率の向上は税負担を抑えることにつながり、純利益を高めることができます。 電源管理:電力利得の向上 電源効率の向上は組織の二酸化炭素排出量削減の最大の動機付けとなり得ますが、一方で Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチのその他のハードウェア改善によっても、より環境に配慮するという目標に近づくことが可能です。より多くのデータをより少ないコンポーネントで動かすことができるため、組織はさらに効率的なアーキテクチャを展開できるようになります。図 2 に、テクノロジーの向上によって電源効率を高めながら、より多くの情報を伝送できるようになった結果を示します。
図 2 Cisco Catalyst 6500 ラインカードにおける GE および トラフィックの利用に基づいてハードウェアの特定部分だけに動的に電力を適用する機能など、さらなる機能拡張に対する取り組みが行われています。これらハードウェアの改良によって、組織は情報に対する要求を解決できるアーキテクチャを展開しながら環境の変化が著しい世界のニーズを満たす、より環境に配慮したインフラストラクチャに移行できます。 電源管理:Cisco Discovery Protocol、LLDP、Power Policing シスコが先行標準の PoE 導入を開始して以来、Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチは、Cisco Discovery Protocol を搭載したデバイスと相互作用して、動的に電力を割り当てることができました。この相互作用では、Cisco Discovery Protocol を用いる 1 台の受電装置(PD)にどのくらいの電力が必要なのかを正確に判定することで、システムがより効率的に PD へ電力を分配できるようになります。たとえば、IEEE クラス 3 のシスコ製電話機がオンラインになると、システムは電力バジェットから 15.4 W を割り当てて IEEE クラス 3 の要件を満たします。この電話機がオンラインになると、システムと電話機は Cisco Discovery Protocol を使用して通信します。この通信には、電話機の実際の電力要件が含まれます。システムは実際の電力要件と最初に割り当てられた電力を比較し、実際の要件がより低い場合は、その要件に合わせて割り当てを変更します。IEEE 802.1ab Link-Layer Discovery Protocol(LLDP)が利用可能になった現在、この機能は Cisco Discovery Protocol を使用できないデバイスにも、将来的に拡張できる可能性があります。 Cisco Discovery Protocol と LLDP に加えて、Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチは、PD をサポートしているポートに割り当てられる電力量を手動で構成する機能に対応しています。この機能サポートは Cisco IOS® ソフトウェア リリース 12.2(33)SXH で開始され、WS-F6K-48-AF PoE ドーター カードが必要です。たとえば、IEEE 802.3af クラス 3 の PD が Cisco Discovery Protocol に対応しておらず、動作に 10 W が必要であるとします。デフォルトで、システムは IEEE 802.3af 規格に準拠してこの PD に 15.4 W を割り当て、電力バジェットから 5.4 W が浪費されます。このとき、電力割り当てをデバイスが実際に必要とする 10 W に手動で設定すると、電力リソースは効率的に利用されます。これによって、組織が必要以上に機器を購入し、より多くの電気回路を稼動させることを防ぎます。 電力管理:Embedded Event Manager(EEM) Cisco Catalyst 6500 向けの Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.2(18)SXF5 で開始された Embedded Event Manager(EEM)機能は、カスタム スクリプトを作成してシステム イベントに基づいたコマンド実行を実現します。最も便利なイベントの 1 つがタイマー イベントであり、その他の環境における CRON 操作と本質的に似ています。このタイマー イベントを利用すると、技術者はスイッチの内部クロックに基づいて特定の時間にスクリプトを実行できます。これは、電源管理において、特に年中無休の環境で大きなメリットが得られます。図 3 に、EEM を利用してよりエネルギー効率の高いインフラストラクチャを提供し、経済的な節約と環境的影響の減少につなげる仕組みの一例を示します。
