スイッチ

Fast Ethernet 100-Mbps Solutions

Nihon Cisco Products & Ordering
Catalyst5000/5500シリーズ
Fast Ethernet 100-Mbps Solutions

M arch 1996

イントロダクション

 このテクノロジブリーフでは,Fast Ethernet テクノロジについて述べ, Fast Ethernet のデザインおよび移行オプションに関して記述し,シスコシス テムズのFast Ethernet 関連製品について説明します.

 高性能なパーソナルコンピュータやワークステーションが利用可能になり, また,Ethernet テクノロジが導入されることによって,ローカルエリアネッ トワーク(LAN)は成長してきました.その結果,かつてメインフレームコンピュー タ上でしか動作しなかったようなアプリケーションが,現在ではLAN 上で実行 できるようになっています.高速ネットワークへの要求およびネットワークへ の接続性への要求は瀕迫したのもになってきています. しかし,既存のアプ リケーションや新世代のマルチメディアやグループウェア,イメージそしてデー タベースは,従来の10Mbps(Mega Bit Per Second) の大域幅をもつEthernet で構成されるネットワークをすぐに破綻させてしまいます.快適なパフォーマ ンスを得るためにより高速なLANを必要とするアプリケーションが今まで以上 に登場してくることにより,ネットワーク管理者は高速LAN構築のためのに何 度か選択を余儀なくされます.

 従来のEthernetの設備をもつ組織ならば,ネットワークの速度を100Mbpsに 増やす新しいLANテクノロジへの投資を惜しまないことでしょう.この傾向は, 企業におけるFast Ethernet への移行に拍車をかけることになりました.

Fast Ethernet の発展

 1993年7月,ネットワーク関連企業が共同して Fast Ethernet Allianceを結 成しました.このグループは,IEEE の 802.3u 100BaseT の仕様の概要を作成 すること,そして Fast Ethernet のテクノロジを早く市場に受け入れてもら う努力をすることをチャーターとして掲げていました.1995年6月に最終的な IEEE 802.3u の仕様書が承認されました.このグループでは, Fast Ethernet テクノロジはEthernet トランスミッションプロトコルであるCarrier Sense Multiple Access Collision Detection (CSMA/CD) を利用して広く利用されて いるケーブリング構造をサポートし, 上位層プロトコルおよびLANワークステー ション上のソフトウェアの変更を必要としないことも目標としていました.例 えば,Fast Ethernet を構築することによって,Simple Network Management Protocol (SNMP) や,Management Information Bases (MIB) への変更が必要 になることはありません.

 シスコは,IEEE 802 委員会における候補に投票し,また1994年12月にシス コが買収した会社である KalpanaがFast Ethernet 委員会の一員として参加 することにより,Fast Ethernet 仕様の基本的,また付加的な機能の開発に実 質的な貢献をしました.例えば,シスコは100BaseTX 物理層において, Multi-Level Transmit (MLT-3) ラインエンコーディングテクノロジを提供し ました.このテクノロジによって,Fast Ethernet やFDDI のような 100Mbps の伝送スピードがカテゴリ5 unshielded twisted pair (UTP) ワイヤ上で利用 可能になります.さらにシスコは,物理層の外部トランシーバをサポートし, 10BaseTにおけるAuxiliary Unit Interface (AUI) に相当する Media Independent Interface (MII) の仕様を提供しました.また,シスコは 10Mbps Ethernet 標準のための全二重オペレーションの仕様を提供し,後にそ れを Fast Ethernet 標準に対しても提案しました.

Fast Ethernet テクノロジ

 Fast Ethernet あるいは 100BaseTは,いわゆるEthernet に変わりありませ んが,伝送速度が10Mbpsではなく100Mbpsと高速になっています.Fast Ethernet は改良された CSMA/CD Media Access Control(MAC) プロトコルに基 づいており,既存の 10BaseTのケーブルを用いることができます(ピン配列お よび表は付録を参照してください).プロトコル変換やアプリケーションやネッ トワークソフトウェアの変更を必要とせずに,10Mbps から100Mbps の速度で データの伝送が可能です.

データリンク層

Fast Ethernet は,Ethernet トランスミッションプロトコルであるCSMA/CDを 利用しています.しかしFast Ethernet はそれぞれのビットを10Mbps の要因 で転送していた時間を減少させ,パケットの伝送速度を 10Mbpsから100Mbpsへ 引き上げることを可能にしています.プロトコル変換せずに,データは Ethernet と Fast Ethernet 間を行き来することができます.これは,Fast Ethernet が 10BaseT のフレームフォーマット,フレーム長とともに,エラー 制御機能を持っているから可能なのです.

