ホワイトペーパーCisco Catalyst 4500 シリーズ Supervisor Engine 6-E CenterFlex テクノロジー要約Cisco® CenterFlex テクノロジーは、Cisco Catalyst® 4500 シリーズ Supervisor Engine 6-E の心臓部にある中央集中型 ASIC(特定用途向け集積回路)によって実現した技術革新です。このテクノロジーが、ネットワーク パフォーマンスの向上、投資の保護、革新的な新機能へのニーズに対応します。Cisco CenterFlex テクノロジーによってシステム帯域幅は最大 320 Gbps、スループットは最大 250 Mpps となります。Cisco Catalyst 4000 ファミリおよび 4500 ファミリのクラシック ライン カードと共に使用でき、1999 年に発表されたライン カードの QoS(Quality of Service)機能を強化することも可能です。Cisco Catalyst 4500 シリーズ Supervisor Engine 6-E CenterFlex テクノロジーは、既存のハードウェアに新機能を追加すると同時に、ネットワーク接続されたシステムの能力を増強することによって、お客様に利点をもたらします。 イントロダクション大企業の IT 部門にとって、ネットワークは、重要なアプリケーションをサービス指向アーキテクチャ(SONA)の一部として配布するためのプラットフォームであるという認識が高まりつつあります。このような傾向から必然的に、新しいアプリケーションの要件を満たすためにネットワークの処理能力を増強し続けることが求められます。その要求に応えるため、CenterFlex テクノロジーは、スーパーバイザ エンジンの単純なアップグレードを通してスイッチ全体のハードウェア処理能力をアップグレードできるように作られています。 Supervisor Engine 6-E CenterFlex テクノロジーでは、このニーズに応えるために、単純なアップグレードの枠組みが採用されています。ネットワーク要素の集中化コンポーネントにすべてのインテリジェンスを結集することで、この 1 つのコンポーネント(このケースでは、Cisco Catalyst 4500 スイッチのスーパーバイザ カード)をアップグレードするだけでシステムの処理能力を大幅に向上させることが可能になりました。つまり、将来的にスーパーバイザ エンジンに新たな機能が追加されていっても、スイッチとライン カードへの投資は保護されます。 Cisco Catalyst 4500 ファミリには、既存のライン カードへの投資を保護する一方でパフォーマンスや機能を増強させてきたという実績があります。たとえば、1999 年に発表された、Cisco Catalyst 4000 のクラシック ライン カードは、最新の Supervisor Engine 6-E とともに使用することもでき、この次世代のスーパーバイザ エンジンの新機能が活用されます。 Supervisor Engine 6-E と CenterFlex のお客様にとっての主な利点
CenterFlex テクノロジーがもたらす技術革新
CenterFlex テクノロジーの概要CenterFlex ASIC は、3 つのデバイスで構成されます。IPP(Intelligent Packet Processor)は、受信パケットを受け取り、保管して再送信します。VFE(Very Fast Forwarding Engine)は、パケット記述子を使用してサービスやスイッチングを適用します。VFE をサポートする TCAM4(Ternary Content Addressable Memory)は、1 秒間に 10 億のルックアップ結果を返すことができます。 Supervisor Engine 6-E の業界最先端の ASIC テクノロジーを使用することで、CenterFlex テクノロジーは前世代の Cisco Catalyst 4500 スーパーバイザ エンジンの 4 倍のスロット処理能力を実現します。このアーキテクチャは 90nm というサイズであるため、回路が高密度になり、中央のスーパーバイザ エンジンにより多くの機能が搭載されます。1999 年以降に発表されたどのライン カードでも、ライン カード経由で実行されるアプリケーションで、ハードウェアによる IPv6 処理、柔軟な QoS メカニズム、TCAM 領域の動的サイズ変更などの機能を利用できるようになります。 Supervisor Engine 6-E CenterFlex 対応の TCAM4 では、メモリの各ブロックがマスク幅に合わせて自動的に構成されます。これによって、IPv4 と IPv6 のフロー マスクの混在が可能となり、通常稼働中に TCAM のマスク枯渇が生じることを防ぎます。TCAM4 は 1 回の検索につき 4 つの結果を処理するので、たとえばアクセス コントロール リスト(ACL)、QoS、およびレイヤ 3 のルックアップを同時に実行できます。TCAM4 は、Cisco Carrier Routing System(CRS-1)の将来のバージョンにも組み込まれる予定です。 