図 3 時間ベースの Embedded Event Manager(EEM) この例は、経済面のメリットだけを示していますが、EEM を利用してインテリジェントなこの電源管理機能を導入した場合の環境面のメリットも計算可能です。前述したように、1 kWh の電力は約 0.56 kg(1.25 ポンド)の二酸化炭素排出につながります。つまり、この組織は次のような削減を実現できます。 例 2:インテリジェントな電源管理による二酸化炭素削減量 19.23 W1/電話機 × 10,000 台 = 192,300 W 192,300 W ÷ 1,000 = 192.3 kW 192.3 kW × 5,000 時間 = 961,500 kWh 961,500 kWh × 二酸化炭素 0.56 kg(1.25 ポンド)/kWh = 二酸化炭素 545,161 kg(1,201,875 ポンド)を削減!! 不要時に電話機をシャットダウンするスクリプトを使用するだけで、この組織は $85,000 を削減し、二酸化炭素排出量を 600 トン減らすことができます。また、このスクリプトを少し変更して電話機だけでなくその電話機が接続されたラインカードの電源もオフにすると、さらなる削減が実現されます。EEM では、システムによって必要なイベントが検出されると、任意のシステム コマンドを実行する機能が得られます。 電源管理:EnergyWise フェーズ I Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.2(33)SXI4 から、Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチは EnergyWise フェーズ I およびフェーズ II をサポートしています。EnergyWise フェーズ I では、EEM の例のようにインテリジェントな電源管理をすると同時に、施設のインフラストラクチャ全体へそれを拡張できます。EnergyWise は、図 4 に示す分野に対応するためにシスコやその他のベンダーによって実行されている業界全体の取り組みです。
図 4 EnergyWise の機能 EnergyWise は、組織にその電力消費に関する詳細な概要を提供し、変化し続ける環境条件にリアルタイムに反応できるポリシーに基づいて、電力消費を変化させることができます。EnergyWise ポリシーは集中的に管理され、あらゆる EnergyWise エンティティ(EnergyWise ネットワークで通信する任意のデバイス)に配布されます。各 EnergyWise エンティティは、すべての EnergyWise エンティティではなく、その一部のサブセットだけにポリシーが影響するように優先度を割り当てられます。 図 3 に EEM の例を示します。お客様が、緊急時に備えて 1 台の電話機だけ常時オンにしておきたい場合はどうでしょうか。これは、EEM スクリプトを用いて、すべての緊急用電話機をシャーシ内の特定のポート(ポート 48 またはスロット 1 など)に保持する企業ポリシーを持てば、確実に達成できます。この方法では、そのポートを除く全ポートをシャット ダウンするようにスクリプトを作成できます。 では、この企業ポリシーを知らない誰かが電話機を別のポートに移動させて、緊急用ポートに電話機が接続されていない状態のまま放置された場合はどうなるでしょうか。このような場合、電話機はオフラインになり、問題が修正されるまでその場所の緊急サービスはなくなります。EnergyWise では、EnergyWise エンティティが存在するネットワーク内の場所に関係なく、それらに対し個別の優先度を利用することで、この問題を解決できます。図 5 に、EEM で実現可能な時間ベースの PoE ポリシーを、EnergyWise で同じように有効化する仕組みを示します。
図 5 EnergyWise を使用した時間ベースの PoE この例では、EnergyWise 管理アプリケーションが登録済みの EnergyWise ネイバーすべてにポリシーを送信し、優先度が 50 未満のデバイスをすべてシャットダウンするように通知します。つまり、最上位の電話機(たとえば、緊急用電話機)は優先度が 50 を超えているため、影響を受けません。その他の優先度 50 未満のデバイスはすべて、それらが電話機、アクセス ポイント、他の EnergyWise 対応デバイスのいずれであってもシャットダウンされます。誰かが優先度 70 の電話機をネットワーク内の別の場所に移動させても、優先度が変化しないため影響はありません。 電源管理:EnergyWise フェーズ II EnergyWise フェーズ II は、デバイスの監視とポリシー適用の機能を PoE デバイスからラップトップ、デスクトップ、およびサーバへと拡張します。EnergyWise フェーズ II インフラストラクチャの一部として、シスコは Windows OS で実行できるクライアント(その他の OS も今後対応予定)を作成した、Verdiem と呼ばれる企業と提携しています。この Surveyor と呼ばれるクライアントは、EnergyWise 管理システムと通信し、電力情報を報告すると同時に管理システム上で構成されたポリシーを適用します。図 6 に、Surveyor クライアントが EnergyWise インフラストラクチャ内で動作する仕組みを示します。