 100VG-AnyLan やFDDI,非同期転送モード(ATM) など他の高速ネットワーク テクノロジは,10BaseTから(あるいは10BaseTへ)データが送られたときにプ ロトコル変換が必要な異なるプロトコルを用いて,100Mbps 以上の高速な伝送 速度を提供しています.この場合のプロトコル変換とは,フレームがレイヤ2 LAN スイッチを通過するとき,上位レベルにおけるフレームの変更も必要とす るということです.

物理層メディアオプション

 Fast Ethernet は,UTP,シールド付きツイストペア線,ファイバなど 10BaseTのような,さまざまな種類のメディア上で利用することが可能です. Fast Ethernet の仕様は,メディアの種類ごとに異なる物理サブレイヤを定義 しています:

  • 100BaseT4: 4対の音声レベルあるいはデータレベルカテゴリ3, 4,5 UTP ワイヤリング
  • 100BaseTX: 2対のデータレベルカテゴリ5 UTP とSTP ワイヤリング
  • 100BaseFX: 2本の 62.5/125 μmマルチモードファイバ
 多くの場合,既存のワイヤを交換せずに100BaseTのテクノロジへアップグレー ドすることが可能です.しかし,ネットワークの一部または全体にカテゴリ3 UTP ワイヤリングを導入する場合には,Fast Ethernet を導入するための4対 のUTPが利用可である必要があります.

100BaseT のMII 層は,これらの物理層とCSMA/CD MAC 層とを統合し,1つにしています(図 1).MII は,すべての100BaseT 物理サブレイヤにも対応する外部トランシーバをサポートする1 つのインターフェースを持っています.物理コネクションのために,ルータ,スイッチ,ハブ,アダ プタ,トランシーバなどの40ピンコネクションを持つFast Ethernet デバイスにMII は実装されて います(ピン配列図とコネクタ形状は付録を参考にしてください).シスコシステムズはMII の仕様 を提供しています.

物理層シグナリング構造

 各物理サブレイヤは,それぞれのメディアタイプに適したシグナリング構造 を利用しています.100BaseT4 は3対のワイヤを100Mbpsの送信用に,そして 4対目はコリジョンの検出に利用しています.この方式によって,100BaseT4 シグナリングから各対当たり33Mbpsに伝送速度は下がり,カテゴリ3, 4, 5 ワ イヤリングに最適なものとなります.

100BaseTX は,1対のワイヤを送信用に利用し(4B5B エンコーディングの125Mhz の80% が有 効となり)残りの対をコリジョンの検出と受信用に利用しています.100BaseTX と 100BaseFX 物 理シグナリングチャネルは,ANSI X3T9.5 委員会によって開発され承認されているFDDI物理層に 基づいています.100BaseTX はカテゴリ5UTP 上のFDDI の仕様としてシスコが開発し,ANSI X3T9.45委員会に提供したMLT-3 ラインエンコーディングシグナリング構造を利用しています.今 日MLT-3 は,カテゴリ5UTP上のATMのためのシグナリング構造としても利用されています.

図1:MAC層におけるMIIロケーション

ケーブリングの距離

 100BaseTX および 100BaseT4 仕様は,10BaseT と同様にワイヤリングクロー ゼットからデスクトップまでの距離を100メートルに制限していますが,ファ イバは100BaseFX の代わりに UTP を用いているため,その距離を100メートル 以上にすることができます.100BaseFX は,長いケーブルをサポートしている ため,ワイヤリングクローゼットとキャンパスの建物間を接続する手段として 利用されているものです.図2に1つの建物における典型的なワイヤリングト ポロジを示します.

図2:Fast Ethernet トポロジガイダンス

  10Mbps Ethernet と同様,リピータを介して異なるタイプのワイヤを接続させ ることが可能です.100BaseT の仕様は,クラス I とクラス II という,2つ のタイプのリピータを定義しています.ほとんどの場合,コリジョンドメイン は1つのクラス I か,2つのクラス II リピータを持つことができます. Fast Ethernet はスタートポロジ上に実装されていますが,リピータとともに 用いても,ネットワークの直径は,パケットの伝送速度が10倍になることに反 比例して,10Mbps Ethernet のものよりも小さくなります. 例えば,2つの クラス II リピータを用いた場合,銅線で接続するとクラスII リピータまで の最大距離は100メートル,クラスII リピータ間は 5メートル,デスクトップ までは 100メートルになります.