各ライン カードは、パケットを処理せずにスーパーバイザ エンジンに送信します。E シリーズのライン カードの管理は、インバンドではなく専用のシリアル接続を通して行われます。CenterFlex は、「スタブ(Stub)」ASIC を搭載するクラシック ライン カードでも、「XgStub」ASIC を搭載する E シリーズ ライン カードでも動作します。 XgStub では、CenterFlex ASIC と同様に 90nm プロセスが使用されています。48 ポート カード上では 2:1 オーバーサブスクリプション、24 ポート カード上ではライン レートがサポートされます。* * 2008 年第 1 四半期リリース IPP は、ライン カードからパケットを受け取り、パケット バッファに保管します。また、VLAN タグとヘッダーの解析も行います。IPP から VFE にパケット ルックアップ記述子(PLD)が送信されます。VFE では、多数のルックアップが並行して行われます。VFE は、レイヤ 2 ルックアップとスパニング ツリー プロトコルを管理します。さらに、入力分類と QoS ルックアップを実行します。また、レイヤ 3 ルックアップと出力分類を行います。最後に、送信キュー記述子がキュー メモリに入れられ、パケット送信記述子が IPP に返されます。パケットは、IPP から適切な出力ライン カードに送信されます。このアーキテクチャを図 1 に示します。
図 1 CenterFlex テクノロジー Supervisor Engine 6-E には 24 の PCB レイヤがあるのに対し、Cisco Catalyst 4500 Supervisor Engine IV では 18、Cisco Catalyst 4000 Supervisor Engine II では 16 です。ボードが使用する電圧レベルが 20 種類であるのに対し、Supervisor Engine IV では 8 種類、Supervisor Engine II では 4 種類です。表 1 に、Cisco Catalyst 4500 の各世代の比較を示します。 表 1 スーパーバイザ エンジンの比較
CenterFlex の利点CenterFlex は、さまざまな方法でハイアベイラビリティを実現します。まず、ライン カードとスーパーバイザ エンジンのコンポーネント数が減少したことで、MTBF(平均故障間隔)が大幅に向上しています。CenterFlex テクノロジーを搭載した Supervisor Engine 6-E の MTBF は、200 万稼働時間を超えます。 また、ノンストップ フォワーディング/ステートフル スイッチオーバー(NSF/SSO)* テクノロジーを通して、予定外の停止を防止します。CenterFlex と NSF/SSO を組み合わせることで、ハードウェアが故障して冗長スーパーバイザ エンジンへのスイッチオーバーが必要になった場合でも、レイヤ 2 とレイヤ 3 の隣接関係を維持できます。 * 2008 年第 1 四半期リリース さらに、プラットフォームのソフトウェア拡張のための計画的なメンテナンス時間を短縮するために、CenterFlex では ISSU(In-Service Software Upgrades)* が使用されます。ISSU を使用することで、ソフトウェア アップグレードによるトラフィック中断は 200 ミリ秒未満になります。 Cisco Catalyst 4500 プラットフォーム上のすべてのトラフィックは、送信元から送信先インターフェイスまで同じパスをたどるので、システムの遅延プロファイルは決定論的です。遅延がわずか 3 マイクロ秒である CenterFlex テクノロジーは、コラプスト コア/ディストリビューションおよびアクセス ロールの扱いに優れています。 CenterFlex のスイッチ インテリジェンスは、スーパーバイザ エンジン カードに結集されています。これによって、3 スロット モデルの 116 ポートから 10 スロット モデルの 388 ポートまで、コスト効率に優れたシステム拡張性を実現しています。 CenterFlex テクノロジーによって、構成されているアプリケーションに合わせた動的な TCAM ブロックの割り当てがサポートされます。たとえば、IPv6 の使用時は大きな TCAM ブロックを使用します。これまでの世代の TCAM とは異なり、メモリは 32 のブロックに分割され、IPv4 または IPv6 に合わせて自動的にサイズが変更されます。これにより、IPv6 の構成時に最大数のルートをサポートできるようになります。 言うまでもなく、CenterFlex テクノロジーを中心にネットワークを構築する最大の理由は、投資の保護です。下位互換性と上位互換性に関して他に例を見ない実績を持つ Cisco Catalyst 4500 製品ラインは、ネットワーク投資保護の基準を打ち立てました。たとえば、1999 年に購入されたクラシック ライン カードは、現在でも Cisco Catalyst 4500 シリーズのシャーシおよび CenterFlex 対応の Supervisor Engine 6-E とともに使用することができます。