図 6 EnergyWise インフラストラクチャにおける Surveyor クライアント EnergyWise フェーズ II では、EnergyWise の展開に対応した Cisco EnergyWise Orchestrator 管理インフラストラクチャも導入します。Cisco EnergyWise Orchestrator は、省エネルギーに関するカスタマイズ可能な管理レベル レポートを提供するとともに、IT デバイスの多様な測定、レポート、エネルギー消費の調整に利用できます。Cisco EnergyWise Orchestrator は、EnergyWise を使用しているすべての IT デバイスで電力の状態を制御し、その他のアウトオブバンド プロトコルを使用した包括的な電源管理機能を PC に提供します。この Cisco EnergyWise Orchestrator は、1 台のサーバ上で利用するか、独立した複数の物理サーバ上に複数のサービスをインストールして拡張することが可能です。図 7 に、Orchestrator が EnergyWise インフラストラクチャに組み込まれる仕組みを示します。 電源管理:EnergyWise の将来性 ネットワーク接続された複数の異なるシステムと将来的に相互作用させる計画を立てると、EnergyWise は単一のスクリプトよりも強力なツールになります。適切なアプリケーションや API が利用可能になれば、EnergyWise では PoE デバイスや PC だけでなく、HVAC システムやその他のビル制御システムを管理できるようになります。図 8 に例を示します。 この例では、EnergyWise 管理アプリケーションがビル全体の総電力消費量を監視し、ユーティリティから利用可能な電力と比較しています。電力レベルがあらかじめ定められた利用可能な最大電力量の範囲に到達したり、対象地域が停電のために一時的な電力低下に陥ったりすると、EnergyWise 管理アプリケーションはそれを検出して対処します。あらかじめ定義された対応ポリシーに基づいて、たとえば EnergyWise で次のようなアクションを実行できます。
これらの機能は、EnergyWise の最初の 2 フェーズでは利用できませんが、ネットワーキング、PC、およびビル制御システム産業にわたって、シスコが他のベンダーと取り組みを進めている構想です。Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチはこのようなタイプのネットワークに不可欠な要素であり、EnergyWise のサポートは、グリーン IT の分野でプラットフォームがリーダーとしての役割を維持できるようにする主要な取り組みです。 インフラストラクチャの統合:仮想化 Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチは、組織がより環境に配慮したインフラストラクチャを実現できるようにする、さまざまな仮想化テクノロジーを提供します。仮想化は環境面で最大のメリットを得られる可能性がありますが、多くのお客様は、仮想化を主にセキュリティ目的の分離を実現する手段と見なしています。この理由として、グリーン計画が比較的新しいことも挙げられますが、その一方で、仮想化がこれまで当たり前の手段と見なされてきたことも考えられます。 仮想化について議論するとき、ほとんどの人は MPLS、VRF、サーバ仮想化や、仮想化分野におけるいくつかの新しいテクノロジーなどについて論じます。一方、10 年以上にわたって利用されてきたテクノロジー、仮想ローカル エリア ネットワーク(VLAN)について論じられることはありません。組織が VLAN を利用していれば、それは仮想化を利用していることを意味します。より新しい仮想化テクノロジーのようにエキサイティングであったり、最先端であったりしないかもしれませんが、エネルギー持続可能性の観点からすると、VLAN はそれらのテクノロジーと同様に効果的です。 