 異なるメディアタイプおよびリピータを混在させて使用した場合のネットワークの最大直径を表1 に示します.スイッチおよびルータはワイヤリングクローゼット間のネットワーク直径を拡げるため に使用できます.

表1:最大距離パラメータ
モデル 銅線 銅線とファイバ 銅線
DTE-DTE(リピータなし) 328¢(100μ) N/A 1312'(400μ)
クラスI。ピータ× 656'(100μ) 754.4'(230μ) 787.2'(240μ)
クラスIIリピータ×1 656'(200μ) 934.8'(285μ) 1043'(318μ)
クラスIIリピータ×2 672.4'(205μ); (656'[200μ]カテゴリ3) 695.3'(212μ) 741.2(226μ)

Fast Ethernet のオプション機能

全二重

 全二重テクノロジは双方行通信を提供することにより,バンド幅を200Mbps まで引き上げます. つまり,各片方向通信ごとに100Mbps のバンド幅が利用可能になるのです.全二重はまた,2つ のDTE 間を接続するファイバケーブルの距離を,最大2キロメートルにまで拡張することが可能で す(表2を参照してください).

表2:ケーブリングと距離パラメータ
物理層オプション ケーブル仕様   ケーブル長(メートル)
100BaseTX ・カテゴリ5UTP, 2対 ・100半/全二重
・タイプ1および2STP,2対 ・100半/全二重
100BaseT4 ・カテゴリ3,4,5 UTP 4対 ・100半/全二重
100BaseTX ・62.5/125 マルチモードファイバ/2 ・400 半二重
・2000全二重

共有されたネットワーク上のコミュニケーションを円滑にするために必要なコリジョン検出とループ バックの機能を切り捨てることによって,全二重通信は実現されています.スイッチだけが,直接接 続されたワークステーションやサーバに対して全二重を提供できます.共有された100BaseT のハ ブはエンドステーション間におけるコリジョンを半二重上で検出する必要があります.バックボーン コネクション上に 100BaseT を実装したほうが,クライアントコネクション上に実装するよりもは るかに快適なパフォーマンスを得ることができます.なぜなら,クライアント⁄サーバ型アプリケー ションは,読み出し⁄書き込みという非対称の通信を行うものだからです.

自動ネゴシエーション

100BaseT 仕様は,自動ネゴシエーションプロセスについて規定しています. 自動ネゴシエーションとは,各ネットワークリンクのエンドノードが自動的に 自分に関する情報を交換し,相互に通信を可能にするための設定を行うもので す.例えば自動ネゴシエーションを用いることにより,100Mbps のハブが 10Mbps のアダプタに接続されているのか,それとも100Mbps のアダプタなの かを検出し,それに応じて制御のモードが調節することも可能です.

 自動ネゴシエーションは,10BaseT, 100BaseT, 100BaseTX, 100BaseT4 など, 双方のデバイスで利用可能な上位物理層テクノロジを識別する Fast Link Pulse(FLP) バーストを利用しています.また,接続された機器のうちの1つが 自動ネゴシエーションをサポートしていなかったとしても,半二重⁄全二重 1BaseT, 半二重⁄全二重100BaseTX, および100BaseT4 の各物理層の認識を可 能にする parallel detection 機能することを自動ネゴシエーションは規定し ています.

 フロー制御はリンクバイリンクあるいはエンドツーエンドベースに実装され, パス上のすべてのデバイスが受け取るデータの量を削減します.フロー制御は 全二重およびデータリンク層の MAC サブレイヤを超えた部分に関わるため, 方式および標準は,IEEE 802.3x 委員会で論議中です.

 Link-to-link フロー制御は,スイッチあるいはステーション間の単一のリ ンクしか調べません.受信者がビジーになると,受信者は直接接続されている 発信元にシグナルを送ります.もし,その発信元がトラフィックの発生源でな い場合には,そのシグナルは発生源に伝わるまで,各リンク上に伝播されます. この問題を根本的に解決するためにはコリジョンの原因となったトラフィック の特定が必要ですが,そのためには上位層のプロトコルが必要になります.

 エンドツーエンドフロー制御とは,トラフィックの発生源であるステーショ ンのあるリンクへ接続されているスイッチの通信量を抑えることです.この情 報が伝播されている間は,パケットはストアされるか,もしくは捨てられるか しなければなりません.つまり,フロー制御は必要となるバッファを少なくは するものの,その必要性をなくすことはしません.