一般的な構成では、最新の CenterFlex スーパーバイザ エンジンへのアップグレード時に、お客様の初期投資の最大 85% が保護されます。このようなアップグレードを通して、スーパーバイザ エンジンの新しいソフトウェア機能およびハードウェア機能をクラシック ライン カードで利用できるようになっています。 柔軟性は、CenterFlex テクノロジーの重要な特徴です。スーパーバイザ エンジンのアップグレード時に、システム全体が新機能を受け継ぎます。たとえば、Supervisor Engine 6-E では、1 ポートあたりのハードウェア キューの数が 4 から 8 に増えています。* スーパーバイザ エンジンのアップグレードが完了すると、1999 年に導入されたクラシック ライン カードでも 1 ポートあたり 8 キューの機能を利用できるというところに、アーキテクチャの柔軟性が現れています。 CenterFlex によって実現される機能USB サポートCisco Catalyst 4500 では、プラットフォームとの間のコードの移動の点で柔軟性が向上しています。外部コンパクト フラッシュ メモリ ポートに加えて、新しい Supervisor Engine 6-E は USB(Universal Serial Bus)ポートを装備しています。この USB ポートは、ソフトウェア、構成、およびログ ファイルをコピーするときに利用できます。* FAT ファイル システム内部および外部ストレージ メディアで使用されるストレージ システムに変更が加えられ、柔軟性はさらに向上しています。Supervisor Engine 6-E では、Microsoft Windows コンピュータと同じ FAT ファイル システムが使用されるので、CenterFlex プラットフォームとの間のソフトウェア、構成、およびログ ファイルの転送が容易です。 * 2008 年第 1 四半期リリース システム パフォーマンスの向上Cisco Catalyst 4500 E シリーズ シャーシとライン カードを CenterFlex テクノロジーと組み合わせると、システム全体のパフォーマンスが劇的に向上します。1 スロットあたりの帯域幅は 24 Gbps に増加し、システムの合計帯域幅は 320 Gbps に増加します。この構成での転送パフォーマンスは 250 Mpps まで増加します。 コンポーネント パフォーマンスの向上Supervisor Engine 6-E のオンボード メモリは、1 GB まで拡張できます。高速の CPU(Cisco Catalyst 4500 シリーズ Supervisor Engine V-10GE では 800 MHz であるのに対し 1.2 GHz)と組み合わせると、メモリの拡張によってコントロール プレーン処理が高速になります。CPU とのデータ通信を高速化するために、Supervisor Engine 6-E では、CPU と FPGA(Field Programmable Gate Array)との間に 10 ギガビット接続が使用されます。 処理能力の向上CenterFlex テクノロジーにより、IPv4 のルート テーブル サイズは以前の 128K ルートから 256K ルートに増加しています。また、ICMP パケットと IP オプション付きパケットをハードウェアでルーティングすることも可能です。これによって CPU 負荷が軽減し、DoS(Denial-of-Service)攻撃の可能性が低下します。 ハードウェアによって実現される機能E シリーズおよびクラシック ライン カードのパフォーマンスを向上させるために、CenterFlex VFE ASIC では他にもハードウェアの付加価値機能が多数採用されています。たとえば、IPv6 ユニキャストおよびマルチキャスト、uRPF(Unicast Reverse Path Forwarding)、および IP ソース ガードはすべてハードウェアで処理されます。CenterFlex Supervisor Engine 6-E にアップグレードすれば、このような新しいハードウェア機能をすべてのクラシック ライン カードで利用できるようになります。 QoS の強化新しい Supervisor Engine 6-E には、QoS に関する機能強化が多数含まれています。CenterFlex テクノロジーによって、これらの新機能を Cisco Catalyst 4500 ファミリのすべてのライン カードで利用できるようになります。QoS に関する機能強化のなかで最も重要な点は、QoS 機能の構成が MQC(Modular QoS Command Line Interface)標準に準拠するようになったことです。これによって、Cisco Catalyst 4500 の構成方法が他のシスコ プラットフォームに揃えられ、トレーニングやサポートの必要性が減少します。MQC を通して利用できる機能の 1 つに、QoS グループがあります。この機能を使用すると、レイヤ 2 およびレイヤ 3 の特性に基づいてトラフィックを分類し、グループ ID を付けることができます。このグループ化されたトラフィックに、共通の出力ポリシーを適用することが可能です。 