仮想化の環境的メリットは、組織が顧客基盤の多様なニーズを満たすために 1 つの共通インフラストラクチャを展開することで実現されます。仮想化(MPLS など)を顧客のセグメント化に使用しているサービス プロバイダー、仮想化(VLAN など)を使用して患者データに関する規制要件を満たしている病院のシステム、または仮想化(VRF-lite など)を使用して業務エリアを分割している企業などのお客様を問わず、複数の個別のアーキテクチャの代わりに単一のアーキテクチャを展開してそれぞれの要求が満たされます。 Cisco Catalyst 6500 は、MPLS、VRF-lite、VLAN をサポートしています。Virtual Switching System(VSS; 仮想スイッチング システム)と呼ばれる新しい仮想化テクノロジーが、2008 年に Cisco Catalyst 6500 で導入されました。この新しい仮想化テクノロジーによって、2 台の Cisco Catalyst 6500 スイッチを相互に結合し、1 つのデバイスと見なすことが可能です。その結果、1 つの VSS に接続する複数のデバイスは単一のデバイスと見なされ、VSS の各スイッチにアップリンクを 1 つ接続することで Multi-chassis EtherChannel®(MEC)を形成できます。これは、ネットワーク管理とサポートの観点からすると確かなメリットがあります(HSRP/VRRP のサポートが不要、ループ管理で STP に依存する必要がないなど)が、よりエネルギー効率を高めるという組織の取り組みにもよい効果が得られます。図 9 に、この展開を示します。 組織が、VMware によって提供されるテクノロジーなどでそのサーバ インフラストラクチャの仮想化を続けるにつれ、1 台のサーバが複数のサーバのように動作し始めるため、リンクの使用率は高まり続けます。図 9 のサーバからの各アップリンクが 10/100/1000 の場合、このサーバによって使用される帯域幅は 1 Gbps 近くに達し、ネットワーク管理者は 2 つの選択肢に直面します。1 つ目の選択肢は、インフラストラクチャにサーバを 1 台追加することです。この場合、新しいサーバの電力、冷却、ラック スペース全体を管理する必要が生じます。2 つ目の選択肢は、単純にサーバにアップリンクのペアを追加し、それらを VSS で形成された既存の MEC に追加することです。この場合も電力量と冷却量は増大しますが、サーバ 1 台で使用する NIC 2 枚(またはデュアルインターフェイス NIC 1 枚)に必要な量には遠く及びません。 10 ギガビット イーサネットの進化により、組織はサーバ インフラストラクチャの仮想化を進めて、エネルギー持続可能性をさらに追求できるようになりました。ネットワーク技術者は 1 Gbps のリンク制限を考慮しなくても 1 台のサーバ上の仮想マシン数を最大化することができ、より多くの物理ハードウェアを展開せずに電力量と冷却量の増大に関連したコストの発生を回避できます。Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチは、長年にわたって 10 ギガビット イーサネット ファイバ インターフェイスをサポートしてきましたが、新しい 10GBaseT ラインカード(WS-X6716-10G-3C/3CXL)がリリースされたことで、10G LAN-on-Motherboard(LOM)に向けた業界の移行に追随することが可能です。これによって、シスコのお客様はより簡単かつコスト効率よく仮想化サーバ インフラストラクチャを展開できるようになります。 組織が VMware、MPLS、VLAN、VRF-lite、VSS のいずれを展開していても、仮想化テクノロジーは共通のアーキテクチャで組織のニーズに対応し、エネルギー持続可能性を実現します。Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチの仮想化機能はお客様のニーズとともに進化し続けており、これらのテクノロジーによる新しい環境的メリットが実現されつつあります。 インフラストラクチャの統合:仮想化サービス L2/L3 仮想化に加えて、Cisco Catalyst 6500 は組織のグリーン計画達成を支援し、L4-7 サービスを展開する仮想コンテキストの提供を実現するサービス モジュールをサポートします。ファイアウォール サービス モジュール(FWSM)、アプリケーション コントロール エンジン(ACE)、バーチャル プライベート ネットワーク サービス SPA インターフェイス プロセッサ(VPN サービス SIP)は、それぞれ 250 もの個別コンテキストに分割して、シャーシの任意のポートをサービス対応にすることが可能です。