 すべての高速ネットワークテクノロジに共通するように,ネットワーク管理 者は管理するネットワークの速度を維持するために必要となる十分なバッファ スペースをもつ製品を選択するべきです.大きなバッファがあれば,送られて きたデータはワークステーションがそれを受け取るまで,バッファ内にストア されます.方式および標準は,現在IEEE 802.3u 委員会で論議中です.

他の高速ネットワークテクノロジ

 ネットワークを高速ネットワークテクノロジに移行しようとしているネット ワーク管理者は,いくつかのオプションを選択することができます.例えば, Copper Distributed Data Interface(CDDI)/FDDI, ATM, 100GV-AnyLAN などで す.表3に示すように,ほとんどのネットワークはこれらのテクノロジを組み 合わせて利用します.

表3:High-Speed LAN テクノロジの比較
機能 100BaseT 100VG-AnyLAN CDDI/FDDI ATM LANスイッチング
FastEthernet
データレート 100Mbps 100Mbps 100Mbps 25~622Mbps 10または
4/16Mbps
アクセス方式 CSMA/CD demand -priority token passing Cell base LAN-based switching
switching
フレームサイズ 64~1500bytes 64~16KB 64~2500bytes 53bytes 64~8Kbps
サービス 非同期 同期 同期 Isochronous, 非同期
および非同期 および非同期 同期,
および非同期
ネットワーク直径 672.4'(205μ) 984'(300μ) 328'(100μ)~ 328'(100μ)~ N/A
18.6mi(30km) 数マイル(km)
管理 SNMP, SNMP MIB SMT, SNMP Proprietary MIB, SNMP
Ethernet MIB SNMP Ethernet MIB
コスト 低価格 低価格 低価格化中 やや高価格 高価格
対故障性 Spanning tree   Dual homing Multiple paths Spanning tree
MAC ring  
応用 デスクトップ デスクトップ デスクトップ バックボーン デスクトップ
ワークグループ バックボーン ワークグループ WAN, LAN, ワークグループ
バックボーン マルチメディア バックボーン マルチメディア バックボーン
デスクトップ

CDDI/FDDI は,銅線ワイアリング (CDDI) とファイバ (FDDI) 上で動作するトー クンパッシングを利用した 100Mbps テクノロジです.100VG-AnyLAN は,4 対 のカテゴリ 3 UTP ケーブル上のデマンドプライオリティプロトコルを利用し た 100Mbps テクノロジです.ATM は,155Mbps 以上の伝送速度を持ち,単一 のネットワーク上で音声やデータ,動画などのマルチメディアトラフィックを 制御するセルベースのテクノロジです.

100BaseT を用いたデザイン

 Fast Ethernet を利用して,さまざまな方法でインターネットをデザインす ることができます.これから示すLAN デザインの例は,単独で用いることもで きますし,組み合わせることもできます.まずはじめのデザインは,ハブとルー タが混在している 10Mbps LAN スイッチングです.例えば,スイッチはハブを 分割することによって,ネットワークトポロジを変更せずに シェアード LAN のパフォーマンスを向上させることができます.企業内のクライアント⁄サー バのパフォーマンスを向上させるためには,多数の10Mbps のEthernet セグメ ントからのトラフィックをまとめている LAN スイッチ上のFast Ethernet イ ンターフェースに直接接続します.これらのトラフィックは,Fast Ethernet インターフェースを持つルータを介してネットワークに接続されます.

 ネットワーク管理者は,サーバとルータを接続するために,最低2つの ス イッチ機能を持つFast Ethernet インターフェースを持つ LANスイッチングプ ラットフォームを選択するべきです.さらに,ワイアリングクローゼットに接 続するためのファイバ(10Base-FL) と,クローゼットとキャンパスの建物間を 接続するための長距離ファイバ (100BaseFX) の両方をサポートしているスイッ チングプラットフォームを選ぶべきでしょう(図3を参照してください).

図3. Front-End Hubs with Switching, Fast Ethernet Server, and Backbone Links

  次のデザインでは,10Mbps LAN switching が,エンドステーションに対する 専用のバンド幅とバーチャルLAN (VLAN) サービスを提供しているデスクトッ プに統合されています.図4に示すように,Fast Ethernet インターフェース を用いて LAN スイッチを互いにリンクさせ(カスケード),多数ポートを持 つネットワークを構築することが可能です.

