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この製品情報では、Cisco® Catalyst® 6500シリーズ スイッチのモジュール型Cisco IOS®ソフトウェアで使用できる拡張機能を示します(図1)。
モジュール型Cisco IOSソフトウェアを搭載したCatalyst 6500シリーズは、最先端のソフトウェア インフラストラクチャによって、運用の効率化とダウンタイムの最小化を実現します。Cisco IOSをモジュール化して分割し、それぞれが独立したプロセスとして稼働させることで、次のことが実現できます。
図1 モジュール型Cisco IOSソフトウェアを搭載可能なCisco Catalyst 6500シリーズ
Catalyst 6500シリーズは、Policy Feature Card(PFC;ポリシー フィーチャ カード)またはDistributed Forwarding Card(DFC)上のASICによるハードウェア ベースのフォワーディングを実行します。Catalyst 6500シリーズのコントロール プレーン機能は、Multilayer Switch Forwarding Card(MSFC;マルチレイヤ スイッチ フィーチャ カード)コンプレックスの専用CPUで実行されます。
データ プレーンが完全に分離されているため、コントロール プレーンに障害が発生しても、ハードウェアを動作させるのに必要なソフトウェア機能が維持されるかぎり、トラフィック フォワーディングは継続します。また、冗長スーパーバイザ エンジンを使用すると、Catalyst 6500シリーズのNon-Stop Forwarding(NSF)やStateful Switch Over(SSO)機能により、アクティブなスーパーバイザ エンジンにハードウェア障害が発生した場合でもデータ プレーンの処理を継続することができます。
図2アーキテクチャ
モジュール型Cisco IOS ソフトウェアでは、複数のサブシステムを組み合わせて個々のプロセスが構成され、Cisco IOSソフトウェアのメモリ アーキテクチャの強化が図られています。これは、プロセスレベルでの障害分離を可能にし、サブシステムISSU機能を提供するためです。これらの拡張機能は、Catalyst 6500シリーズのSupervisor Engine 720とSupervisor Engine 32のCisco IOSソフトウェアで実現されており、ネットワーク オペレータがこれまで使用してきた豊富な機能性や動作環境はそのまま維持されています。Cisco IOS Software Modularityは、Cisco IOSソフトウェア リリース12.2(18)SXFで最初に提供される予定です。詳細については、リリース ノート(英語)を参照してください。http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/lan/cat6000/relnotes/index.htm
一貫した管理性
モジュール型ソフトウェアはCatalyst 6500シリーズのCisco IOSソフトウェアにさまざまな拡張機能を提供します。ただし、運用面において必要な変更はありません。SNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)やSyslogなどの管理インターフェイスおよびCLI(コマンドライン インターフェイス)はこれまでと同じです。新しい機能をサポートするために、showコマンドの他にEXECモードやコンフィギュレーション モードにコマンドが新しく追加されています。ソフトウェア リリースおよびリビルドはこれまでと同じで、新しくパッチがサポートされています。
保護されたメモリ領域
モジュール型ソフトウェアのメモリ アーキテクチャでは、プロセスは保護されたアドレス領域を使用できます。各プロセスと関連するサブシステムは、個別のメモリ領域を使用します。このパラダイムを使用すると、複数のプロセスにまたがるメモリの破損は事実上発生しません。
障害の封じ込め
プロセスごとに保護されたメモリ領域を使用することで、アベイラビリティが向上します。これは、1つのプロセスに不具合が発生してもシステムの他の部分が影響を受けずに済むためです。たとえば、比較的クリティカルではないシステム プロセスに障害が発生したり、異常があることが判明した場合でも、パケット フォワーディングを維持するのに必要とされるクリティカルな機能が影響を受けることはありません。
プロセス リスタート機能
メモリ領域の保護と障害の封じ込めによって、モジュール化されたプロセスが個別にリスタートできるようになっています。テストを行う場合やプロセスが応答しない場合に備えて、プロセスを手動でリスタートする新しいCLIコマンドが用意されています。この機能を使用すると、フォワーディングを中断せずに一時的なエラーから迅速に復旧できます。統合型ハイアベイラビリティ インフラストラクチャは、プロセスの状態を常にチェックし、一定の期間内にプロセスがリスタートされた回数を記録します。プロセスをリスタートしてもシステムが復元しない場合、ハイアベイラビリティ インフラストラクチャはスーパーバイザ エンジンのスイッチオーバーやシステムのリスタートといったより抜本的な処理を行います。
モジュール化されたプロセス
最も一般的な機能をカバーするよう、さまざまなコントロール プレーンの機能がモジュール化されています。次に、モジュール化されたプロセスの例を示します。
サブシステムIn-Service Software Upgrade(Subsystem ISSU)
メモリ領域の保護とプロセス リスタート機能の最大の利点は、ソフトウェアの稼働中に変更を加えられることです。モジュール化ソフトウェアではCisco IOSソフトウェアのインフラストラクチャの拡張により、個別のパッチを使用したシステムの選択的なメンテナンスが可能です(パッチは単一の更新プログラムで、1つまたは複数のサブシステムに適用されます)。バージョニングおよびパッチ管理機能が用意されているため、モジュール化ソフトウェアでは、システムをリスタートせずに、パッチのダウンロード、検証、インストール、およびアクティブ化を行うことができます。パケット フォワーディングに影響を与えることなく、パッチを適用できるので、ネットワーク オペレータはソフトウェアをいつでも柔軟に変更できます。パッチは更新が必要なコンポーネントにのみ作用するため、ネットワーク管理者は、ソフトウェアの更新に関係する部分を再確認するだけで済みます。
モジュール型Cisco IOSソフトウェアは、次のCisco Catalyst 6500シリーズ スーパーバイザ エンジンのソフトウェア アップグレードによって使用可能になります(表1)。
表1 サポートされるスーパーバイザ エンジン
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Cisco IOS Software Modularity 12.2(18)SXFビルドの最小メモリ要件は次のとおりです(表2)。
表2 メモリ要件
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詳細については、リリース ノートを参照してください。http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/lan/cat6000/relnotes/index.htm
モジュール型Cisco IOSソフトウェアをサポートするイメージは、Cisco.comからダウンロードできます。また、次の製品IDを使用して発注することもできます(表3)。
表3 製品ID
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その他の情報については、リリース ノート(英語)を参照してください。http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/lan/cat6000/relnotes/index.htm