これは、1 台のブレードだけを展開し、それぞれが電力、冷却、ラック スペースを必要とする最大 250 台の個別デバイスに置き換えられるため、エネルギー持続可能性の観点から特に魅力的なメリットとなります。 仮想化サービスの展開を支援するため、Cisco Catalyst 6500 の開発部門では、Borderless Services Node(BSN)と Datacenter Services Node(DSN)という 2 つのリファレンス アーキテクチャを開発しました。Cisco Catalyst 6500 Borderless Services Node(BSN)では、お客様がこの新たなニーズに対応し、統合型モビリティおよびセキュリティに対するお客様のニーズを満たす 8 Gbps の複合サービス処理能力を提供するため、Cisco Catalyst 6500 シリーズ システムを発注できます。このシステムには、VSS 対応の Supervisor Engine VS-S720-10G-3C、FWSM 2 台、ワイヤレス サービス モジュール(WiSM)1 台が含まれます。BSN ソリューションは、FWSM、WiSM、VSS などの主要製品やテクノロジーとアイデンティティを組み合わせて、統合サービス ソリューションを提供する方法を明らかにします。 DSN は Cisco Catalyst 6500 サービス専用のシャーシで、FWSM 3 台と ACE 1 台を収容し、最大 15 Gbps の安全な負荷分散システム スループットを提供します。DSN は、ファイアウォール セキュリティとアプリケーション配布機能を統合し、さらにサード パーティ ソリューションとモニタリング機能を統合することで、クラウド サービスを実現します。 図 10 に、仮想化サービスが組織の効率化の取り組みにメリットをもたらす仕組みの一例を示します。 図 10 では、アプライアンス モデルに従うと、追加された新しい論理サーバ グループごとにロード バランサ 1 組、ファイアウォール、SSL 終端デバイスを追加する必要があることがわかります。つまり、これらがそれぞれ 200 W を消費する場合、追加された論理サーバ グループごとに 1,200 W の電力が余分に必要です。仮想サービス モジュールを使用すると、同じレベルのサポートを達成するには合計 4 台のモジュールが必要となり、総電力は 800 W になります。 組織によっては、200 もの論理サーバ グループは不要で、5 つで良いと判断するかもしれません。この場合、次のような結果になります。 アプライアンス モデル 論理サーバ グループ × 5 ファイアウォール(各 200 W)× 10 = 2,000 W ロード バランサ(各 200 W)× 10 = 2,000 W SSL 終端デバイス(各 200 W)× 10 = 2,000 W 総電力消費量 = 6,000 W(6 kW) 6 kW × 24 時間/日 × 365 日/年 = 52,560 kWh/年 二酸化炭素 0.56 kg(1.25 ポンド)/kWh × 52,560 kWh/年 = 二酸化炭素 29,801 kg(65,700 ポンド)/年 $.12/kWh × 52,560 kWh/年 = $6,307.20/年 仮想化サービス モデル 論理サーバ グループ × 5 ファイアウォール(各 200 W)× 2 = 400 W ACE(ロード バランシング + SSL 終端、各 200 W)× 2 = 400 W 総電力消費量 = 800 W(0.8 kW) 0.8 kW × 24 時間/日 × 365 日/年 = 7,008 kWh/年 二酸化炭素 0.56 kg(1.25 ポンド)/kWh × 7,008 kWh/年 = 二酸化炭素 3,973 kg(8,760 ポンド)/年 $.12/kWh × 7,008 kWh/年 = $840.96/年 仮想化サービス モデルを展開すると、5 つの論理サーバ グループの例のような小規模な展開でさえも、組織はより環境に配慮してより収益を上げるための取り組みにおいて、すぐに利益を得ることができます。冷却量の減少や、たった 4 台のデバイスで満足可能なサービス要件を満たすために 30 台のデバイスを製造する必要がなくなることで環境に対する影響が軽減され、節約される金額も考慮する必要があります。サービスの仮想化という差異を生むテクノロジーを擁した Cisco Catalyst 6500 は、最終収益の増加と二酸化炭素排出量の削減を模索する組織にとって賢明な選択肢です。 運用効率直接計測可能な環境へのメリットを提供できる省エネルギーとは異なり、運用効率は定量化がより困難です。Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチは、2 つのプラットフォームの拡張性と長期のライフサイクルによって示されるように、長い間持続可能な運用という哲学を堅持してきました。 プラットフォームの拡張性 Cisco Catalyst 6500 の柔軟なモジュラ アーキテクチャによって、完全なネットワークの総点検を実施する必要はなくなり、プラットフォームの機能を拡張することができます。新しく Supervisor が加わったことで、新機能のメリットを生かすためにシャーシ全体をアップグレードする必要もなくなって、従来のラインカードに新たなサービスを提供できるようになりました。これは、業界トレンドが 100 Mbps から 1 Gbps、そして 10 Gbps へと変化するに伴って、ネットワークの進化し続けるニーズに対応した新しいインターフェイス モジュールを開発するだけで、プラットフォームは適応可能であることを意味します。Cisco Catalyst 6500 は、異なる世代のインターフェイス モジュールを 1 つのシャーシで共存できるため、組織はより円滑に次のアーキテクチャへ移行できます。つまり経済的な観点からすると、「成長に合わせた投資」というテクノロジー移行哲学に対応することで、IT グループは新しいテクノロジーを低コストで実装できるようになります。また、エネルギー持続可能性の観点からは、電子廃棄物の量を大幅に削減できることを意味します。次に例を示します。 例 3:プラットフォームの拡張性による電子廃棄物の削減 2001 年 XYZ 社は、サーバへの 10/100 接続とアップリンク用マルチ Gbps ポート チャネル(Supervisor 2 GBIC インターフェイスを使用)を提供する、データセンター サーバ集約デバイスとして Cisco Catalyst 6500 を購入します。その構成の定価(米ドル)は、次のようになります。 6509 シャーシ(各 $9,500)× 1 = $9,500 2500 W 電源(各 $3,000)× 2 = $6,000 Supervisor(各$ 28,000)× 2 = $56,000 48 ポート 10/100(各 $18,000)× 6 = $108,000 合計 = $179,500 2004 年 2001 年以降の業務拡大と 2 社買収のため、XYZ 社はデータセンター サーバの半分を 10/100/1000 にアップグレードして、拡大したデータ要求を満たす必要があります。また、ネットワークのトラフィック要求に対処するため、10 Gbps アップリンクを提供する必要があります。 2008 年 XYZ 社は VMware を使用したサーバ仮想化を実行しており、リンク使用率が増加する一方で、物理サーバ数は半減しています。現在、スパニング ツリーと HSRP を有する標準の L2 インフラストラクチャを所有していますが、ネットワークでビデオ トラフィックが増大しているため、より堅牢で管理しやすいインフラストラクチャが必要です。 2004 年に、XYZ 社は新たな要求を満たすため、次のものを購入します(定価は米ドルで、潜在的な下取り金額を含みません)。 ファン トレイ 2(各 $500)× 1 = $500 Supervisor 720-3B(各 $28,000)× 2 = $56,000 4 ポート 10GE(各 $20,000)× 1 = $20,000 48 ポート 10/100/1000(各 $15,000)× 3 = $45,000 合計 = $121,500 Cisco Catalyst 6500 は同じシャーシ内で異なる世代のモジュールを運用できるので、XYZ 社はシャーシ内にすべての 10/100 ラインカードを維持しながら、より高いデータ要件を実現できます。さらに、モジュールをアップグレードする必要はなく、IPv6、MPLS、GRE、Enhanced uRPF など、Supervisor 720 の新しい機能を従来の 10/100 ポートに適用することが可能です。この機能が Cisco Catalyst 6500 になかった場合、XYZ 社は新しいシャーシ、電源、および追加のラインカード 3 枚を購入して、従来のラインカードに置き換えなければなりません。これは、このプロジェクトのコストがスイッチ 1 台あたりで $50,000 以上増加する計算となります。また、XYZ 社は従来の機器を活用する代わりに不要機器として廃棄する必要があるため、電子廃棄物が増加します。さらに、新しいシャーシ、電源、ラインカードを製造して XYZ 社に納品する必要があるため、プロジェクト全体が環境に及ぼす影響も増大します。 2008 年に、XYZ 社は保有する Cisco Catalyst 6500 をアップグレードして VSS をサポートし、より堅牢なアーキテクチャでビデオ ニーズ拡大に対応することにしました。