図4. Fast Ethernet を用いたデスクトップへの10Mbps スイッチング

 データセンタでは,スイッチングプラットフォームは多数のポートを持つ Fast Ethernet を提供するべきですし,また コラプスドスイッチのように利 用するために,VLAN をあらゆる Fast Ethernet 上に拡張できなければなりま せん.さらに,多数のポートを持つ Fast Ethernet は「サーバファーム」と 呼ばれるようなアプリケーションのために,データセンタ内の複数のサーバを 接続している必要があります.

 一般的なVLAN プロトコルをサポートしているスイッチとルータを利用した ネットワークを持つ企業は,VLAN を会社中に拡張することが可能です.また, Ethernet および Fast Ethernetコネクション上の,全二重をサポートしてい るスイッチとルータを利用することにより,さらにパフォーマンスを向上させ ることが可能です.

 3つ目のデザインは,共有されたFast Ethernet のバンド幅をデスクトップ に統合し,ユーザアプリケーションが100Mbps というバーストデータを利用す るのを可能にするものです.この速度を必要とするユーザがさほど多くないな らば,Fast Ethernet のバンド幅を快適に利用することができます.図5に例 を示します.

図5. スイッチングを用いたフロントエンド Fast Ethernet ハブ

 最後のデザインは,Fast Ethernet スイッチングをデスクトップに統合し, 高パフォーマンスのPC やワークステーションのユーザに 100Mbps の速さのア クセスを提供するというものです.いくつかのアダプタのベンダは,最近 10Mbps Ethernet アダプタの約2倍から3倍の価格の Fast Ethernet 製品を 発表しています.このデザインを図6に示します.しかし,Fast Ethernet テ クノロジを大規模に利用する場合には,アダプタに必要となる費用は現在の 10Mbps と同レベルまで安くなることが望まれます.LAN スイッチングプラッ トフォームは,相互接続された ATM スイッチに1つ以上のATM アップリンクを 追加することが可能であるべきです.

シスコシステムズの製品

 シスコシステムズは既存の10BaseTネットワークと共存した形のFast Ethernet  エンタープライズネットワークを低い費用で構築するためのルー ティングおよびスイッチング製品のファミリを提供しています.シスコは互換 性のあるプラットホーム,ソフトウェア,マネージメントツールを通じて, Fast Ethernet へ移行するために有効な製品を提供します.

 これらを1つにまとめたものが Cisco Internetwork Operating System (Cisco IOS ソフトウ ェアです.Cisco IOS は,シスコの基礎となるネットワーキングソフトウェアであり,異なるタイ プのプロトコルやLAN が混在するインターネットワーク環境でさまざまなルーティングおよびスイ ッチングの機能の利用を可能にします.  シスコは,アメリカのニューハンプシャー大学で行われた 10BaseT, 10BaseFL Fast Ethernet 標準の適応性テストに参加しました.シスコシステ ムズおよび他のベンダがこのテストに参加したことにより,テストを受けた製 品間の相互接続性が促されました.シスコは,他のベンダのアダプタとシスコ のLAN スイッチとの互換性のテストを自社の研究室で行うことを約束しました. これからも,シスコは Fast Ethernet テクノロジの拡張を続け,Fast Ethernet機能の定義においてリーダ的立場をとり続けます.

図6. デスクトップへの Fast Ethernet

ルータ

 ハイエンドルータであるCisco 7000ファミリ用のFast Ethernet Interface Processor(FEIP) は,全二重および半二重オペレーションをサポートする1な いしは2つの100BaseTX のポートを持っています.Cisco Catalyst 5000 スイッ チに関しては,FEIP は多数の10Mbps LAN をまとめて,それらのLANに対して 高速のルーティングサービスへのアクセスを提供します.各FEIP 100BaseT イ ンターフェースは100BaseTX への接続のための1つのRJ-45 ポートと, 100Base FX と100BaseTX 物理サブレイヤに接続可能な外部トランシーバを持 つDB-40 MII ポートを持っています.すべてのFEIP インターフェースはVLAN をサポートするため,ネットワーク管理者は,スイッチとルータを利用して論 理的に企業全体のワークグループを構成することが可能になります.