QoS に関するもう 1 つの機能強化により、Supervisor Engine 6-E を経由して利用できる 1 ポートあたりのキュー数が倍増します。* キューイングのキャパシティが増大し、Supervisor Engine IV、V、および V-10GE で利用できる 1 ポートあたりのキュー数は、以前の 4 から 8 になります。CenterFlex テクノロジーによって、すべてのクラシックおよび E シリーズ ライン カードを含むシステム上のすべてのポートで、1 ポートあたりのキュー数が 8 キューに増加します。さらに、キューは固定ではなく、構成可能です。デフォルトでは、各ポートは 1 つのキューに対応します。追加のキューは、管理者の定義に従って各種サービス クラス用に構成されます。Supervisor Engine 6-E では、1 つのプライオリティ キューと 7 つの追加キュー、および 2 つのしきい値がサポートされます。 Supervisor Engine 6-E では、キューの深さも構成可能です。* これにより、Cisco TelePresence やユニファイド コミュニケーションなどのサービス クラスで大量のトラフィック バーストをバッファすることや、アプリケーションのニーズに合わせることができます。システムで利用可能な 512K キュー エントリのうち、最大 8184 キュー エントリ(パケット)を 1 つのキューに割り当てることができます。 * 2008 年第 1 四半期リリース システムの柔軟性向上に伴い、3 種類のポリサーが利用できるようになりました。シングル レート 2 色ポリサー、シングル レート 3 色ポリサー、およびデュアル レート 3 色ポリサーです。Supervisor Engine 6-E では、ポリサーは 2K 単位で入力方向または出力方向として構成できます。 IPv6 のサポートCenterFlex テクノロジーによって、システム内のすべてのポートが IPv6 ユニキャストおよびマルチキャスト トラフィックのハードウェア転送をサポートできるようになります。さらに、IPv6 ACL はハードウェアベースになり、処理効率が高まります。このサポートは、E シリーズ ライン カードに加えて、1999 年以降に発表されたすべての Cisco Catalyst 4000 および 4500 シリーズのクラシック ライン カードが対象です。 Supervisor Engine 6-E では、ハードウェアでの IPv6 マルチキャスト サポートと共に、IPv6 MLD(Multicast Listener Detection)スヌーピングが採用されています。IPv4 のときと同様に、この IGMP スヌーピングによって、マルチキャスト データはそのデータを受け取ろうとするポートのみに送信されるようになります。 ハードウェア マルチキャスト サポートマルチキャスト サポートが強化され、マルチキャスト エントリ数は以前の 64K から 128K に増加しました。さらに、CenterFlex テクノロジーによって、IPv6 マルチキャスト サポートのために MLD(Multicast Listener Discovery)バージョン 2 が利用可能になります。 ハイアベイラビリティCenterFlex テクノロジーは、7 スロットおよび 10 スロット シャーシの Supervisor Engine 6-E 冗長構成をサポートします。2 つのスーパーバイザ エンジン間のコントロール トラフィックのドロップを防ぐために、スーパーバイザ エンジン間には専用のギガビット コントロール接続が使用されます。 メモリ破損によるエラーを防止するために、2 つのテクノロジーが実装されています。1 つは、CenterFlex メモリのパリティ保護です。パリティ保護によって、メモリ内のビット エラーの検出と訂正が可能になります。2 つ目のテクノロジーは、CPU パケット エンジン FPGA 内のソフト エラーの検出と訂正です。この 2 つの新機能によって、お客様のクリティカルなアプリケーションのためのシステムの可用性がさらに高まります。 まとめ企業は、コストを抑制しながらネットワークの処理能力を高めることを必要としています。Supervisor Engine 6-E だけが提供する CenterFlex テクノロジーのような中央集中型アーキテクチャにより、ホストをアップグレードし、新機能を追加してパフォーマンスを向上させることができます。 Supervisor Engine 6-E と CenterFlex テクノロジーの組み合わせでは、非常に高度な中央集中型のアーキテクチャが採用されています。多数の柔軟な構成機能が新たにネットワークに追加され、中央集中型の処理能力が向上すると共に、元のシステムへの投資の大部分が保護されます。 関連情報ネットワークへの投資を保護しながらネットワークの処理能力を向上させる CenterFlex とその独自の能力の詳細については、http://www.cisco.com/jp/product/hs/switches/cat4500 を参照してください。 |
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