この目標を達成するため、次のものを購入します(定価は米ドルで、潜在的な下取り金額を含みません)。 Supervisor 720-10G(各 $38,000)× 1 = $38,000 合計 = $38,000 XYZ 社のサーバ数は仮想化によって半減されているため、残りの 48 ポート 10/100 モジュールは下取りすることが可能です。VSS モードでは、Supervisor 720-10G を購入する前のシステム構成のシステム コンポーネント、2004 年に購入した 4 ポート 10GE および 48 ポート 10/100/1000 ラインカード、2004 年に購入したファン トレイ 2、2001 年に購入した 6509 シャーシがサポートされます。2008 年の時点で VSS モードは VSS の各シャーシで単一の Supervisor だけに対応していたため、1 台の Supervisor 720-3B は下取りまたは再展開することができます。Cisco Catalyst 6500 のアーキテクチャでは、既存のシャーシ、ラインカード、および電源を交換する必要がないため、XYZ 社は(スイッチ 1 台あたり)$75,000 以上を節約することができ、また同じ理由で電子廃棄物の量も大幅に削減できます。 ライフサイクルの延長 Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチは業界最高レベルの投資保護を提供すべく開発されているため、現在展開しているアーキテクチャを組織の進化ニーズとともに増分的に変更できます。これによって成長に合わせた実装が可能となり、IT 部門はコストを削減しながら(例 3 を参照)より迅速に新しいテクノロジーを展開し、グリーン計画の目標達成に向けて取り組みを進めることができます。図 11 に、Cisco Catalyst 6500 および Cisco Catalyst 4500 プラットフォームの寿命を示します。 革新的なビジネス手法エネルギー持続可能性の取り組みを実現して収益を高めるため、組織はビジネス行動を変化させ始めています。Cisco WebEx® 会議、Cisco TelePresence™ 会議、ユニファイド コミュニケーションなどのリモート コラボレーション テクノロジーによって、組織は作業環境の利用をより効率化すると同時に、実際の移動を減らして通信をより確実にする業務モデルを実現できるようになります。Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチは、その堅牢なアーキテクチャと QoS ポートフォリオによって、これらの取り組みをサポートするアーキテクチャの不可欠な一部を構成しています。 リモート コラボレーション テクノロジーのサポート Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチは、組織がより環境に配慮したスペース利用へ移行できるようにする、コラボレーション テクノロジーをサポートします。これらのテクノロジーのほとんどは、高品質の通信を維持するためにエンドツーエンドから保証される必要がある、高帯域幅、高優先度のトラフィックを中心に展開しています。raw 帯域幅の観点で、Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチはこれらの進化するテクノロジーのニーズを満たします。Cisco Catalyst 6500 は、各システムあたり最大 720 Gbps 、VSS(仮想スイッチング システム)利用時で最大 1.44 Tbps をサポートします。これは、1 スロットにつき専用の 80 Gbps(双方向)、VSS で 700 Mpps 以上を実現する分散フォワーディング テクノロジーを提供することで達成します。 ネットワーク全体を通じて保証された伝送を必要とするコラボレーション テクノロジーを、プラットフォームが適切にサポートできるかどうかを判断する場合は、raw 帯域幅以外の要素も考慮する必要があります。インフラストラクチャの Quality of Service(QoS)も同様に重要です。Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチはハードウェアベースの QoS メカニズムを搭載しており、輻輳条件が生じた場合も優先度の高いトラフィックがネットワーク全体で確実に伝送されます。これは、各ポートに対して完全優先キューをインプリメントし、そこに優先度の高いコラボレーション トラフィックが配置されることで実現されます。