LAN スイッチ

 Cisco Catalyst 5000 スイッチングシステムは内蔵されているCisco IOS の 提供する機能によって多数ポートを持つスイッチングとVLAN をサポートしま す.Catalyst 5000 アーキテクチャは,10Mbps Ethernet, 100Mbps Fast Ethernet, CDDI/FDDI , Fast Ethernet へのバックボーンコネクション, CDDI/FDDI とATM へのコネクションをサポートします.Catalyst 5000 のシャー シは,サーバおよびルータへのコネクションのための2つの Fast Ethernet インターフェースを持つ,最大で 96 の全二重または半二重10BaseT に適応す ることが可能です.さらに,Catalyst 5000 は最大 50 までの全二重または半 二重 Fast Ethernet インターフェースをサポートしています.VLAN のための 機能とリモートモニタリング(RMON)の統計情報を統合することによってスイッ チングパフォーマンスを最大にするために,Catalyst 5000 は各Ethernet イ ンターフェース上のapplication- specific integrated circuit (ASIC) コン トローラを利用しています.Catalyst 3000は高パフォーマンスを提供する, スタッカブルなスイッチングプラットフォームです.Catalyst 3000 は,最大 192個までの10Mbps Ether ポートと 16 個までのFast Ethernet コネクティビ ティをサポートしていますので,Fast Ethernet コネクションの数が少なくて, 10BaseT へのコネクションが多く要求されるようなネットワーク環境に最適で す.Catalyst 3000 スタッカブルスイッチングシステムは,Catalyst 3000, Catalyst 3000 マトリックス,スタック用インターフェースの3つの要素から 構成されています.Catalyst 3000 マトリックスは複数の Catalyst 3000の接 続に用いられ,スタック用インターフェースはCatalyst 3000 マトリックスへ のコネクティビティを提供するための拡張モジュールです.Catalyst 3000 の 拡張スロットは, 100BaseTX, 100BaseFX, 100VG-AnyLAN, ATM モジュールの いずれかの利用が可能です.100BaseTX と 100BaseFX ポートは全二重が利用 可能です.

 Cisco Catalyst 5000 とCatalyst 3000は多数の全二重および半二重のアダプタとの相互運用テス ト済みです.

管理ツール

 シスコはルータおよびスイッチの管理のために以下のツールを提供しています :

CiscoWorks ルータおよびスイッチのデバイス,障害,パフォーマンスの管理のための幅広 い機能を提供するネットワーク管理アプリケーションシリーズです
CiscoViewCiscoWorks の一部として機能し,ルータおよびスイッチのシャーシおよび構成 要素をグラフィカルに表示するアプリケーションです.CiscoView アプリケーションは,設定, パフォーマンスモニタリング,基本的なトラブルシューティングをサポートしています.
ネットワーク管理者が論理的なユーザグループに基づいてネットワークの設定を行い,それら のグループのネットワーク全体を論理的かつグラフィカルに表示することを可能にするための, マウスオペレーションベースのアプリケーション
Cisco LAN スイッチに埋め込まれたRMON のための,トラフィックを監視,解析するアプリ ケーション

まとめ

 Fast Ethernet テクノロジは,主なネットワーク製品のベンダから利用可能 になっています.100BaseT 標準は,多くのネットワークで利用されているケー ブルである10Mbps Ethernet および FDDI テクノロジ上で動作します.Fast Ethernet は,ハイパフォーマンスなバックボーンスイッチとローカルなワー クグループサーバとして,またデスクトップが共有し,またスイッチされたバ ンド幅を提供するための集中したサーバファームを構築するためのルータに対 する高速のリンクとして普及していくでしょう.

付録:インターフェースとコネクタ  表4に,MII の4つ目のConnector Contact Assignments を示します.

表4:MII Connector Contact Assignmentsピンシグナル名
ピン シグナル名 ピン シグナル名
1 +5V 21 +5V
2 MDIO 22 Common
3 MDC 23 Common
4 RxD<3> 24 Common
5 RxD<2> 25 Common
6 RxD<1> 26 Common
7 RxD<0> 27 Common
8 RxDV 28 Common
9 Rx_Clk 29 Common
10 Rx_Er 30 Common
11 Tx_Er 31 Common
12 TxClk 32 Common
13 TxEn 33 Common
14 TxD<0> 34 Common
15 TxD<1> 35 Common
16 TxD<2> 36 Common
17 TxD<3> 37 Common
18 Col 38 Common
19 CRS 39 Common
20 +5V 40 Common

図7は,10BaseT および100Mbps 用のRJ-45 のピン配列を示し,図8はMII コネクタの様子を示 します.

図7

図8