完全優先キューのトラフィックは、常に優先度の低いキューのトラフィックよりも先に送信され、必要時に優先度の高いトラフィック向けに完全なリンク帯域幅を保証できます。 優先度の高いコラボレーション トラフィックのサポートにおいて、最後の主な考慮点はネットワークのアベイラビリティです。コラボレーション トラフィックは遅延の影響を受けやすく、ネットワークの停止から迅速に復旧でき、かつトラフィックにほぼ、またはまったく影響せずにアップグレードをサポートできる、ネットワーク アーキテクチャを必要とします。Cisco Catalyst 6500 は、冗長 Supervisor、冗長電源、ラインカードの活性挿抜など、ハードウェア アベイラビリティ機能をサポートします。また、リンク障害時にトラフィックを瞬時に迂回させる、EtherChannel、Equal Cost Multi-Path(ECMP)、および MMEC(VSS のみ)を使用したリンク冗長性もサポートします。 ソフトウェアのアベイラビリティについて、Cisco Catalyst 6500 は Non-Stop Forwarding と Stateful Switchover(NSF/SSO)をサポートし、冗長 Supervisor の間で瞬時のステートフル フェールオーバーを実現します。12.2(33)SXI とそれ以降のコードを搭載した Cisco Catalyst 6500 では、デュアル Supervisor システムでソフトウェア アップグレードの影響を緩和する、Enhanced Fast Software Upgrades(EFSU)をサポートしています。VSS で EFSU を使用すると、アップグレード処理中に VSS の少なくとも 50% が常に利用可能な状態に保たれます。 リモート コラボレーションが環境に及ぼす影響 Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチは、コラボレーション テクノロジーをサポートし、組織の環境への取り組みを支援するために必要な機能とアーキテクチャの堅牢性を備えています。次に、シスコがこれらのテクノロジーを利用してより環境に配慮した組織への移行を進める仕組みの一例を示します。 シスコは、大部分を Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチに基づいて、スイッチング インフラストラクチャに新しいコラボレーション テクノロジーを積極的に取り入れてきました。図 12 から図 14 に、これらのテクノロジーを展開して Cisco Virtual Office を実現した結果、シスコが得た環境的効果を示します。
図 14 シスコでの Cisco Virtual Office 図 12 から図 14 の数字は、新しいコラボレーション テクノロジーが最終収益に大きな効果を発揮し、環境目標の達成に大きく貢献できることを示しています。Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチには、組織がこれらの利益を実現するために必要なアーキテクチャと機能が揃っており、また新たなテクノロジーが生まれてもプラットフォームがこのサポートを継続できるように、新しい機能とアーキテクチャの開発が進められています。 まとめ21 世紀の歩みを進めるにつれ、人類の環境に対する影響について人々の認識が変化した結果、組織はより環境に配慮することが求められるようになりました。これらの変化する認識に応えて、各国政府はすでに国家安全保障、環境および資源の懸念に対処するため、より厳格な環境政策の制定を開始しています。これらの政策に準拠しながら収益効果を上げるため、組織はより高いエネルギー持続可能性レベルを持つ、データ ネットワークへの移行方法を模索しています。 Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチは、組織のこのような移行を実現可能にする数々のソリューションを提供します。シスコは新たな課題が生じるにつれて、新しいエネルギー効率に優れたテクノロジーを開発し続けます。改善された電源管理とインフラストラクチャの統合、プラットフォームの拡張性、長期のライフサイクルを利用した運用効率、そして新しいコラボレーション テクノロジーから生まれた革新的なビジネス手法を通じて、省エネルギーの向上に努めるため、21 世紀の環境目標を達成する必要がある組織に、Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチは適しています。 1この数字は、電源および PoE 変換効率によって異なります。
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